George Lynch
George Lynch (ジョージ・リンチ)を知ったのは勿論アメリカのハード・ロック/ヘヴィ・メタルバンド、DOKKEN( ドッケン)を聴いてからの事です。 ドッケンは1980年代初頭〜中頃に数多く生まれた「LAメタル」バンドの中のひとつバンドとして記されるのが普通です。(「LAメタル」というのは日本のみの呼用で英米では「glam metal グラム・メタル」と地域性ではなくファッション面から呼ばれるのが普通でした。) 基本は「メタル、ロック」で有るわけですが、地域とか容姿とかで他のロック・ミュージックと区別化されていた訳です、ただ、地域性特徴と風貌での特徴で話をすると含まれるバンド自体の音楽部分が全く違う人達も混在して、話が食い違うことも多々有りました。ここは日本式の地域性を重視した「LAメタル」バンドと呼用した方が音楽性を表すのには合っているように思います。 そうこれらのサウンドを体験してきたリスナーにとって「LAメタル」と云う言葉だけで、当時の音を思い起こすことが出来ますね 話を戻しますと、ヨーロッパの方から広がって来たHR/HM系のロックがアメリカでも浸透してこの系統のバンドが幾多誕生してきます。そしてその多くがやはりアメリカン・バンドらしいアメリカっぽいロック・サウンドを持っているのですが、DOKKENを聴いたとき、わたしは所々でにヨーロピアン・バンドが持つ翳りとか哀愁とかを感じました。こうしてDOKKENに興味を抱いた後、ギター好きで有るためにわたしがジョージ・リンチのプレイに注目するのは当然でした。 そしてDOKKENのヴォーカル、ドン・ドッケンとの不仲から解散後も、ドンとは別に活動するジョージを追い続ける形と成りました。 ジョージ・リンチは1954年9月28日、アメリカワシントン州スポケーン生まれ。その後カリフォルニア州サクラメントに移り、1970年代後半にロサンジェルスに引っ越してBoyz、Xciterといったバンドでプレイ。このXciterでのプレイ中にその後のプレイの原型が出来上がっていたと云われています。1980年代に入りXciterのドラマーだったミック・ブラウンがドン・ドッケンがDOKKENをドイツで再スタートさせる時、ドン・ドッケンから誘われ、ジョージと一緒ならという条件で一緒にドイツへ渡りDOKKENに加入したとのこと。 ドン・ドッケンはヴォーカリストながら、ギターの腕も有り、最初は自らがギターを弾き歌うトリオ編成で始めていましたので、自分のバンドに「別のギタリストは要らない」という考えを後々まで持ち続けて居たようです。ところがDOKKENが売れ出すとジョージのプレイに注目が集まり出し、そこら辺りが不仲に成った原因のひとつだと云われています。 ジョージは10代の時にベック、ペイジ、クラプトンの所謂初代三大ギタリスト達の曲をコピーしまくったとの事ですが、わたしとしては三人の中で最も好きなジェフ・ベックのプレイに近かった事がジョージに注目した一因で有りました。 フレーズ選び、発せられる音などが実にスリリングでホント、インパクトが強かったですね。後に「カミソリ・ギター」と呼ばれるように上下に鋭いキレが攻撃的に流れています。 DOKKEN : 左からGeorge Lynh(gr),Don Dokken(vo),Mick Brown(ds),Jeff Pilson(bs) |
DOKKENが日本で注目を浴びるように成ったのは1984年発売の実質セカンドアルバム『Tooth and Nail』から。わたしも最初に買ったのはセカンドアルバムでした。 初期のDOKKENは'79年ドイツのクラブ廻りから始めていますので初期の録音はドイツ録音。デビューアルバム『Breaking The Chains』発売もヨーロッパ発、フランスのCarrereというレーベルから1982年に出されています。その後アメリカのElektraレーベルと契約、拠点をロスに移して、Elektraから『Breaking The Chains』は1983年に発売されました。その際、一部歌詞の書き換え再録されたり、"Paris Is Burning"がベルリンでのライヴヴァージョンに差し替えられたりしました。このファーストでは"Breaking The Chains","Paris Is Burning"が飛び抜けています。 そして、日本でのデビュー作にあたる『TOOTH AND NAIL』。一般的な評価は彼等のベストアルバムです。 2曲目タイトル・チューンの"Tooth and Nail"は印象的でこの曲の中間ソロでジョージ・リンチが一介のギタリストで無いことが判ります。曲も良くメタル界屈指のナンバーです。次の"Just Got Lucky"は覚えやすいメロのためか何年経っても頭に残っています。"Don't Close Your Eyes"も飛び抜けて良いとは言い難いのですが妙に印象に残っている曲です。歌メロが独特なのでしょうね。"Alone Again"は初期のバラードとして有名。コレも良いメロディーです。"Turn on The Action"は如何にもモロにメタルっぽいファスト・チューンで、こう言ったのを無性に聴きたく成るとき時などに「持ってこい」の曲です。良い曲ですね。 次はサードアルバムに成る『UNDER LOCK AND KEY』、カバーが印象的で当時この盤とRATTの『OUT Of The CELLAR』が輸入盤専門店の棚に並んで居るとイメージとか色使いが似ていて、妙にマッチングしていたのを想い出します。所謂「LAメタル全盛時」だったのでしょうか。 私的にはわたしが彼等のベストだと思うのはコレです。DOKKENサウンドが同じLA出身のバンドと違うと感じるのはこのアルバムがあったからです。ドイツのサーキット廻りをしていたドンならではのヨーロッパを思わせる哀愁帯びたメロディーを随所に味わえます。アメリカでもシングル・ヒットした"In My Dreams"などはほんと良い雰囲気です。哀愁メロでもっと格好良いのがトップの"Unchain The Night",ジョージのソロも良いですね。2曲目"The Hunter"もミディアムテンポながらやっぱりカッコイイ、ここでもジョージのギターは存在感出しています。 "Lightin' Strikes Again"、"It's Not Love"はメタルらしさが出た疾走曲、ジョージのギターソロが途中突き抜ける! "Will The Sun Rise"はじっくり聴きたい曲です。"Jaded Heart"もしっとりしています。 |
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Breaking The Chains (1983) LP Elektra 9-60290-1 USA Side:1 1. Breaking The Chains 2. In The Middle 3. Felony 4. I Can't See You 5. Live To Rock (Rock To Live) Side:2 1. Nightrider 2. Seven Thunders 3. Young Girls 4. Stick To Your Guns 5. Paris Is Burning |
Tooth and Nail (1984) LP Elektra P-13061 (Japan) Side:1 1. Without Warning 2. Tooth And Nail 3. Just Got Lucky 4. Heartless Heart 5. Don't Close Your Eyes Side:2 1. When Heaven Comes Down 2. Into The Fire 3. Bullets To Spare 4. Alone Again 5. Turn On The Action |
Under Lock and Key (1985) LP Elektra 9-60458-1 1. Unchain The Night 2. The Hunter 3. In My Dreams 4. Slippin' Away 5. Lightin' Strikes Again 6. It's Not Love 7. Jaded Heart 8. Don't Lie To Me 9. Will The Sun Rise 10. Til The Livin' End |
『Burning Like A Flame』をフューチュアしたミニアルバム形式の12インチシングル、通常のシングルでこの曲はBBチャート72位のヒットと成りましたが、ポップ路線でどこか中途半端。以後DIKKENのシングルはチャート100には登場しません。 4作目『Back for The Attack』はトップの"Kiss Of Death"からしてジョージのギター猛烈炸裂の疾走メタル。♪Kiss Of Death♪というコーラス部分が年月過ぎても頭から離れていません。"Prisoner"はジョージとベーシストの Jeff Pilson ジェフ・ピルソン、ドラマーのMick Brown ミック・ブラウンとの三人共作でこれもなかなか良いです。それにしてもロックの曲名にPrisonerが付くのは結構多い気がしますね。"Stop Fighting Love" はヘビーなミディアムナンバーながら哀愁メロで聴き応え有ります。 "Dream Warriors"はポップよりですが先行シングル発売された"Burning Like A Flame"よりはこちらの方が良いです、「エルム街の悪夢3」の主題歌。更にシングルで出すならこっちでしょうと思うのが"So Many Tears"です。哀愁メロを含む若々しい曲です。そしてギターインスト曲"Mr. Scary",ジョージの切れ味抜群のギターが満喫できます。 アメリカで一番売れたDOKKENのアルバムとなっています。 そしてライヴ盤『Beast from The East』海外ロック・バンドのライヴ盤を拾い上げていけば相当な数の日本公演収録盤が出て来ると思われますが、DOKKENの最初のライヴ盤も日本公演物でした。1988年4月27日と30日の新宿厚生年金会館分及び4月29日,NHKホール分から選曲編集されています。 この時期ドン・ドッケンとジョージ・リンチの仲はかなり悪くなっておりこの録音を含んだツアーを終えた後、バンドは解散します。 このライヴ盤では、ジョージがかなり目立っています。ギター好きのひいき目かも知れませんが、どうしてもギター中心に聴いてしまいますので、確かにドンが目立ちすぎるジョージへの嫉妬から不仲に成ったという説も判ります。曲はベスト選曲なので良い曲ばかりです。 ラストにスタジオ盤の新曲として"Walk Away"が入っているのですがこれがまた名曲でここでのドンのヴォーカルとジョージのギターのからみはどちらもが強烈に凄くて意地とか個性とかが衝突して砕け散っていくドラマティックな部分を感じます。 |
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Burning Like A Flame (1987) 12inches EP Elektra EKR 67T (USA) Side:1 1.Burning Like A Flame 2.Lost Behind The Wall Side:2: 1.Just Got Lucky 2.In My Dreams |
Back for The Attack (1987) LP Elektra 9-60735-1 (USA) Side:1 1. Kiss Of Death 2. Prisoner 3. Night By Night 4. Standing In The Shadows 5. Heaven Sent 6. Mr. Scary Side:2 1. So Many Tears 2. Burning Like A Flame 3. Lost Behind The Wall 4. Stop Fighting Love 5. Cry Of The Gypsy 6. Sleepless Night 7. Dream Warriors |
Beast from The East (1988) LP Elektra 9-60823-1 (USA) Side:1 1. Unchain The Night 2. Tooth And Nail 3. Standing In The Shadows 4. Sleepless Night 5. Dream Warriors Side:2 1. Kiss Of Death 2. When Heaven Comes Down 3. Into The Fire 4. Mr. Scary Side:3 1. Heaven Sent 2. It's Not Love 3. Alone Again 4. Just Got Lucky Side:4 1. Breaking The Chains 2. In My Dreams 3. Turn on The Action 4. Walk Away |
ジョージはExciter時代から一緒だったドラマー、ミック・ブラウンと一緒に自分たちのバンドを結成します。ヴォーカルにOni Logen、ベースにAnthony Esposite というメンバーで1990年11月に発売されたのが『Wicked Sensation』、バンド名がLynch Mob。新生バンドのアルバムトップを飾る曲は注目の的です。タイトル・ナンバーである"Wicked Sensation"、メタル歴然としていて尚かつキレの良い曲です。ジョージのギターも良いです。但しこれ位やって当たり前の感でしょう。曲として一番気に入ったのは"For A Million Years"、メタルっぽくなくて、DOKKEN最後の"Walk Away"に近い楽曲でしょうか。もう一つ好きなのは,"All I Want",こういったブルーズっぽい曲をやってくれたのは嬉しかったです。 リンチ・モブのセカンドはバンド名をそのまま冠した『Lynch Mob』、ヴォーカリストが Robert Mason に替わりました。ハイトーンヴォーカルです。決してハイ・トーンヴォカリストが嫌いなわけではなくロバート・プラントなんか大好きなのですが、一曲目 "Jungle Of Love"を聴いて、「うー、この人のヴォーカル、聴くの疲れるわー」でした。わたしのベスト・トラックは"Heaven Is Waiting"、ここではそれ程苦しさを感じないヴォーカルでメロもギターソロも聴き物です。そして、痛快ソロとメタル・リフが駆け巡る"I Want It"、クィーンの"Tie Your Mother Down"も良いです。 " 次はリンチ・モブのサードでなく、ソロアルバムの形で発売されました。『Sacred Groove』、メンバーは曲ごとに変わっています。ドラムス Denny Fongheiser ベース Jeff Pilson は割と多くの曲に参加して居ますが、ヴォーカリストは Ray Gillen, Matthew Nelson & Gunnar Nelson, Mandy Lion, Glenn Hughes, Pattie Brooks と多彩です。また、インストも4曲あります。インスト曲のうちの一曲 "I Will Remember" は異色の曲でギリシア音楽の様な哀愁メロで泣き泣きぎたーが聴けます。スピード・チューンでは "Flesh and Blood" がDOKKEN風ですが良いです。全体の印象ではもうひとつでしょうか? |
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Wicked Sensation (1990) as Lynch Mob CD Elektra WPCP-3848 (Japan) 1. Wicked Sensation Sacred Groove 2. River Of Love 3. Sweet Sister Mercy 4. All I Want 5. Hell Child 6. She's Evil, But She's Mine 7. Dance Of The Dogs 8. Rain 9. No Bed Of Roses 10. Through These Eyes 11. For A Million Years 12. Street Fightin' Man |
Lynch Mob (1992) as Lynch Mob CD Elektra WMC5-494 (Japan) 1. Jungle Of Love 2. Tangled In The Web 3. No Good 4. Dream Until Tomorrow 5. Cold Is The Heart 6. Tie Your Mother Down 7. Heaven Is Waiting 8. I Want It 9. When Darkness Calls 10. The Secret 11.L0ve Finds A Way 12. Love In Your Eyes |
Sacred Groove (1993) CD Elektra 9-61442-2 (USA) 1. Memory Jack 2. Love Power From The Mama Head 3. Flesh And Blood 4. We Don't Own This World 5. I Will Remember 6. Beast, Pt. 1 7. Beast, Pt. 2 (Addiction To The Friction) 8. Not Necessary Evil 9. Cry Of The Brave 10. Tierra del Fuego |
『The Best Of Dokken』,'83年から解散までに出されたアルバムからの選曲にシングル盤"Dream Warriors"のB面だった"Back for The Attack"を加えた形で出されたベスト盤が1994年に出ました。このときは既に再結成でのレコーディングが行われていたようです。 DOKKENの再結成は1994年に成されるわけですが、その成り行きは、ジョージはソロ作作成時にリンチ・モブを解散させておりました、先ずバンド活動をしていなかったミック・ブラウンにドン・ドッケンが声をかけ次にジェフ・ピルソンに声をかけドンがヴォーカルとギターを担当し、新バンドのための曲を録音開始。バンド名も[GYPSY DOGS]に決まっていたそうです。ただ、その出来に物足りなさが有ったのかより完成度の高い物を求めたメンバーはジョージにアプローチ。録音済みテープにジョージのギターをオーバーダブして曲を完成、数曲加えてDOKKEN復活作として出されました。 このアルバム『DOKKEN』"は日本だけでの発売。 2曲目"Shadows Of Life"の最初の歌メロを聴くと、「あっこれドン・ドッケンだ」と直ぐ判る彼らしいメロ。 ジョージのギターもDOKKEN時代を思わせます。3曲目"Long Way Home"は曲自体が弱いですが、ジョージのギター部は短いながらDOKKEN再来です。"Inside Looking Out"はヘヴィーですが曲のコード進行とかがジョージ・ハリソン的な印象を受けました。ラストの"Too High To Fly"は作曲にジョージ・リンチも加わった作品でLAの明るさを感じますが他の曲は全体に暗くheavyな趣です。 ただこの'90年代前半という時代は世界的にロック界ではこの様なタイプの曲が多かったですね。日本では'80年代 後半はバブル全盛期、アメリカでも'80年代はそこそこ好景気でした。煌びやかな音楽が全盛を迎えていました。 ところが'80年代末から'90年にかけてアメリカは不況に入り日本でもバブル崩壊。音楽界も一辺した感じでアンダーグラウンドから数多くの若いロックバンドが誕生し始めました。パンク的な要素が増え、'80年代のキラキラしたロックは影を潜めていた時代だったのです。以前からの大物はアンプラグド録音が増えていきました。 "DOKKEN"収録曲のうち数曲をリミックス、新たに新曲もプラスしてアメリカでの再結成第一弾のアルバムとして出されたのが『Dysfunctional』です。 一曲目"Inside Looking Out"は音源自体は同じでしょうが、ミックス直しで分離が良くなって明るく感じます。クリームっぽい演奏ですね。(古い例え!) 再結成アルバムの中で一番好きな"Shadows Of Life"が6曲目に変わりました。私的にはこの曲は1番目か2番目が良かったのにと思いましたが、勿論わたしがとやかく言う問題では有りません。 ラストはGreg Lake作でEL&Pが"TRILOGY"の中で発表した曲。しっとりしたバラードで曲は良いですが、何故ここで選んだのか・・・ |
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The Best Of Dokken (1994) CD Elektea WPCR-13 (Japan) 1.Tooth And Nail 2.In My Dreams 3.Breaking The Chains 4.Into The Fire 5.Burning Like A Flame 6.It's Not Love 7.Alone Again 8.The Hunter 9.Kiss Of Death 10.Just Got Lucky 11.Back for The Attack 12.Unchain The Night 13.Dream Warriors 14.Mr. Scary 15.Walk Away 16.Paris Is Burning |
Dokken (1994) CD Victor VICP-8140 (Japan) 1. What Price 2. Shadows Of Life 3. Long Way Home 4. The Maze 5. Nothing Left To Say 6. Lesser Of Two Evils 7. Inside Looking Out 8. Sweet Chains 9. Too High To Fly |
Dysfunctional (1995) CD Columbia CK 67075 (USA) 1. Inside Looking Out 2. Hole In My Head 3. The Maze 4. Too High To Fly 5. Nothing Left To Say 6. Shadows Of Life 7. Long Way Home 8. Sweet Chains 9. Lesser Of Two Evils 10. What Price 11. From The Beginning |
『One Live Night』、'90年代はホント、アンプラグドブームでエレクトリックサウンドで名を馳せた大物達がとりあえずは一枚は作っていた感が有ります。再結成DOKKENもやりました。1994年12月13日のライヴ録音です。メタルバンドといえどもともと歌メロは良い物を持っていましたし、しっとりと演奏しても合うでしょう。ただ、ジョージだけはエレキギター・プラグドのパーソネルになっています。その為か控えめな演奏で名曲"In My Dreams"の様に中間部ソロの数秒〜十数秒程度の聴き所しか有りません。私的にはビートルズの"Nowhere Man"を披露してくれたのは嬉しいですが、出来は普通、ドンの選曲でしょうか? 世間では高評価多いですが、アルバム全体的な印象はやはり「とりえず、アンプラグド物を作っておこう」といった程度で、演奏自体は普通、楽曲の良さが有っての巷のあの評価でしょう。 『Shadowlife』、DOKKEN 復活一作目でも少し垣間見られた'90年代前半のロック・シーンを象徴するオルタナティヴ・ロック(グランジと呼ばれていた)色にどっぷり浸かった作品であります。無表情に繰り返されるheavyなサウンドは暗さと退廃的な要素を持ち、人間本来が持つ「陽と陰」の陰の部分を追求した形でしょうか。好き嫌いの分かれる作品でしょう。 '70年代後半、『ロック・マガジン』というプログレッシヴ・ロックやパンク・ロックなどの新譜紹介・発掘に積極的だった音楽誌を作った阿木譲氏が、ラジオでこういった「退廃的な音楽を(聴くという行為)くぐり抜けてきたリスナーと避けているリスナーでは将来の音楽的見方が明らかに違う」よいった様な意味の言葉・表現を言われていた記憶が有ります。普通のリスナーは自分の好きな音楽だけを聴けば良いわけで、多分に「将来、音楽関係で生きていこう」という若者向けの言葉に聞こえますが、わたし自身はジャンルに拘らず、ありとあらゆる音楽を聴いて行きたいと思っていたものですから、その言葉に賛同した一人でした。 で、この『Shadowlife』です、私的には"Sweet Life"は気に入りましたが、他の曲は印象薄いです。 このアルバムでのメンバー写真、ジェフとミックはメタル・バンド風ですがドンとドッケンはヘアースタイルからしてグランジ風ですね。 『The Very Best Of Dokken』は1988年解散までのDOKKENのベストアルバム。'94年に出たベストアルバムは日本のみの発売だったらしくこちらがアメリカでの初のベスト物に成りました。一曲ドンのソロプロジェクトナンバーも入っています。また4曲(*印)はアルバム未収録だったシングルヴァージョンが納められました。 |
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One Live Night (1995) CD CMC 0607686206-2 (USA) 1. Into The Fire 2. Unchain The Night 3. Maze 4. Nothing Left To Say 5. From The Beginning 6. Tooth and Nail 7. Just Got Lucky 8. I Will Remember 9. Alone Again 10. In My Dreams 11. Nowhere Man 12. It's Not Love 13. HIDDEN TRACK |
Shadowlife (1997) CD CMC 0607686210-2 (USA) 1. Puppet on A String 2. Cracks In The Ground 3. Sky beneath My Feet 4. Until I Know 5. Hello 6. Convenience Store Messiah 7. I Feel 8. Here I Stand 9. Hard To Believe 10. Sweet Life 11. Bitter Regret 12. I Don't Mind 13. Until I Know (Slight Return) |
The Very Best Of Dokken (1999) CD Rhino-Elektra R2-75834 (USA) 1. Breaking The Chains 2. Paris Is Burning (Live In Europe, 1982) 3. Into The Fire 4. Just Got Lucky 5. Alone Again * 6. Tooth And Nail 7. The Hunter 8. In My Dreams * 9. It's Not Love 10. Dream Warriors 11. Burning Like A Flame * 12. Heaven Sent 13. Mr. Scary 14. Walk Away * 15. Mirror Mirror as Don Dokken 16. Too High To Fly *=Single edit version |
『Shadowlife』発売後ジョージ・リンチはDOKKENを脱退、DOKKENは新しいギタリストLeb Beachを迎えて『Erase The Slate』というアルバムを製作、'80年代メタル路線を復活させました。一方ジョージさんは再度 Lynch Mob 名義でのサードアルバム『Smoke This』を製作しています。このアルバムには驚きました。 ヴォーカルがOni Logenに戻りましたが、ヴォーカリストが誰かは関係なさそうで・・・ラップ・ミュージック、HIP POP です。わたし自身はラップ・ミュージックが苦手なので、これも一度聴いたきり。ジョージのギター中心に聴くしかないです。声は打楽器のひとつとして捉え、インスト曲として聴けばいいのですが、何度も聴く気には成れないです。 『Will Play for Food』食物の為に弾くといった意味のタイトルが付いたアルバムはジョージが他のミュージシャンへのトリビュートアルバムで弾いた曲やセッション物、そしてリンチ・モブの未発表曲の寄せ集め集です。他人の曲とはいえ、やはり久しぶりに彼のロック・ギターを聴けるのは有り難いです。ロック系楽曲ではさすがにジョージらしさが出ています。リンチ・モブの未発表曲の内、ドン・ニックスの"Going Down"はジェフ・ベック・グループアレンジの曲なので良いのですが、"Your Darkest Hour"などはまたまたラップ物で『Smoke This』漏れのナンバー間違い無しです。 『A Tribute To Scorpions - Covered Like A Hurricane』はスコーピオンズのトリビュート・アルバムで基本メンバーは George Lynch (gr)、Chuck Garric (bs)、Steve Riley (ds)。曲ごとにヴォーカリストが替わり、曲によってリズム・ギタリストが加わる形式で構成されています。スコーピオンズファンとしましてはまぁ、嬉しい企画です。基本メンバーがLAメタル陣なのでスコーピオンズ全米上陸後の曲が多いのは当たり前としてもう少し以前の曲も奏って欲しかった気も有ります。 |
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Smoke This (1999) as lynch mob CD Sacred Groove PCCY-01358(Japan) 1. World Spinning Away 2. Hype-O 3. Chromeplated 4. Hollow 5. Playalistics 6. Beg 7. Relaxin' In The Land Of AZ. 8. Get It Together 9. Indra's Net 10. When I Rize 11. What Do You Want 12. Smoke This |
Will Play for Food (2000) CD Sacred Groove SG-0005 (Canada) 1.My Crowley Ozzy Osbourne,Joe Lynn Turner,Kane Roberts 2.He's A Woman She's A Man John Corabi,John Morris,Chuck Garrie,Steve Riley 3.Rollin and Tumblin Billy Sheehan,Greg Bissonette,Little John Chrisley 4.Billion Dollar Babies Phil Lewis,Bob Kulick,Stu Hamm,Vinnie Colaiuta,Derek Sherinian 5.Anthem Mark Slaughter,Deen Castronovo,James Murphy,Stu Hamm 6.Panama Jani Lane,Tony Franklin,Greg Bissonette 7.Goin Down Lynch Mob 8.Tears Of Sahara Tony MacAlpine 9.Flying High Again Mark Slaughter 10.Paranoid Vince Neil,Stu Hamm,Greg Bissonette 11.Satan Shorts Lynch Mob 12.Train Kept A Rollin' Al Pitrelli,Michael Lee Firkins,Reb Beach,Steve Morse 13.Your Darkest Hour Lynch Mob 14.People Get Ready Dante March,John Alderete,Jay Schllen,Billy Sherwood 15.Love In Your Eyes Lynch Mob 16.Love Finds Away Lynch Mob |
A Tribute To Scorpions 〜 Covered Like Hurricane(2000) CD Deadline VACM-1161 (Japan) 1. Here I Am (Rock You Like A Hurricane) 2. Still Lovin' You 3. Falling In Love 4. Big City Nights (remix) 5. Blackout 6. No One Like You 7. The Zoo 8. Steamrock Fever 9. In Trance 10. He's A Woman, She's A Man 11. Holiday 12. Lovedrive |
『Wicked Underground』はリンチ・モブではなくDOKKENのベースマン、ジェフ・ピルソン(今回、ヴォーカルも担当)と組んだアルバムです。ジョージが「食物の為に弾いている」という他人のトリュビートアルバムではメタル系ロックで弾きまくるのに、自曲で自前のバンドで奏る曲はやはりその時点でやりたい音楽を追求しているようです。ただ、『Shadowlife』の頃に比べるとかなり退廃的な部分は消えてモダン・ヘヴィネス風に成ってきています。ミディアム系の曲が多く、全体的に控えめなギターですが、Michael Froweinのドラムスが気持ちよい"Zero The End"ではやっと弾きまくってくれています。 それでも全体的なわたしの評価は楽曲に魅力が乏しくまだまだ物足りないです。 続いてリンチ・モブ名義で『REvolution』、ヴォーカルがセカンド制作時の Robert Mason に戻りました。 DOKKEN 時代の曲とリンチ・モブ、ファーストの曲などをアレンジを変えて再録しています。曲名からメタル系への復帰かと期待しましたが、"Breaking The Chains","Kiss Of Death"は印象的なコーラス・ワークが消えてモダン・ヘヴィネス的なアレンジに成っていましたし、リンチ・モブの曲にしてもヘヴィーに成っていました。"Wicked Sensation"なども弾けるような格好良さが消えています。好き嫌いを云えばDOKKenヴァージョン,Lynch Mob ファースト・ヴァージョンの方が勿論好きです。ただ、 "Tooth And Nail","Paris Is Burning"の2曲に関しては聴き所も有りました。 『Evil: Live』は第二期リンチ・モブのメンバーのライヴ音源・・・だと言うことです。録音場所など詳しいことは解りません。音やコーラスワークの鮮明さからスタジオ・ライヴなのかも知れませんが、演奏は素晴らしいです。モダン・ヘヴィネス〜ラップに進んだ時期の音を聴いた後だと尚更です。 やはりジョージのギターのツッコミやキレを味わうにはメタル系の音が一番合っていますね。 |
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Wicked Underground (2003) George Lynch,Jeff Pilson CD Spitfire SPITCD100 (UK) 1. Breath & A Scream 2. Beast In The Box 3. When You Bleed 4. Vaccine 5. Ever Higher 6. Zero The End 7. The Evil That You Are 8. Awaken 9. Cromanic 10. Goodbye Utopia 11. Inner View 12. Closer To None |
REvolution (2003) as lynch mob CD Deadline CLP 123-2 (USA) 1. Tooth And Nail 2. Tangled In The Web 3. All I Want 4. Kiss Of Death 5. Shes Evil But Shes Mine 6. Relax 7. Cold Is The Heart 8. Breaking The Chains 9. When Darkness Calls 10. River Of Love 11. Wicked Sensation 12. Paris Is Burning 13. The Secret |
Evil: Live (2004 original 2003) as lynch mob CD Rock Empire SGR 2003 (Tiwan) 1. River Of Love 2. Wicked Sensation 3 I Want It 4. Cold Is The Heart 5. She's Evil But She's Mine 5. Dance Of The Dogs 6. Jungle Of Love 7 The Secret 8. All I Want 9. No Good 10. Dream Until Tomorrow 11. Tangled In The Web 12. Street Fightin' Man 13. Tie Your Mother Down |
『Dokken Live In Japan '95』は1995年3月5日、東京厚生年金会館で録画録音された再結成Dokken公演映像を2002年にDVDディスクで先行発売、その映像からの音源を編集して2003年にCD発売した物です。 DVDでは気にならなかったですが、CDでは音が悪い、そして初期のライヴ盤『Beast from The East』と比べるとテンションの高さに違いを感じます。曲がダブるナンバーではそれが良く判り、ヴォーカルが弱々しいです。一番良いのは"It's Not Love"。ジョージのギターはほぼ全編にわたりOK。 『Furious George』はジョージが他人の曲ばかりを自ら選曲して演奏したカバー集。プロデュースはマイク・ヴァーニー、マイケル・シェンカーの『Endless Jam』を製作した人で、同じく名ギタリストによるトリビュート物です。選ばれた曲はジョージの思い入れ有る曲ばかりなので彼も乗っていて、聴き所満載です。 わたしはCaptain Beyondの"Dancing Madly Backwards"のみオリジナルを未聴でしたが、他はすべて聴き親しんだ曲ばかりで、やはり嬉しいですね。ハード・ロック系で弾くジョージはさすがです。 『Dokken Live & UFO』はDOKKENとUFOの抱き合わせ盤、おまけに片やライヴ音源、片や既存アルバム一枚からの抜粋とどうみても変な組み合わせの発売です。"Alone Again","In My Dreams"が99年のライヴ音源でギターがレブ・ビーチ時代の物、他は95年東京での『Dokken Live In Japan '95』からの物です。 |
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Dokken Live In Japan '95 (2003) CD Sanctuary TT 00592 (EU) 1. Tooth And Nai 2. When Heaven Comes Down 3. Into The Fire 4. Kiss Of Death 5. Shadows Of Life 6. The Maze 7. Long Way Home 8. Breaking The Chains 9. Unchain The Night 10. Nothing Left To Say 11. I Will Remember 12. Alone Again 13. Mr. Scary 14. It's Not Love |
Furious George (2004) solo CD Sharpnel CRCL-4592 (Japan) 1. Space Station #5 2. Sin's A Good Mans Brother 3. All Along The Watchtower 4. Stormbringer 5. I Want You (She's So Heavy) 6. Blood Of The Sun 7. Bridge Of Sighs 8. Precious and Grace 9. I Ain't Superstitous 10. One Way or Another 11. You Shook Me 12. Dancing Madly Backwards |
Dokken Live & UFO (2005) CD Direct Source SAN 53392 (Canada) 1. Alone Again 2. In My Dreams 3. Tooth And Nail 4. Into The Fire 5. Unchain The Night all Live Version 6.-10. performed By UFO |
『The Lost Anthology』はジョージ・リンチの未発表音源プラス他ミュージシャン名義で参加した音源や既存トリビュートものを集めた集大成アルバムです。彼が15歳〜16歳頃に結成したTHE BOYZの音源からXCITER時代の音源が貴重です。特にXCITER時代での"Paris Is Burning"は若々しくてエキサイティングです。この曲はDOKKENでも正式録音していて後々まで名曲として残っている曲です。しかしAと記されたバンドは正式名称でしょうか?"Thinking About You"のヴォーカルはXCITERでヴォーカルを担当していたGregg Sanford ガールフレンドだとか、一曲目にこの曲が出て来るので驚きますが、声が幼いのはご愛敬。バックで弾いているのがミドル・ティーン時代のジョージ、よく聴けばモロにジェフ・ベックの影響を受けているのが伺えます。Disc:1は音質、音圧が揃っていず、時代物を感じますが貴重な音源でファンは嬉しいです。 『Revolution Live』はリンチ・モブが『Revolution 』発売後に行ったツアーからの音源を集めたライヴ盤、2枚目におまけのDVDディスクが付いています。このDVDを観るとヴォーカルのロバート・メイソンがマイクから口を遠く外しても音量が全く変わらないのが不思議で、ヴォーカルはオーバー・ダヴィングされた形跡アリアリ。ライヴ音源でありながらあまりにも淡々と流れて行く進行でエキサイトな部分を全く感じないのは残念です。 『Guitar Slinger』はDeadline/Cleopatraレーベルがマイケル・シェンカーでも『Guitar Master』として製作したスーパー・ギタリストのギター中心の既発表曲の寄せ集め集です。DOKKENやLynch Mobnoの録音以外にトリビュート物で録音した物が中心です。 |
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The Lost Anthology (2005) CD Deadline/Cleopatra CLP 1470-2 (USA) Disc: 1 1. Thinking About You (A) 2. Nite Boyz (THE BOYZ) 3. Sleepless Nights (XCITER) 4. It's Alive (XCITER) 5. Paris Is Burning (XCITER) 6. Heartless Heart [Live] (XCITER) 7. Jailhouse Rock [Live] (XCITER) 8. House on Fire [Live] (XCITER) 9. I've Been Waiting (XCITER) 10. Going Under [#](DOKKEN) 11. In The Middle [Live] (DOKKEN) 12. Cry Again [Instrumental] (DOKKEN) 13. Lost Behind The Wall [Live] (DOKKEN) 14. Turn on The Action [Live] (DOKKEN) 15. When The Good Die Young (DOKKEN) Disc: 2 1. Candy Coated Sin (LYNCH MOB) 2. Invitation (LYNCH MOB) 3. Tooth and Nail [Live] (LYNCH MOB) 4. Closer (STONEHOUSE) 5. Deepen (STONEHOUSE) 6. If God Could Hear Me Now (STONEHOUSE) 7. Nothing (STONEHOUSE) 8. Dust (Instrumental) 9. Bruising Me (MICHELLE JOAN SMITH) 10. Bulldog Tyranny (MICRODOT ) BONUS TRACKS: 11. Paranoid 12. He's A Woman, She's A Man 13. Billion Dollar Babies 14. Round and Round 15. S.A.T.O. |
Revolution Live (2006) as lynch mob CD Deadline/Cleopatra CLP 1673-2 (USA) Disc: 1 1. Intro 2. Paris Is Burning 3. Dance Of The Dogs 4. Tangled In The Web 5. All I Want 6. Kiss Of Death 7. She's Evil, But She's Mine 8. Cold Is The Heart 9. When Darkness Calls 10. River Of Love 11. Rain 12. Hell Child 13. Breaking The Chains 14. Wicked Sensation 15. Tooth And Nail Disc: 2 DVD Disk |
Guitar Slinger (2007) CD Deadline/Cleopatra CLP 2038 (USA) 1. Going Under 2. Wicked Sensation 3. Rock You Like A Hurricane 4. Round And Round 5. Paranoid 6. Tangled In The Web 7. When The Good Die Young 8. Billion Dollar Babies 9. Dr. Rock 10. Lost Behind The Wheel 11. Driving On E 12. Turn On The Action 13. Lovedrive 14. Steam Rock Fever 15. In The Middle |
『From Conception: Live 1981』は何故か2007年になって発売されたDOKKEN 1981年のライヴ音源。 "Paris"は勿論"Paris Is Burning"でDOKKEN初期ヨーロッパ発売時にはこの曲名で発売していました。3曲の未発表曲が有りますがどれも良い曲です。若々しいこの頃の演奏はやはり熱気を感じて良いです。胎児のカバージャケが印象的です。 『Scorpion Tales』は2000年に出た『A Tribute To Scorpions〜 Covered Like Hurricane』をタイトルやカバージャケを変えただけで内容は全く同じ物です。酷いですねぇ。 [George Lynch's Souls Of We] というユニットで出されたアルバム『Let The Truth Be Known 』、London Legland-ヴォーカル、Johnny Chpw-ベース、Yael-ドラムスとクレジットされていますが曲によって別の人が参加しています。ジャケットカヴァーのイラストからしてストレートさは感じられませんが中味の音も怨霊払い呪文の様にも聞こえる曲("Psycho Circus"などタイトルからして...)が多くて、気に入った曲がありませんでした。一番ましだったのは"Everything I Want"でした。 『Smoke and Mirrors』は久しぶりのリンチ・モブ名義でのスタジオ新録アルバム、リンチ・モブ、ファーストの頃に戻った感じの一曲目"21st Century Man"を聴いてまずは一安心、こう言うのを聴きたかったのです。2曲目は70年代ブリティッシュ・ハード・ロック風"Smoke and Mirrors"で感激です。曲も抜群に良いしジョージの泣きのギターも良い雰囲気出ています。"Where Do You Sleep at Night?"はミディアムテンポのヘヴィー・ロックながら女性コーラスなどが入るアレンジにギターソロも合っていて雰囲気良いです。"Madly Backwards"も二時代ほど昔のタイプの曲ですがギターソロが良く歌いさすがと思わせるナンバー。 "We Will Remain"は80年代のあのサウンドです。ボーナストラックにこの曲のインスト・ヴァージョンが納められています。こちらの方がより疾走感を感じます。暴走ギター炸裂!気持ちいいー。 |
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From Conception: Live 1981 (2007) as Dokken CD RHINO R2 74888 (USA) 1. Paris 2. Goin Down * 3. In The Middle 4. Young Girls 5. Hit And Run * 6. Night Rider 7. Gtr Solo 8. Live To Rock 9. Breakin The Chains 10. Liar * *=previously unreleased songs |
Let The Truth Be Known (2008) George Lynch's Souls Of We CD SHARPNEL SH 1198-2(USA) 1. Let The Truth Be Known 2. January 3. Skeleton Key 4. Everything I Want 5. Key Of Noise 6. Sorry To Say 7. Crawling 8. St. Jude 9. Ghandi s Got A Gun 10. Push It 11. Psycho Circus 12. Nork 13 13. Adeline 14. Under The Dead Tree |
Scorpion Tales (2008) CD Deadline/Cleopatra CLP 2275 (USA) 1. Rock You Like A Hurricane 2. Still Loving You 3. Falling In Love 4. Big City Nights 5. Blackout 6. No One Like You 7. The Zoo 8. Steamrock Fever 9. In Trance 10. He's A Woman, She's A Man 11. Holiday 12. Lovedrive |
Smoke and Mirrors (2009) as Lynch Mob CD Frontiers KICP 1436 (Japan) 1. 21st Century Man 2. Smoke and Mirrors 3. Lucky Man 4. My Kind Of Healer 5. Time Keepers 6. Revolution Hero 7. Let The Music Be Your Master 8. The Fascist 9. Where Do You Sleep at Night? 10. Madly Backwards 11. We Will Remain 12. Before I Close My Eyes 13. Mansions In The Sky (Bonus Track). |
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『Orchestral Mayhem』は驚きのジョージ・リンチと古典音楽の組み合わせ。ウルフ・ホフマンの例を期待して聴くと、大きくコケて起き上がれないほどに愕然としてしまいます。共演はオーケストラや管弦楽団ではなくコンピューターの打ち込みオケにギターをかぶせたのでしょうが、ギター音は目立たず、かぶせたドラムスの音だけがヤケに目立ちます。ビゼーの"ハバネラ"などウルフ・ヴァージョンに比べたら雲泥の差。ウルフは子供の頃から親しんだ古典楽曲を演奏しておきたくて弾いたのでしょうが、ジョージは渋々弾いているような感じがします。 でも、ラフマニノフの"プレリュード・マーチ",ロッシーニの"ウィリアム・テル序曲"あたりでは、まぁ少しギターも目立っています。 最後のはSavatageのメンバーが製作したロック・オペラ、"クリスマス・イヴ"からの曲で元々がロック風なアレンジのためにまだ、聴きやすいです。 但し、何度も聴きたく成る物ではないです。 2011年の半ばに出たのが『Kill All Control』。ソロ名義で、パーソネルは Nick Spec(bs),Adrian Ost(ds),London Legrand(vox)に、ヴォーカリストとして Will Martin,Kieth St.John,Mark Torien が参加して居ます。 一曲目"Done"を聴いて一瞬、ドキッとしました。折角『Smoke and Mirrors』であの輝かしき時代のジョージが帰って来たと思っていたら、『Shadowlife』の時代の様なサウンドが出てきたのです。 でも次の"Fly On The Wall"を聴いて感動です。哀愁のある主メロ、サビはハイトーンヴォーカルに依るコーラス、粘りのあるギター・ソロ、近年にない出来の名曲です。ソング・ライティングはリンチ、キース・セント・ジョン、ニック・スペック、エイドリアン・オスト、マーク・トリエンの5人の共作。3曲目、5曲目も若返ったサウンドが聴けます。heavyな曲も'90年代風ではなく'70年代風なので抑揚、タメがあり退廃的雰囲気は無いです。ラスト"Son Of Scary" は "Mr. Scary" の続編のような弾きまくりインスト。Very Good。 2012年録音で2種のミニアルバム(4曲入り)『Legacy』『Sound Mountain Sessions』がほぼ同時に出ました。一枚はソロでインスト物、もう一枚はリンチ・モブ名義です。ソロの方は悪くはないのですが、決め手不足の感有りというか、無難な出来でインパクトに欠けました。一方リンチ・モブ盤の方はヴォーカルのオニ・ローガンが再々復帰でリンチ・モブのファーストの様なブルーズフィーリングを持った曲調で始まります。'70年代のアメリカンロックの片鱗・・・ちょっと懐かしい。オニのヴォーカルにピッタリです。また、4曲目はスピードチューンのメタルで小気味よいカッッティングリズム!こういったタイプの曲を聴くと「ウンウン、やっぱりメタルだ」と頷いてしまいます。 久しぶりの更新!2013年、T&Nというユニット Tooth and Nail の略らしいです)のアルバムが出ました 『Slave To The Empire』。このユニット名、ドッケンの名を世に知らしめたアルバム名からも想像出来そう・・・。ジョージのギターにベースのジェフ・ピルソン、ドラムスのミック・ブラウンを迎えた元ドッケンバンド。 収録曲もドッケン時代の代表曲が5曲あります。ヴォーカルのドン・ドッケンが揃えば再結成でしたが、叶いそうで叶わない再結成。 でヴォーカリストとはと言うと、"Tooth and Nail"はダグ・ピニックが、"It’s Not Love"はロバート・メイソン、(元リンチ・モブのロバート、ジョージのギターとのからみはやはりなかなかの聴きごたえ)"Alone Again"はセバスチャン・バック、"Kiss Of Death"はティム・リッパー・オーウェンスがヴォーカルを担当。"Into The Fire"他はジェフ・ピルソンが歌っています。 どうしてもドッケン時代の曲の方が良いと感じてしまいます。 "Into The Fire"、"It’s Not Love"、"Kiss Of Death"ここら辺りは若干ヘビーになったか?とは思いますが昔を思い起こしどうしようもないです。 |
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Orchestral Mayhem (2010) CD Deadline CLP-9025 (USA) 1 Bittersweet Symphony 2 Fur Elise 3 Carmina Burana 4 Eine Kleine Nachtmusik, 1st Movement 5 Habanera [From The Opera Carmen] 6 Venetian Boat Song [From Songs Without Words] 7 Prelude In G Minor 8 William Tell Overture 9 The Waltz Of The Flowers [From The Nutcracker] 10 Eine Kleine Nachtmusik, 4th Movement 11 Clair de Lune 12 Wizards In Winter 13 Christmas Eve/Sarajevo 12/24 |
Kill All Control (2011) CD Metal Frontiers KICP 1526 (Japan) 1 Done 2 Fly On The Wall 3 Kill All Control 4 Brand New Day 5 Sun 6 Wicked Witch 7 Voices In My Head 8 Rys 9 Rattlesnake 10 Man On Fire 11 My Own Enemy 12 Son Of Scary |
LEGACY (2012) CD Rat Pack (USA) 1. Blood Drive 2. Circulo Del Fuego 3. Invoid 4. The Road Ahead |
Sound Mountain Sessions(2012) as Lynch Mob CD Rak Pack (USA) 1. Slow Drag 2. World Of Chance 3. City Of Freedom 4. Sucka |
Slave To The Empire (2013) as T&N CD(&DVD) WHD IEZP-37/IECP-10260 (Japan) CD 1. Slave To The Empire 2. Sweet Unknown 3. Tooth and Nail 4. It's Not Love 5. Rhythm Of The Soul 6. When Eagles Die 7. Into The Fire 8. Alone Again 9. Mind Control 10. Kiss Of Death 11. Jesus Train 12. Access Denied DVD Intervew |
2014年、今度はジョージ・リンチがSTRAYOER(ストライパー)のMichael Sweet(マイケル・スイート)と組んだユニット Sweet & Lynchをスタート。 『Only To Rise』というタイトルで発車です。"The Wish"と"Dying Rose"は'80年代のLAメタルの躍動感はありませんがまぁそこそこでしょうか?"Love Stays"はスロー〜ミディアムテンポながら力強さを感じました。"Time Will Tell"、"Rescue Me"もう少しキレが有れば...と感じます。 "Me Without You"は抒情性を持たせた曲ですが、聴かせどころが少なくて自然と流れ過ぎ、なんとなく終わってシマイます。"Recover"は曲自体は良いと思います。ただ、マイケル・スィートのヴォーカルは超一流どころを何人も聴いてきた耳にはちょっと弱いと感じます。惜しい。残りの曲も今一つ抜け出せていなく、ジョージのギターも良さが出ていないようです。他の人が弾いていても判りません。ちょっと期待外れでした。 Sweet & Lynchと並行してリンチ・モブの新作『SUN RED SUN』を発表。メンバーはヴォーカルはオニ・ローガン、ベースがロビー・クレーン、ドラムスがスコット・クーガンとなっています。ミディアムテンポの"Play The Game"が一番気に入りましたが次が"Burnin' Sky"、しかしこの"Burnin' Sky"はオリジナルでなくポール・ロジャース作バッド・カンパニーの曲です。どちらもジョージのギターはサポートに徹していてヴォーカルの方が聴き物の曲でした。2曲目"Erotika"はバッチリのリズム隊とジョージのギターの掛け合いが聴き物ですが、そこに絡むヴォーカルのメロがちょっと物足りなくて惜しいナンバーといった感じです。実質7曲でボーナス曲は2012年のミニアルバム『Sound Mountain Sessions』がそックリそのまま足したものでした。 Lunch Mob, Sweet & Lynch, T&N, Solo と様々な名義で種々のミュージシャンと組んでアルバムを制作しているジョージ、またまた別名義・別メンバーとの作品『KXM』by KXM。ダグ・ピニック(King's X)ヴォーカル&ベース、レイ・ルジアー (Korn)ドラムスによるトリオ編成で曲も三人の共作("Burn"のみジェフ・ピルソンを加えた4人作)。`80年代後半から`90年代初期に流行ったグランジ系ロックのサウンドを引き継いでいて、個人的にはあの手の作品は好み外でしたのでこのアルバムもジョージが参加していなかったら手にしないアルバムです。 |
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Only To Rise (2014) as Sweet & Lynch CD AVALON MICP-11196 (Japan) 1. The Wish 2. Dying Rose 3. Love Stays 4. Time Will Tell 5. Rescue Me 6. Me Without You 7. Recover 8. Divine 9. September 10. Strength In Numbers 11. Hero-Zero 12. Only To Rise [BonusTrack] 13. Me Without You (Alternate Version) |
Sun Red Sun (2014) as Lynch Mob CD Rat Pack RPR 603063 (USA) 1. Believers Of The Day 2. Erotika 3. Burnin' Sky 4. Black Waters 5. Play The Game 6. Sumliminal Dream 7. Sun Red Sun Remastered Bonus Tracks 8. Slow Drag 9. World Of Change 10. City Of Freedom 11. Sucker |
KXM (2014) as KXM CD Rat Pack RPR 603056 (USA) 1. Stars 2. Rescue Me 3. Gun Fight 4. Never Stop 5. Faith Is A Room 6. I'll Be OK 7. Sleep 8. Love 9. Burn 10. Do It Now 11. Human Friction Bonus Tracks 12. Tranquilize 13. Rescue Me (Radio Edit) |
2015年にに出たShadow Trainはアルバムタイトルだと思いましたが、ジョージ・リンチとマーク・マフラフリンが組んで作った映画[Shadow Nation]という映画の為の音楽で[Georgr Lynch's Shadow Train]とういうユニットで演奏、アルバムタイトルもバンド名を冠した『SHadow Train』に成っています。 ヴォーカルはGregg(Gregory) Analla、[Slavior]というバンドで1枚アルバムも出ているシンガーですが(その彼のアルバムは聴いていません)メタル系より'70年代ハード・ロック・ヴォーカリストの趣があります。ベースがGabe Rosales、ドラムスがJimmy D'Anda、キーボードがDonnie Dickmanという布陣。 私は2017年に出たDVDでドキュメンタリー映画[Shadow Nation]も観ました、ネイティヴ・アメリカンの現在生活を追った映画です、映画の中ではテッド・ニュージェントのやたら太った姿が印象的でした。 続いてリンチ・モブ名義の『Rebel』, ヴォーカルはオニ・ローガン、ドラムスはブライアン・ティッシー、ベースに初めて全盛期ドッケンのジェフ・ピルソンが加わっています。 全編に亘って地味な印象が残りました、ただ、1曲目"Automatic Fix"、5曲目"Pine Tree Avenue"などは何度が聴きこむと結構味わい深く彼のギターには聴かすモノがあると感じます。 Sweet & Lynchのセカンドとなる『Unified』、前作のヌケ・キレの悪さを解消したかのようにトップ"Promised Land"は快調なスピードチューンです。そんなにも高音域を使用しないヴォーカルでマイケル・スイートも調子よく歌いギターも乗っています。 HR/HMバンドの場合、まずヴォーカルと楽器プレイヤーがお互い干渉しあって曲の出来に関係してますよね。 "Walk"、"Afterlife"は可もなく不可もなく、"Make Your Mark"は良いです、ベースとドラムスのリフが心地よいです。 "Tried & True"のイントロはブルーズっぽい出だし、ヴォーカルもじっくり聴かすソウルフルタイプでこの曲はかなり気に入りました。タイトル曲"Unified"も同タイプながら、メロが単調でちょっと退屈。7曲目、8曲目も一度聴いて充分でした。 "Bridge Of Broken Lies"はいわゆる[Blue-Eyed Soul]と呼ばれるジャンルのひとつでしょうが、聴きものです。ジョージの中間ソロも良く、最も気に入りました。残り2曲は普通の曲でした。邦盤ボーナス曲は「オリジナルヴァージョンよりもこちらの方が断然良いのでは?」と感じました。全体的に曲の出来に良し悪しの差が大きかったですが、ファーストよりも格段に良かったです。 続けさまにリンチ・モブ『The Brotherhood』が出ました。Sweet & Lynchのセカンドの影響かトップの"Main Offender"からキレの良いスピード・チューンでリフも印象的、良い曲ですね。 3曲目" I'll Take Miami"もGood,タイトで重たいリフのリズムが心地よく一瞬駆けるブルーなソロもインパクトがありました。7曲目"Until The Sky Comes Down"もイントロから食い入る感じで引きまれます。間奏のギターソロも良い感じです。11曲目"Miles Away"は重たいドラムスが引っ張るヘビーなスローロック、タイプとしては古い感じですが、充分に聴きごたえあります。12曲目は米盤と日本盤では曲が違う様です。この米盤の"Until I Get My Gold"はまぁ結構つまらない(私としては)曲でした。ただ全体的には近年のリンチ・モブタイトルではかなり気に入っています。 メンバーはジョージとオニーの他はベースにショーン・マクナブ、ドラムスにジミー・ダンダと変わっておりました。 『Scatterbrain』、KXMの二作目です。ジョージ・リンチ参加の為に購入です。ただ、お経の様なヴォーカルを無視してギターとドラムスの音のみに集中して聴き入っていると、意外にも楽しめることを発見!曲を聴くというより、演奏を聴くといった感じです。 『The Ǝnd Machine』、`80年代アメリカンLAメタル・シーンで最も輝いていたDOKKEN、その黄金時代のバンドマン、ドン・ドッケンを除く三人、ジョージ・リンチ(g)ジェフ・ピルソン(b)ミック・ブラウン(d)が再々度揃って (一度T&Nというユニットで2013年にアルバム発表)のニュー・バンド。今回は専属のヴォーカリストとして、WARRANTのヴォーカリストロバート・メイソンを加えています。ロバート・メイソンは1992年のリンチ・モブのセカンド・アルバムで組んでいたヴォーカルです。またバンド名に「E」の鏡文字 (turned letter) を使うといった凝った名前に成っていますが、その経緯・詳細は現在知りません。 トップ曲は期待しましたが、若干グランジ系のナンバーで肩透かし (DVDにはこの曲のビデオが)。2曲目もいまいちで "No Game" で漸くハードロックらしさの有るナンバーが出てきました。その後はそこそこ平均クラスの曲が続きます。決して悪くはないのでしょうが、個人的には快作だとは思えませんでした。 |
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Shadow Train (2015) as Georgr Lynch's Shadow Train CD Rat Pak Records RPR 603066 (USA) Disc 1 1. Vulture 2. Currency Of Lies 3. Power and Resistance 4. Now It’s Dark 5. Vulture (Slight Return) 6. I Am Weapon 7. Ghost 8. White Clay 9. Fight No More Disc 2 1. Believe 2. Blinded 3. Fallen 4. Glitter 5. Prayer Mechanism 6. Sioux Wake Up [Explicit] 7. Trail Of Tears 8. Under A Crooked Sky 9. World on Fire |
Rebel (2015) as Lynch Mob CD Frontiers Records FR CD700 (Italy) 1. Automatic Fix 2. Between The Truth And A Lie 3. Testify 4. Sanctuary 5. Pine Tree Avenue 6. Jelly Roll 7. Dirty Money 8. The Hollow Queen 9. The Ledge 10. Kingdom Of Slaves 11. War |
Unified (2017) as Sweet & Lynch CD Avalon MICP-11376 (Japan) 1. Promised Land 2. Walk 3. Afterlife 4. Make Your Mark 5. Tried & True 6. Unified 7. Find Your Way 8. Heart Of Fire 9. Bridge Of Broken Lies 10. Better Man 11. Live To Die [bonus] 12. Unified (acoustic version) |
The Brotherhood (2017) as Lynch Mob CD Rat Pak Records RPR 603081 (USA) 1. Main Offender 2. Mr. Jekyll And Hyde 3. I'll Take Miami 4. Last Call Lady 5. Where We Started 6. The Forgotten Maiden's Pearl 7. Until The Sky Comes Down 8. Black Heart Days 9. Black Mountain 10. Dog Town Mystics 11. Miles Away 12. Until I Get My Gold |
Scatterbrain (2017) as KXM CD Rat Pak Records RPR 603077 (USA) 1. Scatterbrain 2. Breakout 3. Big Sky Country 4. Calypso 5. Not A Single Word 6. Obsession 7. Noises In The Sky 8. Panic Attack 9. It's Never Enough 10. True Deceivers 11. Stand 12. Together 13. Angel |
The Ǝnd Machine(2019) as The Ǝnd Machine CD+DVD Frontiers KIZC 522/3 (Japan) 1. Leap Of Faith 2. Hold Me Down 3. No Game 4. Bulletproof 5. Ride It 6. Burn The Truth 7. Hard Road 8. Alive Today 9. Line Of Division 10. Sleeping Voices 11. Life Is Love Is Music Bonus Track 12. Burn The Truth(Acoustic Version) Disc 2【DVD】 Music Video |
『Circle of Dolls』、ダグ・ピニック、レイ・ルジアーと組んだトリオ編成のバンドによる三作目となるアルバムです。全体的にヴォーカルが好みではないのは前作,前々作同様なのですが、ヴォーカルを楽器の一部と捉えると殆どが聴き応えのある曲と化します。特に "Time Flies" と "A Day Without Me" はさすがの凄腕ミュージシャン達だと再認識です。 『Heavy Hitters』、`80年代、`90年代、ジョージがドッケンに居た時代に一緒にプレイしていたベースマン、ジェフ・ピルソンと組んで作った他人のカヴァー・ナンバー集。マドンナ、オアシス、ルーファス&チャカ・カーン等の曲も選曲されていますが、モータウンのマーサ&ヴァンでラスやSSWのキャロル・キングの曲なども入っています。そのキャロルの曲の選曲等からか、ドン・ドッケンから「ヘヴィーじゃない "ヴァニラな曲 " じゃないか」(ヴァニラ=甘ったるい、ソフトなという意味?) という趣旨の批判的なコメントが出て話題に成ったようです。 わたしが聴いてみての感想、全体的なサウンドは確かに重っ苦しい (Heavy?)サウンドに包まれていますが、キレ、シャープさが乏しく、「誰々の演奏物です」とプレイヤー名を言われずに聴くと、とても「売れる作品集」だとは思えません。 曲としてはアレンジの少ないオリジナルに近い雰囲気のオアシスのヒット曲 "Champagne Supernova" が良かったです。(Heavyではないですが) ヴォーカルの多くは Wil Martinが担当しています。ピルソンは "It's The End Of The World As We Know It" でリード・ヴォーカルを他の曲ではバッキングで参加しています。 『Phase 2』、なんとエンド・マシーンのセカンドです。今回はDOKKEN時代からの仲間ミック・ブラウンが意外や引退しており本作はミックの弟スティーヴ・ブラウンがドラムを叩いているとの事です。前作に比べて全体的に一曲一曲の曲自体の魅力はかなり上がっています。演奏力は一流なので曲自体に光る部分が有れば当然、聴き応えは増します。トップのギターの音から惹きつけられます、スピード感も良好な走り出しでした。 三曲目 "We Walk Alone"は本作中最も気に入った曲です。`80年代メタル・ブームの真っただ中に入り込んでも目立つでしょう、歌い上げて聴かせる曲です。続く "Dark Divide" も聴かせる曲で力強いです。その後もなかなかの佳曲が続き "Born Of Fire" で再び惹きつけられます。ファーストと比べたらダントツの差を感じました。 『Seamless』、2021年夏発表作で、全曲インストゥルメンタル・ナンバーのアルバム。この種のアルバムは初めてとなります。LAメタルの雄として`80年代にDokkenでデビューして以来、ヴォーカルとの張り合いが聴き物のひとつと成っていましたが、ベース(エリック・ロイゼル)とドラムス(ジミー・ディアンダ(ダンダ))と対等に向き合いインプロヴィゼーションで繰り広げられています。 `60年代、クラプトン、ジンジャー・ベイカー、ジャック・ブルースが組んでいた Cream のライブ演奏の様な感じです。一曲ずつにタイトルが付いていますが、すべてで一曲と思っても良い感じです。この世界に入り込んで聴く必要がありそう。 全曲一気に聴き通すのは、若かりし頃ならフリー・ジャズの世界に難なく入り込めていましたが、年を重ねるとなかなか厳しいです。ジョージ・リンチは60代後半、奏でる方だからかもしれませんが凄いです。 『Dirty Shirley』、ジョージが新たに組んだ新ユニット Dirty Shirley のヴォーカリストはディノ・ジェルシック(Dino Jelsick)、盤の解説によるとFrontiers レーベルからの打診でタッグを組んだとのこと、ユーゴスラビアからクロアチアに変わった頃の同国出身`92年生まれのミュージシャンでそのヴォーカルは少年時代から注目を集めていたらしいです(録音時は29歳)。トップはHR/HM路線に近いサウンドで期待。その後は割と種々のスタイルで曲は展開していきますが、キラー・チューンと呼ばれそうな曲は無いものの全体でそのヴォーカルを始め聴きどころは有ると思います。リズム陣はTrevor Roxx(Dave Rimmer)ベースとWill Huntドラムス。カバーイラストの革ジャンを着た若いカップルは何を意味しているのでしょう?男性の右手には野球のバットです(裏イラストには硬球も)。 『Heart & Sacrifice』固定バンドでなくいろいろな仲間と幾つものユニットを組んで録音・発表をしているジョージ・リンチ、今回は2017年以来のマイケル・スウィートとのユニットバンド [Sweet & Lynch] のサード・アルバム。リズム陣は交代されています。トップから3曲目あたりまでは、`80年代にメタル・ロッカーたちが次々と生まれていた時代のスピード感を持ったスタイル・王道ナンバーで引き寄せています。その後5曲程ミディアムタイプのじっくり聴かせる曲が続きますが、平凡な感覚を受けてしまいます。9曲目 "It's Time To Believe" は、結構ポップな面を持ったロックですが個人的には好きな部類です。12曲目 "World Full Of Lies" は若干ソウル寄りのメロとヴォーカルで結構良いです。全編通してのジョージのギター効いています。 |
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Circle of Dolls (2019) as KXM CD Frontiers / Rat Pack FR CD 990 (Italy) 1. War Of Words 2. Mind Swamp 3. Circle Of Dolls 4. Lightning 5. Time Flies 6. Twice 7. Big As The Sun 8. Vessel Of Destruction 9. A Day Without Me 10. Wide Awake 11. Shadow Lover 12. Cold Sweats 13. The Borde |
Heavy Hitters (2020) as George Lynch With Jeff Pilson CD Deadline CLO2108CD (USA) 1. One Of Us 2. You Got The Love 3. I Feel The Earth 4. Ordinary World 5. Music 6. Apologize 7. Nowhere To Run 8. Kiss 9. It's The End Of The World As We Know It (And I Feel Fine) 10. Champagne Supernova 11. Lucille - Bonus Track |
Phase 2 (2021) as The Ǝnd Machine CD Frontiers FRCD 1104 (Italy) 1. The Rising 2. Blood And Money 3. We Walk Alone 4. Dark Divide 5. Crack The Sky 6. Prison Or Paradise 7. Plastic Heroes 8. Scars 9. Shine Your Light 10. Devil's Playground 11. Born Of Fire 12. Destiny |
Seamless (2021) CD Rat Pak Records RRPR 603423 (USA) 1. Quiver 2. Cola 3. TJ69 4. Death By A Thousand Licks 5. iThink 6. Sharks With Laser Beams 7. Octavia 8. Supersonic Hypnotic Groove Thing 9. Falling Apart Bonus tracks 10. Blue Light Effect 11. House Of Eternal Return 12. The Weight |
Dirty Shirley (2022) as Dirty Shirley CD Marquee/Avalon MICP-11541 (Japan) 1. Here Comes The King 2. Dirty Blues 3. I Disappear 4. The Dying 5. Last Man Standing 6. Siren Song 7. The Voice Of A Soul 8. Cold 9. Escalator To Purgatory 10. Higher 11. Grand Master |
Heart & Sacrifice(2023) as Sweet & Lynch CD Marquee/Avalon MICP11793 (Japan) 1. Heart & Sacrifice 2. Where I Have To Go 3. Miracle 4. Leave It All Behind 5. You'll Never Be Alone 6. After All I Said And Done 7. Give Up The Night 8. Will It Ever Change 9. It's Time To Believe 10. Every Day 11. It Rains Again 12. World Full Of Lies Bonus track 13. After All I Said And Done (Alternative Version) |
『Heavy Hitters U』、ジェフ・ピルソンとのユニットで再度挑んだカヴァー・ナンバー集の第二弾(ラスト曲はオリジナル)。2020年代突入後に成り更に種々のレコーデイング数をこなしているジョージ、本作発表月は69歳間近になっています。 前作のカヴァー集はヘビーなサウンドで個人的にはつまらないと感じた作品でした、今回のも前半は似たようなサウンド、ブルースの "Smokestack Lightning" などは期待した音でなくてガッカリ。続くR&B "Hold On" はロック・アレンジですが、こういうアレンジも「アリ」だと思いました。一番好きなのは、元歌がトム・ぺティ&ハートブレイカーズで録音時にジョージ・ハリスンやリンゴ・スターが加入していた "I Won't Back Down" という曲になる "Stay With Me"。サム・スミスが歌詞を変えて2014年にヒットさせていました。ネチッコイサウンドには成っていますが、原曲のメロは生きています。R.ストーンズの "Jumpin' Jack Flash" はやはりもう少しスピード感を期待します。好きなファンキー・ナンバーはまずまず、やはりファミリーストーンの方に軍配を!ラスト曲はサム・クックかと思いきやこの曲のみオリジナルでした。メイン・ヴォーカルはバーナード・ファウラーという人。ジョージから想像出来なかった意外な選曲だったのがCSNYの曲でした。 『Guitars At The End Of The World』、ジョージ・リンチ二作目となるオール・インストゥルメンタル・ナンバー集。メンバーはホワイトスネイクのアルバムにも参加経験のあるベーシスト、Tony Franklin、ドラムスにリンチ・モブや前作の相棒 Jimmy D'AndaとCurt "Kirkee B." Bisquera(演奏を聴くのは初めて)がクレジットされています。 全体的な好みとしては前作よりも巾が広がったというか、種々の曲の違いがハッキリとしています。 前作はすべての曲を合わせて一曲と考えて聴いても違和感なしでした。"Serpentarium" などは気に入らなかい曲でしたが、"The Wolf" に映画音楽の様な "Contraflow" などは好きな曲などと好き嫌いが出てきたのが良かったです。 |
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Heavy Hitters U(2023) as George Lynch & Jeff Pilson CD Deadline CLO3620 (USA) 1. Sledgehammer 2. Carry On 3. The Stroke 4. Radioactive 5. Smokestack Lightning 6. Hold On (I'm Coming) 7. Stay With Me 8. Shout 9. New Sensation 10. Jumpin' Jack Flash 11. Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin) 12. It's A Wonderful Life |
Guitars At The End Of The World (2023) CD Rat Pack RPR603700 (USA) 1. The Knowing 2. Psycho Beta 3. The Crucible 4. The Passage 5. Borracho Boogie Delux 6. Shadow Of The Needle 7. The Wolf 8. Serpentarium 9. The Ritual 10. Contraflow Bonus tracks 11. Tone Bender 12. Brilliant Lion From The Second Mountain 13. Bitches Be Trippin |
DVD (Concert Movie) | DVD (Film Movie) |
© Photos of cover are copyright works by each art-designers. Text by Mie |