Memorable    Classic Music

 
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クラシック音楽との関わり

 Blues, Soul, Jazz, Country, Rock など一般大衆の中から生まれ育ったポピュラー音楽が大好きで、それらの音楽はわたしにとって人生を共に歩んできた伴侶とも云える存在です。 

 Blues, Soul, Jazz, Country, Rock などのルーツは自分たちの生活の中から自分や家族や仲間たちの為に自然と生まれた音楽・歌で、対して古典音楽の昔は、教会や貴族衆に雇われた職業音楽家だったと言われています(後々は大衆を相手にして作った人も居たでしょうが)。
 まぁ 現在でも生活費を稼ぐ為に作曲・編曲を仕事にしている大衆向け音楽家も沢山おられる訳で、17世紀、18世紀の時代に近い部分もあるみたいですが。

 音楽を人に与える立場にある人が居れば、与えられる立場の人間も居ます。わたしはその後者の立場の人間。(趣味で中学生時代からギターを少しは弾いていますが、他人の為にではありません)

 ポピュラー系中心と云えども古典音楽もある程度は聴いてきてはいました。
 ただ、クラシック音楽愛好家の皆さんと違うのは、一曲一曲の中で「あっこの曲!何々」と判るほどの部分が少ないのです。
ポピュラー音楽系 (好きな曲ならば) ならば曲の途中でも一部を聴けば、すぐに判りますが、クラシック音楽の場合は、(特に交響曲) 全く覚えていない旋律が多すぎて曲名の判断が付かない曲が多すぎます。
 クラシック音楽愛好家の皆さんは主題以外の部分でも判る様です。聴き込み量の違いが明らかに有るのが分かります。
 実際、大曲であってもわたしの場合は全楽章を何度も聴くことは先ずありません。ほぼ聴くのは、[第○楽章]に絞られるといった感じです。

 わたしの聴き始めというのは中学校音楽の授業で [音楽鑑賞] と称して古典音楽を聴く時間が何時間かありましたので、Blues, Soul 等の米黒人ミュージックよりは早く聴いていました。
 人生の中で (若き時代の生活の中で)、想い出として残った曲の中には、クラシック音楽もかなりありました。
 今も引き続き聴く曲も沢山あります。レコード盤やCDディスクも今となっては結構購入していました。

 それでも、ポピュラー系音楽程、音楽家や演奏家についてのファン心情・マニア心情は強くありませんでしたので、最初は気に入った曲に出会ったら同作曲家の曲を追って聴いてきました。
それも価格的な観点から安価盤扱いに成る [録音は古い乍らも一応定評のある過去録音物] を中心に選んでいました。(有名指揮者・人気演奏家の 新録音盤 はポピュラー系よりかなり割高な時代でした。)

 いくら旧録音盤とはいえ、やはり好きな作曲家、そうでもない作曲家の仕分けが少しは出てきます。(管弦楽曲では指揮者による違いも判ってきます、好みの違いも出てきました)
そして少しずつ、そういった人たちを中主に、普通の価格帯ディスクも手にする様に成って行きました。
当時人気 (盤がよく売れた) のあった指揮者はカラヤン・ベルリンフィルを筆頭にセル・クリーヴランド、オーマンディ・フィラデルフィア、ショルティ・シカゴ、バーンスタイン・ニューヨーク・フィル、歌手ではキリ・テ・カナワあたりでしたが、21世紀も少し過ぎて今なお人気を誇っているのはカラヤンのみの様な感じですね(カナワは2017年に引退!)。
 当時から現在までに渡ってわたしが好きなのはブルーノ・ワルターとシャルル・ミンシュとどちらも20世紀前半に人気で尚且つ今も評価されている人たちです。

 カラヤンは [人気取り指揮者] 的な思いもあり意図的に敬遠していましたが、シベリウスを聴いて「凄い」と思いました。ただ、モーツァルトやベートーベンではそうは感じませんでしたが。それでもその後は徐々に好きになっっていった指揮者です。ベートーベンでは第五をフルトヴェングラーで聴いて驚き、全九曲セットも購入しましたが、彼は、好きな指揮者には今も成ってはいません。

 クラシック系に関しては掘り下げて聴き続けたことはありませんでしたが、聴いた中で好きな作曲家数名を中心に心に残った作品を記しておこうという事で、始めました。

他、作者うんぬんより曲自体が気に入ったものも沢山ありました。小品でもよい曲は多いです。

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     生年月日はグレゴリオ暦にて表示しています。
     古典音楽作家ですので、一応目安として
第一作発表年が19世紀中の作曲家を対象としました・・・
     ケテルビーやガーシュインは除きました





Alexander Porfiryevich Borodin (Александр Порфирьевич Бородин)

アレクサンドリア・ボロディン

Borodin
 (1833年11月12日 - 1887年2月27日、ロシア帝国生まれ、ロシア国民楽派)

 自らを「日曜日の作曲家」と称した事が有名なロシア五人組のひとり、ボロディン。

交響詩「中央アジアの草原にて」 В средней Азии

1880年作
   全古典音楽の中で最初に好きになった曲です。中学校の授業でビートルズが好きな音楽の先生が選んでかけてくれた楽曲でした。誰の演奏かは覚えていません(多分演奏者の説明は有ったとは思いますが)。
 ボロディンの祖先はモンゴル民族だとかグルジア (ジョージア)人だったとかの諸説がある様ですが、どちらにしても生粋のロシア民族でなく若干東洋系の血が流れていたと思えますが、この曲はその背景がピタリとハマるのが判る様な構成です。
 ゆったりと流れる導入部、ホルンの音色が印象的です。いろいろな人達の演奏で聴いてきた大好きな曲です。

弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調 第三楽章[夜想曲]

Струнный квартет 2 D-dur [Ноктюрн (Nocturne): Andante A-dur]  
1881年作
 ボロディンの全作品を見ると声楽曲が割と多く (その割に歌劇「イーゴリ公」しか日本には紹介されていない) オーケストラ用の曲を数曲しか作っていない様です。室内楽類は若い頃から好きだった様でそこそこの量が残されています。個人的にはクラシック音楽で [擦弦楽器主体の曲] は進んで聴いてはいません。ただこの曲「第三楽章」に付けられたタイトル (Nocturne) が気になって聴き、そして気に入った曲に成りました。 [夜想曲] は第三楽章ですが、第四楽章 [フィナーレ] も良い曲です。

ピアノの為の「小組曲」作品1 (全七曲)  

Porfir'evich : Petit suite Op.1
1978年〜1884年, 1985年
 ロシア五人組の中では管弦楽曲が多いイメージですが、ボロディンにもピアノの為の小曲も存在しています。
全7曲のうち最初の4曲が (`84〜`85年)、その為の曲だった様で、後に`78年以降のピアノ小品3曲を足して組曲として出版されたとのこと。その中の一曲目「Au Couvent (In the Monastery) : Andante religioso, (修道院にて)」の物悲しげな寂しさが漂う旋律に心惹かれました。まさにピアノでしか出せない音色の特徴が生きています。
2曲目の「Intermezzo, Tempo di minuetto, (間奏曲)」も気に入っています。


Edvard Grieg エドヴァルド・グリーグ

Grieg
(1843年6月15日 - 1907年9月4日、ノルウェー(スゥエーデン統治下時代)生まれ、ノルウェー国民楽派)

 風貌が物理学者のアルベルト・アインシュタインに似ていて、写真上 パット見 で間違うグリーグ。ピアノの名手だったと言われていたそうで、ピアノ曲に良い曲が多いです。

劇付随音楽「ペール・ギュント」作品23番

 Peer Gynt  

抒情組曲「ペール・ギュント 第一組曲」作品46番

 Peer Gynt Suite 1  

抒情組曲「ペール・ギュント 第二組曲」作品55番

 Peer Gynt Suite 2  

Solveigs sang ソルヴェイグの歌 作品23番第4幕-7

 Peer Gynt Act Ⅳ
1874年〜1875年作
 この曲はピアノ曲でなく管弦楽曲(作品23番では声楽入り)。組曲版は作品23番・全26曲のうち各々4曲ずつを選んで声楽抜きにて後年に構成されています。第一組曲挿入曲では『Morning 朝〜第4幕への前奏曲』、第二組曲挿入曲では『Solveigs Sang ソルヴェイグの歌』が好きで、多くの演者が録音・発表している有名曲です。大好きです。特に後者は組曲版だけでなく劇音楽全曲内には第4幕にソプラノ歌手の独唱物もありこちらも大好きです。原詩は Henrik Ibsen でノルウェー語ですがドイツ語歌詞盤もありました。

ピアノ協奏曲 イ短調 作品16 第一楽章

Piano Concert in A minor Op.16 1st : Allegro molto moderato 1868年作
 グリーグのピアノ曲中、唯一の協奏曲。ほゞ誰でもが一回は聴いたことの有る曲で、有名過ぎて「何をいまさら」的な選曲です。そこが [マニアではないが, クラシック音楽好き人間] の普通です。他の作者の曲選曲でも同じです。如何にも北欧的な哀愁を感じる旋律を持った第一楽章が最も好きですが最後の第三楽章も良いです。

抒情小曲集

 Lyric Pieces 1864年〜1901年作全66曲
 ピアノの小品曲ばかりを集めて全10集 (BookⅠ〜 Book Ⅹ) にして発表されています。66曲の中では中頃に位置する曲が好きです。 『Book Ⅵ "Gade" op.57-2 ゲーゼ (ガーデ)』,『Book Ⅴ "Notturno (Nocturne) op.54-4 夜想曲』, 『Book Ⅴ "Trolltog (March of the Dwarfs) op.54-3 小人の行進』この三曲になります。
 作品57の2はホントに愛らしい可愛らしい曲です。グリーグやニールセンが影響を受けたと言われるデンマークの作曲家 Niels Gade (ニルス・ゲーゼ) への回想を込めたと言われています。作品54の4はもうタイトルが決め手ですね。気持ちの良い夜を感じます。54の3はおとぎの国の物語的な風景が浮かぶファンタジーな世界ですね。
また、『小人の行進』,『夜想曲』は『抒情組曲 作品54番 (全4曲)として組曲内に入れられて管弦楽団ヴァージョンもあります。

ノルウェー舞曲 作品35 第三曲

 Norwegische Tänze (Norske Danser) Op. 35  Arrangiert von Hans Sitt
 Nr.3 (Allegro Moderato Alla Marcia)   1881年ピアノ連弾曲---1888年頃管弦楽編曲
 元曲はピアノの連弾曲として書かれたとの事ですが、ボヘミア出身の作曲家・ヴァイオリン奏者、ハンス・ジットが管弦楽用に編曲を施した方が有名で後年に迄残ったのはこの管弦楽版でジットの名もこの編曲である程度知られる様に成った様です。
 全部で4曲からなる曲集で、4曲ともテンポがアレグロ界隈で心地よい宇野ですがどの曲も個人的には「舞曲」のイメージは少ないです。第四曲に部分的に現れる程度です。第三曲の後半部分のゆったりしたお花畑を歩く様な穏やかな部分が気に入っている箇所です。


Jean Sibelius ジャン・シベリウス

Sibelius
 (1865年12月8日 - 1957年9月20日、フィンランド大公国生まれ、ロマン派、フィンランド国民楽派)

 昔は確かヤン・シベリウスという日本語表記だったと思います。フィンランドと云うと真っ先にサンタ・クロースを思い浮かべますが、昔はまだまだ未知の事が多かった国でした。何故か北欧のお国柄が生み出す旋律は魅力的でした。そのような国で生れたシベリウス、生れは1865年ながら91歳迄生きられたので第二次世界大戦終結時にはご存命でした。20世紀で長く生きられた人でした。

カレリア組曲 作品11番 

Karelia Suite op.11 1893年作
 シベリウスが好きだという方はかなりおられます、そのキッカケ曲がこの「カレリア」だという人もこれまた多い様です。わたしもその中の一人でした。
 当初は劇音楽として作られたとのことですが、現在は作品10番が「カレリア序曲」11番が「カレリア組曲」として改編されているそうです。
 11番は三つのパートから構成されていて一曲目と三曲目は同じ主題

交響詩「フィンランディア」作品26番 

Finlandia op.26 1899年作
 管弦楽 (オーケストラ) 曲の中で最初に聴き始めたのが交響曲でなく交響詩の類でした。1890年代のフィンランドは歴史好きなら知っている名前・ロシア帝国ニコライ2世
が実権を握っていた時代で、そこからの脱却を掲げたフィンランド独立運動の標として愛されている曲。後半の勇ましい抑揚旋律が印象的です。

ピアノ曲 10の小品 作品24 全10曲から 10曲目 舟歌

Piano 10 Pieces op.24-10 Barcarola 1894年〜1903年
   シベリウスの作った曲のうちピアノ曲は100曲ほどあります。ただ、管弦楽と合わす協奏曲などは無くすべてが2分〜3分程度のソロ演奏による小品です。
 それでもどの曲も愛すべきメロディーを持った印象深い曲ばかりです。 七つの交響曲を数種の演奏物も持っていますが、聴く機会が多いのはそういった大曲よりもピアノ小品の方が今は多いです。
 多くは可愛い曲がメインですが、この曲は若干重々しく北国の冬を連想します。
印象深い曲です。

ピアノ曲 10のバガテル 作品34 全10曲から 1曲目ワルツ、2曲目踊りの歌

Piano 10 Bagatellesop.34-1.2 Valse, Air de dance 1914年〜1916年
  こちらもピアノ曲で作品34、「10のバガテル」は印象深い曲が多く揃っています。全体的にショパンを連想させるメロディーが多いです。殆どが2分以内の物が多いので「ワルツ」「踊りの歌」と1曲目、2曲目を連続で聴いても違和感はなく繋がっている感じです。 


Bedřich Smetana  ベドルジハ・スメタナ

 
Smetana
(1824年3月2日 - 1884年5月12日、オーストリア帝国生まれ、ロマン派、チェコ国民楽派)

  スメタナは彼が生まれた時代はオーストリアに支配されており、その後も一時ドイツ支配下にも成った現在のチェコ共和国の生まれです。

連作交響詩《我が祖国》 第2曲《ヴルタヴァ(モルダウ)》

Má Vlast Vltava 1874年〜1979年
 スメタナの最も有名な曲で代表曲ですが、6つの交響詩を組み合わせた連作交響詩として、1869年頃に構想、`74年から~79年迄かかって作られた曲です。完成時頃には既に難聴に成っていたと言われています。
 有名なのは第2曲でメロディーが流れるようで美しい「クラシック音楽」を感じさせてもらえる曲です。
(特に終盤3分前後=演奏によりまちまち)

どちらかと云うと弦五部が控えめで管楽器主体なので、わたしの好みでもあります。 
第5曲《Tábor ターボル》 も良い感じです。

ピアノ三重奏曲 ト短調 作品15

Piano Trio in G minor Op.15 1855年
 スメタナの生涯の事を記した紹介文などを見ると、1854年から55年の2年間で二歳と四歳の二人の娘さんを相次いで亡くし、その時の心情を表したピアノ小品で後々に有名になった佳作だと紹介されています。
 確かにそのことを想いながら聴くと、心情は伝わってきます。第一楽章が良いです。
 ただ。この曲が街のカフェでBGMで流れていたとしても、「スメタナのあの曲だ」と想い出せないと思います。
 ロマン派の作曲家たちの曲に多い特徴でしょうか。

喜歌劇『売られた花嫁』より 第三幕・舞曲「喜劇役者の踊り」

"Prodaná nevĕsta"  3. Dĕjství Dance: Skoĕná 1863年-1866年
   『売られた花嫁』は序曲が有名ですが、オペラ全編内には序曲以外にオーケストラのみの演奏曲が三曲ある様で、この「英題:Dance of the Comedians」と題された曲は四つ目の管弦楽用楽曲です。 
 個人的にはウキウキ走る様なテンポのこの耳に残りやすい曲が序曲よりも好きです。使われているかどうかは定かではありませんが、幼稚園児たちの運動会に使われたたら「楽しいな!」と云った感じです。
 

勝利の交響曲(祝典交響曲)イ長調 作品6 第一楽章 アレグロ−ヴィヴァーチェ

Triumfální (Festivaly) symfonie E dur, op. 6 Ⅰ Allegro vivace
1853年-1854年, 1881年改訂
   チェコ国民楽派というスメタナ固有の雰囲気はまだ感じられない時期、20代最後半の作品で、スメタナ唯一の交響曲。 
ただ、ベートーベンやブラームスでの交響曲というイメージからはかなりかけ離れて「軽い」印象を受けてしまいますが、 随所に若さを感じる印象的な旋律が散りばめられています。特に第一楽章が個人的には好きです。
 当初は、評判が悪かったらしいですが1881年に改訂、その際に『勝利の (凱旋) 交響曲』から『祝典交響曲』に変えられた様です。


Antonín Dvořák  アントニン・ドヴォルザーク

Dovorak 
(1841年9月8日 - 1904年5月1日、オーストリア帝国生まれ、ロマン派、チェコ国民楽派)

 昔の表記では [ドボルザーク] でその後 [ドヴォルジャーク] が多くなり、最近では [ドヴォルザーク] 表記が一般的に成っているようです。ドヴォルザークは特別に裕福な家庭で育った訳でもなく実家のお肉屋さんを継ぐ気でいたそうです。音楽家への転身は10代後半になって音楽学校でオルガンを習い始めたことがキッカケと云うことです。

スラブ舞曲集第1集 作品46-1 ハ長調

Slovanské tance Op.46-1 in C major (Furiant) 1878年作
 ピアノの連弾集として作られた8曲を管弦楽曲に組直された物で、華やかな最初の第一曲目が特に有名。おぼろげに認識している東欧の踊り、民族衣装を着た人たちが踊る様子を想像することが出来ます。国民楽派と呼ばれる音楽の象徴の曲でしょう。 

スラブ舞曲集第2集 作品72-2 ホ短調

Slovanské tance Op.72-2 in E minor (Dumka) 1888年
 第一集が好評を得てその後`88年に更に8曲追加で第二集が出ています。上記の曲とは正反対の短調の曲らしい雰囲気を感じますがこの雰囲気も何故かお国柄ムードを感じます。

交響曲 第九番 "新世界より" ホ短調 作品95番 第四楽章

Symfonie č.9 E Moll "From the New World (Z nového svĕta)" Op.95-4
1893年
 全交響曲中・一位二位を競う程の人気曲、ドヴォルザークがアメリカに渡った時期の曲で第二楽章のテーマが「家路」としてアメリカで編曲され単独で歌曲化した事で愛されている超の有名曲。スローテンポで流れる旋律は誰でもが子供時代に戻れそうです。ただ、好きな楽章はというと同じ有名なテーマを朗々と歌い上げる様な第四楽章の方を良く聴き、こちらの方が好きです。一楽章、三楽章で使われた旋律も組まれています。小曲風でなく交響曲らしい構成で聴き応えがあります。

ピアノ五重奏曲 イ長調 作品81 ドゥムカ:アンダンテ・コン・モート

Piano Quintet No.2 in A major, Op81(B155) Dumka: Andante con moto 1887〜`88年
 管楽器の加わらないピアノ曲です。四つの楽章からなる弦楽器 (ヴァイオリン×2、ヴィオラとチェロ) との合奏曲でその中の第二楽章が民族色の強い旋律で凄く印象深いです。擦弦楽器の特徴を生かした哀愁メロディーが良いです。他の楽章はわたしにはモーツァルト風に聞こえますが、まぁ良い感じです。

8つのユーモレスク 作品101 第7曲 変ト長調

Humoresky, Op. 101 Č. 7 Ges Dur 1894年作

 

 ユーモレスクの意味は [自由形式による性格的小品] との事だそうです。分かりにくい説明文でしたが、まぁ自由気ままで形式にとらわれない小品という事で、この7曲目を聴くと何となく分かる気もします。童謡唱歌にも編曲されているので日本ではかなり(というか昭和生まれ世代には)浸透しているメロディーだと思います。懐かしさを覚えます。

交響曲 第八番 ト長調 作品88 第一楽章

Symfonie č.8 G Dur Op. 88-I. Allegro Con Brio
1989年作
    ドヴォルザークの交響曲の中で9番に次いで人気あるのがこの8番らしいです。そしてその中でもよく演奏されるのが第三楽章という事です。確かに旋律の親しみ感はありますが、管弦楽曲という視点からの好みではこの第一楽章と第四楽章を選んでしまいます。
 特に第一楽章の方が得色豊かです。ゆっくりと流れる部分と激しい部分が交差しています、三分の一辺りでホーン楽器が「ドンドコドーン、ドンドコドーン」と鳴り響く個所が妙に好きです。


Georges Bizet ジョルジュ・ビゼー

Bizet
 (1838年10月25日 - 1875年6月3日、フランス生まれ、オペラ主体)

 ビゼーと云うとオペラ作曲家のイメージを先ず抱きます。ただ組曲化をしていますので管弦楽曲も (交響曲を含めて) 幾つかは残しています。一時期イタリアに渡っていた事も有りそこでオペラに触れたことがキッカケで短い人生で有名なオペラ曲を作っています。生存中は恵まれなかったようですが死後に名声を得た人です。

歌劇「カルメン」全4幕

Opera "Carmen" 1873年〜74年
 初演が1975年との事ですので、亡くなる少し前の事となります。わたしはクラシック音楽の中で歌曲類は割と聴く方です。米MGMが1920年代〜50年代に製作した多くのミュージカルが好きで、サウンドトラック盤やレンタルビデオを利用したりで結構触れて来ました。また関西在住ですのでタカラヅカ劇場にも勿論行ったことあります。古典音楽の歌劇には20世紀のスィング感は望めませんが、ソプラノ・メゾソプラノ歌手 [プリマドンナ] の歌う部分に魅かれます。(反面テノールやバスの歌手はいまいちで)

 LPボックスセットが買える年に成って初めて買ったのが懐かしの Eurodisc 音源盤 マゼール、モッフォの「カルメン」でした。その後もモーツァルトやベルリーニ、プッチーニ等の歌劇全集を幾つか手にしていましたが、全曲通して聴く機会はそうそうなく、いつの間にか箱に黄ばみや染みが目立つのが気になっており、CD時代に同コンビの「カルメン」やモーツァルトのオペラ数種は全集を買い直してLP盤は売りさばきました。ソプラノ歌手たちのアリア集も結構手にしている歌曲好きです。ここでは 「ハバネラ(恋は野の鳥)」「ミカエラのアリア」「ジプシーの歌」のアリアが有名で、やはりこれらが好きです。
 そういえば Eurodisc レーベルの多くのクラシック盤は消滅したのでしょうか?暫くは若干数日本コロムビアから出ていましたが。クラシック以外にユーロ・ディスコ系も出していました。Judy Cheeks や Amanda Learを購入していました。

「カルメン」組曲 全2曲

 Carmen Suite
 ビゼーの死後に友人だった Ernest Guiraud (エルネスト・ギロー) によって編集・編曲を加えられた組曲化された管弦楽曲でオペラ本体よりも演奏回数・録音出版数量は多い曲です。第一組曲は元々が管弦楽器用に作られた序曲や前奏曲で形成されていますが第二曲の方は歌曲用旋律をギローが管弦楽用に編曲した物で構成されています。
 テーマ旋律の「第一幕への前奏曲」「ハバネラ」トランペットで有名な「衛兵の交代」は耳に染みついています。

戯曲付随音楽「アルルの女」第一組曲・前奏曲

"L'Arlésienne" Suite No. 1 Prelude, Op. 23 1872年
 戯曲の付随音楽として作られた27曲の中から4曲を選んで組曲化されています。一曲目の「前奏曲」は冒頭のテーマ旋律が印象的で、この曲を有名にした出だしです。ヴァイオリンもソロでなく大量合奏だと勇ましい響きですね。

戯曲付随音楽「アルルの女」第ニ組曲・ファランドール

"L'Arlésienne" Suite No. 2 Farandole, Op. 23
1872年(1979年, Ernest Guiraud 編曲完成)
 1875年にビゼーが亡くなった後、友人だったギローが編曲を加えて完成した第二組曲のラスト曲。
「アルルの女」のテーマ旋律を発展させて管楽器のパートが前面に出てきた感があります。

交響曲ハ長調 第一楽章 Allegro vivo

Symphonie en Ut majeur 1er mouvement Allegro vivo
1855年作
 ビゼーは何曲かの交響曲を書いたらしいと [交響曲第一番] と呼ばれていましたが、楽譜が処分されたのか自ら処分したのかで見つからず、唯一の交響曲となり番号付きで呼ばれることが減ってきたと言われている様です。
 この交響曲は実に17歳時の作品で、ビゼー特有の独創性はまだ感じられず古典派作家たちの曲に似た部分もあります。それでも若々しさというか青春の息吹というか、瑞々しさが感じ取れます。
 割と多くの演奏録音盤が出ていて数種聴きましたが、個人的にはミュンシュとマルティノンといった両フランス指揮者の演奏が群を抜いて [青春の息吹] を感じさせてもらえました。


Fryderyk Franciszek Chopin (Frédéric François Chopin) フレデリック・ショパン

Chopin
(1809〜1810年頃 - 1849年10月17日、ワルシャワ公国生まれ、ロマン派)

 ワルシャワ公国は、1807年にナポレオン・ボナパルトによって作られた公国で現ポーランド、ベラルーシ、リトアニア辺りが含まれており、生地ジェラゾヴァ・ヴォラ の位置からショパンは [ポーランドの音楽家] に分類されています。

 多数のピアノ曲作品で有名で、人気曲は相当数にのぼります。挙げれば誰でもが知っている曲ばかりに成りますが、それは仕方のない事、詩的で抒情性豊かなメロディーを湧き出るように生み出した天才作曲家の一人です。
同じ曲を多くの人たちが録音・発表しています。その分他人と比べられ易い面を持つ怖さも有りますが、ホントに次から次へと録音者が出てきます。
 わたしもショパンの曲に関してはいつの間にかに多数ピアニストの同曲演奏盤を所持している事になっています。

夜想曲

 Nocturne
1831年〜1846年  18番迄は生前出版、19番〜21番は没後に出版、全21番構成
 ショパン初心者でも知っているのが彼の『Mocturne 夜想曲』全曲集もいくつか発売されています (わたしの所持は四名のピアニストです) が、コンサートでは単独演奏され、レコードやCDでも数曲選んで収録することが多い作品です。
演奏者自ら選んだ盤と発売元が既録音物から選んだ盤では入っている曲の違いがハッキリ出るのが面白いです。
ここではわたしのミーハー好みで五曲。
『第8番 op. 27-2、変ニ長調』,『第1番 op. 9-1、変ロ短調』,『第2番 op. 9-2、変ホ長調』,
『第20番 Lent con gran espressione 嬰ハ短調』,『第11番 op. 37-1、ト短調』

 1番と2番、8番はまぁベタで、ショパンの夜想曲が数曲入った盤を買うと、ほゞほゞ入っているので代表曲。
そのあとの曲の好みは、聴く時の心身状態とか盤選び、最初に耳にした時の想い出とかが加わり、順序が入れ替わりそうな感じです。20番は今回すべて聴き直してみて選び、11番は最初に聴いた時の想いが影響しています。
殆どが「恋」を意識して作られた曲の様で、夜の甘い静けさ、穏やかさや等を感じる美しい旋律曲ですが、11番は何故か単調過ぎる様な構成な上、不安を感じる様な寂しさを覚えます、ショパンの繊細な一面が出ていそうです。グリーグの「Solveigs Sang」にも若干似た響きです。誰にだって寂しい夜は有るのです。

ポロネーズ 6番 "英雄" 作品53 変イ長調

La Polonaise "héroïque" Op.53 numéro 6 Un bémol majeur 1842年

ポロネーズ 5番 作品44 嬰ヘ短調

La Polonaise Op.44 numéro 5 Fa dièse mineur 1841年
 『作品53英雄』、ショパンのポロネーズ中、演奏及び録音盤数の数ではトップクラスに成る人気曲。「英雄」というタイトルはショパンが付けた物ではないらしいのですが、わたし的には全く「英雄」のイメージとして捉えられません。むしろ「青春」といった感じで若い時に持つことが出来る未来への期待を脈々と綴っている旋律の聞こえます。聴いていて前向きになれる旋律で大好きです。
 『作品44』、演奏時間が長い為なのかコンサートでの [演奏機会が少ない=録音収録盤も少ない] となっている様ですが、ショパンの一般的なイメージから少し離れたように感じます。18世紀後期のウィーンの貴族たちの前で披露したら受けそうな勇ましさを感じる曲に聞こえます。

ワルツ 第7番-2 嬰ハ短調

Valses op. 64-2 numéro 7-2 Do diese mineur 1831年〜1840年で19番構成、7番は1847年作

ワルツ 第10番-2 ロ短調

Valses op. 69-2 numéro 10-2 Si mineur 1829年
 ショパンのワルツは19番迄あるとのこと (番号付は14迄)。その1番から14番までの曲は数名演奏で聴いてはいるのですが、残りの5曲は未聴です。その中で一番好きなのが『7番・嬰ハ短調』、作品番号64内には3曲有り、一曲目が有名な「小犬のワルツ 第六番 op-64-1」に成っています。この7番は主題の旋律が綺麗なので短調の雰囲気をあまり感じないです。ただ、弾く人によって聴き手の心に入る度合いに違いが出やすい曲と云えるでしょう。
 次いで「10番・ロ短調」こちらは如何にもと云ったショパンを感じられる短調の曲。 その分この曲も演奏者毎に聴く方に [好きと好きじゃない] 演奏に分かれやすい曲です。
 種々演奏者のショパン曲収録盤がいつの間にか増えていく原因でもあるのですね。

『24の前奏曲作品28』 第15番 変ニ長調

"24 Préludes Op.28"  numéro 15 Ré bémol majeur 1839年
 外すことの出来ない代表作「雨だれ前奏曲」 、同じく代表作の「ポロネーズ英雄」とはほぼ反対の心情を感じます。誰にでもある意気揚々としている時期とおセンチに成ってしまう時期の両極端。ピアノを手段に上手く表現する才能、ピアノの詩人と言われているのも納得です。
 この曲も録音者の多い曲ですが、好みの分かれ味はプレイヤーの技術よりも、このリリカルな音を表現できる精神の持ち主か否か(資質?)にかかってきそうな気もします。共感できる演奏に出会えることは喜びでもあります。

即興曲 第4番 嬰ハ短調 作品66「幻想即興曲」

La Fantaisie-Impromptu 66 ou Impromptu numéro 4 Do dièse mineur Allegro agitato  
1855年出版(作曲は1834-35年頃)
 フィギュア・スケートでよく使われた曲で特に日本では人気の曲です。 未発表でショパンは死後の放棄希望をしていたそうですが、友人の Julian Fontana (ユリアン・フォンタナ) という人がその意思を無視してショパンの死後に遺作として発表したと言われています。
 信頼よりもショパンの名声を伝える事を選んだのでしょうが、この言いようもなく繊細で美しい調べが世に出て後年の人々に愛されていること。ショパンはどう感じているのでしょうか?

マズルカ 第32番 作品50-3 嬰ハ短調

mazurek Op.53-3 numéro 50-3 Ut dièse mineur 1842年
 マズルカという名称がポーランドの民族舞曲だという事をショパンを通じて知ったわけですが、この『32番作品50-3』は舞局という一般的なイメージからは想像しにくい曲調です。短調の曲だという事も


Wolfgang Amadeus Mozart  ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

Mozart
(1756年1月27日 - 1791年12月5日、神聖ローマ帝国生れ、古典派) 

 所持盤が多いショパンとモーツァルトを後方に置きましたが、最も多いモーツァルトの方が最後に成りました。出回っている曲は確実に名曲ばかりです、つまらない曲も有るのかも知れませんが、後世にまで残って演奏・録音されていないのでしょう。
 その中でも特に好きな曲をいくつか。

 18世紀,19世紀の領土争いが絶えなかった欧州圏には今は既に存在しなくなった国が幾つも存在しており、モーツァルトの生誕国「神聖ローマ帝国」だけを見ると「イタリア人?」と勘違いしてしまいます。ただ、生誕地となるとザルツブルクはドイツ領寄りながら神聖ローマ帝国オーストリア領内、現在は彼がオーストリア人だと云うのが定説になっている様です。
 35年の生涯で膨大な曲を作った天才、多くの曲が今も世界中で演奏され、聴く曲すべてに魅力的な個所があって、媒体音源として聴かれ愛され続けていることにただただ感服です。まぁ映画『アマデウス』を観ると天才なのは音楽面だけなの?とツッコミを入れたくなりますが、世界中に多くのファンを持つ音楽家には変わりはないでしょう。
 映画のモーツァルト役(Tom Hulce) の風貌は当時好きだったアイドル系ポップ・シンガー Leif Garrett (レイフ・ギャレット) に似ていましたね。

セレナード:アイネ・クライネ・ナハトムジーク KV.525 第一楽章 アレグロ

Serenade 13 G-dur :Eine kleine Nachtmusik KV.525 1787年作
 この曲本来は弦楽器合奏用の曲として作られた曲でしたが、ピアノ演奏物も多数存在していてわたしが最初に知ったのもピアノ演奏ヴァージョンでした。モーツァルトを好きになったキッカケの曲です。勿論弦楽器合奏演奏でも大好きです。

交響曲第40番 ト短調 KV. 550 第1楽章 モルト・アレグロ

Symphonie Nr.40 g-moll, ⅠMolto allegro, KV. 550  1788年作
 モーツァルトの交響曲は39番〜41番が有名で、クラシック楽曲の交響曲を聴き始めた頃の始まりです。
三曲とも幾つかの指揮者・楽団の組み合わせで聴いてきましたが、最初に手にした安価盤ワルター、ニューヨーク・フイルが気に入り、次にステレオ録音のワルター・コロムビア交響楽団演奏物の2点の印象が強いです。CD時代に成っても両方買い替えています。そして3曲の中では真ん中の40番、短調の旋律で哀し気に流れて行く第一楽章は交響曲初心者でも即刻好きに成りました。

交響曲第25番 ト短調 KV. 183  第一楽章 アレグロ・コン・ブリオ

Symphonie Nr.25 g-moll, ⅠAllegro con brio, KV. 183  1773年作
 後期三部作よりかなり以前モーツァルト17歳時作曲の交響曲。交響曲を書き上げた年齢を確かめて驚きしかないですが流石に神童です。第一楽章の出だしが鮮烈でまるでジャーマン・メタル・ロックの様に感じるマイナー乍ら激しさを持った旋律です。この曲、映画『アマデウス』でも使われていました。

ディヴェルティメント K.136 第一楽章

Divertimento : KV. 136 Allegro  1772年作
 [ディヴェルティメント] が貴族たちの食事会や祝賀会等でBGM的に演奏する曲の事だと知ってこの曲を聴いた時に面白いと思ったのが好きになったキカッケです。確かに第二楽章はワルツ調で食事会に向いていそうですが、この第一楽章はアレグロ・テンポで結構早めです。食事中にこの曲が流れたら大慌てでスプーンやフォークを動かすオジサマ・オバサマ達を思い浮かべて楽しく成りました。ちなみに第三楽章はプレスト・テンポで運動会的な流れで若干早くて面白くありません。
 この曲モーツァルト16歳時の曲だとか。わたしも15歳時に2曲だけ作曲経験があります。今となってはメロは覚えておらずただただ「幼稚な曲だったなぁ」という想い出だけですが。
 音楽の先生が中指〜小指の間にチョークを三本挟んで黒板に左から右へずらすと3本線、すぐさま右から左へチョークをずらすと5本線に、最後にチョークに親指を添えてト音記号と小節区切り線を書かれました。定年間近な年齢だったと思いますが、小粋な感じで五線譜に音符を落としていく作業に一時ハマりました。後から思うとシャルル・ミンシュに似た先生でした。

オペラ・ブッファ「フィガロの結婚」序曲

Opera Buffa : "Le Nozze di Figaro" KV.492 Ouvertura 1786年作
 モーツァルトのオペラの中でも知名度は上位の作品で序曲も単独演奏が非常に多い曲です。弦楽の激しい音の重なりの後に木管の優しい音が続く辺りは気持ち良いの一言です。全曲盤も持っていますが、歌曲の方も有名曲が多いです。個人的にはスザンナ役、ケルビーノ役が歌う『Non so più cosa son, cosa faccio自分で自分がわからない』,『Voi che sapete 恋とはどんなものかしら』,『Giunse alfin il momento - Deh vieni とうとう嬉しい時が来た』の3曲が特に好きです。

オペラ・ブッファ「ドン・ジョヴァンニ」

Opera Buffa "Il dissoluto punito, ossia il Don Giovanni" KV.527
1787年作
 「フィガロの結婚」の次に完成したオペラ・ブッファで序曲も有名、録音も多く出ています。わたしが好きなのはアリアの方で、 第三ソプラノのZerlina(ツェルリーナ)によって歌われる第二幕のアリア『Vedrai, carino 薬屋の歌 (恋人よさあこの薬で)』及び 第二ソプラノDonna Elvira (ドンナ・エルヴィーラ)が同じく第二幕で歌うアリア『Mi tradi quell' alma ingrata あの恩知らずは約束を破って』などを単独で聴きます。
 多く作られたオペラの中で今は演奏は勿論、上演すらされない物が増えてきた中で、1780年代以降に彼が作ったオペラは今なお多くの国で上演されています。

オペラ「魔笛」第二幕 アリア:復讐の炎は地獄のように我が心に燃え

Opera : "Die Zauberflöte" KV 620 Aria : Der Hölle Rache kocht in meinem Herzen
1791年作
 『魔笛』モーツァルト最晩年最後の歌劇作品で日本での人気はこのオペラがダントツの様です。、勿論序曲も有名で単独演奏・単独録音も多いのですが、転がすように歌い上げるコロラトゥーラ・ソプラノ必須の曲に成っているアリア「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」(夜の女王役)がとくに有名。ソプラノ歌手のアリア集・歌曲集によく収録されています。
 コロラトゥーラは時々聴くと魅力的なのですが、カセット・テープに詰めて連続で聴くと少し飽きる部分もありました。クセが強すぎるのですね。適度に混ぜて聴く方が良いみたいです。

ピアノソナタ 第8番(新-第9番)イ短調 KV.310 第一楽章:アレグロ・マエストーソ

Klaviersonate Nr. 8 a-moll KV. 310 1. Satz: Allegro Maestoso
1777年
 ずっと [第8番] で親しんできたのに最近では [第9番] と表示されています。ただCD等を買う際にはタイトルは以前のまま [第8番 Nr. 8] 表示が多いようです。 ケッヘル番号(KV310 or K.310)で確認するのが間違いないですが。
 テーマ旋律は何故か旧日本軍音楽隊が作りそうな (勝手に思っているだけ) そうな日本的な旋律で一度聴いたら忘れられないテーマです。モーツァルトがお母さんを亡くされた直後くらいに作られた曲だとか。

ピアノソナタ 第11番 イ長調 KV. 331 第三楽章(トルコ行進曲付)

klaviersonate nr.11 A-dur KV  331 3. Satz: Alla Turca. Allegretto (Türkischer Marsch)
1783年頃
 モーツアルト全曲の中で最も知られたメロディーに成ると思われる愛称「トルコ行進曲」、ベートーベンにも同様タイトルで親しまれている三重奏用曲も有りますが、メロの知名度では絶対にこちらでしょう。モーツァルト初心者用曲ですがこの素晴らしいメロディーを日本では「暴れん坊将軍」統治時代に作られたとは驚きの一言です。争いを無くした [鎖国] がどうのこうのとは言いませんが、こと音楽に関してのみでは欧州と日本の差が最高レベルに陥った原因のひとつだったのですね。
 そして、この曲、あまりにも有名で録音盤は相当数出ていますが、出来の好み度合いに好き嫌いがハッキリ出ます。気持ちよく軽快に聴きたいのに [是見がしに] 弾きまくる演奏に出会うと気分損ねちゃいますね。 若々しい演奏がいいです。

ピアノソナタ 第15番(新-第16番)ハ長調 KV.545 第一楽章 アレグロ

ピアノソナタ 第15番(新-第16番)ハ長調 KV.545 第三楽章 ロンド:アレグレット

Klaviersonate Nr.15 C-dur KV.545  1. Satz: Allegro
Klaviersonate Nr.15 C-dur KV.545  3. Satz: Rondo: Allegretto 1788年
 モーツァルトのピアノ曲で有名なのは決まってピアノのレッスンに使われていますが、この曲は元々がそういった目的で作られた様です。どれもが愛らしく弾いていても聴いていても、気持ちの安らぐ旋律を持っていて凄いです。
第一楽章の方が有名ですが、第三楽章もやたら可愛いです。

ピアノ協奏曲 第22番 KV482 第一楽章 アレグロ・カデンツ

Klavierkonzert Nr.22 Es-dur KV482 1 Allegro-Kadenz
1785年
 モーツァルトのピアノ・コンチェルト内でわたしが一番最初に気にいったのがこの22番。 モーツァルトのピアノ・コンチェルトは第〇番と番号を付けられたのが27曲あり、頻繁に演奏・録音されているのは後半の曲に多い様です。
そしてこの22番はその27曲の中での人気度はトップ5には入れてもらえない事の多い曲ですが、まず10位以内には入る人気度です。
 第一楽章、管弦楽が奏でる出だしを聴いて直ぐに「アッ、モーツァルト」と判るほどにモーツァルトらしい音なのです。あの [アイネ・クライネ・ナハトム・ジーク] を聴いた時に感じた感覚です。
第一楽章はピアノの出番がかなり少ないのですが、出てくるとコロコロと軽やかで可愛さを感じます。わたしの中でイメージしているモーツァルトの世界です。




 

 上記の8人の作曲家たちの曲を中心に聴いた来ました。特にモーツァルトとショパンは演奏曲も発売音源も多種にのぼっていますので、自然と増えていきました。同曲異演奏者も増えていきます。
 その様な中、LPでもCDでもカップリングされる曲が別の作曲家曲も多々ありますので、そこから別の曲の出会いや、別途映画やテレビで使われて知る曲なども有ります。

 以下は「お気に入り作曲家」という意味での、思い入れはない作曲家さんたちの作品の中で曲自体が気に入ったものです。
 殆どがどこかで耳にしたことがある様な定番曲でした。 

 
管弦楽曲 バロック
音楽
歌曲
アリア
ピアノ曲 室内楽

ORCHESTRALE MUSIK

管弦楽曲
 一番最初に気に入ったクラシック音楽が管弦楽曲でしたので、やはりこの種の音楽が先ず最初に浮かびます。多々種々の楽器が揃って奏で、そこから出てくる音に感動したときは、その演奏全体に「凄い!」と思いますが、反対に席に座っていて「早く終わらないかなぁ」と思ってしまう場合もありました。
おそらく演奏自体よりも、曲の好みの問題だったのでしょう。好きな曲がいくつかはあります。
 これらの曲なら、そこそこの技量者さん達でも退屈しないでしょう。

リヒャルト・ワーグナー
 楽劇『ニーベルングの指輪』の第一夜 第三幕の前奏曲「ワルキューレの騎行」

Richard Wagner
 Musikdrama [Der Ring des Nibelungen] Ⅰ - Ⅲ. Vorspiel / Der Ritt der Walküren

1848年〜1874年作
 この曲も管弦楽演奏曲の中では大好きな曲です。始まりは「ワルキューレ」という言葉の響きが気に入り、更に [戦死者を空飛ぶ馬に乗って運ぶ戦場女神] といった意味だと知り、テーマ部分旋律の勇ましさが耳にました。
ファンタジーの世界ですよね。その部分のみをPC上五線譜に移し midi 化、一時期携帯の着メロにしていました。

ニコライ・アンドレイェヴィチ・リムスキー-コルサコフ
 序曲 『ロシアの復活祭』 作品36

Николай Андрéевич Римский-Корсаков
 Светлый Праздник, Увертюра, Соч. 36

1888年
 リムスキー-コルサコフは(というかロシアの有名な作曲家の多くは)ロシア正教の元で学んだ人が多く、この曲もその集会・演奏会用に作られた序曲ということ。音の構成が抜群で管弦楽音楽の良い部分がぎっしり詰まっています。指揮する人は気後良いでしょうね。
 ただ、リムスキー-コルサコフが管弦楽曲を書いたのはこの曲が最後の様で後はオペラなどの歌曲方面に移って行ってます、

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
 ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23 第一楽章

Пётр Ильич Чайковский (Pyotr Ilyich Tchaikovsky)
  Концерт для фортепиано с оркестром 1 op. 23

1875年
 チャイコフスキーの全楽曲中一番に浮かぶのがこの曲。第一楽章出だしのホルンが奏でる旋律は強烈に印象深いです。続くヴァイオリン、ピアノと協奏曲中の出だし部分としては最高の印象深さです。その後の旋律も優雅で美しく、メロディーメーカーとして一般的にバレエ音楽で有名に成ったことも理解できます。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベン
 交響曲第六番ヘ長調作品68「田園」第一楽章

Ludwig van Beethoven 
 Sinfonie Nr. 6 F-Dur op. 68 "Pastorale" Ⅰ Allegro Ma Non Troppo

1808年作
 ベートーベンの九つの交響曲の中では9番、5番、3番の次4番目くらいの人気でしょうが個人的にはこの「田園」が一番好きです。この6番以外の交響曲表題は他人が付けた物らしく、ベートーベン自らが付けた表題はこの「田園」のみらしいです。人気上位ベスト・スリーと比べると、激しさはなく穏やかで流れる様な感じで季節では春の自然風景が浮かびます。この優しさが好きです、モーツァルトの曲だと勘違いしそうです。

グスターヴ・ホルスト  組曲:惑星 作品32-4「木星」

Gustav Holst "Suite" The Planets, Op. 32, 4. Jupiter, the Bringer of Jollity

1914年〜1916年作

 

 この曲の発表は20世紀ですが、19世紀中に多くの作品を出しているホルストですので、ここに入れました。ホルスト楽曲の中で間違いなく一番の有名曲 (7曲のうちの4曲目木星が特に!)。管弦楽曲の中で管楽器が活躍して英国旋律を優しく奏でています。

ケーレル・ベーラ / ヨハネス・ブラームス ハンガリー舞曲集:第一集5番 アレグロ

Kelel Bela / Johannes Brahms   Ungarische Tanze WoO.1 X Allegro 

1869年作
 ブラームスはどちらかというと貧しい方の家に生まれており、ピアノの才能を見出されてから、お金持ちが通う豪華飲食店のお抱えピアニストとして働いていたそうです。真面目な苦労人だったのですね。そんな彼の名を直ぐに思い浮かべるのがこのハンガリー舞曲集。
 イタリア旅行中に気に入った種々の曲を集めて、(いくつかは自作も有った様です)ピアノ演奏用に21曲を集めた曲集でした。
その中の一曲この5曲目が、管弦楽再編で有名に成った曲で、元はチャールダッシュ(csardas) というジャンルの曲で作者がケーレル・ベーラという人、編曲者がブラームスとなっています。

エミール・ワルトトイフェル  ワルツ「女学生」
Émile Waldteufel Waltz : Estudiantina, Op. 191

1883年作

 

 『スケーターズ・ワルツ』が有名なフランスの作曲家ワルトトイフェルの代表曲。
ロマン派ならではの流れる様なメロディーでそれでいてその旋律に親しみやすさが備わっている曲で、特にリクエストも無い時に「名曲喫茶」で自然と流れそうな曲です。
 ある種の懐かしさをも感じます。

セルゲイ・ラフマニノフ
 ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18 第一楽章 モデラート

Сергеéй Васильевич Рахмаáнинов (Sergei Vasil'evich Rachmaninov)

 2-й Концерт Для Ф-но С Оркестром До Минор, Соч. 18  1. Moderato

1900年 - 1901年

 

 ロシアの作曲家ラフマニノフ。ただラアマニノフの生み出す音は19世紀後半の生まれという事も関係するのか国民楽派的な民族色は薄くそれでいて20世紀的な近代音楽的要素もなくほぼ感覚的にはロマン派音楽です。
 このピアノ協奏曲第2番は今では彼の代表作のひとつですが
 一部最初に聴いたのがロマン派音楽得意のフィリップ・アントルモンだったのも幸いしてか気に入った曲に成りました。
 ラフマニノフのピアノ協奏曲は4番迄 (1番と4番は原典版も)聴きましたがやはり有名なこの2番が好きです、特に第一楽章が良いですね。

フランツ・フォン・スッペ  
 喜歌劇 『軽騎兵』 序曲

Franz von Suppè
 Operette [Die leichte Kavallerie] Anacrusis

1966年初演
 スッペの名前が現在まで残っているのはこの『軽騎兵』序曲の演奏機会・録音数量の多いことに他ならない様ですが、 確かに昔から覚えのある曲で好かれて当然といった曲だと思います。スッペのオペレッタではあと『美しきガラテア』が日本では有名です。
 ※ Suppèの綴りがSuppéとアクセント記号違いの記述がありますが、近年では前者アクサン-グラーヴを使うようなのでそちらにしました。

エドゥアール・ラロ
 ノルウェー狂誌曲 第二楽章 プレスト

Édouard Lalo    Rapspdie norvégienne Ⅱ Presto

1879年作
 熱心なクラシック・ファンの人たちなら知っておられる名でしょうが、エドゥアール・ラロという人の事は偶然に出会うまでは全く知らない存在でした。
 「ノルゥエー狂詩曲」このタイトルが付いていたからこそ興味を持った元です。クラシック音楽界で、北欧独特の旋律に魅かれていた時期に、音より文字が先に気になっています。作曲者ラロは擦弦楽器奏者でも有ったということですので本来ならば、知る機会がかなり少ない筈の人・曲でした。それがこの第二楽章の冒頭は管楽器が華麗に活躍し、その上に小粋なメロディー。すぐさま気に入り忘れえない曲となりました。

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
 交響曲 第5番 ホ短調 作品64 第四楽章

Пётр Ильич Чайковский (Pyotr Ilyich Tchaikovsky)
 Симфония 1 ми минор, соч. 64,  Ⅳ движение

1888年作
   この項目でのチャイコフスキー2曲目に成ります。 バレエ音楽があまりに有名過ぎて損をしているのでは?と妙な憶測を持って仕舞いがちですが、管弦楽の使い方が上手な作曲家のひとりとして認識されている人です。
 この交響曲五番のそれも第四楽章での徐々に盛り上がって行く構成は管楽器も冴えて聴き応えがあり印象的です(コーダ部)。
 全体の主題はチャイコフスキーの意図する「運命」を表現しているとの事。
 この言葉の意味は生活環境や時代背景により人それぞれで、チャイコフスキーについて、特に詳しくないわたしにとって意図する表現部分は判りませんが、出てくる音楽に接して、「好きか好きでない」か、「感動するかしないか」に分かれてしまいます。
わたしは好きになり感動したのです。
 ただ、管楽器の活躍する楽曲は指揮者によって得手・不得意があるのかも知れませんが、感性に合わない盤もありましたが··· 

モーリス・ラヴェル
 亡き王女のためのパヴァーヌ (逝ける王女のためのパヴァーヌ) 管弦楽曲編

Maurice Ravel
Pavane Pour Une Infante Défunte Arrangement d'orchestre

1899年作、1910年編曲
   今は共働き世帯が普通の事で「カギっ子」という言葉は死語に成っている程ですが、`80年代前半頃までは、普通に使われていた言葉です。わたしも小学生時代には「カギっ子」のひとりでした。弟が居ますが弟の方はいつも遅くまで外で遊んでいる方、わたしはひとりで音楽を聴いたり本を読み漁ったりしていた方。ひとりぼっちが寂しいと思ったことはありませんでした…(今もそうですが)。
 ショパンの多くのピアノ曲もそうですが、ラヴェルのこの曲もどことなく寂しさを感じさせるムードが有るには有るのですがそれ以上に「落ち着く」という言葉の方がピッタリと来ます。ひとりの時に聴くとしっくり来ます。
 ラヴェルは「ボレロ」が特に有名で最初の三小節でそれと判る印象深く素晴らしいメロディー。ただ、何故かやがて怠い部分を感じます。「あのしつこさが癖に成るか成らないかは人次第」。
 この曲は元々ピアノ曲として書かれたらしく、後に自らの手でオーケストラ用に編曲、今では編曲版の方が有名の様です。 個人的にはボロディンの「中央アジア〜」でも感じ記した様にホルンの温かく優しさを感じる音色が心に残ります。 

ヨハネス・ブラームス  交響曲 第三番 ヘ長調 作品90 第三楽章
Johannes Brahms
 Sinfonie Nr. 3 in F-Dur op. 90  3 Satz. Poco allegretto

1883年作
   `70年代の日本に於いて憧れの街として雑誌などで扱われていたのはフランスのパリでした。ディオール、シャネル、サンローラン等を生みファッション界を牽引していた街です。特に「anan」での特集読物はフランスを知るのに絶好な時代でした。フレンチポップスにもフランス映画にも興味は及びました。
(アラン・ドロンの映画ビデオは相当観ています)
 そして仏映画『さよならをもう一度』(ドロンは出ていません) の中で使用されていた曲がブラームスの交響曲第三番、第三楽章の中のメロディー。映画は1960年作ですが、昭和の時代のフランス映画そのものをイメージするメロディーがやけに似合っていて印象的です。この曲もショパンの多くの曲同様にひとりで居る時に聴くと何故か落ち着くメロディーです。
 ちなみにブラームスの交響曲全体では三番より一番の方がやはり好きで、持っている盤種も多いです。 

フェリックス・メンデルスゾーン  交響曲 第三番 イ短調 『スコットランド』 作品56 第四楽章
Felix Mendelssohn
 Symphonie n°3 en la mineur ≪Ecossaise≫, op. 56 4 Satz. allegro vivacissimo allegro maestoso assai

1830年〜1842年作
   メンデルスゾーンという名前は教会での挙式が浸透してきた`70年代の日本で「結婚行進曲」の影響でしょうが、クラシック音楽に精通していない人達の間でもシューベルトやシューマンと同程度の有名な名前だったと思います。それが近年ではオーケストラの年間コンサートで演奏される機会が稀な部類の作曲家に入っているそうです。(そうなると、その曲を新たに録音する指揮者・楽団も減り、CD等の新譜発売も無くなり売れなくなります)
 今尚、「クラシック音楽は高尚な音楽なのでコンサートには正装で行くべし」っといった厳しい指摘の記事をネットで見かけた事も有りましたし、会場に行く人は同じ人たちが主で、新規獲得数は減っている可能性はありそうです。おのずと人を呼べる有名曲が繰り返し演奏される事に成るのでしょうね。
 確かにメンデルスゾーンの多くの曲は、インパクトが薄く平凡・平均的な曲が多いと感じます。その様な中でわたしが管弦楽曲として印象に残っているのが、この第三番最終楽章。
 ヴァイオリンが擦るスラーで静かな音出しよりも、弦を叩く感じでの激しい音出しが印象的です。楽器数が一番多い編成ですので、合奏の特徴が良く出ていて印象的です。 
 

クロード・ドビュッシー
 『映像』 第三集 (管弦楽のための映像 『イベリア』) Ⅰ [街の道や田舎の道を抜けて]

Claude Debussy
  Images pour Orchestre - 3ème série "Ibéria" Ⅰ [Par les rues et par les chemins]

1905年〜1908年作
   ドビュッシーの『映像』という作品集の中の第三集内にある3曲のうちの一曲が『イベリア』(他の2曲は『ジーグ』『春のロンド』) 。その『イベリア』の曲も三曲で構成されており、その第一曲目が [街の道と田舎の道] と題されたこの曲です。
 印象深い旋律の少ないドビュッシーの曲の中では割とインパクトの強い曲です。ドビュッシーの曲の多くの曲は優雅・和み感を持って淡々と流れる曲が多いのですが、その特徴が映画内シーンで使われる効果音楽っぽい曲に感じます。この曲も所々にその感じは出てはいますが。
 後年フランスの映画音楽界で名を馳せたレーモン・ルフェーブル、フランシス・レイ、フランク・プゥルセル、ミシェル・ルグラン等の方がメロディー・メーカーでしょう。
 淡々と流れる曲の多いドビュッシーの音楽はどちらかと云うと好みではないのですが有名作家ですので、他の作品とのカップリングで結構聴いては来ました。そして、彼の音楽に魅せられた後世の音楽家がかなりいる事も知ってはいました。
 わたしは十代後半の頃から夜になるとジャズ喫茶へ出かけて行く事が多く成っていきましたが、最初に聴いて感銘を受けのめり込んだのは Miles Davis のアルバム "Kind of Blue" がキッカケでした。マイルスはドビュッシーの影響でこのアルバム内収録の曲を作ったとか。マイルスが牽引してハード・バップからモダン・ジャズへの移行を進めた重要作でした。
 多くの音楽家に影響を及ぼしたドビュッシーは構成力の優れた作曲家だった証しでしょう。

カール・ニールセン
 狂詩曲風序曲(演奏会用序曲)FS 123『フェロー諸島への幻想の旅』
 アラディン組曲 FS 89 『祝祭行進曲』

Carl Nielsen
 Rhapsodisk Ouverture (koncert-ouverture) FS 123 "En Fantasirejse til Færøerne"
 Scenemusik af Skuespillet [Aladdin] FS 89 "Orientalsk Festmarch"

(FS123)1927年作、(FS89)1918-1919、1940年死後組曲化出版

   この2曲の作曲家デンマークのカール・ニールセンは同じ北欧のグリーグやシベリウスと比べると人気度・知名度は割と劣ると思えます。管弦楽曲類しか聴いていませんが、<印象深い旋律の少ない作風>というイメージはあります (メロディーメーカーではないと思います)。その中でわたしが印象に残っている曲は、この『フェロー〜』とアラディン組曲の第一曲目です。『フェロー〜』の方はいくつかのテーマに分かれている様で後半部が良かったです。『祝祭行進曲』の方は管楽器の活躍の場が多くオーケストラ楽曲として塊で進んでいる感じが印象的でした。 
 北欧圏の国、ノルゥエー、スウェーデン、フィンランドと並びデンマークも高税・高福祉国家ながら空気が綺麗で自然の美しさが今もが維持されている土地というイメージを個人的には持っています。
ただ、[フェロー諸島]なる地名は全く知らなかった地名でした。私的にはあらゆる音楽ジャンルに興味があり、地域の音楽を通じて国の歴史等の事を知って行くことで勉強してきたタイプですが、この島の事は全くの知りませんでした。部屋に横幅2m弱の英国作成の世界地図を貼っています(勿論英国が真ん中で日本は右端の物)。中央上部に有りました [Faroe Islands] と‥‥。という事でタイトルからこの曲に興味を持って聴いたのがキッカケです。


MUSIQUE BAROQUE (1600 - 1750)

バロック音楽
 一般的にバッハが代名詞で、バッハの死と共にバロック時代が終息したとの理解です。そして宮廷のお金持ち人たち相手の音楽の為、優雅さが一番の魅力でその部分で今なお愛され残っているのでしょう。
 時代が流れて今や誰でもが聴けて好きに成れる庶民向けの音楽に成っています。主メロディーと少しの楽器での伴奏は日本の戦後間もない頃の歌謡曲みたいですね、

ヨハン・パッヘルベル
 3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調

Johann Pachelbe [Canon a 3 Violinis con Basso c. / Gigue]

 

 この曲はアメリカのピアニスト・ジョージ・ウィンストンが`80年代に季節ごとに変わる自然をテーマに4部作としてCDアルバム4種を順に発表した事で知れ渡り (再評価?) わたしもそのCD『December』で知りました。発売はWindham Hill レーベルと云う自然回帰をテーマにした曲ばかりを出していた独特のレーベルからでアール・クルーやスパイロ・ジャイロなどジャズ畑の人も出ていました。
 ピアノ演奏で知れ渡ったので、ピアノ演奏ヴァージョンもかなり出ていますが元々はヴァイオリン演奏用の曲。(バッヘルベル存命時代にピアノはまだありませんでした)
 「カノン部からジーク部」に移るのですが前半の親しみやすくも可愛くて美しい抜群の旋律が繰り返されるカノン部が人気の要因でしょう。種々演奏家の寄せ集め 「パッヘルベルのカノン集」なるCDが沢山出ています。わたしの所持は4種ですが、もっと有ると思われます。
 1680年頃の作曲だと言われています。日本では江戸時代徳川将軍4代〜6代の頃、中国は清の時代と時代背景を想像も出来ない時代ですが、凄いですね。
300年以上前の曲が多くの人に愛されているとは。

ヨハン・セバスティアン・バッハ / アウグスト・ウィルヘルミ
 「管弦楽組曲第3番」ニ長調 BWV1068 第2曲「エール」

編曲版「G線上のアリア」

Johann Sebastian Bach / August Wilhelmj
 "Air auf der G-Saite" Orchestersuite, Ouvertüre Nr. 2 in D-dur, BWV 1068-2 / Air

原曲:1723年頃作
 「G線上のアリア」の単独名で知られるバッハの曲の中で最も有名な曲で、 原曲は管弦楽組曲でおごそかな管弦楽曲で結構地味です。 元のままならここまで人気曲には成らなかったでしょうがアウグスト・ウィルヘルミというヴァイオリニストがピアノを伴奏にしたヴァイオリン独奏用曲にアレンジした事で有名になったということです。 個人的にはピアノの出だし旋律が印象的で抜群で、「ピアノとヴァイオリンの合奏曲」として捉えています。

ヨハン・セバスティアン・バッハ  「フーガ ト短調」 BWV 578

Johann Sebastian Bach  Fugue In G Minor 

1700年代初期
 バッハの「小フーガ」の愛称で知られる有名曲。一方「大フーガ」BWV542はこの「小フーガ」よりも知れ渡っていますが、[何か大きな失敗をしでかした] と愕然としたときに流れる音楽というイメージがありますので、個人的には何度も聴きたくなる音楽ではありません。一方こちらはオールディーズ物の「誓いのフーガ (フェアリーダスト)」で知られているどこかに [ある種の懐かしさ] を感じる曲です。
 1705年前後作という説と1710年頃という説がある位に記録があいまいなほど昔の曲です。どうやら楽譜に楽器指示もないらしく、ピアノ誕生前の時代曲の為にパイプオルガンを使った独奏が主流ですが、ピアノ独奏用や管弦楽用に編曲されての録音演奏も見かけます。キリスト教教会などに行くと設置(置くという表現ではなく)されているのを見るとパイプ装置が巨大ですね。

アントニオ・ヴィヴァルディ
 ヴァイオリン協奏曲集 『和声と創意の試み』 第一番 ホ長調 「春」 RV 269

Antonio Lucio Vivaldi
 Concerto per violino "Il cimento dell'armonia e dell'inventione" Mi maggiore [Primavera] RV 269

 

 『和声と創意の試み』という1番から12番まででなるヴァイオリン協奏曲集が出版されたのは1724年〜1725年頃だということですので作曲年はそれより数年前だと思われます。
 そのうちの第一番が「春」、二番「夏」、三番「秋」四番「冬」とタイトルが付けられて合わせて4部で「四季」のタイトルでレコードやCD発売された様です。
 1960年代にイ・ムジチ合奏団の演奏物が世界中で話題を呼び、日本でも70年代後半には「四季」と言えばイ・ムジチ合奏団とまで言われる人気で、バロック音楽ではカラヤン人気を越えているほどでした。その中の一番目「春」は何度もいろいろなところで耳にする機会が多かったと思います。待ちに待った春の訪れを迎えての気分がよく表れていて気分よく成りますね。
 ヴァイオリンが擦り擦りでなく叩くようなはじく様な感じで音だししているのが明るさを表現していていいですね。
 

ジャン-フィリップ・ラモー
 「優しい歎き」 《クラヴサン曲集と運指法》 組曲ニ長調より

Jean-Philippe Rameau
 Les tendres plaintes "Piéces de Clavecin avec une mèthode" Suite Re majeur

1724年作
   J.P.ラモーは、A.ヴィヴァルディとJ.S.バッハの間、1683年に生まれたフランスの音楽家ですが、先の二人の人気に比べたら相当な開きがあると思える程に有名曲が少ない作曲家です。この曲も40歳頃の作品ですがまだまだ無名だった頃の作品です。
 ヴィヴァルディやバッハはバロック音楽以前ルネッサンス期の教会音楽の要素を多分に持った作風でしたが、ヘンデル、パーセル、そしてこのラモーの後期作等は王室向けの作風で [優雅で耳障りの良い音楽]が多いと感じます。この種の音楽を嫌いな人は少ないのですが、反対に好きだと言い切れる人も少ないのでは?
 バロック音楽がBGM風に扱われることが多いのが何となく判ります。
 J.P.ラモーは、50歳頃から少しずつ知られる様に成りオペラ関連の楽曲で漸く認められてやがてルイ15世公のお妾さんポンパドゥール夫人に認められて王室専属に迄成ったということです。この曲は王室お抱えに成る以前の曲で、優雅さよりも人情豊かな優しさを感じます。人間味を感じて味わい深い曲です。
 本来はオルガニストとしての出発だったとの事で、この曲は時代背景を感じさせるチェンバロ (クラヴサン) の為に書かれた物ですが、わたしが聴いたのはピアノ演奏物。チェンバロ特有の残響音が無い分やはり軽やかに感じますが、メロディーは美しくショパンの生み出す音に似ていて心に響きます。
 フランス王室のお話でどうしても思い出すのが、一世を風靡した『ベルサイユのばら』。世間一般的に王室終幕の引き金になった16世とその王妃マリー・アントワネットに絡んだ架空の人物、オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェを主人公とする物語。
 この [男として育てられ男として生きる覚悟をしたLady Oscar] がラスト近くに [オンナ] に成ってしまうシーンにわたしは妙に寂しさを感じました。多くの人が微笑ましく思ったと思われるシーンで、そう感じたことに人種の違いを思いました。

VOKALMUSIK (LIED・ARIA)

歌曲・アリアなど
  クラシック音楽の作曲家として認識されている人たちは、ほぼ殆どの人たちが声楽曲を作っています。特に歌劇などに成ると一作で10曲、20曲になる曲が入っています。
 膨大な数の曲が有っても100年、200年経っても歌われたり、聴かれたりしている曲は数パーセントでしょう。歌曲物をそこそこ聴く方ですが、その引き継がれて曲の中でも特に気に入っている曲や感動した歌い手は数えられるほどです。
 歌劇場は少なく、独唱会なども多く開かれず、ポピュラー系では想像つかないほどに声楽家さんたちには厳しい時代だと思います。

ヨハネス・ブラームス
 『4つの厳粛な歌』作品121番第一曲
「人の子らに臨むところは獣にも臨むからである」

Johannes Brahms

 [Vier ernste Gesänge] Op.121-1 "Denn es gehet dem Menschen wie dem Vieh"

1896年作
 ブラームス最晩年作で「辞世」の曲などと言われているバスとピアノのための連作歌曲。そのほとんどが男性歌手で録音発表されていますが、私が知ったのは Kathleen Ferrier というアルト(コントラルト歌手)歌手の歌でした。 [オペラ歌集] でなく単に [歌曲集] と云うとソプラノ歌手だけでなくメゾ・ソプラノやアルト歌手の盤も割と出ています。 

ステファン (スティーブン)・フォスター
 『金髪のジェニー』、『夢路より(夢見る人)』

Stephen Foster  『Jeanie with the Light Brown Hair』、『Beautiful Dreamer』

1854年 & 1863〜1864年 
 昔はステファン・フォスターと読んでいたのに、いつの日からかスティーブン の日本語表記が定着していました。自身ではオーケストラ用の曲を作っていない人なので、純クラシック・ファンからは下位の作曲家としての位置付け扱いですが、生み出す旋律がひとの心に染み入る度合いさでは負けてはいない人だと思います。
 いくつかのスタンダード化した曲がありますが、特にこの2曲は大好きな歌曲です。歌詞を付けたのもフォスターなので男性目線の詩ながら歌っているのはソプラノ、メゾ・ソプラノの歌手が多いです、そして女性の声でゆったりと歌われると [まるで自分が子供時代に戻りお母さんに歌われている気分] になってしまい泣けてきそうに成ります。「夢路より」はこの曲を作ってまもなくフォスターは37歳という若さで転倒事故による多量出血事故という痛ましい死に方で亡くなっています。1864年1月13日、前年末か新年早々の作品かは判りません。
 本来は歌曲ながら、種々楽器の独奏物や室内楽用の編曲盤が出ており、歌曲物の方が少ない昨今です。

フランツ・シューベルト
 連作歌曲 『冬の旅』 より11曲目 春の夢 作品89、D 911

Franz Schubert
 Liederzyklus, Liederkreis  [Winterreise] 11."Frühlingstraum"

1827年
 ドイツの詩人 Wilhelm Müller の詩24部に歌曲王と呼ばれるシューベルトが曲を付けた歌曲集の中で最も広く親しまれている曲。この4年前に同様の詩による歌曲集『美しき水車小屋の娘』を出していてそちらの方も有名でどちらも歌曲集の代表作に成っています。男性歌手・女性歌手どちらの歌唱もあります。

フランツ・シューベルト  歌曲 『魔王』 作品1、D 328

Franz Schubert     Lied [Erlkönig] D 328

1815年作
 こちらもシューベルト作曲の有名曲。詩はこちらも有名なゲーテ (Johann Wolfgang von Goethe) でシューベルト18歳時に詩を読んで感動してすぐさま曲を付けたと言われています。
曲調はアメリカ西部劇のテーマソングにも似た勇ましい感じを受けます。 フィッシャー・ディースカウの様なバリトン歌手の録音が多いですが、女性音域での歌唱も有り、ピアノ用、ヴァイオリン用、管弦楽用などの編曲版も多くあり、多くの人がどれかのヴァージョンで耳にしたことがある曲だと思います。

ヨハン・シュトラウス2世
 喜歌劇 『こうもり』 全三幕 第二幕より 「侯爵様、あなたのようなお方は(私の伯爵様)」

Johann Strauss II. 

 Operette  [Die Fledermaus] Akt Ⅱ  "Mein Herr Marquis"

1874年
 ワルツ王ヨハン・シュトラウス2世の喜歌劇「こうもり」中第二幕でソプラノ歌手(アデーレ役)が歌うアリア。ウィーン発祥のオペレッタはダンス振付が加わればアメリカの1930〜40年代全盛期のミュージカルとほゞ同じで、ストーリーうんぬんより軽快な曲を楽しむのが魅力でしょう。メロディーがいかにもヨハン・シュトラウスならではで楽しい雰囲気に成ります。

フランツ・レハール
 喜歌劇 『メリー・ウィドウ』 全三幕 第一幕より 「まだパリに慣れていない」


 Operette [Die lustige Witwe (The Merry Widow)] Akt Ⅰ"Hab' in Paris mich noch nicht ganz"


1905年
 20代後半(1985-6年)には,既に数曲の歌劇・喜歌劇を作っていたオーストリアやドイツで有名だった作曲家。今や殆ど上演・演奏される作品も少なくなった中、唯一時折上演されるのが『メリー・ウィドウ』 。
一番有名なアリアは二幕の「ヴィリアの歌 Vilja-Lied」でしょうが、こちらは同じソプラノ担当の役、ハンナの歌うアリアですが、私的な好みはこちらです。

フランツ・レハール
 喜歌劇 『ジプシーの恋』 全三幕 第三幕より 「ツィンバロンのの響きを聞くと」

Franz Lehár
 Operette [Zigeunerliebe] Akt Ⅲ "Hör'ich Cymbalklänge"


1910年
 同じくレハールの喜歌劇からのアリア。
オペレッタ自体の知名度はおとり昔から歌劇場での実演は殆どされなくなってた様ですが、中の挿入アリアは単独でレコーデイングされているものが幾つかある様です。その中で種々、ソプラノ歌手のアリア集盤で見かけるのがこの曲です。

ジャコモ・プッチーニ
 喜歌劇 Franz Lehár 『ジャンニ・スキッキ』 全一幕 より「私のお父さん」

Giacomo Puccini
 Operetta [Gianni Schicchi] Atto Ⅰ "O mio babbino caro"

1918年
 純歌劇よりも少し軽めのオペレッタの方が、やはり単独で歌曲のみが残る可能性高く、この『ジャンニ・スキッキ』なる名称は有名ではないタイトルです。内容も知らないお話ながらこのソプラノ役ラウレッタが歌うアリアは単独での録音歌手が数名います。好まれているからでしょう。 

ジャコモ・プッチーニ
 歌劇 『ラ・ボエーム』 全四幕 第四幕より 「私の名はミミ」

Giacomo Puccini
 Opera [La Bohème] Atto Ⅰ "Sì, mi chiamano Mimì"

1896年
  プッチーニ歌劇では『蝶々夫人 (Madama Butterfly)』と並んで人気歌劇の『ラ・ボエーム』 そしてその中のソプラノ・アリア「ある晴れた日に」と並ぶ有名曲が「私の名はミミ」。
 単独のアリア集の盤によく収録されています。
イタリア・オペラ界の二大作家ヴェルディとプッチーニ、プッチーニの方が40〜50年程後輩ですが20世紀にまたがって活躍したために今も演奏される曲が多いように感じます。

ジュゼッペ・ヴェルディ
 歌劇 『イル・トロヴァトーレ』 全四幕 四幕より 「恋は薔薇色の翼に乗って」

Giuseppe Verdi
 Opera [Il Trovatore] Atto Ⅳ "D'amor sull'ali rosee"

1853年
 ヴェルディ一番のオペラは『椿姫』で「ああ、そはかの人か…花から花へ」というアリアが有名ですが、単独で歌曲集などに収録されている場合は、『イル・トロヴァトーレ』内のソプラノ役レオノーラの歌曲であるこちらの方が、録音歌手が多そうです。
 アリアという情景・叙情を歌う分類より歌要素の方が強いカヴァティーナという部類に属するそうです。オペラを離れても単独化し易いのでしょう。

ジュゼッペ・ヴェルディ
 歌劇 『シチリア島の夕べの祈り』 全五幕 五幕より 「ありがとう、愛する友よ」

Giuseppe Verdi
 Opera [I Vespri Siciliani] Atto Ⅴ "Mercè, Dilette Amiche"

1855年作
   上演回数や録音回数でヴェルディの三大オペラに遙か及ばないオペラ。
ただ、序曲はそこそこ有名らしいです。 わたしが気に入ったのは序曲でなくこのエレナという役柄のソプラノが歌うアリアで、後のイタリア歌曲、カンツォーネの要素がタップリで魅力的です。
 ‘60年代〜`70年代前半位までは「サンレモ音楽祭」の入賞曲が日本の洋楽ジャンルで知名度・人気の有る曲がかなりありました。ロックの波に押されていきましたが、日本人は本来カンツォーネを嫌いではないはずです。
プッチーニ、ロッシーニ、ヴェルディのイタリアオペラ三大作家の中で旋律が最もカンツォーネに近いと感じるのはヴェルディです。
 わたしが最初に買ったオペラ全曲盤がモッフォとマゼールの『カルメン』(Eurodisc原盤3枚組LP) だったので以後、ソプラノ歌手で所有枚数が最も多いのがアンナ・モッフォに成っていますが、カラス盤も増えて彼女の全盛期の声には圧倒されていました。(どちらも声楽家としての全盛期は短かった感じです)
 そのカラスの多くは Angelレーベルから出ていて、モッフォの初期音源集もAngel傘下のSeraphimというレーベルから出ていまして、共にエンジェル(天使)のマークが付いていました、英国レーベルですが日本では東芝が発売していました。CD時代に成ってもEMIロゴの下に天使が付いていましたが、`90年代中頃からいつの間にか消えて行った様です。
 東芝も21世紀に入って数年後に音楽事業から撤退してしまいましたが、ふとあのエンジェルマーク付きの[新譜]が出ない物か?と思ってしまいました。

ジョアキーノ・ロッシーニ
 歌劇『セビリアの理髪師』 第一幕より 「私は町の何でも屋」

Gioachino Rossini
 Opera [Il barbieri di Siviglia] Atto T “Largo al factotum”

1816年
   ロッシーニは同じイタリアオペラ作家のヴェルディやプッチーニと比べてアリアの有名曲が少ない印象を受けます。その代わり運動会に付き物の『ウィリアムテル』を始めとする序曲などはかなりの数が有名に成っている様です。
 その中で『セビリアの理髪師』は序曲だけでなくオペラ全体が人気の有る作品だと言われています。
 劇中歌唱もイタリアオペラではソプラノとテノールが主役級が多い中、ロッシーニのはメゾ・ソプラノ、アルト (コントラルト) やバリトン役の曲が割と知られていると感じます。‥‥時代的に近いモーツァルトのオペラもその様な感じでした。
 個人的にはソプラノ系歌手のアリアの方が好きですので聴く分には女性声楽家の方が多いです。男性歌手もので先ず浮かぶのは定番ながらもヴェルディの『リゴレット』"女心の歌" が一番目に成りますが、印象的だったのははこのフィガロ役(バリトン) の カヴァティーの "私は町の何でも屋" です。特にヘルマン・プライ盤が一番好きです。
 そういえば、オペラ歌手の男性陣はヨーロッパ圏に有名人が多いのに対し、女性陣は何故かアメリカ国籍取得者が結構多いと感じます。マリア・カラス、アンナ・モッフォ、ジェシー・ノーマン、ビヴァリー・シルズ、キャスリーン・バトル、 フレデリカ・フォン・シュターデ、バーバラ・ボニー、ルネ・フレミング等々です。歌劇の歌詞が伊語、仏語、独語が主だというのが関係しているのでしょうか??

カール・ミレッカー
 喜歌劇『デュヴァリー (デュバリー伯爵婦人)』より 「私が心を捧げる人」

Carl Millöcker
 Operetta [Gräfin Dubarry (Die Dubarry)]  "Ich schenk mein Herz"

1879年作
    カール・ミレッカーという作者、オペレッタ好きの人たちには『乞食学生 (Der Bettelstudent)』他の作品でお馴染みの作曲家だという事ですが、全曲盤やハイライト盤は少なくレコードやCDではそうそう見かけません。ただ、この曲 "Ich schenk mein Herz" だけは多くのソプラノ歌手のアリア集アルバムに割と含まれていまして、わたしも数人の歌手のヴァージョンを持っています。
 ソプラノ・ヴォイスの心地よさがよく伝わる曲です。
 このアリアは変わらない様ですが、オペレッタ自体は [Gräfin Dubarry] としてミレッカーが1879年に初演したのち、テオ・マッケベン (Theo Mackeben) という作曲家が改編改作を施し [Die Dubarry] とタイトルも変えて1931年に上演、その後はこの改作版で知られる様に成ったという経緯があった様です。

ジョン・ダグラス・スコット夫人(歌詞:ウィリアム・ダグラス)
 スコットランド民謡 『アーニーローリー』

Lady John Douglas Alicia Scott (Lyrics by William Douglas)
 Scottish folk song "Annie Laurie"

1838年
   ピアノのスタニスラフ・ブーニン、 フジコ・ヘミングなど突然クラシック界からレコード・CDの売り上げベストセラーが出てブームに成ることが何度かありましたが、シンガーの中でも、キリ・テ・カナワが`80年代前半にブームが起こっていました。
 ブームに乗った形には成ってしまいましたがその当時ブーニンは二作、ヘミングは三作のアルバムを購入していました。ただ、カナワさんのはオペラ全曲盤数種と別に単独アルバムはゆうに十作を超えて購入しています。クラシック界ではアンナ・モッフォに次いで購入数が多いシンガーですが、やはりソプラノ・ヴォーカルは清々しさがどこかに潜んでいて惹かれます。
 そのカナワの一作に英国圏民謡集が有り、この有名な曲も歌われています。日本の鮫島由美子さんなどもロシアの民謡集を出したりしておられますが、ソプラノの声域によく合っています、女性が歌う古き良き時代の民謡や唱歌には母親の子守歌の様な安らぎを感じる曲が幾つも有ります。(そういえばカラスやモッフォ同様、カナワのEMI音源にもAngelマークが付いていました)

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
 歌劇 『リナルド』 第二幕より 「私を泣かせてください」

Georg Friedrich Händel
 Opera [Rinaldo]  Atto Ⅱ "Lascia Ch'io Pianga"

原曲1705年 初演1711年
   ヘンデルはJ.S.バッハと同年生まれでバロック音楽界代表する作曲家。 ヘンデルは旧東ドイツ内で生れてやがてイギリスへ拠点へ移しイギリスに帰化した人ですが、このオペラはイギリスで最初に好評を得たオペラ(原語は伊語)だったということです。アルミレーナ役のソプラノ歌手が歌うこのアリアは移住前に作ったオペラ内のアリアの再利用曲だと記されています。再利用したくなるほどに美しいメロディーを持っていて高音の美しいソプラノ歌手が歌うにはにピッタリの曲です。

KLAVIERMUSIK (PIANO MUSIC)

ピアノ曲
 クラシック音楽全般でソリストが多いのはピアノとヴァイオリンでしょう。わたしは擦弦楽器であるヴァイオリンのソロはそう好きではありません。好きなジャズ・ジャンルでも好きなピアニストは多く居ますが、ヴァイオリニストではジャン・リュック・ポンティ位しか知りません。
 ピアノの音の方が断然好きなのです!
ただ、盤の購入前に知らないピアノ楽曲の事を知ろうと調べだしても、解説の多くは「弾き方の難易度評価や弾き方の手引き」が主なのには驚きです。
 ピアノ楽曲盤の購入者は、ピアノ練習者ばかりだとも思われている様でした。
また、ピアノの発表会や若い女性ソリストが、半分ほどの割合でウェデイング用に似たストラップレスドレス着用姿の演奏を見かけます。「晴れの舞台で正装を」の気持ちは判りますが、この風習もピアノが習い事、技術取得楽器の一面を持っている証でもありそうだと感じます。
 

アレクサンドル・ニコラエヴィチ・スクリャービン
 『3つの小品(エチュード) 作品2-1 嬰ハ短調 』

Александр Николаевич Скрябин (Aleksandr Nikolaevich Skryabin)
 3 Pieces, Op. 2: No. 1. Etude in C-Sharp Minor 

1886年作
 ロシアの作曲家らしく甘い旋律の中にもどこかに民族的な哀愁を感じる部分もありまた可愛い部分も感じ取れます。スクリャービン14歳時という極々初期の作品だということですが、後年作風が変わっていく前のスクリャービンの初期はロマンティックです。この時期の作品録音盤はかなり少なめです。

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
 「四季」−12の性格的描写  6月「舟歌」 Op.37bis ト短調

Пётр Ильич Чайковский (Pyotr Ilyich Tchaikovsky)
 Les saisons - 12 Morceaux caracteristiques No.6 "Barcarolle" g-moll 

1875−76年作
 ロシア国民楽派とは一線をなすチャイコフスキーですが、この哀愁を帯びた旋律は妙に民族的な部分をかもし出し心に染みてきます。バレエ音楽で有名な作曲家ですが、このピアノの小品は有名なバレエ曲よりも感動を受けました。

ニコライ・メトネル
 ピアノ・ソナタ  ホ短調 「夜の風」  作品25-2 第2楽章

Николай Карлович Метнер  (Nikolai Karlovich Medtner)
 Соната ≪Ночной ветер≫ e-moll, op. 25-2 2

1910〜11年

 

 ロシアの作曲家が続きますが、ロシア・チェコ・ポーランドなどスラブ民族系の作り出す旋律には独特の哀愁感があり何故か惹かれます。この作品は20世紀に入ってからの作品ですがメトネルは19世紀中に少しの作品発表を行っていますので入れました。
 英題で「Sonata In E Minor (The Night Wind)」と表示されている方が多いのですが、まだ知名度の低い作曲家ですので録音盤も少なく、有っても《忘れられた調べ》《おとぎ話》などロマンティックなタイトルの小品シリーズが多い感じです。この「ピアノ・ソナタ ホ短調 夜の風」は2楽章からなりどちらもが概ね15分以上の曲なので結構発売数が少なめ楽曲です。第一楽章の方が嵐の感じが出て印象的なのですが、淋しさを感じる第二楽章の方がわたしは好みです。 

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベン
 アンダンテ・ファヴォリ  ヘ長調 WoO.57

Ludwig van Beethoven   Andante favori F-Dur WoO.57

1803年
 元々は、「ピアノソナタ第21番 ハ長調 作品53 Waldstein」第二楽章用として作られた曲だったとの事です。第二楽章は差し替えられてこの曲が独立した曲として出版されて人気を博したと知れ渡っています・
 可愛くて親しみを持てる曲で、厳格なイメージのベートーベンからロマン派的な部分を感じます。

ロベルト・アレクサンダー・シューマン
 子供の情景 作品15 第7曲 トロイメライ ヘ長調

Robert Alexander Schumann   Kinderszenen "Träumerei" F-Dur Op.15-7  

1838年
 大人に成った立場から子供時代の事を表現した詩的な小品13曲からなる「子供の情景」の7番目曲「トロイメライ」。ベートーベンの「エリーゼのために」同様オルゴールの音色などにも使用される有名曲です。 聴くだけで何故か懐かしさを感じる不思議なメロディー、不滅の旋律でしょう。
 ただ、この曲のいくつかの演奏シーンの映像を見たりしますが、演奏者が自身の演奏に酔っているかの様な仕草に成っている姿を見ることもあります。感情注入状態なのかもしれませんが、個人的にはその姿を見るのは好きじゃないです。

フランツ・リスト 
 『パガニーニによる大練習曲』第3番 嬰ト短調 Allegretto 「ラ・カンパネラ」

Franz Liszt (Liszt Ferenc)
 Große Etüden von Paganini  Nr. 3. gis-Moll "la Campanella" S.141 R.3b

1834年出版 (1921-32年作曲)
 この『ラ・カンパネラ』という曲、日本ではフジコ・ヘミングさんの演奏で急に知られるようになったと記憶しています。その後いろいろな人の演奏で聴くようになりましたが、弾く人によってその数だけの『ラ・カンパネラ』が存在していると感じます。悲しげに感じるものや可愛く感じるものなど種々ですが、つまらない演奏には出会わない妙な曲です。
 リストはニコロ・パガニーニのヴァイオリンを聴いて技術至上主義に変貌したとの事ですが、リストの銅像を写した写真画像を見た時、その風貌から「なるほどね」と感じました。

ジョン・フィールド  夜想曲 第一番 変ホ長調
John Field  Nocturne No.1 E flat major

1912年作
   ノクターンの始まりと言われている曲だそうですが、夜のイメージより、休日の長閑な朝を感じる温かさ・優しさを持って曲です。ジョン・フィールドという作曲家は馴染のない人でした、ピアノ小品のコレクション・アルバムにひっそりと収められていた事で知り、ジョン・オコナーというピアニストのフィールド集 "15 Nocturnes" で多くの夜想曲を知りました。ピアノの音の良い部分を味わえます。 ショパンも影響を受けた人だそうです。

フェリックス・メンデルスゾーン  無言歌集
 第二巻 作品30-6番 嬰ヘ短調、アレグレット・トランクィロ  《ヴェネツィアの舟歌 第2曲》
 第五巻 作品62-イ長調、アレグレット・グラツィオーソ 
《春の歌》  
Felix Mendelssohn  Lieder ohne Worte
 Heft 2 op. 30 (MWV SD 9) op.30 Nr.6 Allegretto tranquillo fis-Moll Venetianisches Gondellied
 Heft 5 op. 62 (MWV SD 29) op.62 Nr.6 Allegretto grazioso A-Dur

30-6 (作曲年不明), 62-6 (1842年作)
  「詞の無い歌」と題されたピアノ独奏作品集でメンデルスゾーンのピアノ曲では有名な作品集。全部で48曲を6曲ずつに分けて前八巻として出版されています。(作曲順と巻数は一致していない模様) 
ピアニスト達による録音曲でよく見かけるのは第五巻の曲が多いと思います。《ヴェネツィアの舟歌》と題された曲も第一巻、第二巻、第五巻の三つの作品集の中に選ばれていますが、すべて短調で寂しげな曲です。
三曲とも好きですがこの二曲目のがわたしは一番好きです。
 《春の歌》は反対に明るい曲で、人気曲です。ロマン派に分類されている人ですが、生きた時代はベートーベンと重なっている人、この曲も古典派タイプの曲調に思えます。

モーリス・ラヴェル
 夜のガスパール - アロイジェス・ベルトランの散文詩によるピアノの為の三つの詩、[絞首台]

Maurice Ravel
 Gaspard de la nuit - 3 Poèmes Pour Piano D'après Aloysius Bertrand "Le gibet"

1908年作
   ラヴェルがアロイジェス・ベルトランという詩人の詩集から三篇を選びピアノ曲に仕立てた曲、『夜のガスパール』。最初は『夜のバスガール』 と覚えてしまっていました。バスガイドではなくバスガールという言葉は、ワンマンバスが当たり前の時代の今や完全死語化していますので、モロ"昭和中期人"丸出しです。
 ガスパールとはフランスで男性の名前に付けられているとの事、ルイとかラファエル、ガブリエル辺りに比べると聴きなれなかったので少数名では?と感じてしまいます。
 この曲集、三曲から成るのですが、バスガイドのイメージからは程遠く、言いようもなく暗くしんみりとした曲ばかりです。これがヴァイオリン演奏ならすすり泣く感じで悲しさ絶頂感が出てしまうのでしょうが、ピアノなのでそこまで寂しさ・悲しさ感を感じません。むしろ悲しさで取り乱した精神状態を落ち着かせてくれるような感じです。
 わたしは三曲の中で特に印象深く感じているのが2曲目の「絞首台」と題された曲です。今のところ、一生のうちでどうしようもない悲しみを味わったのは一度しかありません。(親の死の際は数年間の闘病で徐々に覚悟を持てました)
 その様な時に聴くと心に染み入ります。(反対に気分が良い時には退屈に聞こえるでしょう‥その様な曲です)
 ただ、 「突然、家族を交通事故などで殺された」という様な悲惨な悲しみの最中ではどうなるかは・・・?思いも付きませんが。
 私的には特別で異種のピアノ曲、今後楽曲を書き足していってもこの項でのラストに置いておくつもりです。


CHAMBER MUSIC

室内楽
 オーケストラ用音楽からクラシック音楽への関心を抱いた者ですので、室内楽は好んで聴く方ではありません。持っているクラシック盤の中で極端に少ないジャンルです。
 個別に知る機会は超有名曲で一度は聴いておこうと思った場合、もしくは関心あり曲で買った盤に同時収録されていた場合くらいです。

フランツ・シューベルト
 弦楽四重奏曲第14番 ニ短調  第四楽章、第二楽章 『死と乙女』 D 810

Franz Schubert
 Streichquartett D-Moll  4-Satz、2-Satz D 810  "Der Tod Und Das Mädchen"

1826年
 「死と乙女」というタイトルが気になって出会った曲です。協奏曲作曲の際に死を覚悟したシューベルトが以前に作っていた歌曲の「死と乙女」のフレーズを第二楽章に導入したとの事。30代で亡くなった作曲家はモーツァルトやビゼーも居ますがシューベルトは31歳という最も短い有名作曲家です。この第二楽章はその「死を覚悟した」という想いと見つめ合いながら前半を聴くと染み染みとしてしまう楽章です。切ないながらも美しい旋律です。
 ただ、後半は若干明るい部分も感じられます。
 そして更に前向きな気にさせてくれる第四楽章の明るさが耳に残ります。好きなのは第四楽章ですが、そのあと第二楽章に聴き戻るとダメです。
 シューベルトはこの曲完成の後2年目に亡くなりました。

ロベルト・アレクサンダー・シューマン
 ピアノ5重奏曲 変ホ長調 作品44 第四楽章、第一楽章

Robert Alexander Schumann 

 Quintett für Klavier und Streichquartett Es-Dur op.44-4. Allegro ma non troppo、op.44-1 Allegro brillante

1842年
 シューマンは交響曲も残していますが、基本ピアノを中心とした小曲と歌曲が多く、ピアノの使い方の上手な作曲家だと思います。ショパンとは同年代で会う事もありお互いを認め合っていた様ですが深い繋がりに迄は至っていなかったようです。
 このピアノ五重奏曲作品44は、彼のピアノ四重奏曲よりも有名で録音数も多いようです。
4楽章ありますが個人的には4番目の楽章の奏でるピアノの旋律が気にっています。第一楽章にも同じ旋律がかなり優雅に成って使われています。