♪OUTLAWS♪

from My Collection 

 アウトローズというバンドは音楽雑誌などで、 [サザン・ロック・バンド] と分類されることが殆どです。
ただ、わたしは最初、カントリー・ロックのバンドだと思いレコードを買いました。(デビューアルバムのジャケットが主な原因ですが)
わたしが子供の頃、最初に聴いた洋楽はカントリー・ソングでしたのでカントリーも大好きな音楽ジャンルのひとつです。
 そして実際、彼らの2作目迄のアルバムではカントリー・ロックにドゥ−ビー・ブラザースの様な分厚いギターサウンドが重なった様な感じでした。レーナード・スキナードなどが持つサザン・ロック・バンド特有の粘っこさが無くカラッっとした乾きの部分を感じました。
 アウトローズを [カントリー・ロック・バンド] と云っても別に間違いではないでしょう。他人にミュージシャンの特徴を聞いたり、伝えたりする時には音楽ジャンルの分類分けはそこそこ便利で必要でしょうが、音楽を聴く分には自分なりの感じ方で聴けばよいと思います。そう、わたしはレーナード・スキナードも大好きです。

 アウトローズは1967年フロリダ州タンパ市で結成されています。結成時のメンバーは、Hughie Thomasson (guitar、vocals)、Frank Guidry (guitar、vocals)、Herbie Pino (guitar、vocals)、Hobie O'Brien (guitar)、Phil Holmberg (bass guitar) 、David Dix (drumes)
だそうですが、その後何度もメンバーの入れ替えがあります。
 当初はレーナード・スキナードやマーシャル・タッカー・バンドなどの前座で腕を磨き、音楽関係の実業家として有名なクライヴ・デイヴィスの目にとまり彼のArista(旧Bell)レーベルと契約に達することが出来ました。ちなみにAristaへの社名変更後最初の契約ミュージシャンだったとの事です。
 デビューアルバム発表時の1975年のメンバークレジットは

 Hughie Thomasson (lead guitar,vocals)
 Billy (William Harry) Jones (lead guitar,vocals)
 Henry Paul (electric and acoustic guitar and ,vocals)
 Frank O'keefe (bass guitar)
 Monte Yoho (drams)


ただ、デビュー後もアルバム発表数枚ごとにメンバーチェンジが行われている様です。
         

 [戦慄のアウトローズ] との邦題で出されたデビューアルバム『OUTLAWS』、シングルは「風の中のあいつ」というタイトルで "Song In The Breeze" が選ばれました。シングルB面は "There Goes Another Love Song"(本国ではこちらがA面だったようです)
どちらもヒットしそうな曲ですが、たいしたヒットにはなりませんでした。ただ、アルバム全体の出来はさすが結成から8年も経ったバンド、とてもデビュー作だと思えないほど良曲がびっしり詰まっています。 最もカントリー色が強いのは"Knoxville Girl"で好きです。

 二作目『LADY IN WAITING』のジャケット・イラストは大好きです。このイラストはJanet Mager Bronsteinさんだとクレジットがありますが、詳しくは判りません。このイラストと "Girl From Ohio" の曲がとてもマッチしています。このゆったりとしたカントリー・フレイバーはこのアルバム中一番好きな曲です。アルバム全体では前作程ギターサウンドが表に出ていません。

 三作目『HURRY SUNDOWN』 からベーシストがHarvey Dalton Arnold に変わっています、左利きです。デビューアルバムなみに、ギターとコーラスが前面に出てきたアルバムです。
特にタイトル曲"Hurry Sundown"は聴き応えのあるロック・ナンバー。カントリーっぽいのは"So Afraid","Heavenly Blues"前者にはバンジョーも入っています。

OUTLAWS LADY IN WAITING HURRY SUNDOWN
OUTLAWS (1975)
(JAP) Arista BLPO-23-AR
LP

A
1. There Goes Another Love Song
2. Song For You
3. Song In The Breeze
4. It Follows From Your Heart
5. Cry No More
B
1. Waterhole
2. Stay With Me
3. Keep Prayin'
4. Knoxville Girl
5. Green Grass & High Tides


LADY IN WAITING (1976)
(USA) Arista AL-4070
LP

A
1. Breaker-Breaker
2. South Carolina
3. Ain't So Bad
4. Freeborn Man
5. Girl From Ohio
B
1. Lover Boy
2. Just For You
3. Prisoner
4. Stick Around For Rock N' Roll
HURRY SUNDOWN (1977)
(USA) Arista AL-4135
LP

A
1. Gunsmoke
2. Hearin' My Heart Talkin'
3. So Afraid
4. Holiday
5. Hurry Sundown
B
1. Cold And Lonesome
2. Night Wines
3. Heavenly Blues
4. Man Of The Hour
 サードアルバム『PLAYIN' TO WIN 邦題:勝利の雄叫び』は突然、ガラッとジャケットデザインが変化しています。パッと見、ミッキー・カーチスさんかと思います。
Aristaの日本販売元がCBSソニーから東芝EMIに変わりました。Aristaは旧社名Bell時代からコロムビア〜CBSソニーで親しんできましたので、デザイン変更も?と思いましたが、邦盤販売権の移行などアウトローズサイドには関係ないことでした。
 メンバーは、ギター、ヴォーカルのヘンリーが抜けてFreddie Salemに代わり、キーボードのMike Dukeが加わり、7人編成となりました。サウンドはカントリー色がほぼ無くなり、ポップなロック色が強くなりました。"A Real Good Feelin' ","You Can Have It"などが特に顕著です。新加入のフレディーの声質が甘いからなのでしょうか、"A Real Good Feelin' "などはまるでベイ・シティ・ローラーズのような感じでティーン世代の甘酸っぱさを感じます。
 アウトローズ、初のライブ盤が『BRING IT BACK ALIVE』、録音は`77年9月−11月、このライブツアー中の10月20日にレーナード・スキナードもツアー中でそのチャーター機が墜落、 メンバーのヴァン・ザント、スティーヴ・ゲインズが死亡、一旦解散に追い込まれていました。
翌年このアルバム発売時にはLynyrd Skynyrdへの追悼作品という形式で発売されています。
 アウトローズのメンバーはHughie Thomasson、Billy Jones、Freddie Salem、Harvey Dalton Arnold、Monte Yoho、David Dixの6人編成当時のメンバーです。
 オリジナルでない曲をライブのみで演奏するバンドは多く居ますが、彼らもここで"Freeborn Man" というポール・リヴィア&ザ・レイダーズの曲を演奏しています。それも特にヒットした曲でもないので意外な選曲でした。この時代のライブ盤は数日間のツアーで録り溜めして、曲ごとに良い演奏を選抜して構成されていましたので、どの曲が何日の物なのかは判りません。全体で好きなのはLP2枚組のうち2枚目の方です。全曲良いです。

 『IN THE EYE OF THE STORM』は再び6人編成となっています。キーボードのマイクが抜けた様です。収録曲はそこそこの平均ぞろいですが強い印象を受ける曲が入っていないというセールス的に損な部分が多分に有ります。レーナード・スキナードの解散に意気も沈んでいたのでしょうか?強いて挙げるとしたら、"Miracle Man"がポップ系、"Long Gone"がロック系での曲でしょう。


 
PLAYIN' TO WIN BRING IT BACK ALIVE IN THE EYE OF THE STORM
PLAYIN' TO WIN (1978)
(JAP) Arista IES-81163
LP

A
1. Take It Anyway You Want It
2. Cry Some More
3. You Are The Show
4. You Can Have It
5. If Dreams Came True
B
1. A Real Good Feelin'
2. Love At First Sight
3. Falling Rain
4. Dirty City
BRING IT BACK ALIVE (1978)
(USA) Arista AL-8300
2LP

A
1. Introduction
2. Stick Around For Rock And Roll
3. Lover Boy
4. There Goes Another Love Song
B
1. Freeborn Man
2. Prisoner
3. I Hope You Don't Mind

C
1. Song For You
2. Cold And Lonesome
3. Holiday
4. Hurry Sundown
D
1. Green Grass And High Tides

IN THE EYE OF THE STORM (1979)
(USA) Arista AL-9507
LP

A
1. The Lights Are On (But Nobody's Home)
2. Long Gone
3. It's All Right
4. Miracle Man
5. Comin' Home
B
1. Blueswater
2. (Come On) Dance With Me
3. Too Long Without Her
4. I'll Be Leaving Soon
 『GHOST RIDERS』、この曲のトップ"Riders In The Sky"は懐かしい曲です。子供の頃に従妹のお姉さんが教えてくれたカントリー・ソングです。
ここではかなりロック風にアレンジされていてヘビーです。米国ではシングル発売されてかなりヒットしています。カントリー・シンガーの多くが録音発表していますが今ではアウトローズ・ヴァージョンが最も知られているようです。メンバーでは左利きのベーシストのハーベイ・ダルトン・アーノルドが抜けて、Rick Cuaが加入、6人編成。
 "I Can't Stop Loving You"はエルヴィス・プレスリーやレイ・チャールスで有名な「愛さずにはいられない」だと思って聴き始めたら違いました。ウィリアム・ニコルスというシンガーソングライターが書いた曲で、レオ・セイヤーで知られるようになった曲だとか。中間部のアレンジがロックバンドらしいアレンジです。"Wishing Wells"はかなり黒っぽいフィーリングで珍しく都会っぽさを感じます。アウトローズは初期からデニムジャケットとブルー・ジーンズがお決まりで音楽的にも土の香りを保った自然派でしたのでちょっと驚きです。
 このアルバムを最後に一番好きだったギターリスト、ビリー・ジョーンズが抜けてしまいます。

 『LOS HOMBRES MALO』、ビリー・ジョーンズが抜けたメンバー、5人編成でのアルバムに成ります。
メンバーをおさらいすると、Hughie Thomasson、Freddie Salem (guitar, vocals)、Rick Cua (bass, vocals)、Gary Lyons (keyboards, vocals)、David Dix (drums) 。
 一曲目"Don't Stop"を聴いて驚きです。フレディー・スラムの曲ですが、まるでジャーマン・ハードロックそのもの。
 まさに、`81年〜`82年にかけてドイツのスコーピオンズがアメリカでセールスを大幅に伸ばしたロック界でした。製作側にしてみれば影響は受けるでしょうね。
 おおらかなアメリカン・ロックも好きですが、同様に憂いを帯びたヨーロピアン・ロックも大好きな身にしてみれば、この曲の変貌は全然不満ではありません。(ジャケットデザインも確かに土の香りはしません)
 反対にもろにアメリカの土の匂いがする曲は"Running"、この曲はメンバー作じゃなく Joe Russo という人、後にジャズ・フュージョン系に進むサイドメンの様です。

 『SOLDIERS OF FORTUNE』、前作発表からかなり年数が経ちましたが、その間に育ててもらったAristaレコードがBMGに買収されてしまった為Columbia傘下のPashaレーベルへ移籍していました。
そして出されたアルバムのジャケットは大自然風景のジャケット。メンバーは、Hughie Thomasson (Guitar, Vocals),  Freddie Salem (Guitar, Vocals),  Henry Paul (Guitar, Vocals),  Chuck Glass (Bass, Keyboards, Vocals),  David Dix (Drums, Percussion) と成っています。
 出てきた音はガラッと変わっています。先ずギターやヴォーカルの音の拾い型が違います、会社が変わりレコーディングスタッフの違いもあるでしょう。全体的にワイルドさが増して、ポップな部分が消え、都会的な音作りです。10年前のデビュー時の音は全くありません。完全に別のバンドです。
 サウンドは以前と違っても曲はそれぞれにどの曲も良い曲だと思います。敢えて以前のタイプの曲を探すとしたら "Saved By The Bell" に成るでしょう、じっくりと聴ける曲でしょう。。
 また "Cold Harbor" も以前のアウトローズには全くなかった、「淋しさ・虚ろな雰囲気」を漂わせている曲です。曲としては印象的で良いですね。

GHOST RIDERS LOS HOMBRES MALO SOLDIERS OF FORTUNE
GHOST RIDERS (1980)
(USA) Arista AL-9542
LP

A
1. (Ghost) Riders In The Sky
2. White Horses
3. Angels Hide
4. Devil's Road
B
1. I Can't Stop Loving You
2. Wishing Wells
3. Sunshine
4. Freedom Walk
LOS HOMBRES MALO (1982)
(USA) Arista AL-9584
LP

A
1. Don't Stop
2. Foxtail Lilly
3. Rebel Girl
4. Goodbye
B
1. Back from Eternity
2. Won't Come Out of the Rain
3. Running
4. Easy Does It
5. All Roads

SOLDIERS OF FORTUNE (1986)
(USA) Pasha/CBS PASHA-13
LP

A
1. One Last Ride
2. Soldiers Of Fortune
3. The Night Cries
4. The Outlaw
5. Cold Harbor
B
1. Whatcha Don't Do
2. Just The Way I Like It
3. Saved By The Bell
4. Lady Luck
5. Racin' For The Red Light

 長らく音沙汰だったアウトローズ、CD時代に成って突然のライブ盤。『HITTIN' THE ROAD LIVE 』(Pasha/CBS系の会社からではありません)
録音月日の記載もなく販売レーベルも知らないところなのでブートレグらしさプンプンでしたが、どうやら正規盤の様でした。コンサート会場の録音ではなく、ニューヨークのDajhelon Studiosに置けるスタジオライブです。
 メンバーはヒューイ以外ゴロッと変わっています。 Hughie Thomasson (guitar, vocals)、Chris Hicks (guitar)、Timothy Cabe (guitar)、Jeff Howell (bass guitar, vocals)、B.B. Borden (drums)。 往年のアウトローズナンバーをもし奏らなかったら全くの別バンドです。
 トップの"Hittin' the Road" ヒューイのオリジナルで昔の雰囲気をかもし出しています。アメリカ大陸は長い縦断・横断道路が多く、ヒッチハイクを取り上げた曲や、トラック運転手やバイク・ツーリングで運転中に聴く小気味よいロード・ソングがかなり流行ります。この曲はまさにピッタリです。
 そして意外なのは"Hitman Blues"モロのジャンプ・ブルーズです。これも驚きの中でニヤリの選曲です。 "Evil, Wicked, Mean and Nasty"、"Superficial Love"の2曲もわたしにとっては初めての曲ですが、どちらも土の匂いのする南部の音です。スタジオ・ライブながら普通の新作スタジオ盤と捉えても良い位置にあると思います。ラスト2曲はお馴染みの曲の再演。

 同じBlues Bureau Internationalというマイナーレーベルから新作『DIABLO CANYON』が発売されました。こちらもコントラストのはっきりしない暗い写真のカバーでブートレグっぽい雰囲気です。メンバーは4人に成っています、抜けたのはギターのティモシー(Timothy Cabe)写真を見ても顔と名前は分かりづらいです。 ただ、スタジオ・ミュージシャンを数人使いギターサウンドに厚みを持たせているのはサザン・ロックバンドらしいところです。
内容は4人の姿や写真から連想するのはテキサス、ニュー・メキシコ、アリゾナといったメキシコ寄りの雰囲気です。アメリカはホントに地域によってその地域で流行る音楽が全く違います。
 トップの"Diablo Canyon"などはメキシコ系の酒場で流れていそうな感じを受けました。"Let the Fingers Do the Walkin'"のドラムスの扱い方は明らかにロード・ソングの形ですね。"Steam on the Blacktop"は久しぶりにカントリー風な曲で好きな人には響くでしょう。
 "New Frontier"、"Brother Travis"、"The Wheel"などはどちらかというとHeavy Rockタイプでしょう。

 アウトローズとしては初めてのベスト物です『BEST OF THE OUTLWAS』。CamdenというRCA時代から安価シリーズ専用レーベルからの発売です。"Girls from Ohio"が選曲されているのは嬉しいです。

HITTIN' THE ROAD LIVE DIABLO CANYON BEST OF THE OUTLWAS
HITTIN' THE ROAD LIVE (1993)
(USA) Blues Bureau International BB-2016-2
CD

1. Hittin' The Road
2. There Goes Another Love Song
3. Hurry Sundown
4. Waterhole
5. Hitman Blues
6. Evil, Wicked, Mean And Nasty
7. You Are The Show
8. Superficial Love
9. (Ghost) Riders In Te Sky
10. Green Grass And High Tides


DIABLO CANYON (1994)
(USA) Blues Bureau International BB-2017-2
CD

1. Diablo Canyon
2. Dregs Fall To the Wicked
3. Let The Fingers Do The Walkin'
4. Steam On The Blacktop
5. Macon Blues
6. New Frontier
7. Brother Travis
8. The Wheel
9. Freedom In Flight
10. Alligator Alley


BEST OF THE OUTLWAS (1999)
(USA) Camden/BMG  74321 674482
CD

1. There Goes Another Love Song
2. Knoxville Girl
3. Song For You
4. Waterhole
5. Green Grass & High Tides
6. Breaker Breaker
7. South Carolina
8. Freeborn Man
9. Prisoner
10. Girl From Ohio
11. Stick Around For Rock & Roll
12. Hurry Sundown
13. Gunsmoke
14. You Are The Show
15. Take It Any Way You Want It
16. (Ghost) Riders In The Sky




 21世紀になりました。Aristaを所有していたBMGがSONYBMGに代わり、またまた新装でベスト物が出ています。カバー写真はツインドラム体制だった`70年代のメンバーHughie Thomasson (lead guitar,vocals)、Billy Jones (lead guitar,vocals)、Freddie Salem (electric and acoustic guitar and ,vocals)、Harvey Dalton Arnold (bass guitar)、Monte Yoho (drams)、David Dix (drams) の写真が使われています。
 『PLATITUM & GOLD COLLECTION』シリーズはRCA系列のアーティストを取り上げて多くのコンピレーションを出しています、
 ただ、残念なのはこのベストアルバムが発売された時期(1996〜2005 )、ヒューイ・トマソンはアウトローズを離れてレーナード・スキナードに参加していたことです。ビリー・ジョーンズは1995年2月7日銃による自殺死と伝えられ、おまけにヒューイは2007年9月9日心臓発作で死去とのこと。
 アウトローズは消滅した感じでした。

 驚きのアルバムです『IT'S ABOUT PRIDE』、ヒューイとビリー・ジョーンズがこの世から居なくなった後、あのデビュー・アルバム発表時のメンバー、ヘンリー・ポールとモンテ・ヨーホがアウトローズを復活させたのです。再発動は2005〜2006年頃からの様です。
そしてアルバムには「dedicated to to the memory of Hughie Thomasson Billy Jones Frank O'keefe」と記してありました。フランクも亡くなっていたらしいです(1995年死亡との事)。今回リーダー的存在のヘンリー・ポールはアウトローズから出たり入ったり、自分のバンドHenry Paul Bandを造ったりと長らく活動はしていたようです。
 そして今回、ヘンリーのギター&ヴォ−カル、モンテのドラムスに、他は Billy Crain (guitars, harmony vocals)、Chris Anderson (guitars, vocals)、Randy Threet (bass guitars, vocals)、Dave Robbins (keyboards, vocals)というメンバー構成でレコーディングです。
 "Hidin' Out in Tennessee"はカントリー色たっぷりでデビュー時を思い出させます。録音もテネシー州ナッシュビルのスタジオでの録音。"It's About Pride"はグラム・パーソンズをふと思い起こしました、とても良い曲です。ヘンリー・ポールの曲ですが、デビュー直後時カントリー色が強かったアウトローズはヘンリーやモンテの志向が効いていたのでしょうか? 語りかけるような"Nothin' Main About Main Street"も良いですね。
 "Alex's Song"はBellレコード時代のDavid Cassidyに良く似たポップソング系です。 "So Long"もポップよりですが曲は良い感じです。とても気に入った再結成盤でした。

 『LIVE IN LOS ANGELES 1976』は正式発売のライブ盤としては唯一のレコードデビュー時のメンバーによるものです。ヘンリーとモンテが「ヒューイ、ビリー、フランクに捧げる」と記したからか、1976年11月22日ロサンジェルスのレコード・プラント・スタジオでのライブ音源をロサンジェルスに在るPurple Pyramidレーベルから発表されました。スタジオ・ライブながらギターの高温がひどく偏り耳障りな音質ではあります、でも9年も前の音源をよくぞ出してくれましたという思いです。ベルボトムのジーンズが一番似合っていた時期のアウトローズです。

    
PLATITUM GOLD COLLECTION  IT'S ABOUT PRIDE LIVE IN LOS ANGELES 1976
PLATITUM & GOLD COLLECTION  (2003)
(USA) Arista 82876542082
CD

1. Keep Prayin'
2. Breaker-Breaker
3. (Ghost) Riders In The Sky
4. Hurry Sundown
5. There Goes Another Love Song
6. Holiday
7. Cold And Lonesome
8. Take It Any Way You Want It
9. Night Wines
10. So Afraid
11. Ain't So Bad
12. Green Grass & High Tides
IT'S ABOUT PRIDE (2012)
(USA) Mirror Lake RSV096
CD

1. Tomorrow's Another Night
2. Hidin' Out In Tennessee
3. It's About Pride
4. Born To Be Bad
5. Last Ghost Town
6. Nothin' Main About Main Street
7. The Flame
8. Trail Of Tears
9. Right Where I Belong
10. Alex's Song
11. Trouble Rides A Fast Horse
12. So Long



LIVE IN LOS ANGELES 1976 (2015)
(USA) Purple Pyramid CLP 2343
CD

1. Waterhole
2. Stick Around For Rock & Roll
3. Songs In The Breeze
4. Lover Boy
5. Freeborn Man
6. Cry No More
7. Knoxville Girl
8. Green Grass & High Tides
9. There Goes Another Love Song

Hughie Thomasson (vocals, guitar); Henry Paul, Billy Jones (guitar); Monte Yoho (drums). Liner Note Author: Dave Thompson . Recording information: The Record Plant, Los Angeles, CA (11/22/1976)


 復活メンバーによるライブ盤が出ました。『LEGACY LIVE』
 「ファースト・アルバム発表から40周年を記念して」と記され更に「ヒューイ、ビリー、フランクと夢を語り合おう」と捧げる記述もあります。メンバーは『IT'S ABOUT PRIDE』発表時よりSteve Grishamがギター、ヴォーカルで増えて6人です。
 2015年の録音の様ですが録音場所は明記されていません(ミキシング場所がナッシュビルのスタジオなのでテネシー州のどこか?)。CDの発売国はEU仕様のドイツです。ブギウギ調の近年の "Born To Be Bad"から日本での初シングル曲 "Song In The Breeze" と続いて最近の曲と昔の曲が交互に流れてもそう違和感はありません。そして大好きな "Girl From Ohio"をライブで聴けること、このカントリー・フレイバーがアウトローズの原点ですよね。中期の曲中から"Cold Harbor"が選ばれたのは嬉しい選曲。 ラスト3曲の連続も良いです。

 2020年に成ってニューアルバムが出ました。『DIXIE HIGHWAY』
トップ曲が"Southern Rock Will Never Die"という意気込み溢れた泥臭いサザン・ロックらしい曲で始まります。(一時期のボン・ジョヴィ風ですね)
 メンバーは相変わらず少々変動ありです。Billy Crainが離れてゲスト・ミュージシャン扱いで参加、Dale Oliverというギターリストが新加入です。
今回は「Frank "Rock" O'keefeに捧げる」と記されています。彼は初期2枚のアルバムに参加後、主だった活動が伝えられていません。
ヘンリー・ポールは1949年生まれ、凄い頑張りですネ。"Heavenly Blues"はモロなカントリー・ロック。"Dixie Highway"はロック・チャートで上位ランクをしてもごく普通な覚えやすいメロを持つロック・ナンバーです。"Over Night From Athens"はおじさんが作ったとはとても思えないほど若々しさあふれるポップ調ロックです。歌詞もアテネ迄飛ぶとはロマンティック。
"Windy City's Blue" はFrank O'keefeの曲、フランクに捧げるアルバムということでの演奏でしょう。全体的に聴き応えのあるアルバムです。

 『Anthology Live And Rare』、このライヴ盤(+デモ録音集)は2012年に一度四枚組で出ていた物(未入手)の再発に成るのですが何故か前回三枚目に収録されていた音源(`77年〜`81年ライヴ)のDisk3が外された3枚組で再発されています。アウトローズの様なカントリーをベースにして尚且つ個人プレイ優先でなく厚みを優先したサウンドスタイルのバンドに関しては日本では殆ど話題にもならないので詳しい記事も少なく`77年と`81年のライヴが外された経緯は知りません。・・・ホントに日本では全く話題に成りませんね、本国でも`80年代後半以降は同様の様です。
(それでも海賊盤-ブートレグは出ていた様でわたしも`80年代後半メンバーによる『LIVE AT THE BOTTOM LINE, NEW YORK `86』の二枚組を持ってはいます)
 ただ、買い損ねていた「彼らに出会ったキッカケのメンバー(Hughie Thomasson、Billy Jones、Henry Paul、Frank O'keefe、Monte Yoho)」達による`75年、`76年のライヴ音源はわたしにとって貴重なものです。場所によって録音状態にかなり差がありますが一枚目と二枚目はホント有難いです。
 三枚目はファースト〜サードアルバム収録曲の別テイクと未発表曲 (`75年以前のも含まれています) で構成されています。".Windy Cities Blue" は"Windy City's Blue" と若干綴りが違いますが、Frank O'keefeの同曲、2020年『Dikie Highway』で正式な再録発表だったのですね。当時の演奏ジャンルとは違うために未発表と成っていたのかも知れませんが凄く良い演奏です。"Nighttime's Passing Dream" はHenry Paul作でモロの青春ポップソングでオミットされたのは理解できますが、曲自体は可愛らしくて良い感じじゃないでしょうか?
 アウトローズを初期から聴いてきた者には非常にありがたい編集盤でした。

LEGACY LIVE DIXIE HIGHWAY Anthology Live And Rare
LEGACY LIVE (2016)
(Germany/EU)  Steamhammer SPV 271742 2CD
2CD

Disc 1
1. Intro
2. There Goes Another Love Song
3. Hurry Sundown
4. Hidin' Out In Tennessee
5. Freeborn Man
6. Born To Be Bad
7. Song In The Breeze
8. Girl From Ohio
9. Holiday
10. Gunsmoke
11. Grey Ghost

Disc 2
1. South Carolina
2. So Long
3. Prisoner
4. Cold Harbor
5. Trail Of Tears
6. It's About Pride
7. Waterhole
8. Knoxville Girl
9. Green Grass And High Tides
10. (Ghost) Riders In The Sky


DIXIE HIGHWAY (2020)
(Germany/EU)  Steamhammer SPV 284722 CD
CD

1. Southern Rock Will Never Die
2. Heavenly Blues
3. Dixie Highway
4. Over Night From Athens
5. Endless Ride
6. Dark Horse Run
7. Rattle Snake Road
8. Lonesome Boy From Dixie
9. Showdown (Instrumental)
10. Windy City's Blue
11. Macon Memories


Dale Oliver, (Guitar, Vocals)
Henry Paul, (Guitar, Vocals)

Randy Threet, (Bass Guitar, Vocals)
Monte Yoho, (Drums)
Dave Robbins, (Keyboards, Vocals)
Steve Grisham, (Guitar, Vocals)
Jaran Sorenson, Drums)
Billy Crain, (Guitar [Guest] )



Anthology Live And Rare (2022)
(USA) Purple Pyramid CLO 3311
3CD

Disc 1:Live 1975
1. Waterhole
2. Stick Around For Rock & Roll
3. Knoxville Girl
4. There Goes Another Love Song
   (The Above are Live At Denver, Co - August 1975)
5. Song For You
6. Prisoner
7. Redneck Friend
   (The Above are Live At Bryn Mawr, Pa - August 1975)
8. There Goes Another Love Song
9. Freeborn Man
10. Kansas City Queen
   (The Above are Live At Cleveland, Oh - September 1975)
11. Song In The Breeze
12. Knoxville Girl
13. Cry No More
14. Green Grass & High Tides
   (Record Plant-: Sausalito, Ca - November 1975)

Disc 2:Live 1976
1. Waterhole
2. Stick Around For Rock & Roll
3. Song In The Breeze
4. Lover Boy
5. Freeborn Man
6. Cry No More
7. Knoxville Girl
8. Green Grass & High Tides
9. There Goes Another Love Song
   (Record Plant - Los Angeles, Ca - November 1976)

Disc 3:Studio Demon
1. Song For You
2. It Follows From The Heart )
   (Outlaws Sessions Demo)
3. Freeborn Man
   (Lady In Waiting Sessions Demo)
4. Gunsmoke
5. Holiday
6. Hurry Sundown
7. Cold & Lonesome
8. Night Wines
9. Heavenly Blues
   (Hurry Sundown Sessions Demo)
10. Never See Your Face
11. Windy Cities Blue
12. Nighttime's Passing Dream
13. True Love At First Sight
14. Where Does It Go From There
15. Goodbye Tupelo
16. Alone With You Again
17. Two Time Blues
   (Unreleased Demo `73-`77)




DVD Disc


 1981年にドイツ (当時は西ドイツ) の放送局 WDR が制作しているテレビ番組の「Rockpalast」で使用されていた映像をDVD化した物です。テレビ用と言っても広いスタジオでなく屋外でのライヴ映像です。DVDが主なのですが、何故か同じ音源のCDがセットの2枚組と成っていました。メンバーは Hughie Thomasson(guitar), Billy Jones(guitar), Freddie Salem(guitar), Rick Cua(bass), David Dix(drums) の5人でほぼ『GHOST RIDERS』録音時のメンバー (アルバムにはMike Duke がキーボードでゲスト参加していましたが)で、ビリー・ジョーンズが抜ける直前の映像なので見られたのが嬉しかったです。ただ、カバー写真がフレディー・セラムのみがメインとして扱われているのはちょっと気に入らないですが。
 フレディーが加入した『PLAYIN' TO WIN』からバンドはカントリー色がかなり薄められてロック色が強く成りました。そこら辺がドイツの人たちに受け入れられた要因かも知れません。明らかにドイツの人たちはロック好きです(わたしもジャーマン・ロックは大好きです)ロック風味のアウトローズに替えたのはフレディーですから・・・
 当時の演奏シーンを見られる事は貴重ですが、アイドル・グループでもないわけで、「音楽を聴く」ということを重点に置くとおまけのCDをじっくり聴く方が私には向いています。
 ファースト・アルバムからの "Green Grass And High Tide" は各々のギター・ソロやドラム・ソロなどを組み込んで20分ほどの曲で一旦終わり、ラストの "Ghost Riders In The Sky" がアンコール曲に成っています。

Live at Rockpalast 1981
LIVE AT ROCKPALAST 1981
(2020)
(Germany/EU)  WDR/MIG-music MIG 90292
DVD+CD


 
DVD
1. Devil's Road
2. Hurry Sundown
3. Holiday
4. Long Gone
5. Angels Hide
6. Waterhole
7. There Goes Another Love Song
8. Green Grass And High Tide
9. Ghost Riders In The Sky
 
CD
1. Devil's Road
2. Hurry Sundown
3. Holiday
4. Long Gone
5. Angels Hide
6. Waterhole
7. There Goes Another Love Song
8. Green Grass And High Tide
9. Ghost Riders In The Sky
 

 
Live At Rockpalast
Test Open Air Festival, Loreley, Germany
(August 19th 1981)



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Text by Mie