OTIS RUSH

  ブルーズマンの中で、この数年一番良く聴くのはオーティス・ラッシュとバディ・ガイ。どちらもシカゴブルースの中核に居たギターリスト・シンガーですが、わたしが最初に聴きだしたブルーズはテキサスブルース、ライトニン・ホプキンスでした。モダンジャスを聴きあさっていた時代にスィングジャーナル誌の別冊だったか増刊だったかのブルースアルバム紹介欄で中村とうようさんが推しておられた『Texas Blues Man』がわたしのブルースアルバム一枚目でした。、その後『Lightnin' Strikes』などLP時代に彼のアルバムは都合5枚を買っていました。
 Bluesというもの、「モロおじさん声で歌われるのが似つかわしい」あの頃はそんな風に感じておりました。そしてハウリン・ウルフやサニー・ボーイ・ウィリアムスン(二世)を通じてシカゴ・ブルースに行き着きました。生ギターからエレキギターに代わりバンド形式の形態になった事、ブリティッシュロックバンド達とブルースマンのセッションが始まった事など相俟って国内でもBlues関係のレコードがたくさん発売されるようになりました。そしてオーティス・ラッシュと出会いました。
 オーティスの魅力はなんといってもその独特のギタートーンにあります。音色・質感といった部分が放つ憂いが人を惹きつけるのでしょう。凄いギターリストだと思います。

 ただ、オーティス・ラッシュはブルース界のギターリストとしてはどうしても先輩の三大キング(B.B.キング、フレディ・キング、アルバート・キング)の次に位置する人として評価されてしまいますが、最も好きなブルーズマンに挙げる人はかなりいらっしゃるのではないでしょうか?
 ちなみに三大キングの中でわたしが良く聴くのはSTAXでの吹き込みが多かったせいかも知れませんがソウルフルな曲の多いアルバート・キングです。


 オーティス・ラッシュは1935年生まれ。エルヴィス・プレスリーと同い年ですね。(わたしは隠れファンでも無いのですがエルヴィスの猛烈ファンでも有りまして、アナログ盤時代に彼の既発表曲、既発表アルバムをすべて揃え、CD時代に入ってからも買い続けております)
 レコードデビューはCOBRAレコードから1956年と成っていますから21歳の時です。「ウェー〜ア〜」のうなり声で始まるお馴染みの『I Can't Quit You Baby』がデビュー曲。モロ泣きのギターの伴奏で今でも多くのミュージシャンに演奏される名曲です。彼のCOBRAでの録音曲数は16曲、『.All Your Love 』『Double Trouble』等の有名曲が'56年から'58年に吹き込まれています。COBRAレコードは1959年に倒産してしまいますが、COBRAの版権を英Blue Horizon社が持っていてオーティスのCOBRA音源をまとめてアルバム化したのが1969年。
 それが国内発売されたのは同じBlue Horizonレーベルでヒットしたフリートウッド・マックを抱えていたSONYのEpicレーベルでした。レコード番号を見るとフリートウッド・マックの『Blues Jam at Chessシリーズ』と続き番号でした。オーティスのアルバムが編集盤ながら国内で最初に発売されたのが1969年です。
 しかしこのレコード、デビュー曲の "I Can't Quit You Baby" がなぜかオリジナルと違うオルタネイト・テイクで納められていました。それとジャズっぽい『Violent Love』とかブギー調の『Sit Down Baby』を録音していたのが50年代という時代を反映しています。(T-ボーン・ウォーカーの曲にもモロジャズ曲が割と有りますね)

 彼がCobraの後に吹き込んだのはChess、Duke等で数曲を録音、ただし発表はChessでシングル盤のみ。(後日、編集物のアルバムを通じてですが聴くことは出来ました)

 正式な(アルバムとしての形での)デビューはCobra倒産後10年も経た1969年Atlantic傘下Cotillionでの『MOURNING IN THE MORNING』に成ります。彼の60年代に残した音源は極端に少ない現状でした。このアルバムは南部ソウルミュージックで有名なマスルショーズのFameスタジオで録音されてソウルっぽい雰囲気があり全曲お気に入りです。米国白人ブルースギターリストの先駆者マイク・ブルームフィールドとマイクの結成したエレクトリック・フラッグでヴォーカルを務めたニック・グレイヴナイツがプロデュースと曲の提供をしています。一番好きな曲はオーティス作のスロー・ブルーズ ".My Love Will Never Die"。
国内では最初ATLANTICの版権を持っていたグラモフォンが発売( SMT-1078)していましたが、すぐに版権が出来たてのワーナーパイオニア(設立1970年)に移り、再発が延ばされて1975年にやっと出ました。
 日本国内事情とは違い本国で実際に発売を遅らされたのが1971年2月録音の『RIGHT PLACE, WRONG TIME』。Cotillionのあと大手のCapitolと契約して制作されたアルバムながら実際にアメリカで発売されたのは1976年、日本では「伝説のキャピトルセッション」として1978年に発売されました。この中ではやはりスロー・ブルーズの "Take a Look Behind" が一番でしょうか。一般的には評価が高いアルバムですが、個人的には『MOURNING IN THE MORNING』の方が良く聴きましたし好きです。

 録音と発売が前後して、順序としてオーティスのセカンドアルバム 『COLD DAY IN HELL』はマジック・サムの音源で有名なシカゴのDelmarkから発売されました。2曲目8分ほどの『You're Breaking My Heart』はオーティスならではのギタートーンがタップリですが、次の曲が結構だるくてちょっと残念。
ここで飛ばして裏返す(アナログ盤です)とB面は良いですね。CDでの再発盤は見ていませんが、LP盤のジャケット裏写真は日本でのコンサートスナップをいち早く使用していました。
 同じDelmarkから日本でのライブ音源(1975年7月、東京日比谷)が『SO MANY ROADS』として発売されていますが、ここでもジャケット裏側にその時のスナップが使われていまして、客席の聴衆に同じ顔がいくつも見えます。。この初来日時のライヴ盤はその後にいろいろ発売されたライヴ盤に比べて素朴な感じがしますが(70年代というより60年代後半の録音の様な雰囲気です)わたしは好きです。

 国内初のブルーズミュージック専門誌『The Blues』(日暮泰文氏編集)の創刊号はいつだったかは知らないのですが、わたしの手元には12号(75年6月刊)から26号まで残っています。2〜3ヶ月に一回の飛び月発行誌でしたが、この『The Blues』誌から埋もれた音源発掘の独自レーベルP-VINEが発足したのですから、たいした人です。カルヴィン・リーヴィのアルバムを第一弾に出発した(1976年)P-VINEが、オーティス・ラッシュのCobra音源のオリジナル集を出しました。それが『Groanin' The Blues』です。Blue Horizon盤ではデビュー曲の ".I Can't Quit You Baby" が別ヴァージョンだったのをオリジナルテイクで収録しています。
 

THIS ONE'S A GOOD 'UN
JAPAN CBS/SONY Epic ECPJ-19 (1969) LP

A:
1.Double Trouble
2.Jump Sister Bessie
3.She's a Good 'Un-(Take.a)
4.Checking On My Baby
5.Sit Down Baby
6.Love That Woman
7.Keep On Loving Me Baby-(Take.B)
8.Keep On Loving Me Baby-(Take.A)
9.My Baby Is a Good 'Un
10.If You Were Mine
B:
1.I Can't Quit You Baby (Alt.Take)
2.All Your Love (I Miss Loving)
3.Groaning The Blues (Alt.Take)
4.It Takes Time
5.Violent Love
6.Three Times a Fool (Alt.Take)
7.My Love Will Never Die (Alt.Take)
8.She's a Good 'Un-(Take B)
 MOURNING IN THE MORNING
JAPAN Warner/Pioneer P-8573A (1975 original (1969) LP

A.
1.Me
2.Working Man
3.You'Re Killing My Love
4.Feel So Bad
5.Gambler's Blues
6.Baby i Love You
B
1.My Old Lady
2.My Love Will Never Die
3.Reap What You Sow
4.It Takes Time
5.Can't Wait No Longer
 
COLD DAY IN HELL
JAPAN Torio/Delmark PA-3094 (1975) LP

A;
1.Cut You A Loose
2.You're Breaking My Heart
3.Midnight Special
4.Society Woman
B:
1.Mean Old World
2.All Your Love
3.Cold Day In Hell
4.Motoring Along

 
SO MANY ROADS Live in Concert
USA Delmark (1978) LP

A:
1.Will My Woman Be Home Tonight
2.Every Day i Have The Blues
3.I Can't Quit You, Baby
4.Crosscut Saw
5.Looking Back
B:
1.All Your Love i Miss Loving
2.So Many Roads
3.Gambler's Blues
4.Three Times a Fool
 
RIGHT PLACE, WRONG TIME
JAPAN P-vine PLP-702 (1978) LP

A.
1.Three Times a Fool
2.Easy Go
3.Right Place, Wrong Time
4.Tore Up
5.Rainy Night In Georgia
B
1.Natural Ball
2.i Wonder Why
3.Your Turn To Cry
4.Lonely Man
5.Take a Look Behind
 
GROANIN' THE BLUES
JAPAN Cobra/Plp-9012 (1980) LP

A:
1.I Can't Quit You Baby
2.Sit Down Baby
3.Violent Love
4.My Love Will Never Die
5.Groaning The Blues
6.If You Were Mine
7.Love That Woman
8.Jump Sister Bessie
B:
1.Three Times A Fool
2.She's A Good 'Un
3.It Takes Time
4.Checking On My Baby
5.Double Trouble
6.Keep On Loving Me Baby
7.All Your Love [I Miss Loving]
8.My Baby Is A Good 'Un
 

 ここからはCDでの購入と成るのですが、Cobra以降Cotillionでのアルバム発売までに吹き込んだ数曲の音源から(1960年頃)。
 『Door To Door』は名門Chessに吹き込んだオーティス・ラッシュの音源とアルバート・キングの音源を無秩序に並べた編集物。どの曲でも共演はしていません。"All Your Love" の再演を含め6曲がオーティスの録音曲です。

 そして『THE Best of Duke-Peacock Blues』はDuke、Peacockに吹き込まれた種々ブルーズマンの寄せ集めアルバムでオーティスが1962年Dukeに残した "Homework" (Duke 356) が聴けます。Dukeの看板スターだったボビー・ブランドが2曲収録されていますが、他は各1曲ずつの収録です。

 そしてLP時代に何度か買おうかと思いながら買いそびれていたシカゴ・ブルーズのオムニバス三部作『Chicago/The Blues/Today!』。その第2集にオーティス・ラッシュが5曲入っておりましたので買いました。(他はジェイムス・コットンとホームシック・ジェイムス)録音されたのは1965年。この時のバンドメンバーはOtis Rush (guitar, vocals) 、Luther Tucker (guitar)、Robert Crowder (alto saxophone)、Roger Jones (bass)、Willie Lion (drums)という記載です
B.Bキングの "It's My Own Fault"はギターに絡むサックスがジャズ的で良い雰囲気ですが、他の曲もちょっと軽めで、駆け足セッション的に感じました。

 『SCREAMIN' AND CRYIN'』は1972年録音の音源で元はフランスの Black & Blue というレーベルから6曲編集で出ていたらしいです。BBキング作の "It's My Own Fault" が嬉しかったです。
 『LIVE IN EUROPE』もフランスでの1977年10月録音物。全体的に怠く、オーティスさが感じられません。ただ、この伸び気味で怠い "I Can't Quit You Baby" が妙に頭に残り別の曲の様で気になりました。曲自体の良さを認識しました。
 『TROUBLES, TROUBLES』も1978年にスェーデンで吹き込んだ作品とのこと。(後にオーバーダビング編集を施して『The Lost in the Blues』というタイトルで再発されています。) 1975年録音の日本でのライヴCD買い換えも含めてオーティスの70年代というのは、本国での録音はほとんど無くってヨーロッパや日本での録音物だけの発表に留まっていたのですが、このスェーデン録音盤以降は録音自体成されないほぼ引退状態が長く続きました。

 そして待望の『Tops』は1985年サンフランシスコでのライヴ録音。80年代前半は全く録音の機会もなく、ライヴ盤とはいえアルバム録音は7年ぶりのことでした。
ここでの演奏は復活をアピールするかの如く強烈なキレを感じます。曲としてはアルバート・キングのあのStax録音で有名な黒猫盤からの "Crosscut Saw"を抜群のノリで演奏しているのが嬉しいです。(あの怠い『LIVE IN EUROPE』での同曲とえらい違いです) またB.B.キングの "Gambler's Blues" の再演も聴き応え充分です。
ここで、ちょっと余談・・・この[Blind Pig]というレーベルのマーク、サングラスをしてよだれを垂らしている豚のイラスト。海賊盤で有名だったレーベルじゃない?・・・と思いましたがあちらの方の豚は確か葉巻をくわえていた筈、[Swingin' Pig]というレーベル名が出てきましたが!


DOOR TO DOOR
JAPAN Universal MCA/Chess UICY-3442 (1994 original-1969) CD

3.So Close
5.I Can't Stop
7.I'm Satisfied
8.All Your Love
9.You Know My Love
13.So Many Roads
Door To Door
THE BEST OF DUKE-PEACOCK BLUES
USA Universal/MCA MCAD-10677 (CD992)

16.Homework
ANY PLACE I'M GOING
 CHICAGO/THE BLUES/TODAY! Vol.2
USA Vanguard VMD-79217 (1989 original 1966) CD

6.Everything's Going To Turn Out Alright
7.It's A Mean Old World
8.I Can't Quit You Baby
9.Rock
10.It's My Own Fault
 Chicago/The Blues/Today! Vol.2
MOURNING IN THE MORNING
USA Collectables COL-CD-7704 (2006 original-1969) CD

1.Me
2.Working Man
3.You'Re Killing My Love
4.Feel So Bad
5.Gambler's Blues
6.Baby i Love You
7.My Old Lady
8.My Love Will Never Die
9.Reap What You Sow
10.It Takes Time
11.Can't Wait No Longer
MOURNING IN THE MORNING
RIGHT PLACE, WRONG TIME
CANADA Hightone HCD-8007 (2006 original 1975) CD

1.Tore Up
2.Right Place,Wrong Time
3.Easy Go
4.Three Times A Fool
5.Rainy Night In Georgia
6.Natural Ball
7.I Wonder Why
8.Your Turn To Cry
9.Lonely Man
10.Take A Look Behind
RIGHT PLACE, WRONG TIME
SO MANY ROADS Live in Concert
USA Delmark DE-643 (1995 original-1978) CD

1.Introduction
2.Will My Woman Be Home Tonight (Blue Guitar)
3.Every Day I Have the Blues
4.I Can't Quit You Baby
5.Crosscut Saw
6.Looking Back (Take a Look Behind)
7.Chitlins con Carne
8.I've Got News for You
9.Mean Old World
10.All Your Love (I Miss Loving)
11.So Many Roads, So Many Trains
12.Gambler's Blues
13.Three Times a Fool
 SO MANY ROADS
SCREAMIN' AND CRYIN'
USA Evidence ECD 26014 (1992 original-1977) CD

1.Looking Back
2.You're Gonna Need Me
3.It's My Own Fault
4.I Can't Quit You Baby
5.Every Day I Have The Blues
6.A Beautiful Memory
7.I Got News For You
8.I Can't Quit You Baby
  SCREAMIN' AND CRYIN'
LIVE IN EUROPE
USA Evidence ECD-26034-2 (1993-original 1978) CD

1.Cut You Loose
2.All Your Love
3.You're Breaking My Heart
4.I Wonder Why
5.Feel So Bad
6.Society Woman/Love Is Just A Gamble
7.Crosscut Saw
8.I Can't Quit You Baby
9.I'm Tore Up
10.Looking Back
 LIve in Europe
TROUBLES, TROUBLES -Sonet Blues Story
USA Sonet SNTF 756 (2005 original-1978) CD

1.You Got Me Runnin'
2.Little Red Rooster
3.Whole Lot of Lovin'
4.It's Got To Be Some Change Made
5.You Been An Angel
6.You Don't Have To Go
7.Troubles Troubles
8.I Miss You So
9.Hold Your Train
10.Same Old Blues
TROUBLES TROUBLES
TOPS
USA Blind Pig / BP-73188 (1988) CD

1.Right Place, Wrong Time
2.Cross Cut Saw
3.Tops
4.Feel So Bad
5.Gambler's Blues
6.Keep On Lovin' Me Baby
7.I Wonder Why
TOPS

 1986年2回目の日本公演のライヴ盤が『BLUES INTERACTION』、バックは日本のブルーズバンドBreak Down が担当しています。ここでは選曲が意外です。ジェームス・ブラウンの "Please,Please,Please"やベン・E・キングの "Stand by Me"といったソウルミュージック系のヒット曲を演っています。
"Stand by Me"はわたしのMost Favorite Songs の一つでして涙ものです。またハウリン・ウルフの "Killing Floor" はアレンジがロックっぽくエレクトリック・フラッグを思い出しました。

 そしてスタジオ録音盤『AIN'T ENOUGH COMIN' IN』が出ました。スタジオ録音物としてはスェーデンで録音した 『TROUBLES, TROUBLES』 以後実に16年ぶりという計算に成ります。このアルバムは選曲、演奏共にベストで大好きです。サム・クックのヒット"ハヴ・マーシー"のソウルフル歌唱、"エイント・ザット・グッド・ニュース" はブルーズっぽく演奏。そしてリトル・ミルトン、レイ・チャールスにB.Bキング、アルバート・キングなどの曲の良い所取り、自身Duke録音の "Homework" の再録などなど聴きどころタップリでした。ところでジャケ写真の白いストラト、『LIVE IN EUROPE』時の写真と同じストラトキャスターだと思いますので、この『AIN'T ENOUGH COMIN' IN』はどうみても反転してそうですね。

 次に1998年『ANY PLACE I'M GOING』を発表。(このCDはグラミー賞のBlues Album部門で最優秀賞をもらっています)録音はHiレーベルの多くの作品を作ったウィリー・ミッチェルのメンフィス・ロイヤルレコーディングスタジオ、プロデュースもウィリー・ミッチェルが主になりオーティス自身とマサキ夫人の名前もクレジットされています。
今回もサム・クック、リトル・ミルトン、レイ・チャールズのヒット曲に加えてロイド・プライスのR&Bヒット "Have You Ever Had The Blues"がメンフィスさは無いですがエルヴィスを思い起こされ、嬉しい選曲でした。

 Cobra音源の物をCD時代になってからまた2種買った訳ですが、1種買った後に曲数の多いのがすぐに出たので違うのも買わざるをえなくなってしまったという事でした。別テイクといえど劇的に違うテイクでも無いので、出さないなら出さない、出すならすべて一気に出して欲しいと思った次第です。(LP時代も合わせて16曲正式発表なのに4種に成りました)

BLUES INTERACTION -LIVE IN JAPAN1986
Japan P-Vine/Blues Interaction PCD-1960 (1994) CD

1. Introduction/Tops
2. All Your Love
3. Please, Please, Please
4. Killing Floor
5. Stand By Me
6. Lonely Man
7. Double Trouble
8. Right Place, Wrong Time
8. Got My Mojo Working
10. Gambler's Blues
BLUES INTERACTION -LIVE IN JAPAN
AIN'T ENOUGH COMIN' IN
USA THIS WAY UP 518 769-2 (1994) CD

1. Don't Burn Down The Bridge
2. That Will Never Do
3. Somebody Have Mercy
4. A Fool For You
5. Homework
6. My Jug And I
7. She's A Good 'Un
8. It's My Own Fault
9. Ain't Enough Comin' In
10. If I Had Any Sense, I'd Go Back Home
11. Ain't That Good News
12. As The Years Go Passing By
AIN'T ENOUGH COMIN' IN
ANY PLACE I'M GOING
USA House OF Blues 51416 1343 2 (1998) CD

1. You Fired Yourself
2. Keep On Loving Me Baby
3. Part Time Love
4. I Got The Blues
5. The Right Time
6. Looking Back
7. Any Place I'm Going (Beats Any Place I've Been)
8. Laughin' And Clownin'
9. Pride And Joy
10. Have You Ever Had The Blues
11. Walking The Back Streets And Crying
THE CLASSIC COBRA RECORDINGS 1956-1958
USA Cobra/Fuel 302 061 077 2 (2000) CD

1. I Can't Quit You Baby
2. Sit Down Baby
3. Violent Love
4. My Love Will Never Die
5. Groaning The Blues
6. If You Were Mine
7. Love That Woman
8. Jump Sister Bessie
9. Three Times A Fool
10. She's A Good 'Un
11. It Takes Time
12. Checking On My Baby
13. Double Trouble
14. Keep On Loving Me Baby
15. All Your Love [I Miss Loving]
16. My Baby Is A Good 'Un
17. I Can't Quit You Baby [Take 3]
18. Sit Down Baby
19. Groaning The Blues [Take 3]
20. My Love Will Never Die [Take Unknown]
21. She's A Good 'Un [Take 4]
22. Three Times A Fool [Take Unknown]
23. Double Trouble [Take 3]
24. Sit Down Baby [Take Unknown]
THE CLASSIC COBRA RECORDINGS 1956-1958
I CAN'T QUIT YOU BABY - THE COBRA SESSIONS 1956-1958
CD Japan Cobra/P-Vine PCD-24038 (2000)

1. I Can't Quit You Baby
2. Sit Down Baby
3. Violent Love
4. My Love Will Never Die
5. Groaning The Blues
6. If You Were Mine
7. Love That Woman
8. Jump Sister Bessie
9. Three Times A Fool
10. She's A Good Un
11. It Takes Time
12. Checking On My Baby
13. Double Trouble
14. Keep On Loving Me Baby
15. All Your Love (I Miss Loving)
16. My Baby's A Good Un
17. I Can't Quit You Baby (Alternate Take)
18. I Can't Quit You Baby (Alternate Take)
19. Sit Down Baby (Alternate Take)
20. My Love Will Never Die (Alternate Take)
21. Groaning The Blues (Alternate Take)
22. Groaning The Blues (Alternate Take)
23. Three Times A Fool (Alternate Take)
24. She's A Good Un (Alternate Take)
25. Keep On Loving Me Baby (Alternate Take)
26. Double Trouble (Alternate Take)
27. Double Trouble (Alternate Take)

I CAN'T QUIT YOU BABY - THE COBRA SESSIONS 1956-1958
 2004年春にオーティスは脳梗塞で倒れ、その後リハビリ治療に専念という事らしいです。残念です。
 21世紀に入ってからCobra時代の録音CD化が成されその次にDelmark時代の未発表音源が出ました。『ALL YOUR LOVE I MISS LOVING - LIVE AT THE WISE FOOLS PUB, CHICAG』、シカゴ・ブルースの本拠、シカゴのクラブでの1975年ライヴ、Delmarkレーベルということからも解るとおり、90年代の様な南部のサウンドはなく、モロシカゴブルース・サウンドです。B.Bキングの曲を結構演っていますが、"You're Breaking My Heart" など聴くとヴォーカルの迫力はB.B盤より凄いですね。それにオーティス独特のギターのキレ・ノビもビシッ!と決まり良いです。曲も後半に進むとギターのキレに粘りも出てきて熱くなってきます。ライヴならではでしょう。

 続いてもライヴ収録盤です。一時期ブートレグで出回っていたエリック・クラプトン、ルーサーア・リソンらとのジョイントコンサート(1986年7月9日スイス・モントルー)でのライブ盤『LIVE AT MONTREUX 1986、Otis Rush & Friends』 です。『TOPS』の録音が1985年、『BLUES INTERACTION -LIVE IN JAPAN』の録音が1986年ということですので、不遇時代から脱出でライヴを積極的にしていた時期の演奏ですから悪いわけないですね。正式発売も当然でしょう。お馴染みの曲も有りますが、珍しいところではアルバート・キングの "Natural Ball" 、T-ボーン・ウォカーの "Mean Old World" など、どちらも良いですね。クラプトンは9曲目からの参加、 "Double Trouble" が特に良いです。

 旧録音のライヴ音源が続きます。次は1999年11月サンフランシスコのブロードウェイスタジオでのライヴ『LIVE AND FROM SAN FRANCISCO 』。バンドにサックスやトロンボーンなど管楽器が加わりお馴染みの "All Your Love" など違った雰囲気に成っています。トランペットのマーヴィン・マクファーデンはヒューイ・ルイス&ザ・ニュース のメンバー。そんな管楽器が活躍するオーティス作の "717" はブルーズというよりわたしにはジャズ・ロックっぽく聞こえます。

 今度は2001年6月シカゴでの『CHICAGO BLUES FESTIVAL』、ここでも管楽器は入っていますが、前作ライヴよりオーティスのヴォーカルは数段熱くなって凄いです。50年代のCobra時代は別テイクといえどもそんなに違わないテイクばかりでした。それが年代を経るにつれて、何度も何度も同じ曲を演奏しているのに、その都度その都度味わいが違い聴く楽しみを持たせてくれますね。 'Walking The Back Street And Crying", ''Looking Back"などは特に味わい深いです。

ALL YOUR LOVE I MISS LOVING - LIVE AT THE WISE FOOLS PUB, CHICAGO
Japan Delmark/P-Vine PCD 23722 (2005) CD

1.Please Love Me
2.You're Breaking My Heart
3.All Your Love (I Miss Loving)
4.Will My Woman Be Home Tonight
5.Mean Old World
6.Woke Up This Morning
7.High Society 参加
8.It Takes Time
9.Gambler's Blues
10.Feel So Bad
11.Sweet Little Angel
12.Motoring Along
 ALL YOUR LOVE I MISS LOVING - LIVE AT THE WISE FOOLS PUB, CHICAGO
LIVE AT MONTREUX 1986
Germany Eagle EAGCD313 (2006) CD

1.Tops
2.Will My Woman Be Home Tonight
3.Lonely Man
4.Gambler's Blues
5.Natural Ball
6.Right Place, Wrong Time
7.Mean Old World
8.You Don't Love Me
9.Crosscut Saw
10.Double Trouble
11.All Your Love (I Miss Loving)
12.Every Day I Have The Blues
LIVE AT MONTREUX 1986
LIVE AND FROM SAN FRANCISCO
USA Blues Express Disc-number is unentered (2006) CD

1.I Wonder Why
2.All Your Love
3.It's My Own Fault
4.717
5.I Can't Quit You Baby
6.Feel So Bad
7.Got My Mojo Working
LIVE AND FROM SAN FRANCISCO
CHICAGO BLUES FESTIVAL 2001
Japan P-Vine PCD 24222 (2009) CD

1.Got My Mojo Working
2.I Wonder Why
3.Keep On Loving Me Baby4,29
4.Walking The Back Street And Crying
5.All Your Love (Imiss Loving)
6.Looking Back(Take a Look Behind)
7.You Fired Yourself
8.So Many Roads
9.Crosscutsaw
CHICAGO BLUES FESTIVAL


訃報:2018年9月29日に[オーティス・ラッシュ氏ご逝去] の記事が出ました。2003年に患った脳梗塞の後遺症が原因とのこと(わたしが以前に読んだ記事では2004年春との記載でしたが)。
ブルース界のみならず、多くのミュージシャンやリスナーに好かれ慕われた偉大なプレイヤーでした。
ご冥福をお祈り申しあげます。
 (Otis Rush:1934年4月29日〜2018年9月28日 享年83歳7ヶ月)


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Text by Mie