2006年で一旦途切れ、2009年に少しだけ更新
そして、いろいろなことが続き
ことばを綴ることをやめて十年は経ってしまいました
ただ
少しずつ、少しずつ また綴ることが出来ればいいなぁ…と
いつまで と決めずに再び 少しずつでも記していこうと思います

下から順に上へと足しています





気休めからの脱出


心配事が ひとつある
小さな事なら
見上げること出来る

心配事が ひとつある
大きな事なら
見ることすら忘れてく

ずっと ずっと
信じていました
あの日が
いつまでも 続くものだと

あなたの瞳の真ん中に
沈む夕陽が映る

無邪気で
居られること
若いからなのでしょうか?

常に笑顔で
居られること
夢見ているからなのでしょうか?

夕陽は見上げるよりも
見つめる方が美しいと

信じていました
あの日が
いつまでも 続くものだと

そして 今
時計の秒針が
ひと廻りするのを
見届けて
あゝ わたしの人生が
また一分間 短くなったのねと

心配事は 薄れて
少しの安心



一台の自転車


広い雑草の 戯れ場の中
なぜか場違いの様に
花咲くあじさいと その仲間
お連れ姿も 見えぬのに
いつも 一台の自転車が 置いてある

今日の朝も 昨日の朝も
そして その前の日もそうだった
いつもいつも 陽が落ちる頃
広場は あじさいと雑草だけになる
それは 今日の日暮れも 昨日の日暮れも

いつか 花の季節は終わり
いつか 自転車は姿を現さない
紅く染まった西空に
思わず投げかけた
「寂しいよ」



自然なできごと


若さがあること それは 生きる力
多くの夢があること それも 生きる力

明るい未来があること それは 生きる力
素敵な出逢いを貰うこと それも 生きる力

あなたのいのちは 自然の恵み
わたしのいのちも 自然の恵み

どこで生れたの? それは運
誰から産まれたの? それも運

綺麗な容姿なの? それは運
強いからだなの? それも運

あなたが得た物は 何?
わたしが得た物は 何?

あなたが失った物は 何?
わたしが得失った物は 何?

出逢った事実は消えないけれど
あなたの笑顔を忘れはしないけれど
すべては やがては自然に戻ってく



町の空


ここは昭和の香りが残る町

遠い空を目指した日
夕焼け空は 優しく見つめてくれた

与えられた時間は 無限だと思えた日
変わらない 変わらない心は

きょうの夕焼け
なぜだか やけに淋しそう
幼き日の空は 尊いものだった

ある日
同じ風景も いつかは変わると
思い知らされて

それでも それでも
あふれていた夢は 消えてはいない

無邪気な想いは 空にある

だって ここは昭和の香りが残る町



日暮れ

日の入り予想も伸びた筈

いつのまに
渋滞道路の真ん中で
孤独を味わい 思い知る

灯りだしたテールランプが
切なくて
何もできない やるせなさ

あゝ
ふざけた反抗 幼稚な居直り
想い出すのは
ひとりで歩いた日暮れ
交互に波打つ わたしの岸辺

振り返ってみれば
何があったろう
何もなかった・・・だなんて
思いたくもない

振り返ってみれば…
ファインダーを覗く
わたしが居た
あなたを写すわたしが居た

もう少し おとなになろうよ
子供っぽくてもいいからさ
激しい波に 消されぬように
今の足跡 確かめて…

少しだけタイヤも回った日暮れ



モノクローム


懐かしきことば
コンクリートジャングル
何処を向くかも判らない日々
音も途絶えた空間で
ただただ
夜空をみつめてる
それが小さな幸せだった

懐かしき場所
只々黙って歩くネオン街
光の粒が恋しくて
ひとりの夜は誰とも話さない
人生という道の
端っこを歩き続けて
夜空を愛した日

やがて昇った朝日は
夜を超えていた
あのモノクロームに
覆われた日々
わたしの人生 わたしの一部
そしていつしか
遠き日の懐かしき時代



カラス


金網フェンスの上で
ゴミを見つめているカラスを
ひと気の少ない朝に見た

袋を置きながらにらんでみたら...
ソッポを向かれて無視された

別におまえと
仲良くなる気は毛頭ないけれど
不愉快な気分にさせるんじゃないよ

ただ... 
それでも それでも
カラスの気持ちは
少しは分かる
ほんとに
寂しげな朝なのだから



水たまり


みずたまり
長靴履いて飛び越えた

みずたまり
長靴履かずに飛び越えた

久しぶりの
脇道の不思議な
水たまり

久しぶりに
意外な地道の
水たまり

濡れないように
濡れないように
端を歩いて 過ぎ去った

水たまりの
楽しみが 嘘のよう



独り言はいつも さよなら だった


青いろの空を見たくない
だって だって
空は泣いてはくれない

虚ろ 虚ろ 虚ろ
独り言は さよなら
暗いところをさがしてる

足が前に進めない
立ち止まって
ひざっこぞうも泣いている

虚ろ 虚ろ 虚ろ
独り言が さよなら
口ぐせが つぶやいている

淋しくても 辛くても
いつか
想い出が
消してくれた日々



母さんの夢を見た


カレーの具材
タマネギ ジャガイモ
うん

カレーの具材
タマネギ にんじん
うんうん

カレーの具材
タマネギ おナス
はいはい

お肉のない日が続いても
それでも それでも
おいしいな



気やすめ


まだ
そんなに寒くはないけれど
コートを羽織ろうと
きっと
心もあたたまりそう
これは
少しの安心
ただの気やすめ

ひとあふれる街で
落ち着かないからでは
ないけれど
歩いてみたい
不安の中へ
わたしが愛するひとたちも
誰もいない

そのような町へ
そのような村へ
無性に歩きだしたい
不安の中へ

きっと きっと
夕焼けを見られそう
しばらく
見させて貰えなかった
あの日暮れの夕焼けを
気やすめが
消えて行きそうよ



さがしもの


大切なものは
いつだって
極々少数しか見当たらない
それが現実だという
常識に
火をつけて
燃やしてしまいましょう

あしたもあさっても
帰る場所が
あることが現実だなんて
その常識にも
火をつけて
燃やしてしまいましょう

川に流した悲しみに
何 想う
空へ広がる勇気に
恐れをなして

残った炎で温まり
行き場を捜して
きょうは漂う
そして
あしたもきっと

どうでもよかった
小さな過去を置き去りに



始発電車


さきほどコーヒーを
飲み終えたところ
久しぶりに
早起きなんてして
にやけ顔でスニーカー
右足から歩き出している

きょうという日に
「おはよう」なんて
声かけられて
久しぶりのホームで
始発電車を待っている

吐く息
白く消えるけど
バッグの中には
想い出ノート

もうこのままでいいんだと

みんなが目覚めるころには
ひとつの愛を
ポケットに確かめた



街並み


不健康のたまり場の様な街で
生きていたわたし
それは
居心地の良さを愛した日々

愛した街に 育った町に
幾度も幾度も日が昇り

幾度も幾度も陽が沈む
それでも夜空の姿は昔と同じ

褪せて居心地よき街は
明るく照らされて
ひとけ少ない町にも灯(ともしび)
健康楽園に変わったように
様変わり

見上げると
寒さの頂点が 垣間見え
よそ者扱いになった様(よう)

愛した街や町にまで
裏切られてしまい

もう何もかもが
ありふれてしまった街
踊らされている町
わたしは夜空に何を見るだろう



生きぬく力


わたしの生命(いのち)
母さんの命(いのち)
そして父さんの命(いのち)
それは永遠に

あなたの生命(いのち)
あなたのお母様の命(いのち)
そしてあなたのお父様の命(いのち)

そして
同時に
わたしのいのち
それも永遠に




いつの日からか


梅雨でもないのに
雨降りしきる秋
いつの日からか
その雨に
涙を隠すようになった
雨よ降れ 雨よ降れ
すべての日々を
洗い流したい

冬でもないのに
冷たい風吹く秋
いつの日からか
その風に
気分を乗せるようになった
風よ吹け 風よ吹け
すべての日々を
奪い去られたい



To Love, To Trust and to Erase


ヒトに愛されるんじゃない
ヒトを愛すんだ
誰かに信じられるんじゃない
誰かを信じるんだ
神を消すんじゃない
神に消されるんだ

ひとつひとつ
心の扉を
開いていこう

愛そうよ
信じようよ
そして
偽りの姿は消えて行く



あの日


しあわせだなって
感じていた日々は
ふしあわせを
感じていた日々よりも

少しくらい
温かさを
感じていられたのだから
やはり
雪と風の中にあった
やさしい風景を見て
良かったと思います...

あの日
もしかしたら
初めての冒険が
そこにあり
乗り越えなければ
届かないものが
そこにあった

さよなら臆病者

私の旅がまた始まった日



気まぐれ


ほらいつだって そうなんだ
また いつもの気まぐれが

ほら決まってこうなんだ
また色メガネ越しにみていてさ
どうせまたいつもの気まぐれなんだ

人の心はガラスづくり
壊れりゃ元には戻らない
曇るときもあるのに
それでいて美しいとはね

あぁ どうせまた
いつもの気まぐれなんだ

無邪気さの中で泳いでいた日
月日(つきひ)の永さを忘れていた日
幼すぎてはいても
それでいて輝くとはね

もう
あの楽しかった時期は
終わったのでしょうか?
また再び
あの気まぐれと戦いたい



あの街で


ある日 突然に
自然の中に
放り出されることが
こんなに
淋しいことだなんて

そして
空と海が
すぐ近くに有るということが
こんなに
悲しいことだなんて

少しでも早く
少しでも早く
暖まりたいと

コーヒーとジャズの
あったあの街で


悲しみの中に


どんなに楽しくたって
どんなに嬉しくたって
幸せという名の
山には登り切ってはいない
身体中が燃えていても
常に
楽しみの中に不安のかけら
喜びの中に不安のかけら

だけど

どんなに淋しくたって
どんなに悲しくたって
不幸という名の
谷には落ち込んではいない
身体中が凍えていても
常に
寂しさの中に希望のかけら
悲しみの中に希望のかけら





©Text by Mie