小鳥の翼
優しき貴女
願う事は私も同じ
追い風という
風に乗りたい
そう
ふたりは飛び方さえ
知らずに育った小鳥
巣の中で
さえずるだけの小鳥
風がささやくよ
飛び出せば飛べる
羽ばたく翼は
差別をしない
ふたりの翼はまだ
眠ったまま
朝を待っている
AUGST 11, 2001
私の夏
今年の夏も
静かさの中
私の視線から遠のいて行く
大きな海はなく
遙か波の音さえ
聞くこと出来ず
空に青さも少なく
遠くで風の音だけが
聞こえていた
足音たてずに去り行く
私の夏に
小声でささやく
来年も来てね と
あなたを感じて二度目の夏
三度目 四度目 何度目も
あなたを感じる夏で
ありたいと
AUGST 13, 2001
動かぬ空
三十七度の暑さの中
風も何処かで
涼んでいるのでしょうか
いくつもに分かれた
わた雲の群れは
身動きしない
視界の中で
世界を止めている
日傘と日傘のあいだから
空を眺めると
黙っているのでしょうか
いくつもに分かれた
わた雲の群れは
無言の空と
戯れあって
世界を止めている
エンジン音とため息の中
汗を流した人間だけが
時を刻んでる
そんな夏の日
夢は空でなく ここにある
AUGST 14, 2001
美雨さんの「この涙が枯れるまで」に投稿しました。
男の子と女の子
恋って生まれる?
恋って落ちる?
恋って無くなる?
恋って唯の夢中だね
恋って痛むの
恋って寂しいの
恋って祈るの
恋っていつも夢の中
AUGST 15, 2001
ふる里の夏
ふる里持たない
私の夏によみがえる
カタカタ 音を立て
鼻緒下駄で歩いた日
花を待つのは夜の道
手を取る兄さん
幼き夏がよみがえる
ボンボン 鳴りわたり
肩車で眺めた日
花が咲くのは夜の川
遠き花火の音で
私の夏がよみがえる
パタパタ 風おくり
うちわ風で見つめた日
花が開くは夜の空
あの道 あの川 あの夜空
どれもふる里
私のふる里 夏の空
AUGST 16, 2001
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