Gerry McGee (Jerry McGee)

 
 ジェリー・マギー (Gerry McGee) と云えば、ベンチャーズ (The Ventures) の三代目リード・ギターリストとして有名に成っていますが、初期はセッション・ミュージシャンとして長く活動していたギターリストでした。
 最も有名なところで、モンキーズ (The Monkees) の楽曲の多くに参加していた事ですが、他にもエルヴィス・プレスリー (Elvis Presley) 、ボビー・ダーリン (Bobby Darin) 等のレコーディングに係っていた事もまた有名な記録です。

 その中でもわたしが最初に気になったのは、個別ページを書いているピーター・グリーン (Peter Green) やエリック・クラプトン (Eric Clapton) が在籍したジョン・メイオール (John Mayall) との共演があったというところです。おまけに米南部のスワンプ・ロッカー達との係りも多くあります。かなりクラプトンに似た`70年代初頭を過ごしていた模様です。
 サーフ・ロック系インスト・バンドだったベンチャーズに加入した事は、かなり異様な感じです。ただ、そのことでほぼ無名に近かった彼の名前が広く知れ渡ることに成っています。

   ジェリー・マギー(出生名:Gerald James McGee 誕生日:1937年11月17日)
   米国ルイジアナ州ユーニス生れ
   録音時のクレジットは、
Gerry McgeeJerry McGee の2種が記されていますが、ベンチャーズ
   加入後は
Gerry Mcgee で統一されているようです。
 


Solo (1962〜2002)
With Delaney & Bonnie and John Mayall (1969〜1971)
The Ventures 1 (1968〜1972)
Session Works (1966〜)
The Ventures 2 (1985〜)

 セッション・ミュージシャンとしての活動も多く、とてもすべてを聴く事出来ていませんが、好きなギターマンですので結構な作品が手元に置いてありす。決してノーキー・エドワーズのベンチャーズ後釜ギターリストだけで済ますことのできないギターリストです。
   



SOLO

 ジェリー・マギー個人としてのシングル盤はセッションマンとしての活動前の`60年代前半〜中頃に数枚出していたという記録が残っているとの事ですが、ソロアルバムとなると この`92年日本Alfa Record 制作の『FRIENDS FROM A DISTANCE』が初めてと成ります。
 12曲中7曲が自作でヴォーカルも担当しています。全編スリム・ハーポ風のルイジアナ・ブルース感覚が漂いゆったりとした気分を味わえるアルバムです。2曲目と9曲目にリズム・ギターでボビー・ウーマック (Bobby Womak) とハーモニー・ヴォーカルでリタ・クーリッジ (Rita Coolidge) が参加しています。(ボビーの方は大好きな (ギターも弾く) ソウル・シンガーで個別ページで書きたいほどのシンガーです……ここではギターのみ)
その2曲目 "Sitting In Limbo" はジミー・クリフ作で好きな曲。"Cajun Melodies" はジェリーのお父さん (Dennis McGee) がケイジャン音楽のミュージシャンだったという事で彼のルーツに成った音楽なので入れて置きたかった曲のひとつでしょう。"Sweet Sweet Surrender" はジェフ・ベック・グループでお馴染み、ドン・ニックスの曲、オリジナルに近い演奏です。息子さんの Kane McGee もパッカーションで参加しています。

 ソロ二作目『BORN IN LOUISIANA』も日本盤のみの発売で日本制作。ジェリーの生誕地ルイジアナをベースに作られた模様ですが結構色々な音楽ジャンルを感じること出来ます。" I Want To Go To Tokyo" 等は日本語の歌詞を付ければ「ベンチャーズ歌謡」のひとつに成れそうな感じです。この曲の前後はジェリーの自作ブルースでここら辺りがこのアルバムの中心でしょう。 "Mean Old 'Frisco" はかなりロックンロールしていてジェリーにしては珍しい感じですが、セッションマンとして活動していた証でしょう。

 『THE SOUND OF SUMMER THE VERY BEST OF SURFIN' & HOT ROD MUSIC』、長ったらしいタイトルが付いたオールディーズ物でサーフィン、ホットロッド・ミュージックのオムニバス・アルバム。同種でEMI編、ヴィクター編も出されましたがこちらはワーナーとリプリーズ音源からの選曲です。有名曲も有りますが、掘出し物も有ります。
 ジェリー・マギーのは "Jam Up" (Jerry McGee and the Cajuns名義) と "On The Rebound" (Jerry McGee名義) の2曲が収録、どちらもリプリーズからのシングル音源で前者が1962年[Reprise 98]、後者が1963年[Reprise 156]からの物。
 ベンチャーズ関連では "Spanish Aramada"、"The Creeper" がメル・テイラーの音源でした。

 
Friends from a Distance Born in Louisiana The Sound of Summer The very best of Surfin & Hot Rod Music
FRIENDS FROM A DISTANCE 1992 CD
Japan Alfa ALCB-550

1. Long Rord
2. Sitting In Limbo
3,Friends From A Distance
4. After Midnighit
5. Cajun Melodies
6. Ramblin
7. Reconciliation
8. Our Lave Is Good
9. Sweet Sweet Surrender
10. My Feet Can't Fail Me Now
11. Sweet Dreams
12. Tha's The Place
BORN IN LOUISIANA
1997 CD
Japan Bandai / Bad News BNCY-28

1. Born In Louisiana
2. Mean Old 'Frisco
3. I Got Ramblin' On My Mind
4. House Of The Rising Sun
5. Crazy About You Baby
6. I Want To Go To Tokyo
7. My Babe Is Good To Me
8. Sad Situation
9. Chalk It Up
10. Big Mamou
11. Come On In My Kitchen
12. No Parking Zone

THE SOUND OF SUMMER
THE VERY BEST OF SURFIN & HOT ROD MUSIC

1998 CD Omnibus
Japan WEA WPCR-1986

1. Let's Go
2. Out Of Limits
3. No-Go Showboat
4. School Is / A Gus
5. Spanish Aramada
6. My Ferrari GTO
7. Shame Girl
8. He's A Dall

9. Jam Up
10. Diamonds
11. The Last Race
12. Crack Up
13. Honda Beach Party
14. Competition Coupe
15. Ski Surfin'
16. The Creeper

17. On The Rebound
18. Collision Course
19. Lotus 23
20. The Lonly Surfer




 『MY GUITOR MEMORIES』ソロ第一作かl10年目、こちらも日本のみの発売です。年齢のせいかヴォーカル入りの曲が急激に減りました(ブルース・ナンバーでは歌っています)。ギター・スリムの "Things That I Used To Do" 、ハンク・ウィリアムスの "You Win Again" 、エルヴィス・メドレーとアメリカ南東部地域の音楽を主体としたアルバムです。前2作よりも若干カントリー志向にも感じます。キャリアの初期、モンキーズの楽曲セッションに参加していた時期の "Last Train To Clarlsville 恋の終列車" をインストヴァージョンで奏っています。T-ボーン・ウォーカーやハンク・スノウの曲も入っていますが、この時期のベンチャースの様に他人のヒット曲のカヴァー・インスト(ビートルズやカーリー・サイモン)も入っています。南部色で統一して欲しかったとも思いました。



 ジェリーは2017年の日本公演中に一度倒れてその後はライヴを自粛していた様なのですが、2019年に日本公演のためにまた来日、再度ツアー中に倒れ、心臓発作が原因で倒れてから4日後の2019年10月12日に東京の病院で亡くなられていました(82歳でした)。東京の斎場で火葬され、東京で告別式が行われたそうです。日本をこよなく愛してくれたジェリー・マギーに謹んで「ありがとう」です。




 2022年に3枚組の追悼アルバムが日本のみで発売されました。『GERRY McGEE FOREVER』、多くは既聴曲ですが、一時期ベンチャーズを離れていた頃のバンド、メル・テイラー&ザ・ダイナミックスの曲3曲(2曲は未発表曲らしいですが3曲ともが初聴です)を聴けるのはまぁまぁ有難いです。Disc-3が既存作品のアルバムそのままというのは "?" です。別々にして本作を安くして既存の方は再発扱いが普通でしょう。徳武弘文共演曲4曲うち1曲省いた憎さと対照的でした。ただ、それよりも何よりも追悼アルバムが出されたことの方が嬉しいです。派手さのない渋い渋いギターリストですがファンが多かった証でしょう。

 『GHOST RIDERS』、癒しと気怠さ中間の様な不思議なムードを持った音楽類で、`60年代ブリティッシュ・アンダーグラウンド・ミュージックが頭に浮かびますが、収録はアメリカ産音源ばかりの様です。実に不思議な企画盤で、この種のサウンド通でもない限り購入しないようなオムニバス・アルバムでしょう。オーストラリアのレーベル制作で `60`年代から`70年代に録音された隠れたこの種の音源をよくも探し出したものだと感心させられます。17組のアーティストのそれぞれの曲が一曲ずつ収録されています。そしてジェリーの`60年代音源をここに見つけた時には驚き・びっくりの一言です。" Twilight Zone" は1965年に Pacemaker というレーベルから発売されたシングル盤です(カップリングは "I Wonder?")録音はロサンゼルスで丁度サイケデリック・ムーヴメントが始まろうとしていた時期で今思えばその手の音楽の先駆けを走っていたとも思えます。若い日のジェリーのヴォーカルも聴けます。殆どが初聴曲でしたが全体的に気に入りました、掘出し物です。'Gerry Mcgee' でなく 'Jerry Mcgee' で検索していて出てきた作品です。20世紀では考えられなかったメッケ物でした。

My Guitor Memories Gerry McGee Forever Ghost Riders / Various Artists
MY GUITAR MEMORIES
2002 CD
Japan M&I MYCV-30140

1. Blues De Texas (Work Of His Father)
2. Things That I Used To Do
3. You Win Again
4. Elvis Medley
  Mystery Train ~
  That's Alright Momma
5. Wildwood Flower
6. China Night
7. Last Train To Clarlsville
8. Evergreen
9. In My Life
10. Stormy Monday Blues
11. You're So Vain
12. I Believe What You Say
13. Movin'On


GERRY McGEE FOREVER
2022 CD×3 Compilation
Japan Pony Canyon MYCV-30670

Disc-1
1. Hawaii Five-O
2. Born To Be Wild
3. Green Onions
4. Love Potion No.9
5. Driving Guitars
6. Walk Don't Run `64
7. Apache
8. Blue Star
9. Hide Away
10. Magic Night
11. Wham
12. Last Date
13. In My Life
14. Sultans Of Swing
15. Classical Gas
16. Maria Elena
17. House Of The Rising Sun
18. Manchurian Beat
19. Slaughter On 10th Avenue
20. Caravan

Disc-2
1. Twist Degli Amanti “L' Eclisse”
2. One Of These Nights
3. Land Of A Thousand Dances
4. Paint It Black
5. The Sound Of Silence
6. Honky Tonk Women
7. From Russia With Love
8. Mercy Mercy Mercy
9. San Francisco
10. Memphis
11. Black Is Black
12. Night Bird
13. Santa Cruz
14. Kyoto Doll
15. Reflections In A Palace Lake
16. Stranger In Midosuji
17. Reeling In The Years
18. I Will Return *
19. Jessica *
20. Goodtime Charlies Got The Blues
21. Kern County Line
22. Chili Pepper

Disc-3
1. Blues De Texas
2. Things That I Used To Do
3. You Win Again
4. Elvis Medley:
  Mystery Train ~
  That's Alright Momma
5. Wildwood Flower
6. China Nights
7. Last Train To Clarksville
8. Evergreen
9. In My Life
10. Stormy Monday Blues
11. You're So Vain
12. I Believe What You Say
13. Movin' On

Disc-1
  The Ventures Live Collection
Disc-2
  Studio Recordings Collection
   with the Ventures (1〜16)
   with Mel Tayler & the Dynamics (17〜19)
   with Hirobumi Tokutake (20〜22)
  * = Unreleased Tracks
Disc-3
  Album 『My Guitar Memories』

GHOST RIDERS
2022 CD Omnibus
Australia Efficient Space ES022CD

1. A Puppet
2. Just Remember
3. You Can't Ride Away
4. Brigitta
5. Feelin' Low
6. I'm Through With You
7. Autumn Days
8. She
9. Say It
10. Until Then
11. Ghost Of The Monks
12. I Will Go

13. Twilight Zone
14. The Boy Called Billy Joe
15. Here, There & Everywhere
16. Summer's Over
17. Goodnight Jackie




With Delaney & Bonnie and John Mayall

 デラニー・ブラムレットとボニー・ブラムレットの夫婦デュオでスティーヴ・クロッパーやブッカー・T・ジョーンズ等と一緒にソウル系レーベルStaxでレコーディングを始めていたが、完成前の`68年11月頃からカリフォルニアのスタジオに移りレコーディング開始、その際のメンバーにボビー・ウィットロックとカール・レイドル、ジム・ケルトナー、レオン・ラッセルなど後にエリック・クラプトンやジョージ・ハリスンのアルバムでお馴染みのミュージシャンと一緒にジェリー・マギーがリード・ギターリストとしてプレイしています。そして`69年にElektra レーベルから発売されたのが『ORIGINAL DELANEY & BONNIIE (ACCEPT NO SUBSTITUTE)』(この後に先に録音されていたStax盤が出されました)。
 デラニー&ボニー (特にボニーの方) は南部ソウル風のヴォーカル・スタイルですのでカリフォルニア録音と云えどもかなり黒っぽさを帯びたスワンプ・ロックです。バッキング・ヴォーカルにリタ・クーリッジの名前も有り、後にジェリーと暫く共演が続くきっかけとなった様です。
 ボニーの自作曲 "Love Me a Little Longer" など知らずに聴いたら黒人ソウルシンガーだと思ってしまう程に凄いヴォーカルです。"Do Right Woman, Do Right Man ドゥ・ライト・ウーマン" は南部ソング・ライターとして知る人ぞ知るダン・ペン作でアレサ・フランクリンの歌唱で有名。アレサ盤の邦題は "恋のおしえ" でした。そしてデラニー&ボニーがツアーに出るときジェリー・マギーの代わりに参加したのがクラプトンというめぐりあわせ。

 『MEMORIES』ジョン・メイオールは [John Mayall&the Bluesbreakers] 名義を [1963年〜1967年、1982年〜] で使用、1968年〜1981年の間は the Bluesbreakers 名義で作品発表はしなかった様です。その期間にジェリー・マギーはメイオールとレコーディングしていました。この『MEMORIES』はベースのラリー・テイラーを含む3人の連名名義のアルバムに成っています (ジェリーはJerry 表記)。メイオールはハーモニカ、ピアノ、リズムギターなどを担当していますが、ドラムは入っていないロック寄りではない純ブルース作品になっています。録音はアメリカの数か所に数多くある Larrabee Sound Studios のロスアンジェルススタジオでの録音ですが、サウンドはモロにミシシッピデルタ・ブルース風です。クラプトンはどちらかというとシカゴ・ブルース寄りでしたが、ジェリー・マギーやピーター・グリーンは田舎のブルースに魅かれた様です。全曲メイオールのオリジナルですが素朴なサウンドが気持ちよいです。

 『BACK TO THE ROOTS』、`70年の11月に前記のロスに在る Larrabee Sound スタジオとロンドンの IBC スタジオで勝手のメンバーで有名になったクラプトンやミック・テイラーなどに声をかけて再会セッションの様な形で作られたアルバム。ジェリー・マギーの参加は2曲のみですが、"Devil's Tricks" ではミック・テイラーとのダブル・ギターでの演奏と成っています。
 
Original Delaney & Bonnie  Memories / John Mayall Back to the Roots / John Mayall 
Delaney & Bonnie
ORIGINAL DELANEY & BONNIIE
(ACCEPT NO SUBSTITUTE)

1969 Original LP
2002 CD issue
USA Collectors' Choice CCM-283-2

1. Get Ourselves Together
2. Someday
3. When The Battle Is Over
4. Dirty Old Man
5. Love Me A Little Longer
6. I Can't Take It Much Longer
7. Do Right Woman, Do Right Man
8. Soldiers Of The Cross
9. Gift Of Love
John Mayall, Jerry McGee, Larry Taylor
MEMORIES

1971 Original LP
1996 CD issue
USA Polydor 31452 7459-2

1. Memories
2. Wish I Knew A Woman
3. The City
4. Home In A Tree
5. Separate Ways
6. The Fighting Line
7. Grandad
8. Back From Korea
9. Nobody Cares
10. Play The Harp
John Mayall
BACK TO THE ROOTS

1971 Original LP
2001 CD×2 issue
USA Universal/Polydor 314-549 424-2

Disk-1
1. Prisons On The Road
2. My Children
3. Accidental Suicide
4. Groupie Girl

5. Blue Fox
6. Home Again
7. Television Eye
8. Marriage Madness
9. Looking At Tomorrow
  Bonus Tracks
10. Accidental Suicide (Remix)
11. Force Of Nature (Remix)
12. Boogie Albert (Remix)
13. Television Eye (Remix)


Disc-2
1. Dream With Me
2. Full Speed Ahead
3. Mr. Censor Man
4. Force Of Nature
5. Boogie Albert
6. Goodbye December
7. Unanswered Questions

8. Devil's Tricks
9. Travelling
  Bonus Tracks
10. Prisons On The Road (Remix)
11. Home Again (Remix)
12. Mr. Censor Man (Remix)
13. Looking At Tomorrow (Remix)


Guitar:
Jerry McGee - (1-5, 2-8)
Eric Clapton - ( 1-1, 1-3, 1-6, 1-9, 2-4, 2-6)
Mick Taylor - guitar ( 1-3, 1-8, 2-2, 2-3, 2-4, 2-8)
Harvey Mandel - guitar ( 1-2, 1-3, 1-4, 1-7, 2-1, 2-4, 2-6, 2-7)




The Ventures 1
(1968〜1972)

 [The Ventures] 1959年結成。Don Wilson、Bob Bogle、Nokie Edwards、Mel Taylor の黄金期メンバーに成ったのは1960年。"Walk Don't Run", "Perfidia", "Ram-Bunk-Shush" などが連続で全米チャート上位にランクインしてサーフィン。ミュージック界の先導者という立ち位置で活躍。日本で火が付いたのは`65年初頭で独自に "Diamond Head", "Slaughter On Tenth Avenue", "Caraven", "Pipline" などヒットを連発、特にシャンティーズの "Pipline" を独特のグリッサンド奏法を使い [テケテケ] という後年迄残るオノマトペ語を広める程にヒットさせています。
 リード・ギターリストのノーキー・エドワーズは日本では「King of Guitors」です。わたしの所持しているベンチャーズCDは現在70枚 (今後は増えそう) を超えていますが、ノーキー時代の物の方が明らかに多いですし、ノーキーのソロも持っています。
 ベンチャーズの黄金期は確実にノーキー時代でしょう。
 後釜として入ったジェリー・マギーは最初日本では認知してもらえず、不遇な境遇だったかも知れません。アメリカ西海岸で誕生したバンドにルイジアナ育ちのミュージシャンが入り、一時はファン離れも起きたようです。ただ、徐々にベンチャーズの一員として認められるように成ったのはファンとしても嬉しい限りです。
☆ ☆ ☆

 ジェリー・マギーはノーキー・エドワーズが抜けたベンチャーズに1968年後期から1972年前期のほぼ3年半ほどリード・ギターリストとして参加しました。その間に10作のスタジオ録音盤(日本発売のみも含む)と4枚のライブ盤を出しています。スタジオ録音盤は『The Horse』、『Underground Fire』、『Hawaii Five-O』、『Swamp Rock』、『10th Anniversary Album』、『New Testament』、『Pops In Japan '71』、『Best of Pops Sounds』、『Theme from "Shaft"』、『Joy』に成ります。

 最初の参加作品『The Horse』は初期ジェリー参加作品は30歳前後ですから流石に若々しい音でロック色充分です。
 そしてジェリー初の日本公演ライヴ盤が『THE VENTURES IN TOKYO `68』。「ベンチャーズの・・・」というより、エレキ・ギターの代名詞だった様なノーキー・エドワーズ。そのノーキーがベンチャーズ全盛時にノーキーがリードを取っていた既発曲を交代ギターリストのジェリーがリードを取る形で日本にライヴ演奏初公開(厚生年金会館)。このライヴでは女性のキーボード奏者が加入して5人編成(カヴァー写真にも写っています)で彼女は "Ode To Billy Joe ビリー・ジョーの唄" でヴォーカルも取っています。"Born Free 野生のエルザ" ではドン・ウィルソンがヴォーカルを担当しています。ジェリーの初公開のライヴ演奏で聴き応えは有ります。

 『THE VENTURES UNDERGROUND FIRE』1968年後半録音、`69年1月発表アルバム。購入品はノーキー・エドワーズが一回目の在籍時に残した最終アルバム『FLIGHTS OF FANTSY』との合わせCD。どちらも当時のヒット曲のカヴァーが収録されています。ジェリー参加作品では、ステッペン・ウルフ、クリーム、ザ・バンド、ジャニス・ジョプリン、アーサー・ブラウン等の曲をカヴァー、及びオリジナル曲 (ジェリー・マギー、ボブ・ボーグル、メル・テイラー、C.ワイルド作)が6曲。ザ。バンドの "The Weght" の選曲は「ジェリーの意向が反映されたのでは?」と勝手に想像してしまう程、ノーキー時代では選ばれそうにない曲調でした。
 ボーナス曲のクレジットはなく不明ですが、25曲目だけは確実にシングル "夏の日の恋" のB面でジェリー在籍時の物。後の2曲はノーキー時代の録音だと思われます。 ただ、ラストの "Honky Tonk" のピッキング音はジェリーに似てはいますが、邦盤シングルでは丁度ジェリー脱退、ノーキー復帰後の後でカバー写真はノーキー在籍の写真に成っていました。

 
 The Horse the Ventures in Tokyo 68 Underground Fire
THE HORSE
1968 Original LP
2014 CD issue
Japan UNIVERSAL / Liberty UICY-76209

1. The Horse
2. Here Comes The Judge
3. Licking Stick-Licking Stick
4. Crazy Horse
5. The Gallop
6. Grazing In The Grass
7. Medley - Walk Don't Run, Land Of 1,000 Dances
8. Soul Breeze
9. Jumpin' Jack Flash
10. Choo Choo Train 2:2411. Horse Power
12. Tip-Toe Thru' The Tulips With Me
THE VENTURES IN TOKYO `68
1968 Original LP
2014 CD issue
Japan UNIVERSAL / Liberty UICY-76352

1. Let's Go
2. Telster
3. A Taste Of Honey
4. The Ballad Of Bonnie And Clyde
5. Ode To Billy Joe *
6. Pipeline
7. Wipe Out '68
8. House Of The Rising Sun
9. Apache
10. Yesterday〜Flint Hill
11. Born Free **
12. Walk Don't Run
13. Caravan `68

* = Vacal : Sandy Lee
** = Vacal : Don Wilson

at Shinjuku Koseinenkin Kaikan
 July 1968
THE VENTURES UNDERGROUND FIRE
1969 Original LP
1996 CD issue
USA One Way Records 72438 18926 26
(2 Albums on 1 CD)
with 『FLIGHTS OF FANTSY (1968)』

13. Underground Fire
14. Emers In E Minor
15. Sea Of Grass
16. Higher Than Thou
17. Up, Up And Down
18. Country Funk And The Canned Head
19. Born To Be Wild
20. Sunshine Of Your Love
21. The Weight
22. Light My Fire
23. Down On Me
24. Fire
   Bonus
25. A Summer Love
26. Moonlight Serenade
27. Honky Tonk




 『HAWAII FIVE-O』『THE VENTURES SWAMP ROCK』はオリジナルLP時代に全米アルバムチャートでヒットし、前者はゴールド・ディスク認定にも成っています。
『HAWAII FIVE-O』のトップはアメリカのTVシリーズ物の主題曲のカヴァーですが、ベンチャーズの演奏の方が有名です。他も全曲カヴァー選曲。個人的に嬉しい選曲はボックス・トップスの "The Letter" です。
 『THE VENTURES SWAMP ROCK』の方はスワンプに寄せた選曲でジェリー・マギー加入の影響多々の選曲です。
ラスカルズの "Carry Me Back" とローリング・ストーンズがミック・テイラーの加入によって一時期スワンプに影響を受けて発表したカントリー・タッチの作品、"Honky Tonk Women" がトップ・ナンバー、2曲目に配置されています。ミック・テイラーもジェリー・マギー同様一時期ジョン・メイオールと一緒に演奏していました。
 ハンク・ウィリアムスのカントリー・ソング "Jambalaya" が南部風サウンドにアレンジされています。クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの "Green River"、"Proud Mary" もカントリー系ロック。プレスリーで有名な "Suspicious Minds" はこれらの中では意外な選曲で新鮮でした。タイトル曲 "Swamp Rock" はドン・ウィルソンとボブ・ボーグル共作、9曲目 "" メル・テイラー、マイク・メルボーン共作、11曲目 "Gumbo" がジェリー・マギー作と3曲がオリジナル。

 『THE VENTURES 10TH ANNIVERSARY ALBUM』、ベンチャーズのオリジナルアルバムが全米チャートの100位以内に入ったのは今のところ、このアルバムが最後です (91位)。トップは映画『真夜中のカーボーイ』でもハリー・ニルソン歌唱で使用されたフレッド・ニール作の好きな曲で始まり、他ビートルズ・ソングが数曲、S&G など当時のヒット曲のインスト・カヴァーで占められています。ただ、3曲目以降はリラックス・タイム用BGM風が結構含まれて、選曲で売れ線を狙ったという感じがしてしまいます。
 この後徐々に本国でのセールスが落ちていくのも何となく判ります。

Hawaii Five-O  The Ventures Swamp Rock The Ventures 10th Anniversary Album
HAWAII FIVE-O
1969 Original LP
1996 CD issue
UK See For Miles C5HCD 647
(2 Albums on 1 CD)
with 『SAWMP ROCK (1969)』

13. Hawaii Five-O
14. Lovin' Things
15. Galveston 
16. The Letter
17. Don't Give In To Him
18. Theme from A Summer Place
19. Medley:
   a) Spooky
   b) Traces
   c) Stormy
20. Medley:
   a) Aquarius
   b) Let the Sunshine In
21. Games People Play
22. I Can Hear Music
23. Dizzy
THE VENTURES SWMP ROCK
1969 Original LP
1996 CD issue
UK See For Miles C5HCD 647
(2 Albums on 1 CD)
with 『HAWAII FIVE-O (1969)』

1. Carry Me Back
2. Honky Tonk Women
3. Muddy Mississippi Line
4. Jambalaya
5. Swampmp Rock
6. Niki Hoeky
7. Green River
8. Suspicious Minds
9. Catfish Mud Dance
10. Proud Mary
11. Gumbo
12. Plaquemines Parish
THE VENTURES 10TH ANNIVERSARY ALBUM
1970 Original 2LPs
2004 CD issue
Japan Toshiba/ Liberty TOCP-67406

1. Everybody's Talkin'
2. Sweet Caroline
3. Medley:
   a) Who'll Stop The Rain  
   b) Bad Moon Rising  
4. Michelle
5. Good Morning Starshine
6. Bridge Over Troubled Water
7. Eleanor Rigby
8. The Sound Of Silence
9. Strangers In The Night
10. Those Were The Days
11. MacArthur Park
12. Medley:
   a) Blowin' In The Wind  
   b) Don't Think Twice, It's All Right  
13. Up-Up And Away
14. By The Time I Get To Phoenix
15. Raindrops Keep Fallin' On My Head
16. Let It Be
17. Sugar, Sugar
18. Never My Love
19. Delilah
20. Hey Jude
21. Spinning Wheel




 『The Ventures Live!』‘70年7月25日大坂厚生年金ホールでのライヴ収録、キーボードのジョン・ダリル (John Durrill) を加えたジェリー・マギー、ドン・ウィルソン、ボブ・ボーグル、メル・テイラーの5人編成。ベンチャーズが日本の歌謡曲と係わり逢ったのはノーキー時代の`66年発表 "Ginza Lights"、`67年発表の "Hokkaido Skies" にそれぞれ日本語の歌詞を付けて "二人の銀座"、"北国の青い空" と題し和泉雅子・山内賢デュエット、奥村チヨが歌いヒットしたのをきっかけにジェリー在籍時に日本側から作曲依頼を受けて "京都の恋"、"雨の御堂筋" 等立て続けに発表 [ベンチャーズ歌謡] というジャンル迄生まれました。これらの曲はシングル盤以外でも『Pops In Japan '71』、『Best of Pops Sounds』などの日本盤アルバムで紹介されました。
 そしてこの大阪での`70年ライヴには "Kyoto Doll 京都慕情" が演奏されて歌手の渚ゆう子さんも参加しています。
歌謡曲用ナンバー以外はロック調演奏で結構良い感じです。

 『THE VENTURES NEW TESTAMENT』、1971年4月に本国で発売されたアルバム。2,6,9,10,12の5曲がメンバーのオリジナル (ジェリー、ボブ、ドン、メル、ジョン)、ただレコーディングメンバーにはジョー・バリル (Joe Barile) がパッカーションで参加しています。(ジョーはジェリーとメル・テイラーが脱退した後に正式ドラマーとして`79年頃までベンチャーズでプレイしていました)
 このアルバムではレッド・ゼッペリンの "Whole Lotta Love", ジョージ・ハリスンの "What Is Life", ポール・アンカ作トム・ジョーンズ歌唱の "She's A Lady" など当時の大ヒット曲カヴァーも演奏しています。 "Katana" なる日本をイメージした曲らしきオリジナルも有りますがこれはブルース・リーの香港映画風サウンドでした。オリジナルは何故かこの様な香港風味やラテン風味を感じる米国人からしたら異国情緒サウンドが多いです。
 CD盤でカップリングされた『MORE GOLDEN GREATS』はオリジナルLP時1970年の発売ながら録音は`68年前期に行われたアルバムでリード・ギター担当はノーキーの時代の物でした。

 『THE VENTURES ON STAGE '71』は`71年8月20日東京新宿厚生年金ホールでのライヴ盤でメンバーは`70年大阪でのライヴと同メンバー。ノーキー時代のヒット曲 "Slaughters On 10th Avenue 10番街の殺人" 、"Daiamond Head"、"Caravan" 等をモズライト・ギターを使用しないでギブソン・レスポールのサムピックピッキングで演奏しています。(ベンチャーズ再参加時にはフェンダー・ストラスキャスターの使用が多い様です)
 再び渚ゆう子さんが登場2曲を歌っています。 "京都慕情"のメロディーはジェリーが10代の頃に訪れていた日本の印象を綴ったそうです。京都のイメージにピッタリのメロディーですが、日本語詞を付けたのは林春生さん、出てくる地名の順は [河原町] [高瀬川] [嵐山] [東山] [桂川] ですが、地理的に最後の方は[桂川] [東山]の順でしょうとツッコミたくなります。 "Manchurian Beat" はオリジナルはThe Sounds (ザ・サウンズ)が`63年に発表した曲で意味は「満州のビート」とのこと。ベンチャーズがカヴァーして日本で知られるようになり、日本語歌詞が付き "さすらいのギター" として小山ルミ、欧陽菲菲などが歌いヒット、ベンチャーズ歌謡似の曲と成っています。
 
The Ventures Live! (1970) The Ventures New Teatament The Ventures On Stage `71
THE VENTURES LIVE!
1970 Original LP
2014 CD issue
Japan UNIVERSAL / Liberty UICY-76353

1. Kyoto Doll (Expo `70) (京都の恋)
2. Aquarius/Let The Sunshine In
3. Light My Fire
4. Classical Gas
5. Medley,
   a) Who'll Stop The Rain
   b) Bad Moon Rising
6. Paint It Black
7. Born To Be Wild
8. Medley,
   a) Blowin' In The Wind
   b) Don't Think Twice It's All Right
9. Kyoto Dolll (Expo `70) (京都の恋) *
10. Proud Mary
11. House of the Rising Sun
12. Honky Tonk Women
13. Hawaii Five-O

* = Vocal. Yuuko Nagisa

at Osaka Kohseinenkin Kaikan
 July 25 1970
THE VENTURES NEW TESTAMENT
1971 Original LP
1997 CD issue
UK See For Miles C5HCD 652
(2 Albums on 1 CD)
with 『MORE GOLDEN GREATS (1970)』

1. Good Mornin' Captain
2. Testament
3. Free
4. Oye Como Va
5. Wild World
6. Katana
7. Whole Lotta Love
8. What Is Life
9. Novios Para Siempre
10. Spirit
11. She's A Lady
12. Pesado


THE VENTURES ON STAGE '71
1971 Original 2LPs
2014 CD issue
Japan Universal / Liberty UICY-76354

1. Born To Be Wild
2. Aquarious/Let The Sunshine In
3. Classical Gas
4. Introducing of Member
5. Pipeline
6. Reflections In A Palacee Lake (京都慕情)
7. Free
8. Kyoto Dolll (Expo `70) (京都の恋)
 〜 Paint It Black
9. Light My Fire
10. Slaughters On 10th Avenue
11. Kyoto Dolll (Expo `70) (京都の恋) *
12. Reflections In A Palacee Lake (京都慕情) *
13. Wipe Out
14. Apache
15. Manchurian Beat (さすらいのギター)
16. Fire
17. Walk Don't Run
18. Diamond Head
19. Caravan

* = Vocal. Yuuko Nagisa

at Shinjuku Koseinenkin Kaikan
 August 20 1971




Session Works

 ジェリー・マギーがセッション・ギターリストとして録音に参加して市場に発売された最初の曲がボビー・ダーリンが歌った "You Must Have Been A Beautiful Baby" というのが通説です。
 この曲`38年公開の映画「Hard to Get」の挿入歌だったというジャズ系のスタンダード・ナンバー。`61年に発売されたボビー・ダーリンのヴァージョンは全米5位、全英10位というヒットに成ったらしいです。
 Atlantic傘下のAtocoというオーティス・レディング等で有名なR&B・ソウル系のレコードを多く出していたレーベルから出ていました。元曲は聴いてはいませんが、ボビーのはR&BっぽいRock'n'Roll 調の曲に成っています。(ビング・クロスビーヴァージョンを聴くとこちらは完全にジャズ・ヴォーカルでした)
 そのシングルが収録されたのが8作目にあたるアルバム『TWIST WITH BOBBY DARIN』でした。このアルバムには他にシングル化された6曲目と7曲目の計3曲が収録されていますが他の2曲はBB誌のチャート30位以内に入ったヒットでしたが "You Must Have Been A Beautiful Baby" は不発シングル盤でした。全体的に時代を感じるサウンドですね。
 ボビー・ダーリンには大好きなヒット曲 "Dreamlover" 等があるオールディーズ・シンガーで、数枚アルバムを持っていますが、どの様なジャンルでも歌える人でした(病弱で30代で亡くなっていますが発表作は多いです)。


 その後、RepriseやA&Mにソロで数曲吹込みをしましたが、日の目を見ずに再びセッション・ギターリストとして活動を始めています。
 そして、ジェリー・マギーの実質的な音楽活動の始まりとして後々まで語り継がれているのはモンキーズのデビューアルバムにセッション・マンとして参加した事です。アメリカのテレビ番組新企画として、ビートルズと同程度の人気バンドをアメリカにも作ろうと、オーディションで集められたメンバーでバンドを組み [新人バンドが成功へと向かう] といった内容ながらコメディー形式の一話完結ドラマ番組内のバンドでした。始まった当初は個々の演奏力がプロ並みに迄成っていなかった為にレコーディングはセッション・マンの演奏が使われていました。彼らが発売したアルバム (`66年〜`70年) 9作のうち『The Monkees』,『More Of The Monkees』,『The Birds,The Bees and The Monkees』,『Instant Replay』,『Monkees Present』の5作で数曲ずつ参加しています。(ジェリーがベンチャーズに加入しなければモンキーズの録音データなど公開されなかったでしょう)個人的にはモンキーズはシングル盤では割と持っていましたがアルバムLPではベスト物一枚でした。
 『The Monkees』、彼らのデビュー・アルバムで、デビュー・シングル "Last Train To Clarksville 恋の終列車" (ボイス&ハート作)を含むアルバム、どちらもアメリカではNo.1ヒットの大成功、一躍人気バンドと成ったモンキーズ、「作られたアイドル・バンド」と下積みから這い上がったバンドと比べられて見下され、揶揄されたりして居た様でした。(現在の日本ではその様なアイドルグループ全盛で企画・プロデュース者が尊敬されています)
 ジェリーはこのアルバムの多くの曲でギターを弾いています。RHINO というレーベルがモンキーズのセッション参加ミュージシャンを公開して明らかに成ってはいるのですが、一つの曲で3名ほどのギターリストが挙げられている曲も有り、リードとサイドのパート以外に数テイク録られた為だとの指摘が多々ありそうです。その中のワン・テイクが発売されているのでテイク数が多い場合は選んだ人でも判断は難しいでしょう。ただ、 "恋の終列車" はベンチャーズのレパートリーのひとつにもなっている程ですので、この曲の発表テイクは間違いなくジェリーでしょう。
 更に確実なのは "Tomorrow's Gonna Be Another Day 昨日の太陽" でのハーモニカ奏者にジェリーのみの表記(何テイクあろうがハーモニカの入った曲すべてに参加しているでしょう)

 『More Of The Monkees』、モンキーズのセカンド・アルバム、 "I'm a Believer 恋に生きよう" をフューチャーしたアルバムでこちらも全米No.1、モンキーズのアルバムは連続4作一位に成っています(5作目は3位)。このアルバムからジェリーのモンキーズ参加楽曲数は減って行っています。曲自体では"(I'm Not Your) Steppin' Stone" が良い出来で好きです。
 
Twist with Bobby Darin / Bobby Darin The Monkees First / The Monkees The Monkees Original Album 5CD
Bobby Darin
TWIST WITH BOBBY DARIN

1961 Original LP
2003 CD issue
USA Elektra / Collectors' Choise CCM-400-2

1. Bullmoose
2. Early In The Morning
3. Mighty Mighty Man
4. You Know How
5. Somebody To Love
6. Multiplication
7. Irresistible You
8. Queen Of The Hop

9. You Must Have Been A Beautiful Baby
10. Keep A Walkin'
11. Pity Miss Kitty
12. I Ain't Sharin' Sharon



The Monkees
THE MONKEES

1966 Original LP
2006 CD issue
Japan Warner WPCR 12434〜5

Disc-1(Stereo Version)
1. (Theme From) The Monkees
2. Saturday's Child
3. I Wanna Be Free
4. Tomorrow's Gonna Be Another Day
5. Papa Jean's Blues
6. Take A Giant Step
7. Last Train To Clarksville
8. This Just Doesn't Seem To Be My Day
9. Let's Dance On
10. I'll Be True To You
11. Sweet Young Thing
12. Gonna Buy Me A Dog
  Bonus
13. The Monkees (Second Recorded Version)
14. The Kind Of Girl I Could Love (Alternate Mix)
15. I Don't Think You Know Me (Micky's Vocal)
16. So Goes Love
17. Papa Gene's Blues (Alternate Mix)
18. I Can't Get Her Off My Mind
19. (I Prithee) Do Not Ask For Love (Alternate Mix)
20. Gonna Buy Me A Dog (Backing Track)
21. Monkees Radio Spot

Disc-2(Monaural Version
Track 1〜12 are same titles
  Bonus
13. Kellogg's Jingle
14. All The King's Horses
15. You Just May Be The One (TV Version)

16. I Wanna Be Free (Fast Version)
17. I Don't Think You Know Me (Mike's Vocal)
18. I Won't Be The Same Without Her (Original Mono Mix)
19. Propinquity (I've Just Begun To Care) (Demo Version)

20. (Theme From) The Monkees (TV Version)


The Monkees
MORE OF THE MONKEES

1967 Origina LP
2009 CD issue (CD×5Box Set)
EU Rhino 812279828 0
(Original Album Series)

1. She
2. When Love Comes Knockin' (At Your Door)
3. Mary, Mary
4. Hold On Girl
5. Your Auntie Grizelda

6. (I'm Not Your) Steppin' Stone
7. Look Out (Here Comes Tomorrow)
8. The Kind Of Girl I Could Love
9. The Day We Fall In Love
10. Sometime In The Morning
11. Laugh
12. I'm A Believer

  Bonus
13. Don't Listen to Linda (First Recorded Version)
14. I'll Spend My Life with You (First Recorded Version)
15. I Don't Think You Know Me (Second Recorded Version)
16. Look Out (Here Comes Tomorrow) (Extended Mix)
17. I'm a Believer (Early Version)



 『TEST PATTERNS』、モンキーズに多くの曲を提供していたトミー・ボイスとボビー・ハートのソングライター・チーム。(二人は番組オーディションを受けて落ちてしまったそうです。受かっていればモンキーズのメンバーとしてテレビで活躍していた可能性も有りました)
 ボイス&ハートはオールディーズ・ポップスに興味を持って聴き漁っていた際に頻繁に名が出てきた人たちでソロシンガーとしてもデュオとしても結構良い曲を出していました。(トミー・ボイスは闘病に疲れて50代で自殺されています)このチーム・デュオのデビュー・アルバムに全曲参加しています。

 『I WONDER WHAT DOING TONITE?』、ボイス&ハートのセカンド・アルバム。こちらにも全曲ジェリーが参加しています。タイトル・ナンバー "I Wonder What She's Doing Tonite? あの娘は今夜" は38位まで上がるヒットと成り日本でも発売されました。モンキーズは実質1971年に一度解散しています。マイク・ネスミスが独立した後、数度一時的にメンバーが減ったままモンキーズの名前でアルバムを出していましたが、メンバーのデイビーとミッキーと組んだボイス&ハートは [Dolenz, Jones, Boyce & Hart-the First Monkees Reunion] というプロジェクトでテレビ出演、アルバム発表をし、オーディションで受かったかの様な「仮モンキーズ」を実現していました。

 『The Birds,The Bees and The Monkees』モンキーズ5作目のアルバムで邦題は『小鳥と蜂とモンキーズ』。ジェリー参加曲は5曲。シングルでヒットしたのは "Valler 素敵なバレリi"と"Daydream Believer" でジェリーの参加曲は注目されませんでした。

Test Petterns / Tommy Boyce & Bobby Hart  I Wonder What Doing Tonite? / Tommy Boyce & Bobby Hart The Monkees Original Album 5CD
Tommy Boyce & Bobby Hart
TEST PATTERNS

1967 Origina LP
1995 CD issue
Germany Oxford OX-CD BHS 4143
(2 Albums on 1 CD plus Bonus)

12. Out & About
13. I Should Be Going Home
14. In The Night
15. My Little Chickadee
16. For Baby
17. Sometimes She's A Little Girl
18. Abe's Tune
19. Shadows
20. Girl, I'm Out To Get You
21. Life
Tommy Boyce & Bobby Hart
I WONDER WHAT DOING TONITE?

1968 Origina LP
1995 CD issue
Germany Oxford OX-CD BHS 4143
(2 Albums on 1 CD plus Bonus)

1. I Wonder What She's Doing Tonite?
2. Pretty Flower
3. Teardrop City
4. Love Every Day
5. Two For The Price Of One
6. Goodbye Baby (I Don't Want To See You Cry)
7. I'm Digging You Digging Me
8. Leaving Again
9. The Countess
10. Population
11. I Wanna Be Free
The Monkees
THE BIRDS, THE BEES & THE MONKEES

1968 Orijinal LP
2009 CD issue (CD×5Box Set)
EU Rhino 812279828 0
(Original Album Series)

1. Through The Looking Glass
2. We Were Made For Each Other
3. Writing Wrongs
4. I'll Be Back Up On My Feet
5. Valleri
6. Long Title: Do I Have To Do This All Over Again
7. Dream World
8. P.O. Box 9847

9. Tapioca Tundra
10. The Poster
11. Alvin
12. Daydream Believer
13. Zor and Zam
  Bonus
14. Alvin (Previously Unissued) (Nicholas Thorkelson)
15. I'm Gonna Try (Previously Unissued) (Jones / Pitts)
16. P.O. Box 9847 (Previously Unissued Alternate Mix)
17. The Girl I Left Behind Me (Previously Unissued Early Version)
18. Lady's Baby (Previously Unissued Alternate Mix)





 『CLEAN UP OWN BACKYARD』、エルヴィス・プレスリー・楽曲で唯一の参加曲、エルヴィスのシングル盤でオリジナル・アルバムには未収録曲。持っているのはシングル・コレクション集のCD10枚組LPサイズの箱に入った大型BOXセット、全250曲中145曲目です(BB誌35位)。マック・デイヴィスとビリー・ストレンジの共作で南部サウンド雰囲気漂うジェリー・マギーにピッタリの曲です。

 『NANCY』、`69年にナンシー・シナトラのアルバムに参加していました。クレジットにはギターがジェリー以外にAl Caseyが併記で記されています、個別曲の記載は有りません。またスティール・ギターでRed Rhodesの名前もありました。
 あくまでわたしの耳での判断ですが、A-1,2,6とB1,4,5 がジェリーで A3,5 とB-2,3,6 がアル・ケイシー、A-4がレッド・ローズ参加の曲だと想像します。ナンシー・シナトラはオールディーズ・ファンには デビュー時期の"レモンのキッス"や"カフスボタンとネクタイピン" などのティーン・ポップスで有名ですが`60年代後半以降は大人の歌手に移行していき、ここでもR&B系、ロック系、ジャズ系、カントリー系と様々なジャンルを歌っています。"God Knows I Love You" の曲はデラニー・ブラムレットが関係しているので、その伝で参加したのでしょう。

 『MARC BENNO』、レオン・ラッセルらと組んで活動を開始していたSSW,マーク・べノのファースト・ソロ作。マーク・ベノは不思議なシンガーで大々的な知名度は恐らく低い方でしょう。ヒット曲もヒット作も有りません。ただ彼の作品に係ったギターリストはこのジェリー・マギー以外にクラーレンス・ホワイト、エリック・クラプトン、スティーヴィー・レイ・ヴォーンなど有名人が多いのです。テキサス・ダラスの出身でテキサス・ブルースから音楽界に入りレオン・ラッセルらとの共演で南部スワンプ・ミュージックにも浸り、この作品ではソウル風味も感じます。この後ジェリーが長くバックをサポートするリタ・クーリッジもバッキング・ヴォーカルで参加。この時期のジェリーが奏りたかった音楽なのでしょう。


Elvis Presley Single Collection Nancy / Nancy Sinatra Marc Benno / Marc Benno
Elvis Presley
CLEAN UP YOUR OWN BACKYARD

1968 Original EP
1999 CD Compilation
  (CD×10, 250 tracks Box Set)
Japan BMG DRF7101

145. Clean Up Your Own Backyard
Nancy Sinatra
NANCY
1969 LP
UK Reprise RSLP-6333

A
1. God Knows I Love You
2. Memories
3. Just Bein' Plain Old Me
4. Here We Go Again
5. My Dad (My Pa)
6. Light My Fire
B
1. Big Boss Man
2. My Mother's Eyes
3. I'm Just In Love
4. Son-Of-A-Preacher-Man
5. Long Time Woman
6. For Once In My Life


Marc Benno
MARC BENNO
1970 Original LP
1995 CD issue
Japan A&M / Polydor POCM-2033 

1. Good Year
2. Try It Just Once
3. I'm Alone I'm Afraid
4. Two Day Love Affair
5. Second Story Window
6. Teach It To The Children
7. Family Full Of Soul
8. Hard Road
9. Nice Feelin


 『MINNOWS』、マーク・ベノのセカンド・ソロ。このアルバムはジェリー以外にアコギでクラーレンス・ホワイト、スライド・ギターでジェシ・エド・ディヴィス、あとどの曲かは記載なしですが、ソウル・シンガー・ギターリストのボビー・ウーマックも弾いている様です。他にもカール・ラドルやジム・ケルトナーなどクラプトンやジョージ・ハリスンなどの共演で有名なミュージシャンも参加、リタもバック・ヴォーカル参加と周りが超豪華陣です。ゆったりとしたレイド・バック風のサウンド中心ながらベースにルイジアナのブルースやソウル・ミュージックが有ることが良くわかる作品です。

 『DON"T CRY NOW』、リンダ・ロンシュタットのソロ転向後4作目、永く在籍したAsylumレーベル第一作です。
そのアルバム内のトップ曲、"I Can Almost See It" ( J. D. Souther作) でリード・ギターで参加していました。
 この曲に参加した経緯は記事などで見たことが有りませんので不明ですが、ベンチャーズを一時期離れてセッション・マンとしての仕事に徹して種々の音楽歴を広げようと試みていたのかも知れません。。まだソロ転向後間もなく、カントリー主体に歌っていた頃のリンダのアルバム、曲もカントリー・バラードです。

 『PRONE TO LEAN』、ドニー・フリッツはキーボード奏者としてチャーリー・リッチやクリス・クリストファンなどのレコーディングに参加してきたセッション・ミュージシャンでしたが、曲の提供などもしています。ソロ・デビュー作として出されたのがこのアルバム。ジェリーはクリス・クリストファン関連で知り合ったと予想されます。 "Sumpin' Funky Going On" だけはリード・ギターにトニー・ジョー・ホワイトの表記が有りますのでこの曲には不参加だと思われます。


Minnows / Marc Benno Don't Cry Now / Linda Robstadt Prone To Lean / Donnie Fritts
Marc Benno
MINNOWS
1971 Original LP
1995 CD issue
Japan A&M / Polydor POCM-2034 

1. Franny
2. Put A Little Love In My Soul
3. Stone Cottage
4. Speak Your Mind
5. Back Down Home
6. Good Times
7. Baby I Love You
8. Baby Like You
9. Before I Go
10. Don't Let The Sun Go Down 
Linda Ronstadt
DON'T CRY NOW

1973 LP
JAPAN Asylum P-8399Y

A
1. I Can Almost See It
2. Love Has No Pride
3. Silver Threads and Golden Needles
4. Desperado
5. Don't Cry Now
B
1. Sail Away
2. Colorado
3. The Fast One
4. Everybody Loves a Winner
5. I Believe in You



Donnie Fritts
PRONE TO LEAN
1974 Original LP
2013 CD issue
Japan Vivid Sound NACD-3228

1. Three Hundred Pounds Of Hongry
2. Winner Take All
3. When We're On The Road
4. Whatcha Gonna Do
5. You're Gonna Love Yourself (In The Morning)
6. I've Got To Feel It
7. Sumpin' Funky Going On
8. Jesse Cauley Sings The Blues
9. My Friend
10. Prone To Lean
11. We Had It All
12. Rainbow Road




 『NO OTHER』、ジーン・クラークのソロとしての初アルバムで`70年代前半躍進のAsylumレーベルからの発表でした。ジーン・クラークはバーズの初期メンバーとして早くから有名になり、バーズ脱退後もバンジョー・プレイヤーのダグ・ディラードと組んで暫く活動していましたが、このソロ作発表に伴いジェリーが全曲に参加しています。数曲にジェシ・エド・ディヴィスの名も見られます。プロデュースはトーマス・ジェファーソン・ケイ。ジェリーはベンチャーズ脱退後セッション・マンに戻っていた時期ですので、数人のソロ・デビュー作に声掛けされていたのでしょう。ジーン・クラークは46歳という若さで亡くなりましたが、このアルバムの評価は生存時は低かったそうです。ただ、今聴くとAsylum発表作らしい良さが満載で、全曲渋く味わいのある曲が揃っています、名盤だと思います。同じく若くして去ったジョン・デンバーの持っていた自然の清々しさを感じます。

 Favorite Songs のトップに位置するくらいに大好きな曲 "Loving Arma" の作者トム・ジャンス (トム・ヤンスと表記されることも) のソロ二作目 (ミミ・ファリーナとのデュオ盤含むと三作目) になる28歳時のアルバム。『THE EYES OF AN ONLY CHILD 邦題:子供の目』。"Once Before I Die 死ぬまえに" というこれも好きな曲が含まれた好きなアルバムです。
 他の曲も内面的な歌詞が多く、かなりナイーヴなシンガー・ソング・ライターのひとりでした。
 ジェリー・マギー以外にもセッション・ギターリストのデビッド・リンドレイやフレッド・タケットが参加しています。表記はないですが恐らくデビッドはボトルネック系、タケットはロウェル・ジョージ、ジェシ・エド・ディヴィスと共にアコギでの参加だと思われますが、定かではありません。キーボードにビル・ペイン、ドラムスにジム・ケルトナーとバックは有名どころで固められています。 "Loving Arma" の作者という事で将来有望だったのでしょうが、バイク事故に遭いその後薬物に溺れて36歳で亡くなってしまいました。

 『HAVAÑA DAYDREAMIN'』、1970年のレコードデビューから相当な数の作品をリリースしながら未だに日本での認知度は相当に低いままのSSW ジミー・バフェットが自身のレコーデイング・バンド [Coral Reefer Band] と共に吹き込んだ5作目のアルバム。カントリーをベースにスタートし、その後は土の香りから海の香りのするサウンドに変化して行っています。それは彼の作品のアルバム初期から比べると表裏両面のカバーデザインの変化にも確実に表れていました。
 このアルバムもテネシー周辺からカリブ海付近への地域移動が、サウンドにはっきりと出ています。打楽器の使い方がドラムスの音よりコンガの音が前面に出て南国・カリプソ音楽の風味です。ジェリーは Friends という形でゲスト・ミュージシャンとしての参加です。ベンチャーズと云えばカリフォルニア・ビーチのサーフィン・サウンドからの出発、同じ海のサウンドと云えトロピカル・ムード一杯のアルバムに参加はかなり意外ではありました。個人的には一度聴けば充分といった構成でした。


No Other / Gene Clark The Eyes Of An Only Chaild / Tom Jans Havane Daydreamin' /  JImmy Buffett
Gene Clark
NO OTHER
1974 Orginal LP
2003 CD issue
Germany Warner 81227 37012

1. Life's Greatest Fool
2. Silver Raven
3. No Other
4. Strength Of Strings
5. From A Silver Phial
6. Some Misunderstanding
7. True One
8. Lady Of The North
 [CD issue bonus tracks]
9. Train Leaves Here This Morning
10. Life's Greatest Fool (alternate)
11. Silver Raven (alternate)
12. No Other (alternate)
13. From A Silver Phial (alternate)
14. Some Misunderstandinglng (alternate)
15. Lady Of The North (alternate)


Tom Jans
THE EYES OF AN ONLY CHILD

1975 LP
Japan CBS SONY SOPN-168

A
1. Gotta Move
2. Once Before I Die
3. Where Did All My Good Friends Go?
4. Inside Of You
5. Struggle In Darkness
B
1. Out Of Hand
2. The Lonesome Way Back When
3. Lonely Brother
4. Directions And Connections
5. The Eyes Of An Only Child

Jimmy Buffett
HAVAÑA DAYDREAMIN'

1976 LP
Japan ABC YX-8021-AB

A
1. Woman Goin' Crazy On Caroline Street
2. My Head Hurts, My Feet Stink, And I Don't Love Jesus
3. The Captain And The Kid
4. Big Rig
5. Defying Gravity
B
1. Havana Daydreamin'
2. Cliches
3. Something So Feminine About A Mandolin
4. Kick It In Second Wind6
5. This Hotel Room1


 『GYPSY BOY』、ビリー・ジョー・シェイヴァーの3作目にあたるアルバム。前記のジミー・バフェット`76年作と比べると土地が発するムードがかなり漂っています。ビリー・ジョーはテネシー州で育ったという事ですが、生れはテキサス。彼の音はカントリーベースではありますが、もう少し北のコロラド、ワイオミングのサウンドをかなり感じます。本国では [アウトロー・カントリー] と呼ばれるジャンルです。地味なアルバムですが味わい充分です。ジェリー・マギーはエレキでなくアコギで B-5, B-6で参加しています。B-3ではドブロ・ギターを弾いています。この曲はモロにスワンプ・ミュージックで、渋く印象的です。全体的にB面がすばらしいです。

 『TWO SIDES TO EVERY STORY』、このアルバムは最近入手したのですが、LP盤 (RSO) 時代、裏ジャケ写真のジーン・クラークの顔写真が気持ち悪かったイメージが残っていました。またダグ・デイラードがバンジョーで参加していたことも気の進まなかった要因でしょうか。(好きな南東部のカントリーと北西部のウエスタンとは違うケンタッキー周辺のブルーグラス系は好んで聴くジャンルではないのです)
 このアルバム、ジェリー・マギーが参加したと知らなければ手を出さなかった一品でした。いきなりバンジョーが入りブルーグラス系で始まりますが、後半に進むにしたがって南部色が強く成りまぁ聴けますが、地味地味で本当に邦盤タイトルの『寂しい土曜日 Lonely Saturday』に聴くようなタイプでした。

 『SEVEN YEAR ACHE』、カントリー界の大物、ジョニー・キャッシュの娘さんでシンガー・ソング・ライターのロザンヌ・キャッシュ3作目のアルバム。エレキ・ギターリストのクレジットはジェリー・含めて5人記載されていますが、アルバート・リーだけは A-1, A-4 の2曲で指定記載されていました。他の楽曲はソロ、リード担当でなくともジェリーは弾いていると思われます。曲ではタイトル曲 "Seven Year Ache" が抜群に群を抜いて良い曲です。


Gypsy Boy / Billy Joe Shaver Two Sides To Every Story /  Gene Clark Seven Year Ache / Rosanne Cash
Billy Joe Shaver
GYPSY BOY

1977 LP
Japan Capricorn/Victor VIP-6494

A
1. Billy B. Damned
2. We Stayed Too Long At The Fair
3. Honky Tonk Heroes
4. I'm Going Crazy In 3/4 Time
5. Gypsy Boy

B
1. Chicken On The Ground
2. Everything, Everywhere's
3. Slow Rollin' Low
4. Silver Wings Of Time
5. The Believer
6. You Asked Me To
Gene Clark
TWO SIDES TO EVERY STORY

1977 Original LP
2021 CD issue
Japan RSO/Universal UICY-79681

1. Home Run King
2. Lonely Saturday
3. In The Pines
4. Kansas City Southern
5. Give My Love To Marie
6. Sister Moon
7. Marylou
8. Hear The Wind
9. Past Addresses
10. Silent Crusade
Rosanne Cash
SEVEN YEAR ACHE

1981 LP
USA Columbia JC-36965

A
1. Rainin'
2. Seven Year Ache
3. Blue Moon With Heartache
4. What Kinda Girl?
5. You Don't Have Very Far To Go
B
1. My Baby Thinks He's A Train
2. Only Human
3. Where Will The Words Come From?
4. Hometown Blues
5. I Can't Resist




 
 『NOT ALON』、トーマス・ジェファーソン・ケイは`50年代半ばからポップス界でヴォーカル・グループの一員として歌ったり、ソング・ライター、録音プロデューサーとして活動していたという事です。`70年代前半に2枚のソロ・アルバムを発表した後、プロデュース業に専念しジーン・クラークのアルバム製作等に携わっていました。
 このアルバムは1992年に発売されたソロ三作目で遺作(`94年死亡)。曲によってはエリック・クラプトン、ジョー・ウォルシュ、ジェフ・バクスターなどもギターで参加しているアルバムです。この名前を見るとウエスト・コースト系作りに見えますが、幅広い音楽性を感じる作品です。"Loop Garou"(Dr,John 作) 以外はトーマス・J・ケイ単体か誰かとの共作作品です。個人的に好きな曲は "Forgive Me Girl" でこの曲はジェリーはリードでなくリズム・ギター担当としてクレジットされています。リードはBuzzy Feiten (バジー・フェイトン) 、元Paul Butterfield Blues Band のギターリストです。

 
 『THE ESSENTIAL COLLECTION』、ジェリー・マギーがリッキー・ネルソンの曲に参加したと書かれた記事は多く見かけますが、 [どの曲に…] と正確に記された記事は発見できませんでした。彼が Ricky Nelson の名前で歌っていたのは1960年まで、その後は成人したので Rick Nelson の名前で活動しています。 Ricky時代のバックのギターはほぼジェームズ・バートンでジェリー・マギーはまだセッション活動はしていませんので、恐らくリック・ネルソンの録音に参加していたのだと思われます。`64年の (シングル盤のみの発売) "Your Kind Of Lovin'" でギターを弾いているとの記事を見かけましたので、この曲の入った編集盤を購入、但しそこにギターリストの名前は [James Burton, Jerry Cole] の2名のみ、「Jerry ColeとJerry McGee」、似た名前ではありますがJerry Coleは実在するセッション・ギターリストでした。

 そこで、一番それらしき曲として、`75年に Rick Nelson & The Stone Canyon Band 名義で米英日でシングルのみで発売された "Louisiana Belle" ("Try"のB面) を疑っています。曲の作者が Eddie Tuduri, Jerry McGee の2名なのです。自作曲なのでバック演奏参加は不思議でないでしょう。この曲もシングル発売のみで編集アルバム内にしか入っていない曲です。personnel credit は未記載ですがジェリー参加リック・ネルソン楽曲としてこの曲を推しますが…
 リッキー・ネルソンの作品は個人的にシングルも含めて割と持っている方です、ビートルズ全米上陸迄のティーン・ポップス系アイドル・シンガー時代は勿論、大人の歌手へと移行してヒット・チャートと縁遠くなってもカントリー寄りの曲を45歳(飛行機墜落事故で死亡)迄多く出し続けていました。The Stone Canyon Bandはリックが作ったバンドでカントリー風の渋いアレンジでディランの曲などを奏っています。8曲目"Garden Party" は`72年に久々ヒット、BB誌6位、Cash Box誌3位のヒットと成り、15曲目 "Palace Guard" が65位で最後のチャート・イン・ヒットと成っています。


 『T FOR THUMB』、ジェリーが日本のミュージシャンの作品に参加した唯一のアルバムです (といっても6曲入りですのでミニアルバム的作品)。徳武弘文は日本のフォークソング界の大物たち (泉谷しげる、吉田拓郎、長渕剛など) の録音に多く参加しているセッション・ミュージシャンで、1989年以降ソロでギター・インスト作品を数点出していました。
 ジェリーの参加が無ければ手にしたかった作品です。サムピッキング・プレイヤーのジェリーを崇拝していることから決まった録音の様です。解説に「ジェリーの奨めで取りあげた曲」と紹介された "Kern County Line" はジェリー加入第一期の5人編成ベンチャーズ彼ら全員のオリジナル曲で、当初はシングル盤のみの発売曲(後に`97年発売編集盤『IN THE VAULTS』に収録されました)で次の ダニー・オ・キーフ作の "Goodtime Charlies Gotthe Blues"同様、不思議と懐かしさを覚えてしまう様な「ふるさとチック」な素敵なメロディーです。サイト内のどこかにも記しましたが、わたしはアメリカ南東部カントリー (田舎町) 風の音楽に何故か懐かしさを覚えてしまいます。(前世の生地…?)
 地味なアルバムですが結構気に入っています。


Not Alone / Thomas Jefferson Kaye The Essential Collection / Rick Nelson and the Stone Canyon Band T For Thumb / Hirofumi Tokutake
Thomas Jefferson Kaye
NOT ALONE

1992 CD
USA Hudson Canyon HCD 8648

1. Dixie Flyer
2. C'est La Bonne Rue
3. Vanessa
4. Shades Of Blue
5. Shoot Out In The Desert
6. Facada Mirada (Facade Mirage)
7. Fantasy Seeker

8. Crazy Ladies
9. Forgive Me Girl
10. Loop Garou
11. Up To Your Old Tricks Again
12. Livin' On Rock & Roll
13. Tough Enough
14. Stone Ball

Rick Nelson & The Stone Canyon Band
THE ESSENTIAL COLLECTION
1970〜74 Original recording
1998 CD  Compilation

1. If You Gotta Go, Go Now
2. She Belongs To Me
3. California
4. Anytime
5. Windfall
6. This Train
7. Love Minus Zero/No Limit
8. Garden Party
9. Rock and Roll Lady
10. Hello, Mary Lou
11. Believe What You Say
12. Life
13. How Long
14. I'm Talking About You
15. Palace Guard
16. Just Like A Woman
17. Honky Tonk Women

18. Louisiana Belle
19. Mystery Train
20. Fadeaway
21. Wild Nights In Tulsa
22. Try (Try To Fall In Love)
23. I Shall Be Released



Hirofumi Tokutake (徳武弘文)
T FOR THUMB
2003 CD
Japan M&I MYCV-30197

1. T For Thumb
2. Chili Pepper
3. Kern County Line
4. Goodtime Charlies Gotthe Blues
5. Oh! Girl
6. Wichita Lineman


 ジェリー・マギーはリタ・クーリッジの多くの作品にセッション・ギターリストとして参加しています。モンキーズ楽曲参加数よりおそらく多いと思います、(わたしなりの調べでは73曲、モンキーズは26〜27曲程)
 ただ、彼女のオリジナル・アルバムは一枚も所持していません。2枚組のベスト物一点のみです。『DELTA LADY: THE RITA COOLIDGE ANTHOLOGY』
 個人的なイメージとしては、Boz Scaggs, "We're All Alone みんな一人ぼっち" のカヴァー・ヒットの印象でAOR系のポピュラー・シンガーという認識人でした。AOR系の曲の中にも勿論好きな曲は幾つも有りますが、進んで入り込んで聴いたジャンルではなかったです。
 ただリタ・クーリッジはデラニー&ボニーのバッキングなどもしていてそこでジェリーと知り合っていたのですね。
このアルバムは彼女の`78年までのアルバム8作とシングル曲からの抜粋企画もの。ジェリーは半数ほどで参加しています。

Delta Lady / Rita Coolidge 
Rita Coolidge
DELTA LADY: THE RITA COOLIDGE ANTHOLOGY
1971〜78 Original recording
2004 CD×2  Compilation

Disc-1
1. Turn Around And Love You
2. Superstar
3. That Man Is My Weakness
4. Born Under A Bad Sign
5. Mud Island

6. I Believe In You
7. Family Full Of Soul
8. Nice Feelin'
9. Only You Know And I Know

10. Fever
11. Bird On A Wire
12. The Lady's Not For Sale

13. A Song I'd Like To Sing
14. Loving Arms
15. Love Has No Pride
16. Now Your Baby Is A Lady
17. Born To Love Me
18. I Wanted It All
19. Late Again
20. Am I Blue?

Disc-2
1. (Your Love Has Lifted Me) Higher And Higher
2. The Way You Do The Things You Do
3. We're All Alone
4. You
5. Love Me Again
6. Slow Dancer
7. Please Don't Tell Me How The Story Ends
8. One Fine Day
9. I'd Rather Leave While I'm In Love
10. Somethin' Bout You Baby I Like
11. Fool That I Am
12. Basic Lady
13. The Closer You Get
14. Only You
15. All Time High (Theme Song From Octopussy)
16. Love Came For Me (Love Them From Splash)
17. Something Said Love
18. Survivor
19. Perfect Strangers
20. Cherokee
21. The Way I Love You




The Ventures 2 (1985〜)

 1972年後期の時点でジェリーはベンチャーズを一旦脱退しています。(`72年のベンチャーズアルバム『ROCK AND ROLL FOREVER』ではジェリーもノーキーも居ない作品となっていました)
暫くしてドラマーのメル・テイラーもベンチャーズを脱退、一時期一緒に [メル・テイラー&ザ・ダイナミックス] というバンドに参加もしていましたが、セッション・マンの仕事でリタ・クーリッジやカントリー系のシンガーの録音に参加していました。勝手な想像ですが、彼のベースに有る大地の香りのする様な田舎の音楽がしたかったのではないでしょうか? (思えばベンチャーズの始まりは潮の香りが漂う海の近くの音楽でしたが、いつしか都会風に変わっていました)

 その後、再度ノーキーがベンチャーズを脱退した1985年の後半にベンチャーズのリード・ギターリストとして復帰しました。離れてから10数年の月日が流れていました。
 ベンチャーズ自体の [`70年代後半〜`90年代前半] の時代はこれといった注目アルバムもなく、本国では数枚のアルバム発表に終わっていました。ただ日本公演は毎年のように行われ、そのライヴ盤が日本のみで発売されていた状況でした。

 『THE VENTURES FLYIN' HIGH』、永らく (日本サイドからの依頼を受けての) 邦楽ポップスのカヴァーが主だった企画アルバムばかりだった頃に久しぶりの全曲オリジナルで構成されたアルバムです。メンバーもドン・ウィルソン、ボブ・ボーグル、メル・テイラーとジェリーの基礎メンバー。内容は前半の曲はかなり気に入っています。ただ後半はヒーリング・ミュージック的な作りで「聴く状態」が限定的だと感じました。

 『THE VENTURES MEGA HITS』、邦題が「ザ・ベンチャーズ プレイ 大ヒット決定版!」という物。日本側が依頼した企画アルバムで一応来日記念盤扱いですが、ほぼ毎年来日していましたのでその度に来日記念盤が出ていました。
 この頃、J-Popヒットのカヴァー・インストを数作発表していました。`60〜`70年代にも欧米ヒット曲のカヴァー・インストを結構出していましたが、一応ロックっぽさの有るアレンジで結構聴けていたのですが、J-Popの方は何故かロックっぽさが気薄です。ファン側は「やらされている感」を感じてしまいますが、ベンチャーズたちは企画者側の依頼に応える事が「日本のファン達のため」、「日本のファン達が望むこと」ときっと思っていたのでしょうね。
 ここでは米米クラブやハウンド・ドッグなどのカヴァーとオリジナル曲 9,10,11の3曲の収録。(オリジナル作曲はドン・ウィルソン主体でジェリー・マギーは作曲に加わっていない様です)

 次の『POPS A LA CARTE』もほぼ似たような企画ものでこちらは少し海外のスタンダードをも混ぜながら ZARD、SMAP、長渕剛、尾崎豊、ユーミンなどまぁ意外な人たちの選曲で占められています。
まぁ一度はベンチャーズの演奏で聴いてはみたいと思いますが、何度も繰り返し聴きたくは成らないのはオリジナルの唄入りヴァージョンが染みついているから…、そしてあまりに淡々と演奏しているので、元々ベンチャーズは [ロック・インスト・バンドなのだ] といったホットな部分が少ないので、イージー・リスニング企画ものに思えてしまいます。

 
 Flyin' High THE VENTURES MEGA HITS POPS A LA CARTE 
THE VENTURES FLYIN' HIGH
1992 CD
Japan Insideout TOCP-7239

1. Flashback
2. After Midnight In Shinjuku
3. Strawberry Brandy
4. Cartoon
5. Follow Your Heart
6. Cruisin' Machine
7. September Sunrise
8. Two On The Beach
9. Snows Of Nagano
10. Shonan Shores
11. Memories Of Love
THE VENTURES MEGA HITS
1993 CD
Japan Insideout TOCP-7847

1. Kimi Ga Irudakede
  (君がいるだけで)
2. Yah Yah Yah
3. Bridge  (あの橋をわたるとき)
4. Kimi Ga Kagayaki Tsuzukeru Yohni
  (君が囁きつづけるように)
5. No No Darlin'
6. The Sun Also Rises
   (日はまた昇る) 
7. Namida No Kiss
   (涙のキッス)
8. Haretara Iine
   (晴れたらいいね) 
9. Two On The Beach
10. Shonan Shores
11. Memories Of Love
POPS A LA CARTE
1995 CD
Japan Eastworld TOCP-8577

1. Misirlou
2. Innocent World
3. Haru Yo Koi (春よ来い)
4. Ganbarimashou (頑張りましょう)
5. Miss You
6. Kiss Me
7. Kanpai (乾杯)
8. Stardust
9. Maria Elena
10. Romance No Kamisama
  (ロマンスの神様
11. Yureru Omoi (揺れる想い)
12. Seiten O Homerunara Yuugure O Mate  (晴天を誉めるなら夕暮れを待て)
13. I Love You
14. Have You Ever Seen The Rain
15. Mary Jane




 『WILD AGAIN THE VENTURES PLAY HEAVY HITTERS』, このアルバムもカヴァー集ですが、『THE VENTURES MEGA HITS』、『POPS A LA CARTE』と少し違うのは選曲がベンチャーズ側に有ったと思えることです(日本側から幾つか候補を提案はした模様)。彼らの若いころに流行った曲が多く、自分達が奏りたい曲を選んでいる感が出ています。1,10,11,17の4曲はボブがリード・ギター、ジェリーがベース・ギターを担当、3,7,8,15の4曲は二人でリード・ギターを担当、そしてトラック16はジェリー未参加、ボブがリードとベースのオーバー・ダビング録音の様です。
 個人的にはカバーデザインは気に入らない物のひとつです。一曲目の "Baja サーフィンNl.1" は確かにサーフィン・ミュージックでしょうが残りの曲は映画音楽系、古典影響系など様々な内容なのに。
 (このアルバムは`96年8月11日に急遽亡くなったメル・テイラーの最後の参加アルバムに成っています。)


 『THE VENTURES SUPER DE LUXE』、1996年に組まれたベスト物アルバムでノーキー時代の音源に続いてジェリー第一期在籍時の録音曲が並んでいます。


  『IN THE VAULTS』、こちらは1997年にイギリスで発売されたコレクション物。1959年から1977年に渡る録音音源から選ばれた編集物でジェリー加入時の曲が数曲含まれていました。前の日本編集の楽曲とダブリがないのが良くこちらはシングル発売のみの曲 ("Kern County Line"など) も含まれていました。

WILD AGAIN (THE VENTURES PLAY HEAVY HITTERS)  The Ventures Super De Luxe IN THE VAULTS
WILD AGAIN (THE VENTURES PLAY HEAVY HITTERS)
1996 CD
Japan Eastworld TOCP-8911

1. Baja
2. Wham
3. Beethoven Five-Oh!
4. Quiet Village
5. Teen Beat
6. James Bond Theme
7. Midnight In Moscow
8. Exodus
9. Happy Organ
10. Quicksilver
11. Ajoen, Ajoen
12. Petite Fleur
13. Rock Concerto In A Minor
14. Bongo Rock
15. A Wallk In The Black Forest
16. Ich Bin Der Glucklichste Mensch Auf Der Welt
17. Lonely Surfer


THE VENTURES SUPER DE LUXE
1996 CD Compilation
Japan Liberty TOCP-50109

1. Walk Don't Run
2. Perfidia
3. Lullaby Of The Leaves
4. Blue Moon
5. Driving Guitars
6. The Twomp
7. The 2000 Pounds Bee (Part 1)
8. Pipeline
9. Caravan
10. Let's Go
11. Wipe Out
12. Out Of Limits
13. Scratchin'
14. Diamond Head
15. Walk Don't Run '64
16. Blue Star
17. Slaughter On Tenth Avenue
18. (I Can't Get No) Satisfaction
19. Wooly Bully
20. Ten Seconds To Heaven
21. Secret Agent Man
22. Green Hornet Theme

23. The Horse
24. Hawaii Five-O
25. Catfish Mud Dance
26. Mission Impossible
27. Classical Gas
28. Karelia
29. Top Of The World
30. Yesterday's Once More


IN THE VAULTS
1997 CD Compilation
UK Ace CDCHD 651

1. The McCoy
2. Lady Of Spain
3. Damaged Goods
4. The Way You Look Tonight
5. Candy Apple Racer
6. Genesis
7. The Stranger
8. Gemini
9. Lawrence Of Arabia
10. The Green Hornet
11. El Greco
12. Comin' Home Baby
13. Arabesque
14. Peace Pipe

15. Pandora's Box
16. A Summer Love
17. Too Young To Know My Mind
18. Paint It Black
19. Squaw Man
20. The Mercenary
21. Kern County Line
22. Skylab (Passport To The Future)
23. Samovar
24. Joyride

25. Tora, Tora, Tora
26. Theme From Endless Summer




  『Wild Again』がシリーズ化されて3作ほど発売された後の新作アルバムで新曲が6曲入った『WALK DON'T RUN 2000』ベンチャーズ最大のヒットで再々録ヴァージョンがトップに入っています。ただこの曲のプレイヤー・クレジットにはジェリーの名がありません、ボブ・ボーグルがリードとベースの両方を担当しています。(ドラムスは旧録の15を除いて、亡くなったメルの息子さんリオン・テイラー。)
他にも4,7,16の3曲にクレジットがありませんでした。8,10,12ではベース・ギターを担当。12のみソロパートはジェリーのソロがオーバーダビングされた様です。10のリードはボブ・スポルディング、彼は[メル・テイラー&ザ・ダイナミックス] でジェリーと一緒に演奏していて、この時期ではサポート・メンバー扱いですが、後に正式メンバーに成っています。
 サーフィン系ではお馴染みナンバーながらベンチヤーズでの演奏は珍しい6,12,14などが演奏されています。新曲オリジナルの"Jewel" もビーチ・サウンドでしょう。オールディーズ系では "Black Is Black"ロス・ブラボーズ、"Venus"ショッキング・ブルー、"Keep Surchin'" デル・シャノン、"Kicks" ポール・リビア&レイダースなどで "Kicks"にはヴォーカルでナンシー・シナトラが参加しています。
 "Santa Cruz" は新曲オリジナルでジェリー・マギーの作品、西欧風メロでとても印象的な素敵な曲です。"Bermuda" はタイトルは海のイメージがしますがサウンド的にわたしには西部劇映画音楽の様でした。
 カヴァー曲の中ではイーグルス・ヒットのカヴァー "呪われた夜" が味のある演奏で気に入っています。`90年代最後に良いアルバムを出してくれました。"Proud Warrior" のみが1995年の未発表ナンバーでメルがドラムスを叩いていた時期の物です。

 『ACOUSICK ROCK』エレキ・ギターオンリーでなくアコースティック・ギターを使用しての録音。ドラムスの音が小気味よくロックしているアルバムです。2000年初めに出たベンチャーズ会心の一作です。
 1999〜2006年に彼らが契約していた M&I レーベルは東京にある日本のレーベルですが、本作は選曲を彼ら主導に任せたようで選曲が素晴らしく聴き応えがあります。"愛しのレイラ"はジェリーの選曲でしょう……
 `99年頃からノーキー・エドワーズもベンチャーズ・メンバーとしてジェリーと交互にライヴや録音をするようになった様で、このアルバム内でもリード・ギターリストが交代しています(15を除き片方はその曲には未参加)。
  "Zonked" はジェリーとノーキーに加えてボブ・スポルディングも加わり3人が共演リードです。ノーキーとジェリー同時にステージで共演した事も`84年に有ったそうですがその時はジェリーがベースを担当したようです。
 ラストの曲だけはノーキーもジェリーも未参加でゲストのジェフ・バクスターが弾いています。彼もセッション・ギターリスト出身でスティーリー・ダンやドゥービー・ブラザースで人気を博した人です。

 『THE VENTURES IN JAPAN-LIVE 2000』帯に「20世紀ベンチャーズの集大成!!」と記されたCD2枚組ライヴです。ドン・ウィルソンは67歳、ボブ・ボーグル66歳、ジェリー・マギー62歳、そしてリオン・テイラー44歳(45歳の一週間前) 時の20世紀最後の日本公演記録です。
 毎年のように日本公演を繰り返してきて、そして会場は熱心なファンで満員。日本ではベンチャーズとビートルズのコピー・バンドが多く存在し、自治会主催のイベントでわたしもよくお目にかかります。
 どちらの本家もスタジオ盤では種々の演奏スタイルで録音していましたが、ライヴでは確実に [Rock Musician] としてのライヴ・バンドであったというところが年を重ねてもコピーしていたいと思わせるのでしょうネ。
 このアルバムはベンチャーズのライブ盤でも楽しめる作品上位物です。ジェリーの演奏でノーキー時代録音の "Ghost Riders In The Sky"、"Secret Agent Men 秘密諜報員" を聴けるのも珍しく、ダイアー・ストレイツの有名曲 "Sultans Of Swings 悲しきサルタン" の選曲も渋いところです。

 
Walk Don't Run 2000  Acoustick Rock The Ventures in Japan Live 2000
WALK DON'T RUN 2000
1999 CD
Japan M&I MYCV-30002

1. Walk Don't Run 2000
2. One Of These Nights
3. Black Is Black
4. Jewel
5. Mercy Mercy Mercy
6. Wild Weekend
7. Kicks *
8. Keep Surchin'
9. Venus
10. Spindrift
11. Santa Cruz
12. Movin'
13. Night Bird
14. California Sun
15. Proud Warrior
16. Bermuda
17. Mal-Funk-Shun

* = Vocal. Nancy Sinatra

ACOUSTICK ROCK
2000 CD
Japan M&I MYCV.30047

1. Someday, Someway
2. The Rise And Fall Of Flingel Bunt
3. Man Of Mystery

4. Tobacco Road  
5. The Way
6. Brown Eyed Girl

7. She Drives Me Crazy
8. The Lonely One
9. Living La Vida Loca
10. Maggie May
11. Saint James  

12. American Pie
13. Sultans Of Swing
14. Zonked
15. Layla
16. Skunk Rock
THE VENTURES IN JAPAN-LIVE 2000
2000 CD×2 
Japan M&I MYCV-30067

Disc-1
1. Hollywood Punk
2. Slaughter On 10th Avenue
3. Ghost Riders In The Sky
4. Wailin'
5. Apache
6. Feel So Fine
7. What'd I Say
8. Goldfinger
9. Penetration
10. Ginza Lights(二人の銀座)
11. Kyoto Doll (京都の恋)
12. Paint It Black
13. Secret Agent Man
14. Walk Don't Run '64
15. Wipe Out

Disc-2
1. Sultans Of Swings
2. American Pie
3. Stranger In Midosuji 〜 Reflections In A Palace Lake(雨の御堂筋〜京都慕情)
4. Hokkaiodo Skies(北国の青い空)
5. Maria Elena
6. Classic Gas
7. Yellow Jacket
8. Sleepwalk
9. Medley:
   a) Walk Don't Run
   b) Perfidia
   c) Blue Moon
10. Hats To Larry 〜 Runaway Medley
11. House Of The Rising Sun
12. Hawaii Five - 0
13. Diamond Head 〜 Pipeline Medley
14. Caravan

at Nakano Sunplaza, Tokyo
 September 17 2000

 


 『CHRISTMAS JOY』,海外の大物ミュージシャンは必ずと言って良いほど、クリスマス・アルバムを出しています。ベンチャーズも`65年に一度発表 (カバーデザインが数種) していましたので二枚目と成ります。『CHRISTMAS JOY』今回のはジェリー・マギー参加作ですが、ゲスト・プレイヤーの表記にノーキー・エドワーズの名があります。ただ、どの曲に参加かは未記載で判りません。
 21世紀突入後、本国ではベンチャーズのアルバム発売は数年に一枚程度ですが、このクリスマス・アルバムは欧米発売は決定、日本では見送られています。クリスマスとの向き合い方が違うお国柄でしょう。ヘンデルのメロディーがモチーフの "Joy to the World もろびとこぞりて" にあのテケテケサウンドが取り入れられていたり、全体的に楽しい楽しいクリスマス・アルバムです。カバーデザインも日本人のセンスと違うアメリカン・テイストで良い感じです。


 『VENTURES IN JAPAN LIVE 2002』2002年8月16日中野サンプラザでのライヴ録音。3, 6, 14 辺りが珍しい選曲でしょうか? "Bondolero あの人は今札幌" はベンチャーズ歌謡の一曲で、李朱朗(りーじゅらん)という韓国の女性歌手が`72年に日本デビューした時の曲です。"Hurricane" は日本の中島安敏さんの曲(この曲のリードはボブ・ボーグル)ベンチャーズ初期のサウンドに近いのでボブ向きの曲でしょう。

 『SUMMER & WINTER LIVE』1999年以降ベンチャーズの日本公演は夏にジェリー・マギー、冬にノーキー・エドワーズがリード・ギターを務める形で2回の公演が通例化で定着した様でした。別々にライヴ盤が出たりしていましたが、一枚で夏冬を楽しめる様にと組まれたライブ盤がこのライヴ盤。前半10曲はノーキーがゲスト形式のベンチャーズで2004年1月18日日比谷公会堂、後半はジェリー担当ライブで2003年9月13日中野サンプラザ。2公演共にベンチャーズ歌謡メドレーが有ったと思いますが、敢えて省いたところは嬉しいところです。ジェリーの "L'Eclisse 太陽はひとりぼっち" が聴けるのは有難い選曲。`99年のアルバムで披露されたジェリーの曲 "Santa Cruz" のライヴ・ヴァージョンが聴けたのも良かったです。

Christmas Joy Ventures in Japan 2002 Summer & Winter Live
CHRISTMAS JOY
2002 CD
USA Varèse Sarabande 302 066 401 2

1. Jingle Bells
2. We Wish You A Merry Christmas
3. Winter Wonderland
4. Joy To The World
5. O Christmas Tree (O Tannenbaum)
6. Silent Night
7. Hark, The Herald Angels Sing
8. God Rest Ye, Merry Gentlemen
9. O Holy Night
10. The Christmas Song
11. Sleigh Ride
12. Medley:
  a) Rockin' Around The Christmas Tree
  b) Here Comes Santa Claus
13. We Three Kings
14. What Child Is This
15. O Come All Ye Faithful
16. Deck The Halls
17. Feliz Navidad
18. Christmas Joy
VENTURES IN JAPAN LIVE 2002
2003 CD
Japan M&I MYCV-30196

1. Fire
2. Wailin'
3. My Bonnie Lies
4. Slaughter On 10th Avenue
5. Last Train To Clarksville
6. Bondolero (あの人は今札幌)
7. Magic Night
8. Born To Be Wild
9. Out Of Limits
10. Driving Guitars
11. Hawaii Five-O
12. Walk Don'r Run '64
13. Wipe Out
14. Hurricane
15. Medley
  Bulldog/Yellow Jacket/
  Rawhide/Shanghaied/Torquay/
  The Work Song/Mr. Moto/
  Comin' Home Baby/Green Hornet/
   '66/Perfidia/Walk Don't Run
16. Manchurian Beat
17. Hollywood Punk
18. Medley
  Stranger In Midosuji/Reflections In A Palace Lake(雨の御堂筋〜京都慕情)
19. Medley
  Kyoto Doll (京都の恋) 〜Paint It Black
20. Ginza Lights(二人の銀座)
21. House Of The Rising Sun
22. Medley
  Diamond Head〜Pipeline
23. Caravan

at Nakano Sunplaza, Tokyo
 August 16 2002

SUMMER & WINTER LIVE
2004 CD
Japan M&I MYCV-30272

[Winter Live]
1. Medley
  Walk Don't Run〜Perfidia〜Walk Don't Run
2. Pipeline
3. Telstar
4. I Got A Woman
5. Medley
  Aquarius〜Let The Sunshine In
6. Penetration
7. Apache
8. Out Of Limits
9. Diamond Head
10. Caravan


[Summer Live]
11. Twist Degli Amanti "L'Eclisse"
12. Love Potion No.9
13. Teen Beat
14. Road Runner
15. Land Of A Thousand Dances
16. Stop Action
17. Santa Cruz
18. Medley:
  Who'll Stop The Rain〜Bad Moon Rising
19. Medley:
  Movin'〜Baja〜Peter Gunn
20. Home

[Winter Live]
at Hibiya Kohkaido, Tokyo
 January 18 2004


[Summer Live]
at Nakano Sunplaza, Tokyo
 Seotember 13 2003





 ベンチャーズは2008年には本国でロックの殿堂(The Rock and Roll Hall of Fame and Museum)入りを果たしています。
ただ、授与式にジェリーは出席せずに代理人としてジョン・ダリル (ジェリー一回目の参加時期、5人編成だった頃のメンバー) に出て貰っていました。出られない理由が有ったのかも知れませんが、本国で人気を博していた「全盛期の`60年代中頃迄にはメンバー入りしていなかったという気持ちが有ったのかも…?」とふと感じてしまいます。
 『THE VENTURES PLAY SOUTHERN ALL STARS』、サザンオールスターズのカヴァーばかりを集めた作品で既発アルバム数種からの抜粋編集盤。原曲がロック調の "Erotica Seven" を除きイージーリスニング音楽風です。以前 (1990年) ノーキー・エドワーズが「日本のファンのために」と題した新録5枚組CD+VHSのセットを出したので購入していました。加山雄三盤はエレキ・ブームのキッカケだったので判りますが、ユーミンとサザンオールスターズの盤も有りました。ナッシュヴィルでの現地ミュージシャン達との録音です(ジム・ホーンだけは有名)。
 この盤もイージーリスニング音楽風でした。ジェリーのベンチャーズ盤・ノーキーのソロ盤共にサザンの曲がリラクシングBGM風に演奏することが日本のファンの為なのかは疑問です。アタックの効いたベンチャーズ・サウンドにアレンジして聴かせてほしいです。

 『MEMORIES OF JAPAN』ベンチャーズが日本をイメージして作った彼らのオリジナル曲の記録集、多くは既発曲ですがトラック6,10,12,13 の4曲は新曲でリード・ギターはボブ・スパルディングが担当。


 2014年に待望の原点回帰サーフ・ロック集『SOUNDS OF SUMMER』が出ました。殆どが新録ですが、7〜10迄の4曲は旧録です。7 "Movin' 太陽の彼方に"、"Black Sand Beach"、"Diamond Head〜Pipeline" はノーキーがリードヴァージョン。
".Misirlou"と"The Lonely Surrfer"はリード・ギターがボブ・ボーグル、ジェリー・マギーがベース・ギターのヴァージョンです。ドンの [テケテケテケテケ]もバッチリです。やはり彼らはこれらのサーフィン・ミュージックを奏っている時が一番輝いて乗っています。

Play Southern All Stars Memories of Japan Sounds of Summer
THE VENTURES PLAY SOUTHERN ALL STARS
2009 CD Compilation
Japan EMI TOCP-70736

1. TSUNAMI
2. Namida No Kiss (涙のキッス)
3. Manatsu No Kajitsu (真夏の果実)
4. Miss Brand-New Dat
   (ミス・ブランニュー・ディ)
5. Itoshi No Erry (いとしのエリー)
6. Hotel Pacific
7. C-Major Kotoba Ni Goyoujin
   (C調言葉に御用心)
8. Omoisugoshi Mo Koinouchi
   (思いすごしも恋のうち)
9. Katte Ni Sindibaad
   (勝手にシンドバッド)
10. Erotica Seven (エロティカ・セヴン)
11. Spiritual Music (愛の言霊)
12. Chako No Kaigan Monogatari
   (チャコの海岸物語)
13. Furi Furi `65 (フリフリ `65)
14. The Night Club (匂艶)
15. The Theme of Shiori (栞のテーマ)
16. Kibun Shidai De Semenaide
   (気分しだいで責めないで)


MEMORIES OF JAPAN
2012 CD Compilation
Japan EMI TOCP-71298

1. Kyoto Doll (京都の恋)
2. Reflections In A Palace Lake
(Kyoto Bojo) (京都慕情)
3. Ginza Lights
4. Stranger In Midoosuji (雨の御堂筋)
5. Hokkaido Skies
6. Sapporo Spring
7. Shiretoko Of Hokkaido (知床旅情)
8. Kiri-No-Mashuko
9. Erimo-Misaki
10. Echoes Of Sendai
11. Nagasaki Memories (長崎慕情)
12. Hakata Sun
13. Japan Surf

14. Seto-No-Hanayome
15. Naruto (鳴門)
16. Nagoya Express (名古屋特急)
17. Yokohama Lights
18. Tokyo Nights

6,10,12,13
  lead guitor : Bob Spalding
3,5,,8,9,14,17,18
   led guitor : Norky Edwards
SOUNDS OF SUMMER
2014 CD
Japan EAU Records UICY-15332

1. Surfin' Safari
2. Surfin' U.S.A.
3. Surf City
4. The Theme From Big Wave
5. Jody
6. Tell 'Em I'm Surfin'
7. Movin'
8. Misirlou
9. Black Sand Beach
10. The Lonely Surrfer
11. Your Eyes
12. Surfer Girl
Bonus
13. Diamond Head〜Pipeline


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Text by Mie