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ERIC CLAPTON

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 エリック・クラプトン(出生名:Eric Patrick Clapton) 1945年3月30日イングランド サリー州 リプリーの生れ。
十代後半からアマチュアでバンド活動をしていて、`63年18歳時にヤードバーズに Top Topham. (トップ・トーパム) の代わりとしてギターリストで参加。翌年3月にロンドンの Marquee Club (マーキー・クラブ) で録音されたライヴ演奏が秋にレコード化、これがクラプトン、そしてヤードバーズとしての正式レコードデビュー盤と成っています。クラプトン19歳の時です。
 その後有名な話として、ヒット曲志向に向いたヤードバースに嫌気がさしてジョン・メイーオールのバンドに加入しています。
 1966年にJack Bruce、Ginger Bakerと組んで、ライヴで即興演奏を披露するなどロック界では先駆的な試みで、一躍世界中で好評価を受けたスーパーグループ [Cream] を結成、活躍しました。
 この時代、間違いなくロック界では世界一の評価を受けていたギターリストだったでしょう。その後、クラプトンに憧れていたジミ・ヘンドリックスが現れて暫く後にはジミ・ヘンドリックスがロック界最高のギターリストとしての評価を受け、21世紀に入ってからも亡くなったジミの評価は不動です。
 それでもクラプトンを始めヤードバーズ出身の三大ギターリストの評価は常にランキング2位から5位以内には入っている状態です。

 ただ、ギターリストとしての評価と「楽曲の好き嫌い」「楽曲のセールス」等とは別なのでしょう。
わたしの場合、このサイトを立ち上げた2000年時点で、ヤードバーズ、第二期ジェフ・ベック・グループや初期のレッド・ゼッペリンの曲は何度も繰り返し聴いていましたが、クリームやブラインド・フェイスの曲はほぼ聴かなく成っていました。
 三人の事をまとめ、記し始めてからこのクラプトン・ページだけは「盤の写真と盤のデータのみ」を記入したまま長らく手付かずの放置でした。
 ヤードバーズ時代など、他の人のバンドやセッション盤ページはそこそこ更新して出来ているのに、クラプトンのソロ時代、自身がリーダーと成っているバンドのこのページだけは進みませんでした。
 どうもクラプトンに関しては`70年代までで、`80年代以降はクラプトンのソロとしての新譜の追いかけを止めているのです。

 ヘロイン中毒、アルコール依存症などに陥った事も有り、精神的に虚ろなクラプトン、ブルーズ一辺倒でなく時にはいろいろなジャンルに入り込んで(誘いこまれて?)今なお活動を続けています。
 膨大な発表曲が既に存在していて、完璧なコレクションにはまず成らないでしょうが、このページを未完成のままに終わらせたくはないので、黒人ブルーズに夢中に成っていた時代の若きギターリストだったクラプトンを聴きながら、記していこうと思います。


【LP盤時代】
 クラプトンが自身の意思で組んだ最初のグループが1966年結成の Cream 。クラプトン以外はまだまだ無名だったふたりと組んだバンドでベースのJack Bruce (ジャック・ブルース)はジョン・メイオールのバンドがキッカケで顔見知り、Ginger Baker (ジンジャー・ベイカー) はAlexis Korner's Blues Incorporated (ブルース・インコーポレイテッド) というバンド在籍時にジャック・ブルースと一緒だった事で、クラプトンと繋がる事に成って行きました。ブルーズをベースに知り合った三人ですが、ジャック・ブルースは元々、ジャズから入ったミュージシャン、ジンジャー・ベイカーはどちらかと云うとヘヴィーなロックが嫌いなミュージシャンと出てくる音はそれなりに納得いくサウンドでした。

 『FRESH CREAM』`66年12月に発売されたデビューアルバム。`60年代の英盤アルバムはアメリカで発売時に曲順を変えたり曲数を減らしたりすること多々ありましたが、日本盤は概ね英盤オリジナルの方に準じていました。ウィリー・ディクソンの "Spoonful" やスキップ・ジェイムスの "I'm So Glad" 等ブルースマンの楽曲のロック化が印象深いです。LP盤時代では最も最後に買ったクリームのアルバムでした。

 『DISRAELI GEARS』日本盤は『カラフル・クリーム』といったジャケットデザインからイメージで付けられていました。
"Sunshine Of Your Love" と "Strange Brew" がシングル化されてどちらもヒットしています。ファーストではジャック・ブルースがヴォーカルを殆どの曲で担当していましたが、このセカンドではクラプトンもかなりの曲で参加していてこの2曲はソロ転向後も何度か披露しています。前作よりもブルース色はかなり減少しています。一番最初に買ったクリームのアルバムですが、最初はかなり傷の多い中古盤入手でしたので、後に英盤に買い替えています(Po;ydor 594-003)。

 『Wheels of Fire (In the Studio)』『Wheels of Fire (Live at the Fillmore)』日本でのタイトルは『クリームの素晴らしき世界』、当初は2枚組で発売される予定が発売時は2枚の別々LP盤として出され、その後は本来の2枚組が流通していた様です。
どちらもプロデュースはこの後にマウンテンのベーシストと成る Felix Pappalardi (フェリックス・パパラルディ)。
 私的な購入順序としては、解散後に発売されたライヴ盤2種よりもかなり後に購入しています。
 スタジオ録音の方はロンドンとニューヨークのスタジオで成され、ライヴの方はサンフランシスコでの録音。ライヴ盤の方で彼らの演奏力を評価されましたが、聴く機会が多いのはスタジオ録音盤の方でその中の "White Room" はシングルヒット盤としてクリーム全体では一番ヒットした楽曲ではないでしょうか?

 『GOODBYE CREAM』音楽的評価の高かったバンドながら、ジャック・ブルースとジンジャ・ベイカーの関係が上手く続かずに解散することが1968年夏ごろには決まっていて、その様な中で10月に録音されていたラスト・アルバム。11月には正式解散、発売は翌年2月にリリースされています。
 クラプトンがビートルズのジョージ・ハリスンと交友が始まった時期でジョージは [L'Angelo Misterioso] 名義で "Badge" 一曲のみにリズム・ギターで参加、曲もクラプトンと共作しています。"Politician" の曲調を優しくした感じのサウンドです。(ビートルズも翌1970年4月10日に解散しています)

 『BLIND FAITH』邦題は『スーパー・ジャイアンツ』、クリームの実質ラストアルバムが発売された年に、トラフィックのキーボーディスト Steve Winwood (スティーヴ・ウインウッド) とセッションをしている中にジョンジャー・ベイカーが加わり、バンド気運が高まりベースにファミリー在籍中の Ric Grech (リック・グレッチ)をスカウトしてブラインド・フェイスを結成しています。
 たった一枚のアルバム発表で分解したスーパーグループでしたが、わたしはクリームのサウンドよりも気に入っていました。トップの "Had To Cry Today" を特によく聴いていたのを思い出します。改めて聴き返してもやはり聴き応えのある褪せない演奏です。同じウィンウッドの曲では "Can't Find My Way Home" の方が人気はありますが、私的にはこのトップ曲の方がお気に入りです。

FRESH CREAM DISRAELI GEARS WHEELS OF FIRE IN THE STUDIO
FRESH CREAM
(1967, UK original-1966)
[Cream]
(Japan) Polydor MP-2253

A
1. N.S.U.
2. Sleepy Time Time
3. Dreaming
4. Sweet Wine
5. Spoonful
B
1. Cat's Squirrel
2. Four Until Late
3. Rollin' And Tumblin'
4. I'm So Glad
5. Toad
DISRAELI GEARS
(1968, UK original 1967)
[Cream]
(Japan) Polydor MP-1390

A
1. Strange Brew
2. Sunshine Of Your Love
3. World Of Pain
4. Dance The Night Away
5. Blue Condition
B
1. Tales Of Brave Ulysses
2. Swlabr
3. We're Going Wrong
4. Outside Woman Blues
5. Take It Back
6. Mother's Lament

WHEELS OF FIRE IN THE STUDIO (1968)
[Cream]
(UK) Polydor 583-033

A
1. White Room
2. Sitting On Top Of The World
3. Passing The Time
4. As You Said
B
1. Pressed Rat And Warthog
2. Politician
3. Those Were The Days
4. Born Under A Bad Sign
5. Deserted Cities Of The Heart
WHEELS OF FIRE LIVE AT THE FILLMORE GOODBYE CREAM BLIND FAITH
WHEELS OF FIRE LIVE AT THE FILLMORE (1968)
[Cream]
(UK) Polydor 583-040

A
1. Crossroads
2. Spoonful
B
1. Traintime
2. Toad

Live reordings at Winterland, San Francisco,
except B-2 track.
B-2 at The Fillmore, San Francisco.

GOODBYE CREAM (1969)
(UK) Polydor 583-053
[Cream]

A
1. I'm So Glad *
2. Politician *
B
1. Sitting On Top Of The World *
2. Badge
3. Doing That Scrapyard Thing
4. What A Bringdown

* = Live recordings at The Forum in LA
BLIND FAITH (1969)
[Blind Faith]
(Japan) Polydor MP-2283

A
1. Had To Cry Today
2. Can't Find My Way Home
3. Well All Right
4. Presence Of The Lord
B
1. Sea Of Joy
2. Do What You Like

 『ERIC CLAPTON』 ブラインド・フェイスとしてのツアー中に前座として演奏していた中の Delaney & Bonnie (デラニー&ボニー) に感銘を受けたクラプトンは自身のバンドよりもデラニー&ボニーと一緒に過ごすことが多くなり、ブラインド・フェイスを解散、デラニー&ボニーのツアーに同行。遂には Delaine Bramlett () のプロデュースの下、自身初のソロ・アルバムを製作・発表と成りました。都度都度、その時点で感銘を受けた音楽に誘われていくクラプトンらしさが出ています。
 この中からシングル化された "After Midnight" (John J. Cale作) が全米20位内に入るヒットと成っています。`66年にJ.J.ケイルがシングル発売していた曲ながら不発に成っていた曲をカヴァーした形ですが、このアルバム内で一番良い出来で後のクラプトンも度々取り上げています。J.J.ケイルも再録しなおして発売し、作者として知られる存在に成っています。

 『LIVE CREAM』『LIVE CREAM VOLUME Ⅱ』クリーム解散後に発売された2種の正式ライヴ盤。`68年に発売された『WHEELS OF FIRE LIVE AT THE FILLMORE』収録曲に漏れていた演奏が収録されています。(何故か "Lawdy Mama" のみがスタジオ録音です)
 `60年代、`70年代の販売形態は場所重視よりも、「分割して売れるように」「LP盤の宿命、片面の収録時間制限」などの理由からなのでしょうか、昨今ではファンから批判を受けそうな発表をしていた様です。今なら確実に一つの会場ごとにアルバム発表されるでしょうね。この2枚の演奏はどれもクリームの本質を表していて名演ですが、特にVOLUME Ⅱの後半2曲が好きです。

 クラプトンはジョージ・ハリスンとの親交が深まるにつれて当時ジョージの奥様だったパティに心惹かれて行くようになったという事です。親友関係と言われていますが、クラプトン自身ではジョージの事を友人と云うより兄貴の様な存在に近かったと話していますが、その兄さんの妻に恋してしまった悩みの為、やがてヘロインに溺れ徐々に薬中生活へと落ち込んで行っています。

 『LAYLA AND OTHER ASSORTED LOVE SONGS』 (邦題『いとしのレイラ』) ブラインド・フェイスのツアー時に上記で記したように、デラニー&ボニーの音楽に惹かれていたクラプトンは彼らと一緒に過ごすことが多くなり、ジョージ・ハリスンのアルバム『All Things Must Pass』参加時に共演したCarl Dean Radle (カール・レイドル)、Bobby Whitlock (ボビー・ウィットロック)、Jim Gordon (ジム・ゴードン) 達もデラニー&ボニーのツアー・メンバーに参加していた事も有り、結局クリーム、ブラインド・フェイスに次いで三番目のバンドを Derek and the Dominos という名で奏りたい音楽を演奏したいとの [思い] で結成することに。
 クラプトンがパティの事を想って書いた曲だという事で知れ渡っているお話しの超有名曲 "Layla" の前半部ギターの掛け合いは強烈ですが、後半部のメロが穏やかで綺麗なのもまた魅力です。収録曲のうち数曲は、『All Things Must Pass』録音時に出来ていたものもあり、録音もされていたようです。デュアン・オールマンとクラプトンが共演した唯一のアルバムです。

  『IN CONCERT』、デレク&ザ・ドミノスのライヴ盤で1970年10月23日・24日、ニューヨークのマンハッタンに存在していたライヴ会場 Fillmore East での録音。私的には13分にも及ぶ "Got To Get Better In A Little While" が好きでした(というも今聴き返してもやはり好きなまま変わらずな演奏です)。ただ、この Fillmore East での録音が発売されたのは翌年初頭ではないのです。翌年 (`71) の4月には解散しているのです。クラプトンはクリーム時代の`68年にマリファナで摘発されておりその後ヘロインに移り、1970年後半には中毒症状が酷かったようです。このライブ盤が発売されたのは`73年1月の事でした。丁度、クラプトンがヘロイン中毒から抜け出して、(ソロでの) コンサートでライヴに再登場した時期でした。このジャケットデザインに使用された写真は今まで出されたジャケット用写真の中でクラプトンの笑顔が最も良い表情だと思います。

 『ERIC CLAPTON'S RAINBOW CONCERT』ヘロイン中毒から立ち直ったクラプトンの復活ライヴという事で有名なアルバム。
The Who のピート・タウンゼントの声掛けによってスティーヴ・ウィンウッド、ロン・ウッド、ジム・キャパルディ、リック・グレッチなどが応援バックを務めたロンドン、レインボー劇場でのコンサート。真っ白のスーツ姿でロン・ウッドやピート・タウンゼントを従えてステージ中央に立つクラプトンの写真は恰好よく見えました。演奏自体は`60年代後期の様に弾きまくることはないので、彼の復活記念の様な趣旨で出された盤なのでしょう。LP一枚に収まる曲数のみでの発売でした。後のCD時代`95年に曲数を増やして音質もリマスターされ新装発売されています。

ERIC CLAPTON solo first LIVE CREAM LIVE CREAM Volume 2
ERIC CLAPTON (1970)
(USA) Atco SD 33-329

A
1. Slunky
2. Bad Boy
3. Lonesome And A Long Way From Home
4. After Midnight
5. Easy Now
6. Blues Power
B
1. Bottle Of Red Wine
2. Lovin' You Lovin' Me
3. Told You For The Last Time
4. Don't Know Why
5. Let It Rain
LIVE CREAM  (1970)
[Cream]
(Japan) Polydor MP-2105

A
1. N.S.U.
2. Sleepy Time Time
3. Lawdy Mama
B
1. Sweet Wine
2. Rollin' And Tumblin'

A-1, A-2, B-1
 at Winterland, San Francisco 1968
B-2
 at The Fillmore, San Francisco 1968
A-3
 studio take at Atlantic Studio 1967

LIVE CREAM VOLUME Ⅱ (1972)
[Cream]
(Japan) Polydor MP-2473

A
1. Deserted Cities Of The Heart
2. White Room
3. Politician
4. Tales Of Brave Ulysses
B
1. Sunshine Of Your Love
2. Steppin' Out

A-1, A-2, A-3
 at Oakland Coliseum Arena 1968
A-4, B-1, B-2
  at Winterland, San Francisco 1968
LAYLA AND OTHER ASSORTED LOVE SONGS / Derek and the Dominos IN CONCERT / Derek and the Dominos ERIC CLAPTON'S RAINBOW CONCERT
LAYLA AND OTHER ASSORTED LOVE SONGS (1970)
[Derek and the Dominos]
(USA) Atco SD-2-704

A
1. I Looked Away
2. Bell Bottom Blues
3. Keep On Growing
4. Nobody Knows You When You're Down And Out
B
1. I Am Yours
2. Anyday
3. Key To The Highway
C
1. Tell The Truth
2. Why Does Love Got To Be So Sad?
3. Have You Ever Loved A Woman
D
1. Little Wing
2. It's Too Late
3. Layla
4. Thorn Tree In The Garden
IN CONCERT (1973)
[Derek and the Dominos]
(UK) RSO SO-2-8800

A
1. Why Does Love Got To Be So Sad
2. Got To Get Better In A Little While

B
1. Let It Rain
2. Presence Of The Lord

C
1. Tell The Truth
2. Bottle Of Red Wine

D
1. Roll It Over
2. Blues Power
3. Have You Ever Loved A Woman

at the Fillmore East, New York
  23 & 24 October 1970
ERIC CLAPTON'S RAINBOW CONCERT (1973)
(Japan) RSO MW-2080

A
1. Badge
2. Roll It Over
3. Presence Of The Lord
B
1. Pearly Queen
2. After Midnight
3. Little Wing

at Rainbow Theatre, London
  13 January 1973


 『PORTRAIT OF ERIC CLAPTON』ヘロイン中毒から抜け出したクラプトンの復活・最出発の意味合いの様な編集盤で、Atco/Atlantic 経由で出されていた米盤音源を米Polydor が編集して出したアルバム。内容はクラプトンの`70年ファースト・ソロとデレク&ドミノススのスタジオ盤からのチョイス音源のみ。日本盤は英RSOとの契約のまま同レーベル経由で日本ポリドールから発売、タイトルは日本独自でジャケット・デザインも日本独自でレインボーコンサート時の写真を中に刳り貫きで見開き形式にされていました。外装が珍しかったです。

 『THE BLUES WORLD OF ERIC CLAPTON』英Decca 音源のジョン・メイーオール関連のコンピレーション。クラプトンの復活に乗っかった相乗り物のアルバムで、既発音源中心にヨーロッパで出されていたものに、日本盤はブルース・クリエーションの竹田和夫氏と音楽誌の執筆家和田栄司氏、渋谷陽一氏のトークが2枚目B面に収められていた奇妙な形式でした。

 『461 OCEAN BOULEVARD 』クラプトンのアルバムの中で最初に全米1位に成った作品でマイアミのゴールデン・ビーチの豪邸に立つ彼のジャケット・デザインはクラプトン史上一番有名なデザインでしょう。コマーシャルに成ることを嫌ってヤード・バーズを抜けた彼が意図せずにコマーシャルなアーティストに成ってしまった感じです。ただ、後々まで繰り返して聴くのは(わたしに関してのみなのかも知れませんが)クリーム時ではなくこの`70年代発表の楽曲の方が圧倒的に多いです。ギターをガンガン弾きまくるのでもなく、ゆったりとした南部の香りを持ったレイドバックしたスワンプ系のサウンドで、音楽を楽しんでいる様子が浮かびます。
トップのブルース・トラディショなる "Motherless Children" での軽快さや "Give Me Strength" での泣くようなボトルネック奏法はギターリストとしての面を表に出していますが、ヴォーカルの方でも良い感じです。一番好きな曲は "Get Ready" でしょうか。イヴォンヌ・エリマンとの共作で彼女もヴォーカルに加わっています。また "I Shot The Sheriff" はレゲエやボブ・マーレーを世界に知らせる役目をもしています。

PORTRAIT OF ERIC CLAPTON THE BLUES WORLD OF ERIC CLAPTON 461 OCEAN BOULEVARD
PORTRAIT OF ERIC CLAPTON (1973)
(Japan) RSO-MW-5005

A
1. Told You For The Last Time
2. Don't Know Why
3. Have You Ever Loved A Woman *
4. Nobody Knows You When You're Down And Out *
B
1. Lovin' You Lovin' Me
2. Tell The Truth *
3. Bad Boy
4. Bell Bottom Blues *

* from the Album [Layla and Other Assorted Love Songs] by Derek and the Dominos
THE BLUES WORLD OF ERIC CLAPTON  (1975)
Eric Clapton & Others
(Japan) London LAX 123-4

A
1. All Your Love ♪
2. They Call It Stormy Monday ♪
3. Lonely Years *
4. Hideaway ♪
5. Double Crossin' Time ♪
6. Little Girl ♪
7. What'd I Say ♪
B
1. Steppin' Out ♪
2. Ramblin' On My Mind ♪
3. Key To Love ♪
4. It Ain't Right ♪
5. Bernard Jenkins *
6. Have You Heard ♪
C
1. Pretty Girls Everywhere ◇
2. Stirs Me Up ◇
3. Third Degree ▽
4. Calcutta Blues ▽
5. Shim-Sham-Shimmy ▽
D
1, 2, 3 Talking by Music-critics
   (Music not included)

*  John Mayall & Eric Clapton
♪ John Mayall's Bluesbreakers
◇ Otis Spann
▽ Champion Jack Dupree


461 OCEAN BOULEVARD (1974)
(USA) RSO SO-4801

A
1. Motherless Children
2. Give Me Strength
3. Willie And The Hand Jive
4. Get Ready
5. I Shot The Sheriff
B
1. I Can't Hold Out
2. Please Be With Me
3. Let It Grow
4. Steady Rollin' Man
5. Mainline Florida
 『THERE'S ONE IN EARLY CROWD』邦題は『安息の地を求めて』、このアルバムも『461 OCEAN BOULEVARD』と並んで好きなクラプトンのソロ・アルバムです。前作同様プロデュースはサザーン・ソウルやサザーン・ロック系のアーティストを多くプロデュースしている Tom Dowd (トム・ダウト)。録音は殆どがジャマイカで行われた様でレゲエ・リズムの曲も数曲あります。黒人霊歌の ".Swing Low, Sweet Chariot 邦題:揺れるチャリオット" は日本やイギリスでシングル化されてヒットしています、イヴォンヌ・エリマンも途中で歌っています。"Singin' The Blues" は Mary McCreary (メアリー・マクレアリー) がレオン・ラッセルの奥さんだった時期に録音した彼女の自作曲でこちらもレゲエリズムの気持ちよい曲です。エルモア・ジェイムスの "The Sky Is Crying" をボトルネックを使用せずカントリー・ブルース風に演奏していてこれは意外でしたがこの時代のクラプトンの心情が出ていて良かったです。

 『EC WAS HERE』Fredy King (フレディ・キング) のブルース・ナンバー "Have You Ever Loved A Woman" から始まる「聴き応え充分の」ライヴ・アルバムです、この曲はこの後何度も演奏しています。 George Terry (ジョージ・テリー) というセッション・ギターリストとの掛け合いの様なブルース・ギターの絡みです。"Presence Of The Lord" はブラインド・フェイス時代にクラプトンが書いていた曲。次の "Driftin' Blues" はJohnny Moore's Three Blazers (ジョニー・ムーアズ・スリー・ブレイザーズ) `45年発表のブルース・ナンバーで途中からクラプトンがボトルネック奏法でスライド・ギターを弾いています。『461 OCEAN BOULEVARD』でも弾いていましたがこの時期ジョージ・ハリスンも得意にしていました。"Rumbring On My Mind" もブルースでブルース界のレジェンド Robert Johnson (ロバート・ジョンソン) が`37年に "Cross Road Blues" と一緒に発表した曲で、スタジオ盤ではレゲエ、スワンプ系に浸っていた時期にライヴではブルースを多く演奏していた事が判ります。[EC Was Here] の [Here] はBlues?
 ラストもブルース・ナンバーで Bobby Bland (ボビー・ブランド) が Bobby "Blue" Bland 名義で `57年に発表したシャッフル系のジャンプ・ブルースでこの曲のみが`75年のステージ収録との事です。クラプトン、ソロ時代ののライヴ盤では一番好きです。
 ジャケット・デザインのくびれたボディは羨ましいですねぇ。

 『NO REASON TO CRY』、クラプトンのアルバムにボブ・ディランが参加という珍しい作品、ジョージ・ハリスン繋がりでしょう。当時ディランのバック・バンドとして活動していた The Band のメンバーが全員参加しています。ディランは "Sign Language" を提供して自身も直ぐにディランと分かる特徴ある歌声で参加しています。ザ・バンドのメンバー、リック・ダンコとクラプトンが共作した "All Our Past Times" は明らかにザ・バンドの音楽だと思わせさせられてしまいます。アメリカでシングルカットされた "Hello Old Friend"
はクラプトン作ですが、どこかにジョージ・ハリスンの影響を感じる曲調です。"Innocent Times" はクラプトンと Marcy Levy の共作とクレジットされていまして、歌っているのはそのマーシー・レヴィ譲でクラプトンは地味に伴奏を務めています。次の "Hangry" もマーシー譲が主にヴォーカルを取っています、彼女は後に Marcella Detroit(マーセラ・デトロイト) と名前を変えてイヴォンヌ・エリマン同様ソロ・シンガーとしてデビューしています。"Black Summer Rain" は『THERE'S ONE IN EARLY CROWD』に収めれれていた方が似合いそうなレイドバック、リラックスした優しい感じの佳曲です。
 ブルースは2曲、Alfred Fields (アルフレッド・フィールズ) という古いシカゴ・ブルースマンが書いた "County Jail Blues" と超有名なオーティス・ラッシュの "Double Trouble" 、後者の方はザ・バンドの仲間たちとの共演盤といえどもどうしても入れておきたかったのでしょう(と勝手に想像しています)。薬から抜け出せてもアルコールからはまだまだ抜けれられていないクラプトンの姿がジャケット写真にあります。ウィスキー瓶が2本!中央のは Jim Beam White のよう…


THERE'S ONE IN EARLY CROUWD EC WAS HERE NO REASON TO CRY
THERE'S ONE IN EARLY CROWD (1975)
(Japan) RSO MW-2116

A
1. We've Been Told (Jesus Coming Soon)
2. Swing Low, Sweet Chariot
3. Little Rachel
4. Don't Blame Me
5. The Sky Is Crying
B
1. Singin' The Blues
2. Better Make It Through Today
3. Pretty Blue Eyes
4. High Eric Clapton
5. Opposites
EC WAS HERE (1975)
(USA) RSP SD-4809

A
1. Have You Ever Loved A Woman
2. Presence Of The Lord
3. Drifting Blues
B
1. I Can't Find My Way Home
2. Rambling On My Mind
3. Farther On Up The Road

A-1, B-1
at Long Beach Arena, California
  19 July 1974
A-2, 3
at Long Beach Arena, California
  20 July 1974
B-2
at Hammersmith Odeon, London
  4 December 1974
B-3
at Nassau Coliseum, New York
   28 June 1975

NO REASON TO CRY (1976)
(UK) RSO 2479-179

A
1. Beautiful Thing
2. Carnival
3. Sign Language
4. County Jail Blues
5. All Our Past Times
B
1. Hello Old Friend
2. Double Trouble
3. Innocent Times
4. Hungry
5. Black Summer Rain
 『SLOWHAND』、クラプトンが単独で書いた曲は "Wonderful Tonight"、"Next Time You See Her" の2曲、前者はパティの事だとあまりにも有名ですが、後者もおそらくそうでしょう。この頃、ジョージは既にパティと離婚 (1974年) していましたので、甘いラヴ・ソングを書いていても不思議ではないでしょうが、私的には引いていました。
 マーシー・レヴィと共作した "Lay Down Sally" がシングル化されシングルのヒット・チャートで3位迄上がるヒットに成っています。
軽めのヒット性含みの曲調ですがこのB面扱いで出た、アルバムトップ曲 J. J・ケール作の "Cocaine" の方がブルースっぽさもあり、ずっしりした重みのある曲で絶対に良くてこのアルバム内のベスト・トラックだと思います。時代を経てもそう感じます。

 『BACKLESS』、クラプトンをこのアルバム以降追わなくなった訳ですが、カバー・デザイン表は黒いストラトキャスター、画像が繋がる裏側にもう一本黒いストラトキャスターが [ブラッキー] とクラプトンモデルのギターと一緒に収まる完全に「ギターリストのアルバム」仕様です。ただ、アルバム全体ではその方面は殆ど感じません。そして`70年代前半の様なレイドバックスタイルでも熱さを感じていたワクワク感はかなり薄れてリラックスモードで全体が流れて行っていました。ディランとヘレナ・スプリングスが共同でそれぞれA面、B面の1曲目で曲を提供していますが、まぁ普通に流れていきます。一曲のみスタンダードなブルース曲 "Early in the Morning" を聴けます。


SLOWHAND BACKLESS
SLOWHAND (1977)
(UK) RSO 2479-201

A
1. Cocaine
2. Wonderful Tonight
3. Lay Down Sally
4. Next Time You See Her
5. We're All The Way
B
1. The Core
2. May You Never
3. Mean Old Frisco Blues
4. Peaches And Diesel
BACKLESS (1978)
(USA) RSO RS-1-3039

A
1. Walk Out In The Rain
2. Watch Out For Lucy
3. I'll Make Love To You Anytime
4. Roll It
5. Tell Me That You Love Me

B
1. If I Don't Be There By Morning
2. Early In The Morning
3. Promises
4. Golden Ring
5. Tulsa Time




 振り返ってみると『Backlwss』を最後にクラプトンのレコードを暫く買わなくなってしまいました。ベックやペイジの方は新譜の記事などを結構気にしていましたが、クラプトンの新譜は「是非聴きたい」とまで思わなく成っていたのです。
 `80年代、周囲の同年代の人たちは可愛い子供達を育て、それぞれの家庭中心の生活に移行していく中、「新しい家族」とは無関係だと思っていたわたしとは、話題が合わなかったのか徐々に会って貰える機会が減って行きました。

 わたしの方は聴く音楽ジャンルがドンドン広がって行きました。普通のロック、ジャズ、ブルース、ポップス等以外にオールディーズ物、ディープ・ソウル、メタル・ロック……、中南米音楽等も好きになり聴き出していました。新しいワクワク感を感じないクラプトンの新譜を追わなくなったのも、思えば自然だったと感じます。彼はパティと1979年に結婚し、そして10年後の`89年に離婚しています。
 何故か不思議とその結婚生活十年間が全く彼の新譜に興味が湧かなかった期間と一致していました。





【CD発売以降】
 `82年に市販化されたCD (コンパクト・ディスク) は`80年代半ば頃から音楽新譜の発売形態が徐々にLP盤からCDに移行し始めて、`90年代に入るころには概ねCD中心に成って来た様に思います。レコード盤時代の名曲、名盤がデジタル化されて再発されだしました。
 その中から、クラプトン (ソロ時代) のものとクリームの編集ベストを購入して、再び彼のアルバムにも気を向けるように成りました。ただ、すべてでなくチョイスしながらです。

 『TIME PIECES - THE BEST OF ERIC CLAPTON』『STRANGE BREW THE VERY BEST OF CREAM』ソロ時代のベストは一度LP盤で出ていた物をそっくりCD化した物でドミノスの "Layla" なども入っていて完全入門盤。クリームの方はまずまずの選曲でしょう。

 『JOURNEYMAN』はLP盤とCD盤の両方が発売されていた時期のアルバム。(まだプレイヤーの普及が世界中で行き渡っていなかった為でしょう)`70年代前半時の様なスワンプ臭が漂うアルバムです。特に Jerry Williams が作った "Pretending"、"Running On Faith"、"No Alibis" の3曲は個人的にハマった曲です。どの曲も曲自体の良さで聴けますが、"No Alibis" での間奏に流れる伸びのあるギターの音色も印象的ですね。 Jerry Williams は Jerry Lynn Williams という名義で数曲の提供作がヒットしているソング・ライターで、自身も一枚だけソロ・アルバムを出していました。"Run So Far" はジョージ・ハリスンの提供曲。何処となく哀愁と愛らしさの相反する物を感じるジョージ独特の感性が出ている地味ながら印象深い曲です、ジョージも参加しています。ジョージの死後に彼のセルフ・カヴァー・ヴァージョンが出されています。"Before You Accuse Me" の様なブルース・ナンバーが入っているのは良いのですが、"Hound Dog" はノリで入った曲でしょうか?

 『SHE'S SO RESPECTABLE』は`90年にイギリスで出された『The First Time I Met The Blues』というタイトル盤の焼き直しアルバムでヤードバーズ時代と`65年にジミー・ペイジとのセッションを収めた曲などのゴチャマゼ曲集。B,P,Cセッション、ヤードバーズページともダブる曲です。

 『LIVE AT THE FILLMORE』、デレク&ザ・ドミノスの1973年発売『IN CONCERT』の際のライブでの未収録曲をも含めてCD化発売されたアルバム。

 『FROM THE CRADLE』は、全曲、エルモア・ジェイムスやオーティス・ラッシュなどブルース・シンガーたちの曲のブルース・カヴァー集。[EC Was Here] のスタジオ盤とでもいえるのでしょうか?このアルバムは即買いでした。
 クラプトンがギターリストとして出発したのはこれらのブルースが原点なのでしょうから、先ずは一枚はこの手のスタジオ録音アルバムを残して置きたかったのだと推測します。

STRANGE BREW THE VERY BEST OF CREAM
TIME PIECES - THE BEST OF ERIC CLAPTON
(1984 original 1982)
(USA) Polydor 800 014-2

1. I Shot The Sheriff
2. After Midnight
3. Knockin' On Heaven's Door
4. Wonderful Tonight
5. Layla *
6. Cocaine
7. Lay Down Sally
8. Willie And The Hand Jive
9. Promises
10. Swing Low Sweet Chariot
11. Let It Grow

* by Derek and the Dominos
STRANGE BREW THE VERY BEST OF CREAM
[Cream]
(1991 original 1983)
(USA) Polydor 811 639-2

1. Badge
2. Sunshine Of Your Love
3. Crossroads
4. White Room
5. Born Under A Bad Sign
6. Swlabr
7. Strange Brew
8. Anyone For Tennis? (The Savage Seven Theme)
9. I Feel Free
10. Politician
11. Tales Of Brave Ulysees
12. Spoonful

JOURNEYMAN (1989)
(Japan) Duck / Reprise 22P2-3070

1. Pretending
2. Anything For Your Love
3. Bad Love
4. Running On Faith
5. Hard Times
6. Hound Dog
7. No Alibis
8. Run So Far
9. Old Love
10. Breaking Point
11. Lead Me On
12. Before You Accuse Me
SHE'S SO RESPECTABLE LIVE AT THE FILLMORE / Derek and the Dominos FROM THE CRADLE
SHE'S SO RESPECTABLE
(1993  original issued 1990 as [ The First Time I Met The Blues ]
(Switzerland) Selected Spound 1021.2025-2

1. She's So Respectable
2. Choker
3. Snake Drive
4. Got To Hurry
5. Freight Loader
6. A Certain Girl
7. Dragging My Tail
8. For Your Love
9. I Wish You Would
10. Louise
11. Five Long Years
12. Early In The Morning
13. Pounds And Stomps
14. The First Time I Met The Blues
15. Stormy Monday Blues
16. Big Boss Man
LIVE AT THE FILLMORE (1994)
[Derek and the Dominos]
(USA) Polydor 521 682-2

Disc 1
1. Got To Get Better In A Little While
2. Why Does Love Got To Be So Sad?
3. Key To The Highway
4. Blues Power
5. Have You Ever Loved A Woman
6. Bottle Of Red Wine

Disc 2
1. Tell The Truth
2. Nobody Knows You When You're Down And Out
3. Roll It Over
4. Presence Of The Lord
5. Little Wing
6. Let It Rain
7. Crossroads

at the Fillmore East, New York
  23 & 24 October 1970
Previously unreleased : 1-1, 2-1, 2-2, 2-5, 2-6

FROM THE CRADLE  (1994)
(Germany)  Reprise 9362-45735-2

1. Blues Before Sunrise
2. Third Degree
3. Reconsider Baby
4. Hoochie Coochie Man
5. Five Long Years
6. I'm Tore Down
7. How Long Blues
8. Goin' Away Baby
9. Blues Leave Me Alone
10. Sinner's Prayer
11. Motherless Child 2:57
12. It Hurts Me Too
13. Someday After A While
14. Standin' Round Crying
15. Driftin'
16. Groaning The Blues


 『ERIC CLAPTON'S RAINBOW CONCERT』LP盤時代の1973年に既発表されたヘロイン中毒から立ち直ったクラプトンを励ますために催されたロンドンでのコンサート収録盤。以前は6曲のみの収録を未収録だった曲を含めて14曲に成っています。
 クラプトン史の中では重要な位置づけと成るライヴ収録に成っています。

 『PILGRIM』トップ "My Father's Eyes" を始めギターリストとしてのクラプトンでなくソング・ライターとしてのクラプトンを「押し出したというか、聴く者がかんじてしまう」様な一曲・一曲に聴き入る事が出来る作品に成っています。個人的にはデビッド・ボウイの世界を感じました。 "Broken Hearted" などボウイ作と言われても疑う事出来ません。
 本作は邦盤ボーナスを除く14曲中 (含めて15曲中) 2曲のみしか他人の曲はありません。ジャケット・デザインが内容を上手く表現していますが、デザインはイラストレーターの貞本義行氏、クラプトン側から依頼したとの事です。また、曲の数曲と全体のプロデュースを共同している Climie Fisher (クライミー・フィッシャー) の Simon Climie (サイモン・クライミー) というミュージシャンの影響も多分に有るのでしょう。他人の曲のうちオリジナルがブルースの "Going Down Slow" もブルース色を感じないアルバム全体を統一するアレンジに成っています。もう一曲はボブ・ディラン作の "Born in Time" は泣く様なスライド・ギターで始まり同じくアルバムに馴染んでします。
 唯一、雰囲気の違うのが "Fall Like Rain" でカントリー・サウンドを感じます、毛色違いですがこの曲結構気に入っています。

 『THE BEST OF CLAPTON Clapton Chronicles』`60年代後半〜`70年代のクラプトンを知る者にとっては丸で別人のアルバムに思えてしまう感じです。デビッド・ボウイも変化を続けていましたがボウイの場合は自ら変わって行ったという感じですが、クラプトンの変化はかなり周りの環境に影響されてきたという気がしてしまいます。
 `90年代を統括するようなその時代のクラプトンのベスト物。アルバム未購入で持っていなかったヒット曲 "Forever Man" と "It's In The Way That You Use It" が良かった点です。

ERIC CLAPTON'S RAINBOW CONCERT 1998 PILGRIM THE BEST OF CLAPTON Clapton Chronicles
ERIC CLAPTON'S RAINBOW CONCERT (1995)
(Japan) Polydor POCP-2379

1. Layla *
2. Badge
3. Blues Power *
4. Roll It Over
5. Little Wing
6. Bottle Of Red Wine *
7. After Midnight
8. Bell Bottom Blues *
9. Presence Of The Lord
10. Tell The Truth *
11. Pearly Queen
12. Key To The Highway *
13. Let It Rain *
14. Crossroads *

at Rainbow Theatre, London
  13 January 1973
Previously unreleased : *

PILGRIM (1998)
(Japan) Duck / Reprise WPCR-1400

1. My Father's Eyes
2. River Of Tears
3. Pilgrim
4. Broken Hearted
5. One Chance
6. Circus
7. Going Down Slow
8. Fall Like Rain
9. Born In Time
10. Sick And Tired
11. Needs His Woman
12. She's Gone
13. You Were There
14. Inside Of Me

Bonus Track
15. Theme From A Movie That Never Happened (Orchestral)

THE BEST OF CLAPTON Clapton Chronicles
(1999)
(Germany) Reprise 9362-47564-2

1. Blue Eyes Blue
2. Change The World
3. My Father's Eyes
4. Tears In Heaven
5. Layla (Unplugged Version)
6. Pretending
7. Bad Love
8. Before You Accuse Me (Take A Look At Yourself)
9. It's In The Way That You Use It
10. Forever Man
11. Running On Faith (Unplugged Version)
12. She's Waiting
13. River Of Tears
14. ( I ) Get Lost
15. Wonderful Tonight (Live Edit)
 『RIDING WITH THE KING』、B. B. キングとのコラボレーション・アルバム、やはりブルース系の方が安心して聴けます。ブルース・マンが居たからこそクラプトンの音楽人生は始まっていて、ブルース・ミュージックが有ったからこそ、わたしはクラプトンの事を知ったのです。どの曲も新録ながら懐かしさを感じて聴けます。ただ "Hold On I'm Coming" のみがブルース・ナンバー以外での選曲で、サム&デイヴのR&BナンバーでBB誌R&Bチャート`66年のナンバーワン・ヒット。それでも二人が奏るとやはりブルースですねぇ。

 『REPTILE』、クラプトンが両親と離れて暮らしていた幼少期に一番かまってくれた叔父さんの死に追悼の意味を込めて作られたアルバムだという事で幼少期の写真がジャケットに使われています。わたし自身も幼少期に母親とは殆ど過ごせず、母方や父方の親戚の家を交互に預けられ暮らした経験があり、一番かまってくれた8歳年上の従姉には感謝は忘れられません。いきさつを知ると買わずにいられないアルバムです。内容は今まで購入した彼のアルバムの曲調とかなり違います。ミュージカル風なのが有ったり種々のタイプの曲が混ざり合って映画音楽のサウンド・トラック盤の様な気さえします。

 『ME AND MR. JOHNSON』、有名なロバート・ジョンソンの写真の前で似たような姿でポーズをとるクラプトンのイラストをアルバムデザインとした作品 (左手のコードを押さえる位置は違いますが)。額入りで描かれたロバート・ジョンソンの写真は世界中のブルース好きには「祖先の写真」の様な感じでお馴染みの物です。`60年代イギリスで起こったブルース熱の中、その真ん中に居たクラプトンにとって、ロバート・ジョンソンの曲集アルバムを作ることは別に不思議でもない事ですので、当然興味を持って購入しました。
 10年前の『FROM THE CRADLE』と同系統です。新録音と云えど B.B. King と共演した『RIDING WITH THE KING 』の様な新鮮さは無いですが、このアルバムも彼の歴史のひとつでしょう。

RIDING WITH THE KING REPTILE / eric Clapton ME AND MR. JOHNSON Eric Clapton
RIDING WITH THE KING (2000)
[B.B. King and Eric Clapton]
(Japan) Duck / Reprise WPCR-10800

1. Riding With The King
2. Ten Long Years
3. Key To The Highway
4. Marry You
5. Three O'Clock Blues
6. Help The Poor
7. I Wanna Be
8. Worried Life Blues
9. Days Of Old
10. When My Heart Beats Like A Hammer
11. Hold On I'm Coming
12. Come Rain Or Come Shine
REPTILE (2001)
(Japan) Duck / Reprise WPCR 11100

1. Reptile
2. Got You On My Mind Joe Thomas
3. Travelin' Light
4. Believe In Life
5. Come Back Baby
6. Broken Down Simon Climie
7. Find Myself
8. I Ain't Gonna Stand For It
9. I Want A Little Girl Murray Mencher
10. Second Nature
11. Don't Let Me Be Lonely Tonight
12. Modern Girl
13. Superman Inside
14. Son & Sylvia

Bonus Track
15. Losing Hand

ME AND MR. JOHNSON (2004)
(USA) Reprise 48423-2

1. When You Got A Good Friend
2. Little Queen Of Spades
3. They're Red Hot
4. Me And The Devil Blues
5. Traveling Riverside Blues
6. Last Fair Deal Gone Down
7. Stop Breakin' Down Blues
8. Milkcow's Calf Blues
9. Kind Hearted Woman Blues
10. Come On In My Kitchen
11. If I Had Possession Over Judgement Day
12. Love In Vain
13. 32-20 Blues
14. Hell Hound On My Trail






 『MONEY AND CIGARETTES』、このページを再開しようという思いで、全く手を出していなかった`80年代のクラプトンを21世紀突入後だいぶ経ってからですが、聴いてみようと思い先ず選んだのがこのアルバムです。
 RSOから離れて自身のレーベル Duck を立ち上げワーナー・グループからのリリースとして出した第一弾に成ります。シングルカットされていた "I've Got a Rock 'n' Roll Heart" を始め次の "Man Overboard" (ブロンデーの曲とは別) はクラプトンが歌っているとは思えないほど軽いポップ・タッチですんなりと流れていく感じです、後者はクラプトン作です。 全体的にこの「スーッと流れていく」という表現がピッタリなアルバムです。あえて選ぶとすれば "Ain't Going Down" が一番印象に残った曲でした、ロックっぽい。
 ライ・クーダーが参加していますが、印象は薄いです、"Everybody Oughta Make a Change" 、"Crosscut Saw" がオールド・ブルースのカヴァーです。

MONEY AND CIGARETTES (CD 2001) E. Clapton
MONEY AND CIGARETTES
(2001, Original 1983)
(Japan) Duck / Warner WPCR 11102

1. Everybody Oughta Make a Change
2. The Shape You're In
3. Ain't Going Down
4. I've Got a Rock 'n' Roll Heart
5. Man Overboard
6. Pretty Girl
7. Man In Love
8. Crosscut Saw
9. Slow Down Linda
10. Crazy Country Hop


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Text by Mie