香り
きょうの雨
霧のように降り
細かいつぶつぶ光ってる
雨の香りじゃないよ
きょうの雨
山水のように澄み
頬できらきら光ってる
雨の香りじゃないよ
April 11, 2003
花と水
降水確率ゼロパーセント
自信満々の予報屋さんに
黙っておこう ちょっとの秘密
私の部屋に雨が降り
私の部屋の花が咲く
ピンクの花に水をあげましょう
ブルーの花に水をあげましょう
ずっとずっと咲いていて欲しいから
April 17, 2003
The Flowers' Nature
激しい雨に打たれてうなだれて
小さな花びらは土をなめる
まわりを見渡すと
雨を受けてなお咲く花も有る
同じひと夏を生きる花なのね
か細く小さな花の根性
再び 茎を持ち上げ花を開けば
ホラッ あなたを見て
微笑む人が居る
June 25, 2003
曇り空
光を透かした白い雲
青空の隙間を挟み
並ぶうす灰色の雲は
わずかに黒味を帯びた
かすかに渦を巻いているのは
隙間で生まれたちぎれ雲
渦は確かに回り生きている
静かな空 おとなしの空
スヤスヤと
まるで子供の寝息のよう
雄大な空の寝姿は
疲れ果てた初夏の午後に
心地よさを誘う曇り空
June 12, 2004
待ってみよう
振り返ってみると
そんなに遠くはない昔
待って待って待ちくたびれるほどに
待ったのに
ほら この頃は
バス停の空いたベンチに座るのももどかしく
鋭い目つきでまだ来ぬバスを追っている
そう 昨日だって
プラットフォーム最前列に移動して
ウサギ耳立てては線路の音を追っている
そう 渋滞道では
進まぬ事を観念してしまえば済むことなのに
数十台先のタイヤの動きを追っている
追って追って走っても
追いつけなくて遠のいて行くのが
お月様とお日様かしら
待ってみようよ 少しの昔みたいに
わたしの幸せ
いつでもいつの日も
あなたが見ていてくれること
わたしの笑顔を待っていてくれる
July 05, 2004
meme
PREV
NEXT