ハイライト 気がついてみると ズーッと遠くのことに よどんだよどんだ 港で油が泳ぎ わたしはあの頃ハイライト 吹き出した湯気は 確かに確かに 都会で一度は舞った 船に乗ろうか乗るまいか ボストンバッグに小さな勇気 振り返ることが恐かった わたしはあの頃ハイライト June 13, 2009 |
見えません 灰が落ちますよ わたしには 何も見えません 我を忘れて あなたが見つめるあの空に ここはわたしの四角い世界 言いようもなく 黒い風が横切って 寒い四隅を凍らせる おびえる幼い幸せが 落ち着く場所を求めます 心の休日探します 閉じた瞼に映るのは とってもヒップなあなたの 微笑む姿 微笑む姿しか見えません June 14, 2009 |
鳴き声 君の引きずるバイオリンは 何故 こんなにも悲しい声 泣いている 泣いている 頭の真ん中を すり抜ける 折れそでか細い君の魂は あの頃と少しも変わっていない 眠りの中きしむバイオリンは 何故 こんなにも淋しい声 おびえてる おびえてる 背筋の真ん中を 走り抜ける 流れ落ちても乾かぬ私の涙は あの頃と少しも変わっていない 若きは戻らぬ 若きは帰らぬ ただ ただ それだけ きみとわたし あの頃と少しも変わっていない バイオリンの声も変わらない Oct 20, 2009 |
足音ひとつ 確か 一本道でした わたしの歩いていた道は きっとこれからも 一本の道でしょう 今 わたしは ふたりで歩いた道を 懐かしんでいます あの道は あの道は いつからか どこからか 二本の道に 分かれていたのでしょうか 今 わたしは ふたりで歩いた道を 振り返っています 泣き虫だったふたり 弱虫だったふたり 何故か 何故か ますます 泣き虫に ますます 弱虫に 成りそうですね Oct 29, 2009 |