Graham Central Station


 グラハム・セントラル・ステーションの名前を知ったのは "Your Love" という曲を聴いてからです。
ファンク・バンドとして知られるグラハム・セントラル・ステーションの曲として興味を持った訳ではなく、ソウル・ミュージックの一曲として好きになった曲でした。
依って最初に買ったアルバムはサードアルバム 『AIN'T NO 'BOUT-A-DOUBT IT』 です。ヴォーカルは愛称チョコレ-トと呼ばれる Patryce Banksでした。


 サンフランシスコ・ベイの港湾都市オークランドで誕生した Graham Central Station も`70年代を代表する West Coast Music Band のひとつです。
 グラハム・セントラル・ステーション(以下G.C.S.)の全身バンドは [Azteca] という名称でメンバーはスライ&ファミリー・ストーンから Larry Graham (bass guitar, vocals) 、 Gregg Errico (drums),、サンタナから Neal Schon (guitar) 、ジェファーソン・スターシップから Pete Sears (keyboards)など名のあるバンドからのメンバーが集まって`72年に組んだバンドでしたが、音楽志向の違いからか長く続かずメンバーは別れ、ニール・ショーンはハードロック系のジャーニーで成功していきます。
 ラリー・グラハムはその後 [Hot Chocolate] というバンドのプロデュースを始め、やがてそのバンドと行動を共にしてG.C.S.へと変わっていきます。バンド名は、カリフォルニア州オークランド出身なのにニューヨークの [Grand Central Terminal] をもじり [Grand Central Station] に変え、さらに自身の名を加えて [Graham Central Station] としたそうです。
 G.C.Sとしてのデビュー時には、ラリー・グラハム (bass guitar,vocal) 、 Hershall Kennedy-ハーシャル・ケネディ (horns)、Willie Sparks-ウィリー・スパークス(drums)、David Vega-デビッド・ヴェガ (guitar)、Robert Sam-ロバート・サム(keyboards)そしてパトリシア・バンクスのヴォーカル。また、初期のアルバム、ヴォーカルはパトリシア・チョコレート・バンクス意外にも Lenny Williams -レニー・ウィリアムス がタワー・オブ・パワーとの掛け持ちで参加しています。ただ、その後のメンバーは割と変わっている様子です。

 『GRAHAM CENTRAL STATION』、G.C.S.のデビュー・アルバムに成ります。サードアルバムが気に入って次に買っています。トップ曲は一分足らずのアカペラ、二曲目は作者がソウル・シンガー、アル・グリーンですが、完全なファンク・ナンバーに成っています。 "Hair"いきなりラリー・グラハムの代名詞チョッパー・ベース(後にスラッピング奏法と言われるようになります)、この曲はこのアルバム中一番のファンク・ナンバーでしょう。 "Can You Handle It?  邦題:大いなる誇り" はソウル・ミュージック系で良い感じです。このアルバム中一番の好みです。
ウエスト・コーストのベイエリアバンドらしく、同種のコールド・ブラッドという好きなバンドもそうですが、ソウルフルな歌唱が所々に出てきて聴き逃せません。 "Why?" のバックはリズム・ボックスでしょう、ヴォーカルのパトリシア・バンクスがとラリーのベースが掛け合いのように進んでいきます。ラリーのヴォカルでは " It Ain't No Fun To Me " が良いでしょうか。

 『RELEASE YOURSELF 邦題:魂の解放』もトップ曲はあいさつ程度、バンド名をタイトルにしています。 2曲目はアルバムタイトル曲 "Release Yourself" これはVery Good!
調特急で走り抜けるファンク・ナンバーです。 "Hey Mr. Writer"はラリーのベースが良く跳ねている中で時折ソウルフルなヴォーカルが現れます。
 "Feel the Need"はAbrim Tilmonという人が作った曲で、カバーの多い曲です。わたしの好きなヴァージョンはレイフ・ギャレットのポップ・ディスコ調ですが、ここではドラムス、パッカーション主体のポップ・ファンクといった感じで仕上がっています。

  『AIN'T NO 'BOUT-A-DOUBT IT』 は最初に買った彼らのアルバムです。このアルバムのトップ・ナンバーを聴いて驚いたのです、G.C.S.のファンク・ナンバーと言えばまずこの "The Jam"が浮かびます。
 そして "Your Love" 、BB誌のR&B部門で1位に成るヒットをしています。ヒットしたのでG.C.S.を知るきっかけに成ったのですが・・・大好きな曲です。
"I Can't Stand the Rain"はHiレコードの看板女性シンガー、アン・ピーブルズのヒット曲、この選曲はパトリシア・バンクス(Patryce Banks)の好みでしょうか? "It Ain't Nothing But A Warner Brothers Party"はSly & The Family Stone時代の "Thank You" に似た感じの曲です。 "Easy Rider"は珍しく軽いポップ調です。

Texas Flood Couldn't Stand the Weather Soul to Soul
≪GRAHAM CENTRAL STATION≫ 1974
(Japan)  Warner Bros P-8455

1 We've Been Waiting
2 It Ain't No Fun To Me
3 Hair
4 We Be's Gettin' Down
5 Tell Me What It Is

1 Can You Handle It?
2 People
3 Why?
4 Ghetto
≪RELEASE YOURSELF≫ 1974
(Japan)  Warner Bros P-8506

1 G.C.S.
2 Release Yourself
3 Got To Go Through It To Get It
4 I Believe In You

1 'Tis Your Kind Of Music
2 Hey Mr. Writer
3 Feel The Need
4 Today


≪AIN'T NO 'BOUT-A-DOUBT IT≫ 1975
(USA)  Warner Bros BS-7826

1 The Jam
2 Your Love
3 It's Alright
4 I Can't Stand The Rain

1 It Ain't Nothing But A Warner Brothers Party
2 Ole Smokey
3 Easy Rider
4 Water
5 Luckiest People
 
 『MIRROR』はジャケットがミラーに見立てて真ん中が銀紙仕様です。完全な鏡ではありませんが、銀紙が薄くてシワスジが出ますので画像は一色変換です。
 始まりは"Entrow"はラリーのチョッパー・ベース炸裂のファンク・ナンバーです、トップにふさわしい始まりです。2曲目 "Love (Covers a Multitude of Sin)"は気持ちの良いソウル・ナンバーこういった組み合わせは好きですね。 B面トップもファンク・ナンバー "Save Me" で始まります。

  『NOW DO U WANTA DANCE』
、ファンキー系ナンバーでは "Earthquake"、"Love And Happiness"などが特出して良いのですが、それよりも私的に一番気に入ったのはやはりソウル色の強いヴォーカルが入る曲、"Stomped Beat-Up And Whooped"。ミディアムテンポのダンス・ナンバーながらファルセットが気持ち良いヴォーカルです。リード・ヴォーカルは 前作『MIRROR』から加入している Gail 'Baby Face'  Muldrow (ゲイル・マルドロウ)という女性(2000年代にはギターリスト兼シンガーとして自身のバンドを結成している人です)。前作ではヴォーカルをフューチャーされずにミュージシャンとしてのプレイでしたがこのアルバムで注目されました。

 『MY RADIO SURE SOUNDS GOOD TO ME』は6枚目のアルバムに成りますが、バンド名の表記が [Graham Central Station] から [Larry Graham and Graham Central Station] と変わり、アルバムのタイトル表記よりも文字が大きいのが何故か気に成ります。ゲイル・マルドロウは参加していません。他のメンバーもかなり脱退した模様で、以前の[Graham Central Station] で無くなったからかもしれません。女性ヴォーカルとしてラリーの奥様のティナ・グラハムさんがバッキング・ヴォーカルで参加しているくらいです。完全なラリーのワンマンバンドとしての再出発です。ファンキー・ナンバーでは "Pow "、"Turn It Out "あたりが良いのですが、それでも初期に比べたら少しインパクトに欠ける感じです。

Live Alive In Step Family Style(Vaughan Brothers)
≪MIRROR≫ 1976
(USA)  Warner Bros BS 2937

1 Entrow
2 Love (Covers a Multitude of Sin)
3 Mirror
4 Do Yah

1 Save Me
2 I Got A Reason
3 Priscilla
4 Forever
≪NOW DO U WANTA DANCE≫ 1977
(USA)  Warner Bros BS-3041

1 Happ-E-2-C-U-A-Ginn
2 Now Do-U-Wanta Dance
3 Last Train
4 Love And Happiness
5 Earthquake

1 Crazy Chicken
2 Stomped Beat-Up And Whooped
3 Lead Me On
4 Saving My Love For You
5 Have Faith In Me

≪MY RADIO SURE SOUNDS GOOD TO ME≫ 1978
(USA)  Warner Bros BSK-3175

1 Pow
2 My Radio Sure Sounds Good
3 Is It Love?
4 Boogie Witcha, Baby

1 Its The Engine In Me
2 Turn It Out
3 Mr. Friend
4 Are You Happy?


 『STAR WALK』は7枚目のアルバム。今度の表記は [Larry Graham and Graham Central Station] から [Larry Graham with Graham Central Station] になりました。and から with への単語一個の違いですがバンドが一体でないことを表している様です。そしてこの後 [Graham Central Station] を一旦解散させてしまいました。
シンガーとしてソロデビューして4〜5枚のアルバムを出していますがわたしは一枚で諦めました。ファンクでなくバラード系が主でした。
多くのソウル・シンガーのアルバムを聴いて来ていますのでラリーのヴォーカルは、かなりつまらなかったのです。
 このアルバムはやはり初期の活気が薄れている物足りなさが有ります。凝った演奏より、単純なリズムの "Star Walk "の方が良かったです。

 『LIVE IN JAPAN  `92』`80年代はソロ・アルバムをポツポツと出す程度で後半はほぼ休止状態だったラリー・グラハムですが、何故か急に日本公演でバンド復活が実現。日本のプロモート関係者が熱心に呼んだのでしょう。(これと同じような執こさで日本はスェーデンのアバに嫌われたという噂も聞きましたが)
 1992年の6月25日〜7月6日までの間に東京3回、大阪2回、福岡、宮崎、名古屋が各1回の8公演行った模様です。その中の最終日厚生年金ホールでのライブ音源です。女性ヴォーカルは日本人の宮本典子さんが担当、ギターにGeorge Johnson、シンセサイザー・ホーンにHershall "Happiness" Kennedy 、キーボードにRobert"butch"Sam、ドラムスにGayload"flash"Birch という布陣で宮本典子さんとジョージ・ジャクソンが売りでした。
 『STAR WALK』 は惰性で作った様なアルバムでしたがこの復活作は初期の様な生き生きした感じを受けますし活気のあるサウンドですね。ビョンビョンとうなるベースは健在です。ラリーのヴォーカルをフィーチャーした曲でも "Freedom" は結構好きです。メロウなバラードよりも若干でもファンク寄りの方が向いていると思いますが。 2枚目はトップの "Today" はちょっと外して聴きますが他は流石でGCSのファンキー・ナンバー満喫です。
 
 『BY POPULAR DEMAND』m録音地のクレジットはないですが、1997年5月に日本公演で来日していますのでその時に日本で録音された物かもしれません。
発売は日本国内のみです。一応 [Larry Graham and Graham Central Station] のクレジットですが奥さんのテイナさん以外は楽器の担当も記されず不明な人の名前が記されています。コンサートのパンフでも入手しないとメンバーははっきりとしません。
 ミディアム・ファンクの "Rocking Like You're Mama's Chair "が一番良い感じです。 "Don't Let Love Fade Away"、 "I Like To Dance"は聞き覚えのある曲ながらクレジットはラリー・グラハムでした。
 "Sweeter"、"Tenderly"、"Far Away Places"は彼のソロ・アルバム調のバラード。

The Sky Is Crying
≪STAR WALK≫ 1979
(USA)  Warner Bros BSK-3322

1 (You're a) Foxy Lady
2 Star Walk
3 The Entertainer

1 Scream
2 Sneaky Freak
3 Tonight
≪LIVE IN JAPAN `92≫ 1992
(Japan)  Star Maker EDCP-9901〜2 (CD)

Disc: 1
1 Intro
2 Entrow
3 We've Been Waiting
4 Feel The Need
5 Can You Handle It?
6 Freedom
7 Touch Your Heart
8 George's Solo
9 Tomorrow
10 Strawberry Letter #23
11 One In A Million You

Disc: 2
1 Today
2 The Jam
3 Release Yourself
4 Hair
5 I Want To Take You Higher

Recorded Live At Koseinenkin Hall July 6 1992 In Tokyo

≪BY POPULAR DEMAND≫ 1997
(Japan)  P-Vine PVCP-8604 (CD)

1 Individuality
2 By Popular Demand
3 Rocking Like You're Mama's Chair
4 Sweeter
5 Don't Let Love Fade Away
6 Tenderly
7 Straight Forward To The Point
8 Hold Me
9 I Like To Dance
10 Far Away Places


 『GCS 2000』 久しぶりに [Graham Central Station] というラリー&という表記は消えています。また共同プロデュースにプリンスの名が有ります。 "Free"ではチャカ・カーンがヴォーカルで参加しています。また『MIRROR』、『NOW DO U WANTA DANCE』でメンバーに名を連ねていたGail 'Baby Face'  Muldrow が再参加しています。
 "Just B My Love" 、"Don't Let 'Em Change U "などのリズム打ち込みはプリンス色がかなり出ていますね。単純ながらクセに成るサウンドです。
 途中から曲目とトラック順がゴチャゴチャして不明です、" Love 4 1 Another"、"Utopia"は曲?1分以内ですし、ナレーションのようにしか聞こえませんでした。
 歌詞を聴いていると "Groove On" は10曲目のトラック、"I Just Found Somebody 2 Love"は11曲目に思えます、うちのプレイヤーの読み間違えでしょうか?

 『GREATEST HITS』、GCSのベストヒット物。"Your Love"がトップなのは納得です。が、しかしです、ヒット曲が複数出たアルバム『MIRROR』からの選曲が無いのはおかしいのにラリー・グラハムのソロ作から"Don't Stop When You're Hot"、"Sooner Or Later"、"When We Get Married "、"One In A Million You "の4曲が選ばれています。『Graham Central Station Greatest Hits』と大きく記されているのに4割がソロ作とは如何に?というところです。

 『RAISE UP』は『GCS 2000』から14年もの間が空いたアルバムです。新作は発売してなくてもライブは何回かやっていたらしく日本にも数回来て公演をしていたようです。この新作の内容は素晴らしいです。
 プリンスがギターやヴォーカルで参加している "Raise Up" や不気味な雰囲気の"Shoulda Coulda Woulda" 等は凄く良いです。"Movin'"はプリンス色薄いのですが曲は悪くはないです。" It's Alright"、"It Ain't No Fun To Me"、"Now Do U Wanta Dance"は旧作の新録音、"Now Do U Wanta Dance"を聴くとやはりラリーのズシンと弾けるベースはクセに成りますね。
 "Welcome 2 Our World"と "Higher Ground"で新しい女性ヴォーカリスト、アシュリング・コールがフィーチャーされています。"One Day"にラファエル・サディークとティナ・グラハムさんが交互に歌っています。全体的に`70年代のバンドと変わらないくらいの弾けるファンキー感があり、良い感じのアルバムでした。

≪GCS 2000≫ 1998
(USA) NPG 8K-94450-S1 (CD)

1 Intro<br>
2 Gcs 2000<br>
3 Free (With Chaka Khan And The Artist)<br>
4 U Move Me<br>
5 Just B My Lady<br>
6 Love 4 1 Another<br>
7 Don't Let'em Change You<br>
8 Utopia<br>
9 Groove On<br>
10 I Just Found Somebody 2 Love<br>
11 I Magettin'<br>
12 Outro
≪GREATEST HITS≫ 2003
(USA) Flashback R2 78214 (CD)

1 Your Love
2 Just Be My Lady
3 Feel The Need
4 Can You Handle It?
5 The Jam
6 (You're A ) Foxy Lady
7 Don't Stop When You're Hot
8 Sooner Or Later
9 When We Get Married
10 One In A Million You
≪RAISE UP≫ 2012
(Japan) VICTOR VICP-65084 (CD)

1 GCS Drumline
2 Throw - N - Down The Funk
3 It's Alright
4 Raise Up (feat Prince)
5 Shoulda Coulda Woulda (feat Prince)
6 Welcome 2 Our World
7 It Ain't No Fun To Me
8 Higher Ground
9 No Way
10 Hold You Close
11 Movin' (feat Prince)
12 Now Do U Wanta Dance
13 One Day (feat Raphael Saadiq)


BACK



S i n g l e  R e c o r d s

GCSの場合は殆どシングル盤を買っていません。
唯一Gail 'Baby Face'  Muldrow  のギターを弾く姿が気に入って買った一枚です。
Entrow Part One / Entro Part Two
  (Japan) Warner P-27W



S O L O

 下は個人的にがっかりした内容だったソロアルバムです、ラリーのソロは結構売れた様ですが時代の流れの影響も有ったのでしょう。
一枚だけで後の作品は追いかけませんでした。


 
≪ONE  IN A MILLION YOU≫  1980
 Larry Graham
(USA) Warner Bros. WB 56843

A
1 One In Million You
2 Stand Up And Shout About Love
3 Sweethert
4 There's Something About You
5 Forever Yours
B
1 I'm So Glad It's Summer Again
2 When We Get Mrried
3 Time For You And Me
4 I Just Cn't Stop Dncing
5 Sunshine, Love & Music
≪SHE'S BACK AND READY... ≫ 1980
 Patryce  Choc'let  Banks
(USA) T-Electric   MCA-3243

A
1 It's Lovin' Time
2 The Feeling Goes On
3 I Wnn Get Close To You
4 Questions
B
1 Sunshine Love
2 I Wited For Love
3 Thanks For Stayin' Around
4 I'm In Love


© Photos of cover are copyright works by each art-designers.
Text by Mie