夜桜

春がど真ん中
優しい夜が始まるよ
黄色い光に照らされて
舞い散る花びらは
誰かの愛したくちびるみたい
淡いピンクがいじらしく
爽やかな風に乗って
私に降り注ぐ
今  最後の桜に守られる
髪に飾られた花のかんざしに
いつも 春を被った気分で
眠りにつくわ

April 7, 2002

夜桜



重なる針

ひと目盛りずつ刻む
秒針を追いかけています
ひとまわり ふたまわり
幾度も重なる針と針

あなたの居ない時間は
そこには無くて
いつも手の届くところ

目の前で まわり流れる
ふたりの時間は
何処へも行かず
いつまでも いつまでも
その中で流れています

April 11, 2002

時計



眠らせて

ひとり眠れぬ夜には
裸になるわ
誰に隠すこともない
わたしのわたし
気取りもてらいもなく
未熟な姿のありのまま
わたしがわたしを愛するように
素直なわたしがあなたを愛します

眠れぬ夜に眠らせて
たったひとこと
わたしのためだけの
あなたの言葉が欲しい
わたしがわたしを愛するように
心のままにあなたを愛します
眠れぬ夜に眠らせて

April 18, 2002

眠らせて


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