お寝坊人魚
ぷっくん ぷっくん
寝息が跳ねる
静かな静かな波の朝
誰がわたしに 声かける
いえいえ みんな夢の中
ぷっくん ぷっくん
ぱっちん ぱっちん
静かな波に弾ける寝息
海の底から見えないけれど
お空で笑うよ おてんとさまが
April 4, 2006
空はあたたかい
空はあたたかい
雨を降らせてわたしを濡らす
土の上
寒さに震えているのは
わたしだけじゃない
空はあたたかい
風を吹かせてわたしを冷やす
土を踏み
寒さに震えているのは
わたしだけじゃない
生まれたての水たまり
風と遊んでは消えていく
いつの日か
雨の妖精 風の妖精と
ともに飛べる
空の妖精に成りたいわ
April 17, 2006
香り
季節到来
ほのかな香りの季節
これくらいが
わたしにはちょうど良い
待ちわびた春独特の
淡い木漏れ日に輝いて
ピンクの薔薇は
咲いて散るまで
同じ香りを放ってる
寄り添う隣の薔薇も また
開いて落ちる日まで
彼女特有の 香りと色を
持つのでしょう
この 光散らばる
季節の中で わたしは
父の香りを想い出す
懐かしい・・・
わたしにわたしの香りが
有るのか無いのか
分からない
May 11, 2006
ふたつの夢
あの日育んだ夢
わたしの夢は
わたしだけの夢でもない
夢を育てるわたしを
見ているあなたの
夢でもあるの
人知れず膨らませた
あなたの夢は
あなただけの夢でもないわ
夢を膨らませたあなたを
愛するわたしの
夢でもあるの
ふたつの夢は
いくども いくども
重なって膨らむの
きっときっと叶うよね
萎むことなど考えないわ
May 22, 2006