それに比べて女性のブルース・ギターリストというのは長年極々少ない存在でした。 メンフィス・ミニー、シスター・ロゼッタ・サープといった二人の今やほぼ伝説のブルース・シンガー&ギターリスト以降はブルースを歌う事を職にする女性すら減ってきている感じです。人気を博しても大国アメリカのごく一部の地域だけのもので生活は苦しかったのでしょう(広く全米中に知られる様に成ったのは相当のちのこと)。 そして、黒人がブルースを歌う事自体が職として成りつつあった`60年代後半から`70年代前半のブリティッシュ・ブルースブームの際は、かなりの頻度で海を渡ったりツアーをこなしたりすることが増え、女性には厳しい待遇だったと想像できます。 世に出たブルース・ミュージシャンの九割以上は男性で憧れられたのはRobert Johnson、Muddy Waters、T-Bone Walker、Elmore James 等のレジェンド達。 そして彼らに魅了された白人のミュージシャン達がブルース・ブームをけん引していったのですが、その中でもJ.メイオール、P.グリーン、ベック、ペイジ、クラプトン、M.ブルームフィールド・・・などギター・プレイヤー達が主でした。この時代は男性ギターリストばかりでしたが、この白人たちがけん引したブルース・ロック時代の音楽に惹かれた人たちの中から数名の女性ギターリストが生まれてきています。 Debbie Davis、Deborah Coleman、Joanna Connor、Ana Popović、Erja Lyytinen、Kelly Richey、Becky Barksdale、Joanne Shaw Tayler、Susan Tedeschi、Sena Ehrhardt、Sue Foley わたしが手にしたアルバムの女性ブルース・ギターリスト達です。 その様なブルース・ギターに魅かれた女性ミュージシャン達の中から、わたしが好んで作品を追い続けた人たちのアルバムを記していきたいと思い始めます。
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Debbie Davies |
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デビー・デイヴィーズは1952年4月22日米国カリフォルニア州の大都市ロサンゼルス生まれ。音楽好きの両親 (父親はプロのシンガーだったらしい)
のおかげで10代初めでピアノや楽器を覚えており、17歳頃に起こった例のブルース・ロック創世期にエレキギターに転向した様です。好きなギターーリストとしてテキサス・ブルースマンのアルバート・コリンズ、フレディ・キングの他にジャズ・ギターリストのケニー・バレルの名を挙げています。 10代でエレキ・ギターを始めながら本格的なプロ始まりは32歳でジョン・メイオールの奥さんがリーダーになるバンドへの加入が最初だったということです。その後、大御所アルバート・コリンズにも認められ、後にバンド・メンバーにも一時期成っています。1990年ジョン・メイーオールのアルバム『A SENSE OF PLACE』でレコーディング初参加、自身名義でのソロ・デビューは41歳の時1993年9月発売の『PICTURE THIS』が最初でした。 ブルース界最高峰の賞、[Blues Music Award (2005年迄は W. C. Handy Award 名義)] で1997年、2010年の二度 Female Artist 部門で受賞しています。 育った環境は中流階層の上の方で、米国ホームドラマの殆どに登場してきそうな憧れの家庭といった様子でしょうか?デビーの容姿も少女時代は可愛く、年と共に普通のおばさま風貌に成って行く感じです。 ソロ・デビュー作『PICTURE THIS』には恐らく最初のギターだと思われる塗装剥がれのストラトキャスターが移っています。個人的にはロリー・ギャラガーやスティーヴィー・レイ・ヴォーンを浮かべました。この後のアルバムにもたびたびストラトと一緒に移った写真が使われていますのでストラト愛好家だという事が判ります。 録音はサンフランシスコに在る Hyde Street Studios。西海岸のレーベルですがモロのブルース・サウンドです。1、3、5、11曲目の4曲がデビーのオリジナルです。ソロデビュー迄長年ライヴで鍛えただけあってギター・フィーリングは抜群で黒人ブルースマンと区別はつきません。4曲目の "I Wonder Why" のみアルバート・コリンズが参加して中間のギター・ソロ部分でフィーチャーされています。 声質はドス(凄み)が効いた男性声質ではなくまぁまぁ女性らしい声質ですが、唱法はギタープレイ同様にブルース・フィーリングを持った人です。ドン・ニックスやドニー・フリッツなど白人ながらサザーン・ソウル・シンガーたちに曲を提供しているライター達の曲を選んだのもわたしの注目したところです。 発売元のBlind Pig レーベルは今ではブラック・ミュージック専門のレーベルとして有名ですが`80年代だったかに初めてこのレーベル・マークを見たレコードは海賊盤だと思ったほどにそれっぽいマークのレーベルでした。似たようなロゴの海賊版を見た事が有った様な無かった様な・・・ セカンドは『LOOSE TONIGHT』、2〜5、7、8、10と7曲がオリジナルです。"You Were Wrong" はテキサスのソウル系ブルース・シンガー Z.Z.ヒルの曲。 カバージャケットの裏側に「This album is dedicated with love to the memory of Albert Collins」と記されています。デビーを育ててくれた恩師アルバート・コリンズは`93年11月24日にガンで亡くなっていました。アルバート・コリンズはスティーヴィー・レイ・ヴォーンも多くの影響を受けたテキサス・ブルースマンですが、デビーも白人ながらシカゴ・ブルース系寄りでなくテキサス・ブルース寄りのスタイルで演奏、そしてこの後も貫いている感じです。アルバム全体ではファーストより若干こじんまりした感じでしょうか。プロデュースはPaul Opalach という人で以後のアルバムでもほぼ同じ人がクレジットされています。 『I GOT THAT FEELING』、前二作は西海岸での録音でしたがこのアルバムはメンフィスにある2箇所のスタジオで録音されています。サポートミュージシャンが違うのでスタイルに変化ありきと思いきやあまり気にはなりませんでした。探し出してみるとなるとメンフィスなのでソウルっぽく成りそうにも思いましたがそうではなくて若干ロックっぽさを感じたことくらいです。 タイトル・ナンバーでもある "I Got That Feeling" にはアルバート・コリンズやジョン・メイーオールとなじみが深いブルースマン、 ココ・モントーヤ(Coco Montoya)という人が一緒にヴォーカルやギターで共演しています。また、"Let the Heartaches Begin"では後にアルバム共演するタブ・べノイトが参加しています。 |
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PICTURE THIS 1990 Blind Pig Records BPCD-5004 (USA) 1. Picture This 2. Don't Take Advantage of Me 3. 24 Hour Fool 4. I Wonder Why (You're So Mean to Me) 5. Livin' on Lies 6. Better off with the Blues 7. Sidetracked 8. Lovin' Cup 9. Buzz Me 10. San-Ho-Zay 11. How Long Till I Win Your Love 12. Going Back to Iuka |
LOOSE TONIGHT 1994 P-Vine OCD-3397 (Japan) 1. I Don't Want No Man 2. Wrong Man for Me 3. Where the Blues Come to Die 4. Give It Up 5. Can't Go on This Way 6. You Were Wrong 7. This Man Is Killin' Me 8. I Get the Blues So Easy 9. I Like the Life 10. A Mother's Blues 11. You Don't Know What You're Doing |
I GOT THE FEELING 1977 Blind Pig Records BPCD-5039 (USA) 1. Howlin' at the Moon 2. Tired Angels 3. I Got That Feeling 4. Watch Your Step 5. Let the Heartaches Begin 6. Lucky in Love 7. Bad for Me 8. Where You Keep the Love in This Town? 9. Rockin' You Baby 10. Homework 11. Talk to Me 12. I Could Get Used to This |
『ROUND EVERY CORNER』、ニューヨーク州、ブロンクスビルにあるスタジオでの録音アルバム。今回は明らかに雰囲気の違うスタイルです。"Who'll Stop the
Rain" はクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのナンバーですし、Don Castagno が書いたアルバム用のオリジナルながら
"Time Work Your Magic" はまるで`60年代後半のボブ・ディランの曲?だとも思えそうな感じです。 タイトル・ナンバーもその頃の時代のディラン風です、作者は P.Cebar とクレジットされていますが知らない人でした。 "Scratches" もドン・カスターニョの作でブルース調ながらギターアレンジはかなりジャズっぽいです。本格ブルースはリトル・ウォルター がウォルター・ジャコブス名義で書いてトラディショナル化している "Blue & Lonesome" でこの演奏は素晴らしいです。デビーのヴォーカルも他曲より渋い感じで妙に合っています。この選曲はやはり前作迄と違ってテキサスから離れている感じですリトル・ウォーターは Chess/Checker でレコーディングしていたモロのシカゴ・ブルースマンでした。ラストの "Backseat Driver" はデビーのオリジナルですがギター・プレイ共々サウンドはシカゴ・ブルース系のブルース・ロックです。曲自体はかなり気に入っています。 『GRAND UNION』というタイトルでで出された Grand Union というユニットでの和気あいあいなセッションアルバムです。アンスン・ファンダーバーグ (`54年生まれ)、オーティス・グランド (`50年生まれ) とほぼほぼデビーと似た年代の白人ブルース・ギターリストとのユニットです。ブックレット中には少年少女時代のギターを抱えて撮った写真と共に多くのギター写真が掲載されています。デビーが珍しくレスポールタイプを抱えた写真が裏にもありました。バックはThe New All American Rhythm Section と記された様々なミュージシャンがリラックスして演奏しています。少年少女時代にギターとブルースに熱中した者通しが集まっての同窓会的雰囲気のセッションです。ギンギンに弾きまくったりする曲は無く、ふと`50年代後半のNY52番街のジャズスポットってこの様な感じだったのでしょうね・・・と思ったりしました。 『HOMESICK FOR THE ROAD』前作同様男性二人のギターリストと一緒に作ったアルバム。少し違うのはセッション風でなく一応一曲一曲が別々に計算されて録音されているような感じです。Cの発売元がクラシック系の音質に拘っていることで有名な Telarc のブルース用サブ・レーベルからの発売となりました。録音地もルイジアナ州のバトン・ルージュとメイン州の (オレゴン州ではなく) ポートランドでの録音できっちりとブルース・ギターの醍醐味を聴く聴衆者たちに伝わってきます。デビーたちもこの様な演奏を青春時代に聴いてブルースに魅かれたのでしょう。タイトル通り「あの時代に戻り今を見直しましょう」と云った感じの演奏でしょうか? 相棒たちはタブ・べノイトとケニーニール。 リズム陣は前作の様な大所帯勢ではなくオルガン、ベース、ドラムスが付き合っているだけです。一曲ルイジアナ・ブルースマンのラフル・ニールがヴォーカルとハモニカで参加しています。録音もバトン・ルージュという事も有り多くの曲にルイジアナ・ブルースの曲調を感じます。目新しさは有りませんがギター・ソロの聴き物も有りました。ラストのタイトル・ナンバーは『ROUND EVERY CORNER』でディラン風の曲を書いたと記したドン・カスタニョが書いたオリジナルでブギ風のオールド・ブルースでした。 |
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ROUND EVERY CORNER 1998 Shanachie SHANACHIE 9010 (USA) 1. Sittin' & Cryin' 2. Homework 3. Who'll Stop the Rain 4. Time Work Your Magic 5. Scratches 6. Blue & Lonesome 7. Such a Fine Man 8. 'Round Every Corner 9. Little Sister 10. Room with a View 11. A.C. Strut 12. Backseat Driver |
GRAND UNION Anson Funderburgh, Otis Grand, Debbie Davies 1999 (first released 1998 in UK) Valley Entertainmen VE 15030-02 (USA) 1. Guitars on Fire 2. There Was a Time 3. Holding You Up for Love 4. The Things I'd Do for You 5. Bone Tones 6. I Got Eyes 7. Don't Talk about Me 8. Westside Bossman 9. Tc Blues 10. Rockin' Daddy 11. Country Girl 12. A Little Too Late 13. The Big Prayer |
HOMESICK FOR THE ROAD Tab Benoit, Debbie Davies, Kenny Neal 1999 Telarc Blues CD-83454 (USA) 1. Deal with It 2. Down in the Swamp 3. Bop 'Til I Drop 4. So Cold 5. I Put a Spell on You 6. Money 7. Luberta featuring Raful Neal 8. I Can't Afford My Self 9. I've Been Mistreated 10. Night Life 11. Still Called the Blues 12. Homesick for the Road |
『TALES FROM THE AUSTIN MOTEL』久しぶりに初期愛用のストラトと一緒の写真がカバーのアルバムですが、ストラト同様デビーはキャスケットタイプのキャップが好きらしくよく一緒に写っています。自動車社会の米国ではモーテルは一般的ではあるのでしょうが何やら意味深なタイトルです(StoriesじゃなくTalesだし)。 殆どの曲はオースチンで録音されている様で内容はどっぷりのブルースです、アルバート・コリンズとスティーヴィー・レイ・ヴォーンに捧げると記されています。サポート・メンバーにSRV亡きあとの Double Trouble のトミー・シャノン(ベース)、クリス・レイトン(ドラムス)がフィーチャーされています。 数曲はブロンクスビルでの録音らしい・・・"Atras de Tus Ojos (Behind Your Eyes)" でしょうか? タイトルもスペイン語風でこの曲のみがブルースからかけ離れて日本人が作曲するようなマイナーな哀愁を帯びた曲です(デビー作ですが)。(DetrásでなくAtrasです) デビーのオリジナルも多い (7曲) のですがウィリー・ディクソンの曲が2、5、12と3曲も選ばれています。 『LOVE THE GAME』ゲストにデュ-ク・ロビラード、J・ガイルズといったロック畑の人の名も見つかるアルバムです、そしてトップのタイトル曲はごくごく初期のブルース・ロック風で始まりその後2曲も同系統です("Fired Up"はインスト)。 ベースにアラン・J・ヘイガー、ドラムスに曲の提供を受けているドン・カスタニョをこの頃の固定メンバーとして活動していた様です。ドン・カスタニョという人、種々のタイプの曲を作る感じです。このアルバムでも四曲と一曲をデビーと共作していますが、"She's Takin' Notes" などは泣きのギターを入れるなどクラプトンが好みそうな曲です。 "Down in the Trenches" は完全な本格ブルースでデビーのオリジナルです。この曲は良いです、わたしのベスト。"I'm Just Your Fool" はまたもや日本人が作りそうなメロ構成で、ポップ調和製ロックでしょうか?デビーの曲です。 『KEY TO LOVE』この企画アルバムは大歓迎です。そして、彼女のアルバム中でも良く聴くアルバムです。 デビーの原点でもあったブリティッシュ・ブルースの大御所、ジョン・メイオールの曲を主体に構成演奏しています。12曲中9曲がメイオール作、2曲がデビーの曲 (5,12) 、そして残りの "Steppin' Out" はメンフィス・スリム ( L.C. Frazier) が書いたインスト・ナンバーでメイオールのバンドにクラプトンが在籍時の際レコーディングして有名になった曲です。デビーも当時のクラプトンにも負けていないギター・プレイを披露しています。 メイオール門下生のピーター・グリーン (11) とミック・テイラー (3) も参加しています。この2曲は全曲中でも特に素晴らしいです、デビーの声もピッタリハマっています。オリジナルも本格ブルースで気分良いです。他、大御所ではジェイムス・コットンがハモニカで2曲参加しています。 |
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TALES FROM THE AUSTIN MOTEL ∼ Featuring Chris Layton and Tommy Shannon∼ 1999 Shanachie 9019 (USA) 1. Just Stepped in the Blues 2. I Want to Be Loved 3. Bald Headed Baby 4. Watch Out What You Do 5. I Just Want to Make Love to You 6. As the Years Go Passing By 7. I'm a Woman 8. Half Caf-Decaf 9. Atras De Tus Ojos (Behind Your Eyes) 10. When You Were Gone 11. Percolatin' 12. Walking by Myself |
LOVE THE GAME 2001 Shanachie 9030 (USA) 1. Love the Game 2. Can't Live Like This No More 3. Fired Up 4. Down in the Trenches 5. Worst Kinda Man 6. Can't Fin the Blues 7. Was Ya Blue 8. I'm Just Your Fool 9. Leading Me Home 10. Funky Little Teapot 11. She's Takin' Notes 12. Keep Your Sins to Yourself 13. Grow Up, Grow Old |
KEY TO LOVE : A Celebration Of The Music Of John Mayall 2003 Shanachie 9034 (USA) 1. Light the Fuse 2. Chicago Line 3. Hard Road 4. Room to Move 5. Takin' It All to Vegas 6. Dream About the Blues 7. Key to Love 8. I Should Know Better 9. I'm a Sucker for Love 10. Steppin' Out 11. Nature's Dissappearing 12. I Just Came to Play |
『ALL I FOUND』、2004年後期、5年ぶりにメイン州 ポートランドでの録音で6年ぶりに Telarc Blues からの発売です。曲はデビーとドン・カスタニョが共作も含みふたりでほぼ半々を担当、ドンはドラムスではサブに回りメインのドラマーはジェイムス・コットンのバンド・ドラマー、パー・ハンソン(Per
Hanson) が叩いています、ベースも同バンドのノエル・ニール(Noel Neal)。"Evidence"は曲自体も良いですが、デビーのギターソロがやけに耳に残るほど
[かっこ好い] です、ライブでは盛り上がりそう。"All I Found" はスロー・ブルースでいわゆる「泣きのギター」好きにはにんまりな曲でしょう。5曲目、6曲目のデビーの声はやたら幼く聞こえてしまいポップス風な出来でした。"So
What"はインスト曲、アーサー・ニールソン (Arthur Neilson) というギターリストとソロを分かち合っています。前半の4曲と後半の7曲と比べたら、後半は半分以下の好感性しか持てません。 『BLUES BLAST』、前作に続いてTelarc Blues からの発売、ベースがロッド・キャリー(Rod Carey) という人に変わっています。ギターにアルバート・コリンズやジョン・メイオールとの共演もありデビーの『』にも参加していたココ・モントーヤ(Coco Montoya)が数曲で参加しています。 トップはインスト曲でまぁまぁ良い感じです。2曲目はオールド・ブルース風、ここでのデビーの声質は渋みがあり良いです。前作後半の曲の声質は妙でかなり可愛く優しく聞こえていました。"Movin' & Groovin'"はチャーリー・マッスルホワイト(Charlie Musselwhite) のオリジナルでヴォーカルも彼が担当しています。チャーリーはミシシッピ州生まれた歌手兼ブルースハープ奏者、デビーの一世代前のベックやクラプトン達の世代、白人ながらシカゴ・ブルース界では知られた人でした。曲はジャンプ・ブルースでジャズの雰囲気たっぷりのなかなか良い感じの曲です。 "Crawling King Snake" はジョ・リー・フッカー、"Howlin' For My Darlin'" はウィリー・ディクソンのそれぞれ有名曲で2曲ともヴォーカルはタブ・べノイト(『HOMESICK FOR THE ROAD』で共演)で " Like You Was Gone" も彼のヴォーカル。ラスト曲は超スローなブルース・インストなので本作は2、3、8の三曲しかデビーのヴォーカル・トラックはありませんでした。ただこのカバーデザインは色使い、カメラアングル(レンズの選び方)、フォント選びなどのすべてがわたしのお気に入りです。 『HOLDIN' COURT』、前作と相反しどうも好かないカバーデザインです(欧州王室時代の貴族嬢風女性がギターを持っている)。レコード会社も変わっています。録音地もコネチカット州のシェルトン(お金持ちが多いイメージ)。そしてヴォーカルは一曲も含まれていないオール・インストゥルメンタル・トラックです。ジョン・リー・フッカーの "I Wonder Why" はオリジナルでなくオーティス・ラッシュのアレンジ・ヴァージョンです。オーティスやバディ・ガイなどわたしも単独ページを作っているくらいにブルース・ギター好きには(テキサスやシカゴなどの土地柄サウンド抜きに)たまらないレジェンドです。 デビーのギター・テクニックを堪能できるアルバムですが、重ね重ねにカバーデザインが気に入りません、デビーと何度も組んでいるプロデューサー Paul Opalach のデザインらしいです。 |
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ALL I FOUND 2005 Telarc Blues CD-83626 (USA) 1. Made Right in the USA 2. One More Time 3. Evidence 4. All I Found 5. Troughin' 6. I Won't Be Your Baby Too Long 7. So What 8. Comfort Zone 9. Every Breath I Take 10. Trying to Keep It Real 11. What Do You See in That Girl |
BLUES BLAST 2007 Telarc Blues CD-83669 (USA) 1. A.C. Strut 2. My Time After Awhile 3. Sittin' and Cryin' 4. Movin' & Groovin' 5. Crawling King Snake 6. Howlin' for My Darlin' 7. Like You Was Gone 8. Where the Blues Come to Die 9. Sonoma Sunset |
HOLDIN' COURT 2009 Little Dipper Records LDIP-001 (USA) 1. Fishnet 2. Down at the Honky Shack 3. Tryin' to Keep It Real 4. Okie Dokie Stomp 5. Percolatin' 6. So What 7. Atras de Tus Ojos 8. Holdin' Court 9. I Wonder Why (Blues in D Natural) 10. If You Love Me Like You Say 11. Zoom-in' |
『AFTER THE FALL』、デビーは2010年に手を怪我したという事で、一時期は引退か?と噂されたこともあった様ですが、復活作としてのアルバムに成ります。輸入盤ですが紙一枚の片面のみに日本語解説を付けた<日本盤仕様>としての販売です
(BSMF レーベル)。`70年代後半の記事だったかで純ブルースのレコードを国内プレスして発売するときは第一プレスで4000枚位だと書いてあったことを覚えています。再プレスすることが少なかったので日本のブルース好きは4000人未満程だったのだと思います。その後、新しいファンはそう増えていない様なので、今やブルース・ミュージシャンのCDを国内でプレスするのは厳しいのでしょうね。クラシックのCDが1万枚超えのセールスがある中、ちょっと寂しい気にもなります。 録音はニューヨークからそう遠くはないグレン・リッジ(ニュージャージー州)で作曲の相方でもあるドラムスのドン・カスタニョ以外はまた新しいメンバーの名前がクレジットされています。"Don't Put the Blame" "The Fall" はミディアムロック調で声がスージー・クアトロに思えるほど似ています。デビーの声質はいろいろ変化させる事出来るのでしょうか? "True Blue Fool" はソウルフルなバラードでメンフィスの香り。"Done Sold Everything" "Little Broken Wing" もブルースっぽさはなく`50年代後半のニューオリンズR&Bっぽい感じ。"All of my Forgiveness" はしっとりと歌うタイプのオールド・ブルースの雰囲気を持ちながらギター・ソロの部分のみモダン・ブルース的に変化しています。"Goin' to a Gaggle" はおとなしめのジャンプ・ブルース。ギターソロの部分でホッコリします。 "I'll Feel Much Better When You Cry" はソロ・デビュー時に演奏していたようなブリティッシュ・ブルースマンたちが演奏しそうな曲です。60歳になったデビーですがこういう曲の懐かしいギター・ソロはたまらないです。 "Down Home Girl" ありふれたタイトルながらオリジナルでタイトル通り素朴なカントリー・ブルースで続くブギースタイルの "R.R. Boogie"(インスト・ナンバー) との対比が目立ちます。ラストは`50年代ミュージカル・ソングを思わせるジャズっぽさを持った曲で終わります。一枚でアメリカン・ミュージックの種々スタイルの要素が入っていた感じです。 『LOVE SPIN』、2009年のオール・インスト・アルバム『HOLDIN' COURT』同様のレーベルからで録音も同じコネチカット州のシェルトンにあるスタジオです。妙ちくりんなカバーデザインでなくて良かったです。 トップはソウルっぽい雰囲気ながらギターはブルース・ロック調のアップテンポナンバー。タイトル・ナンバーはセカンドアルバム以降アルバムプロデューサーとして名を連ねて来たポール・オーパラッチがLap Steel というギターを弾いていますが絡むデビーのギターは良い感じです。 (ポール・オーパラッチは他の曲でもオルガンなどを弾いています) "Let The Heartaches Begin " はテリー・ハンク (Terry Hanck) というブルース・サキソフォニストがサックスとデュエット・ヴォーカルで参加、古き時代のジャズの雰囲気たっぷりで良い感じの曲に仕上がっています。 "It's All Blues" カントリー・ブルースタイプの曲ながらギター・ソロが入ると急にモダン・ブルースを感じます。このアルバムでは2曲が他の人の曲で "Talk Real Slow","A Darker Side of M"ですが前者の方は白人ブルースマン Lenny McDaniel 作、地味で渋い曲ですが妙に味わいのある曲です、好きなサザーン・ソウルっぽい雰囲気だからなのでしょう。後者はスェーデンの白人ブルースマン Sven Zetterberg という人の曲、ジャズっぽい曲で、ジャズ・ヴォーカルのオムニバス・アルバムに収録されても違和感なしです。彼女のアルバムには毎回数種のストラトキャスター写真が載っていてストラト愛が感じられて微笑ましいですね。 |
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AFTER THE FALL 2012 M.C. Records MC-0069 (USA) Basf BSMF-2298 (domestic editions) 1. Don't Put the Blame 2. The Fall 3. True Blue Fool 4. Done Sold Everything 5. Little Broken Wing 6. All of my Forgiveness 7. Goin' to a Gaggle 8. I'll Feel Much Better When You Cry 9. Down Home Girl 10. R.R. Boogie 11. Google Me Baby |
LOVE SPIN 2015 Little Dipper Records VT-LDIP002 (USA)) 1. Life Of The Party 2. Love Spin 3. Let The Heartaches Begin 4. Don't Change It Up 1 5. It's All Blues 6. Talk Real Slow 7. I'm Not Cheatin' Yet 8. Two Twenty-Five-Year-Olds 9. A Darker Side of Me 10. I Get The Blues So Easy 11. Way Back Home |
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Deborah Coleman |
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1956年10月3日米国バージニア州のポーツマス(Portsmouth)生れ。ポーツマスと呼ばれる都市は数箇所ありますが、彼女の生地はバージニア州です。
[Deborah] という女性名を愛称で用いると時は [Debbie] と呼ぶときも多いのでデビー・デイヴィーズに次いで同名の女性ブルース・ギターリストです。デビーよりは少し若いのですが、ブルースに興味を持った経由がヤード・バーズをきっかけとするブルース・ロックからだったと似ています。デビー・デイヴィーズは白人中流家庭の上位クラスの家庭に生まれていますが、デボラの方はというとお父さんは米海軍軍人だとか、海軍施設の中で生まれています。軍人は階級によりお給料は大きな差があるようですが、10歳未満で楽器を買ってもらい練習できる程ですので、ソコソコの家庭環境だったのでしょう。黒人の女性楽器奏者というと、ホントにごくわずかしか世に出ていないですよね。楽器自体が高価なピアノやヴァイオリン奏者などで有名人は殆ど見かけませんし、多額の教育費用を有するオーケストラ楽員ともなると更に少ない感じです。デボラには先駆者に成って欲しいです。 デボラはデビーが受賞している [Blues Music Award (2005年迄は W. C. Handy Award 名義)] に繰り返し数度ノミネートされていますが受賞経験はありません。 どちらかというとデボラの奏法には白人受けする [キレの良いフレーズのギターソロ] による派手さが少ないことでしょうか?地味なのかも知れませんが、そこが本来のブルース感を出しています。 ※2018年4月12日深夜に肺炎の為に亡くなられたそうです、61歳の若さでした。 『TAKIN' A STAND』、デビー・デイヴィーズ同様、初のソロアルバム発表はロック界・ポップス界に比べたら完全な遅咲きアーティストです。電気技師の資格を取得しながらも様々なバンドでライブをこなしながらミュージシャンとしてのキャリアを磨いていったようです。 このアルバムは New Moon Records というかなりマイナーなレーベルから出されています。ジョン・コルトレーンやセロニアス・モンクなど有名ジャズマンを生み出しているノース・キャロライナ州に拠点を置く会社の様です。全10曲中、トラックNo.1、6、10(11含む)を除く7曲がデボラのオリジナルとデビュー作にしては将来を期待されている感じはします。他人の曲のうち "Moanin' the Blues" は黒人ブルース・ギターリストのレジェンドメンフィス・ミニーの曲で選曲は当然なのかもしれませんが、 "Them Changes" はバディ・マイルスの曲、バディはジミ・ヘンドリックスがバック・バンドにと結成した [Band Of Gypsys] のドラマーだった人。ブルースというよりファンク・ロック系のミュージシャンです。ここでの演奏もファンクです。デボラのオリジナル曲はタイトル曲の "Takin' a Stand" 以外はブルースという以前に退屈さを感じます。その点 "Takin' a Stand" はブルースを感じました。 ミニーの "Moanin' the Blues" は曲も良くデボラのヴォーカルも熱が入っています。 『I CAN'T LOSE』、セカンドはデビー・デイヴィーズのファースト・ソロを出した Blind Pig レーベルから出ました。本作もデボラのオリジナルは7曲あります。そしてライナーノーツ内にFMラジオから次々と流れてくるアルバート・キング、レッド・ゼッペリン、ビリー・ホリデイ、ビートルズ等の音楽に浸っていたと記されています(おそらく`60年代後半から`70年代始めでしょう)のでジャンルに拘りなく音楽そのものが好きだったと判ります。ここでもビリー・ホリデイの "Fine & Mellow" が選ばれています。 トップはテキサス・ブルースマンレスター・ウィリアムスの代表曲 "I Can't Lose" (原曲はI Can't Lose With The Stuff I Use)、ジャズっぽい雰囲気のジャンプ・ブルースです。 "Brick" という曲はジョニー・モリセットというR&Bシンガーの曲ですが、ツイストでも踊りそうな`60年代前半の曲の感じですが詳しくは判りません。 "Fine & Mellow" はビリーが Commodore に吹き込んだ曲で元はサックスなどが入りやはりジャズっぽい雰囲気ですがデボラのヴァージョンはエレキ・ギターを上手く使いブルースに変身させています。アルバム内で一番好きです。オリジナル曲は前作より質は上がっていると感じます。2、3、10(インスト)辺りが良かったです。"Something's Wrong" にはBlind Pig に先に契約していたジョアンナ・コナーがギターで参加してソロを弾いています。ジョアンナのアルバムもほぼ持っていますのでまた記したいです。 『WHERE BLUE BEGINS』、三作目です。ファーストのアマチュア感バリバリの写真から今回はメイクもバッチリでスター性を感じる写真です。ただ、抱えているテレキャスターは Fender の低価格帯ブランド Squire 製です (`80年代`90年代は今ほどプロが使う事なかったと思います)。 シカゴのスタジオでの録音ではっきりとモダン・シカゴ・ブルース路線だと判る仕上がりです。2曲目の "Goodbye Misery" などはモダン・ブルースとして良い曲だと思いますし好きです(デボラのオリジナル)。 "Walk Your Walk" はタイトルからしてブルースらしさがありますがオールド・スタイルを引き継いだ味のある曲です。"They Raided the Joint" はルイ・ジョーダンの曲でジャンプ・ブルースと呼ばれることもありますが私的にはスィング・ジャズに感じます。"Do You Want My Love" は地味ながら聴けば聴くほど味を感じられる曲です、短い中間のギターソロもこれまた地味ですが効いています。ジョアンナ・コナーが参加した "Nobody to Blame" は平均的な出来に感じます。 |
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TAKIN' A STAND 1995 New Moon Blues NMC-9406 1. Evil Gal's Daughter 2. Missin' You 3. Don't Talk About Love 4. Takin' a Stand 5. I Believe 6. Moanin' the Blues 7. I Cry 8. What Should I Do 9. Can't Leave the Blues 10. Them Changes 11. Changes Revisited |
I CAN'T LOSE 1997 Blind Pig Records BPCD-5038 (USA) 1. I Can't Lose 2. My Heart Bleeds Blue 3. Roll with Me 4. the Man Is Mine 5. Brick 6. Fine & Mellow 7. Feelin' Alright 8. Something's Wrong featuring Joanna Connor 9. I Found You 10. My Love Belongs to You |
WHERE BLUE BEGINS 1998 Blind Pig Records BPCD-5048 (USA) 1. Love Moves Me 2. Goodbye Misery 3. Hain't It Funny 4. Travelin' South 5. The Dream 6. Walk Your Walk 7. They Raided the Joint 8. Do You Want My Love 9. On the Hunt 10. Beside Myself 11. Nobody to Blame slide guitar featured Joanna Conor |
ギターと一緒に映らないギターリストのアルバムカバーの第四作『SOFT PLACE TO FALL』、黒人特有の編込みブレイズ・ヘアーです。裏ジャケットにはきっちりとギターを抱きかかえた写真が掲載されています(ギターの裏が正面ですがテレキャスターでしょう)。 トップの "Look What You Do to Me" はPeter Smith とDanny Schoggerのコンビが書いたロック・ナンバー、妙に耳に残る印象的な曲です、2曲目、3曲目のタイトルナンバーも4曲目ブルース色は感じられません、特にタイトル・ナンバーは洗練された都会的なサウンドで`80年代 AOR系-シティポップ風サウンドです。このアルバムの録音地はナッシュヴィルに在るスタジオです!とてもナッシュヴィルのサウンドとは思えません。 5曲目にして初めてブルース・ナンバー、リトル・ジョニー・テイラーの "If You Love Me Like You Say"です。 "I'm a Woman" はR&Rレジェンド、ボ・ディドリーがブルース寄りの曲として初期に歌った曲で渋い渋い選曲でした。"Nothin' to Do with Love" はエリック・クラプトンで有名な"Forever Man" の作者でこの曲も味のあるブルース・ロックです。 『LIVIN' ON LOVE』、デビューアルバム(39歳時)のカヴァー写真と比べるとわずか6年程なのにまるっきり違う人物に見えてしまいます。前作辺りから種々ジャンルのスタイルを取り入れて来ていますが、その分幅が広がったというか演奏そのものに余裕を感じます。このアルバムの前半はソウル・ミュージック色をかなり感じます。メンフィスでの録音だと納得できるサウンドです。"Memory Lane" はデボラのオリジナルですがこの曲だけが哀愁を帯びた北欧のメロディのようなマイナー曲で心に染みます。"Happy When You're Unhappy" 以降はブルース色の強い曲が続きます。 『SOUL BE IT』、このアルバムのカバーデザインは彼女の全作の中で一番好きです。西海岸カリフォルニア州のチーコにある在る [シエラネヴァダ・ブルワリー] でのライブ録音集。メンバーはDeborah Coleman (gt, vo)、Debra "Nardi" Salyer (bs,back vo)、Jason Paul (ds)、Billy Crawford (2nd gt、except solo on tracks 3 & 8) の4人ですべての曲がグルーヴィーで最高です。デボラのベスト・アルバムで多くのこの種のブルース・アルバム内でも大好きなアルバムです。この頃精力的にライヴをこなしていたようで日本でも演奏していたようです。 |
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SOFT PLACE TO FALL 2000 Blind Pig Records BPCD-5061 (USA) 1. Look What You Do to Me 2. Confused 3. Soft Place to Fall 4. Don't Lie to Me 5. If You Love Me Like You Say 6. Another Hoping Fool 7. I'm a Woman 8. So Damn Easy 9. Nothin' to Do with Love 10. What Goes Around 11. The Day It Comes |
LIVIN' ON LOVE 2001 Blind Pig Records BPCD-5070 (USA) 1. Livin' on Love 2. You're with Me 3. Light of Day 4. Memory Lane 5. Crazy 6. Bending Like a Willow Tree 7. Happy When You're Unhappy 8. Don't Talk in My Sleep 9. Heaven's Got the Blues 10. Torn in Two 11. Deserted Highway |
SOUL BE IT 2002 Blind Pig Records BPCD-5079 (USA) 1. Brick 2. My Heart Bleeds Blue 3. Don't Lie to Me 4. I'm a Woman 5. You're with Me 6. I Believe 7. the Dream 8. Goodbye Misery Live at the Sierra Nevada Brewery |
『WHAT ABOUT LOVE?』、長く在籍していたBlind Pig からTelarc へ移籍しています。録音も東海岸メイン州のユニティという町でメンバー・クレジットはDeborah
Coleman (gt, vo)、Noel Neal (bs,back vo)、Per Hanson (ds)、Hiromasa Suzuki
(gt) 、Ken Clark (organ) と記されていますギターはヒロ・鈴木さんの事でしょう。ジャズピアニストとして有名な鈴木宏昌さんは2004年時点では亡くなられています。レコード会社の移籍が原因なのが分かるように前半部分は、かなり洗練されたモダン・アーバン・ブルースといったサウンドに変化しています。楽器にもピアノでなくオルガンが入っています、21世紀のエレクトリック・ブルースでしょうか?
"Bad Boy" のソロ部分や "Lie No Better" のサウンドなどは`70年代にジャズから派生したフュージョン・ミュージックに聞こえます。 わたしは元々ジャンルに拘らずあらゆるジャンルを聴いてきていますので、ブルース・ミュージシャンのアルバム内に入っていても意外性を感じるだけで好きになれます。曲自体は良い曲です。
"When Will I Be Loved?" はエヴァリー・ブラザースの超有名ポップ・ソングですが見事なウォーキング・ブルース・スタイルにアレンジされています。歌詞を聴くまでは気付かなかったほどのアレンジでした。 そして後半部分はブルース色、ロック色、フユージョン色などどれもが薄れてヴォーカルを聴かせるタイプの曲が並んでいます。 『STOP THE GAME』、このアルバムは録音は米東海岸中部のヴァージニア州ヴァージニア・ビーチにある Mastersound Studio で行われているにもかかわらず本国では未発売に成っている様です。ミキシングがロンドンで行われイギリスにあるJSP Records から発売されました。 イギリスからの発売らしさを感じるのはモダン・ブルースというより、ルーツがブルース・ロックから引き継いでいる様なサウンドが半分ほどです。このオールド・スタイルは21世紀のアメリカ(現時点)では受け入れられないのでしょうね。 "Motor City II" はインスト曲でこの曲のみフュージョン的な要素を感じます。"Greezy" は掛け声は入るものもビリー・クロフォードのインド風なメロをアコギで奏でているだけのほぼほぼインスト曲。あと異色なのは "Long Time" で作者はWillie Edwardsとなっていますが、ウエスト・コースト派のSSWが作るようなフォークソング風でした。メンバーは Deborah Coleman (gt, vo), Billy Crawford (2nd gt, acoustic gt), Jerome Heitman (bs), Neil Shull (ds)と成っています。 『TIME BOMB』、カナダ出身の女性ブルース・ギターリスト、スー・フォーリーとロクサーヌ・ポトビンと組み三人の名義で出されたアルバム。録音地はミネソタ州ミネアポリス、但し発売はドイツの会社 RUF レーベル。 この三人の中ではスー・フォーリーが最もセールス的にはリードしていると思います。ギターは迫力あるスタイルですが声質が若干舌足らずに聞こえてくるので私的には追いかけない人でした。ロクサーヌはまだデビュー後数年ですがギタープレイはなかなかの物ながらこの人も声がポップス向きに聞こえます。サポート・メンバーはJim Anton (bs)、 Bruce McCabe (p,organ)、 Mark Lickteig (organ, back-vo)、 Billy Thommes (ds)、 Kevin Bowe (back-vo)。タイトル・ナンバーはスーの曲で全員参加のインスト曲。あとはそれぞれがリード・ヴォーカルを分け合っていますが、デボラがやはり貫禄のヴォーカルです。ロクサーヌが歌う "Strong Enough to Hold You" はブラック・ミュージック系でなくメロの美しいバラードタイプの曲なので可愛い声がピッタリです。 尚、このアルバムわたしの買ったのはジュエルケーズ入りでなく三開きのブック型ドイツ盤ですが、日本国内仕様の盤も大阪にあるレーベル BSMF レーベルから出ていました。 |
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WHAT ABOUT LOVE? 2004 Telarc Blues CD-83595 (USA) 1. Bad Boy 2. Lie No Better 3. Undeniable 4. Can You Hear Me 5. When Will I Be Loved? 6. Healing Ground 7. The River Wild 8. What about Love? 9. Loves Like Rain 10. Lookin' for a Real Love 11. A Woman in Love |
STOP THE GAME 2007 JSP Records JSP8804 (UK) 1. I Got to Know 2. Stop the Game 3. Motor City II 4. Everlastin' Tears 5. Greezy 6. Changes 7. Long Time 8. Seven Days 9. Zero 10. Wagon Wheel |
TIME BOMB Sue Foley, Deborah Coleman, Roxanne Potvin 2007 Ruf Records RUF 1129 (Germany) 1. Time Bomb 2. Hitting on Nothing Lead Vocals Roxanne Potvin 3. So Far Lead Vocals Sue Foley 4. Talking Loud Lead Vocals Deborah Coleman 5. Strong Enough to Hold You Lead Vocals Roxanne Potvin 6. Show Me Lead Vocals Sue Foley 7. Motor City Lead Vocals Deborah Coleman 8. Get Up Lead Vocals Roxanne Potvin 9. Two Moons Gone Lead Vocals Sue Foley 10. Don't Start the Car Lead Vocals Deborah Coleman 11. In the Basement Lead Vocals Coleman, Foley, Potvin |
『BLUES CARAVAN : GUITARS & FEATHERS』、これは同じRuf Recordsから出ていた『TIME BOMB』の続編にあたるアルバムです。今回は輸入盤で国内盤仕様扱いで紙一枚の解説が付いていました。デボラ以外のフィーチャーは米国人シンガー、キャンディ・ケインと新人でヴォーカル&ギターのダニ・ワイルド
(英国人) の女性たち。録音はザ・ハーモニーというドイツのボンにあるクラブライヴの模様。ダニが4曲、キャンディが3曲、デボラが1曲提供。オールド・ブルース・スタイルはダニの
"I Love You More Than I Hate Myself"、ルーサー・アリソンの"Fight"
、ZZトップの "Jesus Just Left Chicago" あたりで他ウィリー・ディクソンの "Whole
Lotta Love" も含めて全体的にロック色が強いモダン・エレクトリック・ブルース・スタイルです。ロック調の曲もライヴ感が良く出て良いのですが、私的にはダニのオリジナルであるスロー・ブルース
"I Love You More Than I Hate Myself"が最も気に入りました。三人のメイン女性のうちキャンディのみギターが弾けない為なのかローラ・チャベスというド迫力女性ギターリストが参加しています。キャンディはシンガーとして名が出る前にアダルト映画のスターとして人気を得ていたそうです。三人以外のメンバーはLaura
Chavez (gt), Michael Griot (bs), Govert Van Der Kolm (key), Denis Palatin
(ds)とクレジットされています。 |
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BLUES CARAVAN : GUITARS & FEATHERS Deborah Coleman, Candye Kane, Dani Wilde 2008 Ruf Records RUF 1140 (Germany) Basf BSMF-2088 (domestic editions) 1. Won't Leave 2. Bring Your Loving Home 3. Heal My Blues 4. Come Undone 5. I Love You More Than I Hate Myself 6. You Need a Great Big Woman 7. My Country Man 8. I'm Lucky 9. Crazy Little Thing 10. Toughest Girl Alive 11. Bad Boy 12. I Got to Know 13. Fight 14. Jesus Just Left Chicago 15. Something's Got a Hold of Me 16. Whole Lotta Love 17. Rocking on the Blues Caravan |
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Joanna Connor |
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1962年8月31日にニューヨーク州ブルックリン生まれ。音楽好きのお母さんの影響で7歳頃からギターを弾きだしマサテューセッツ州へ移転したのち16歳頃にバンド活動を始め、22歳の時にシカゴ・ブルースの本場シカゴへ移住。バディ・ガイ等との共演も経て自身名義のバンドを結成するまでになったという女性ギターリストです。 デビューは20代後半で、ロック・シンガーの様な姉御風貌・容姿でしたが数年すると急に「貫禄太りの近所のおばさん」風貌に変化しています。ギタースタイルは姉御風貌にピッタリの鋭いキレのあるロック寄りスタイルで純ブルースと云うよりブルース・ロック系のギターリスト。ヴォーカルやスライド・ギター・プレイでも好評を得ています。 『BELIEVE IT!』、トップはフレディ・キングのカバー "Texas Flyer" ですが、ギター・スタイルは明らかにブルース・ロックの洗礼を受けた人らしさがソロ・プレイ部分で出てきます。完全なエレクトリック・ブルースです。"He's Mine" は彼女のオリジナル、デビュー・アルバム最初のオリジナル曲にしてはブルース・ロック・ナンバーとしてかなりの出来です。"Doctor Feelgood" はアレサ・フランクリンの大ヒットアルバム『I Never Loved a Man the Way I Love You』に収録されていたディープ・ソウルの有名曲で、ヴォーカルはソウル風にギターはブルース調にチョーキングなどを交えて結構な聴き物になっています。ヴォーカリストとしても良い感じです。オリジナルの"When You're Being Nice" もソウル寄りの曲で米南部〜中南部辺りのスタジオでの録音かと思いましたが、録音はニューヨークのAcme Recording Studiosという事でした。ラストの "Good Rockin' Daddy" はエタ・ジェイムズの曲でジョアンはギター・スタイルはブルースながら歌唱スタイルはソウル、R&B系だと感じました。 『FIGHT』、セカンド・アルバムトップはロバート・ジョンソンの超有名曲、ロック調で演奏しています。ロバート・ジョンソンは日本でも根強いファンが居ると思える証拠をひとつ。21世紀に入って15年も過ぎているのに京都の映画村近くのスーパー駐車場に置いてあった煙草の自販機、古いまま(稼働・未稼働未確認)置いてありましたが、そこにはロバート・ジョンソンのポスターが!(下記に)。 タイトル・ナンバーはルーサー・アリソンの曲でジョアンが好きそうなブルースマンだなって感じがします。若干ロック寄りの人ですね。 "Walk Away" はサザン・ソウル・シンガー、アン・ピーブルスのデビュー曲、大好きなHiレーベルでの録音楽曲です。ジョアンのはおそらくメンフィスのArdent Studiosでの録音でしょう。このアルバムはもう一ケ所録音地としてレイク・ジェニーバ (ウィスコンシン州) のRoyal Recordersが記されていて楽曲別表記はありませんでした。他の彼女のオリジナル曲は、ロック寄りの平均的な曲です。 『LIVING ON THE ROAD』はドイツ・ベルリンに在った Franz-Club (1997年に経営破綻、以降 Frannz というレストランに替わった模様) というディスコティック・クラブでの`93年4月23/24日録音ライブ。バック・メンバーはクレジットありますが知らない人達です。目玉はブルース・レジェンドエルモア・ジェイムスの "Sky Is Crying" で実に9分を越える演奏です。この曲、クラプトンやスティーヴィー・レイ・ヴォーンでもお馴染みの曲、ジョアンも情感込めて弾いています。またクラプトンが米南部スワンプ音楽に惹かれていた頃に吹き込んだ曲という関係があるのかないのかこのアルバム内にはマスクル・ショールズ・サウンド〜スワンプ系作家の曲がいくつか選ばれています。デルバート・マクリントン(1)、ハリソン・キャロウェイ(2)、ダン・ペン(10 - ジェイムス・カーの名唱でソウル・ファンにはお馴染み)等々です。"Wildfire Woman" はサイコロのジャケットでお馴染みのアルバムでバッド・カンパニーが "Wild Fire Woman" のタイトルで収録した彼らのオリジナル曲です、アレンジもほぼオリジナル通りでこの曲に関しては意外な意外な選曲です。"Dark End of the Street" は米南部の香りを残しつつもスローなブルース・ロック風に仕上げていて聴き物です。 |
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BELIEVE IT! 1989 Blind Pig Records BP 73289 (USA) 1. Texas Flyer 2. He's Mine 3. Doctor Feelgood 4. I'm Satisfied 5. When You're Being Nice 6. Pack It Up 7. Everybody I Know 8. Playing in the Dirt 9. Soul's on Fire 10. Somebody's on Your Case 11. Good Rockin' Daddy |
FIGHT 1992 Blind Pig Records BPCD 5002 (USA) 1. Walkin' Blues 2. Living on the Road 3. Fight 4. Walk a way 5. Heaven 6. Lost 7. Texas 8. Your Love Was Never Mine 9. I Got Love 10. Child of Two Worlds 11. No Good For Me |
LIVING ON THE ROAD 1993 Inak INAK 9022 CD (Germany) 1. My Baby's Loving 2. Good Woman Gone Bad 3. Sky Is Crying 4. Jalapeno Mama 5. Forgotten Woman 6. Midnight Sunrise 7. Wildfire Woman 8. Boogie Woogie Nighthawk 9. Dark End of the Street 10. Going Back Home |
『ROCK & ROLL GYPSY』、前半はタイトル通りロック調マンバーが続きます。また、"Fire" はジミ・ヘンドリックスの有名曲カバー。録音がオランダのヘルフェルト、ドイツのベルリン、そして米国シカゴと三ヶ所で録音されて様です。Ruf
Records 自体はドイツに拠点を置く会社です。 "Slippin' Away" はルーサー・アリソンの曲でヴォーカルにも参加してデュエットしていますがブルースではなくメロウなソウル・バラード。"Driving Wheel" はルーズヴェルト・サイクスの曲でノリの良いブルース・ナンバー、"She's So Fine" はジョアンのオリジナルでカントリー・ブルース調で味わい深い曲。"You're Going with Me" は好きな作家ドク・ポーマスがDr.ジョンと共作した曲。ドク・ポーマスはシンガーとしてはブルース・シンガーでしたがソング・ライターとしてはソウル系〜ロック系まで幅広くの有名曲を出した人です。アルバム自体は種々ジャンルが入り交ざった印象ですがそれなりに楽しめました。 『BIG GIRL BLUES』、録音はドイツでドイツではRuf Recordsから発売されています。ラスト曲以外はジョアンひとりのオリジナルでギターはスライドも交えて結構ギターリストとしての姿勢が推しで構成されている様です。デビュー時にはストラトキャスターを抱えている写真ですが、その後の種々掲載写真ではレスポールを抱えている写真の方が多い様です。ストラトキャスターに比べて厚みのある音が出し易いと思える方を選ぶようになったのが音楽性にも表れています。このアルバム、全体的に歪を加えたロック的なサウンドをベースにしたブルース・ロック的な曲が多くヴォーカルもそれなりに迫力ありますが、 "Sweet Baby" の様なカントリー・ブルースタッチの曲でのヴォーカルの声は意外に優しく聞こえます。 この曲は柔らかいスライド奏法で弾かれていますがレスポールではないでしょう。 "Meditations" もスライド・ギターで聴かせるスローなデルタ・ブルース調でチャーリー・パットンを想い起します。 『SLIDETIME』、タイトルからして「スライド」なのでギターではスライド演奏がかなり目立ちます。トップ "Nothin' But the Blues" でも間奏部分でエルモア・ジェイムス風ギターが聴けますが、それよりも彼女のヴォーカルに魅かれました。ギター・ウーマンとして名を成していますが、シンガーとしても魅力的な人です。前作同様一曲が他人と共作その他はすべて一人の作品と親分・姉御肌を充分に感じる人です。スライド・ギターを弾くときはサブでアンソニー・パーマーという人がエレキ・ギターを弾いている様ですが、迫力あるソロ部分はジョアンの様です。 ラストの "Pea Vine Blues" はチャーリー・パットンやビッグ・ジョー・ウィリアムスの同名曲とは違いオリジナルです。ミシシッピーのデルタ地帯に昔、走っていた鉄道の異名が [Pea Vine 豆の木の蔦] だったらしくブルース原点の雰囲気を味わえます。特出曲少ないアルバムですが、ブルース・ロック調ばかりでなく必ずこういった曲を入れ込む辺りは憎い構成ですね。 |
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ROCK & ROLL GYPSY 1995 Ruf Records RRCD 1003 (Canada) 1. Never Been Rocked Enough 2. Rock and Roll Gypsy 3. Howlin' 4. Slippin' Away 5. Rain on My Window 6. Think about Me 7. Driving Wheel 8. She's So Fine 9. Fire 10. You're Going with Me 11. Child from Two Worlds |
BIG GIRL BLUES 1996 Blind Pig Records BPCD 5037 (USA) 1. Big Girl Blues 2. 43rd St. 3. Fly Away 4. They Love Each Other 5. Sweet Baby 6. You Should Be My Lover 7. Sister Spirit 8. You Oughta Know 9. Heart of the Blues 10. Juicy 11. Meditations 12. Smoke It Up |
SLIDETIME 1998 Blind Pig Records BPCD 5047 (USA) 1. Nothin' But the Blues 2. My Papa 3. You Don't Love Me 4. Got to Have You 5. Slide on In 6. My Man 7. Free Free Woman 8. Money Blues 9. It's Not the Rock 10. At the Club 11. Pea Vine Blues |
『NOTHING BUT THE BLUES』、再びドイツでのライブ録音盤、録音日の記載はないですが1999年バンベルク市での録音です。"Rock Me Baby" は勿論B.
B. キングで有名な・・・と思いきや違う曲でしたがまぁまぁ良い感じです。デビューアルバムでも歌われていた "Dr. Feelgood"
をここでも歌っていますが、このソウル曲はかなり好きなのでしょう。ギターリストというよりシンガーとしてのフィーチャーです。アルバムデザインもギターを持った画像でなくマイクの前の歌っている姿のアップです。バックにアウト・フォーカスのギター・フレットと指が映っていますがバンド・メンバーの可能性もナシではないでしょう。 ブルースのスタンダードではウィリー・ディクソンやロバート・ジョンソンの曲も奏っていますが、ロック的な演奏です。ただ"Dust My Broom" E. ジェイムスの曲をレパートリーに入れる辺りはブルース・ギターリストとして安心できる部分でした。 『THE JOANNA CONNOR BAND』とコノアルバムはバンド名を冠したアルバムに成っています。一応基本メンバーはJoanna Connor & Anthony Palmer(gt), Stan Mixon(b), Bryant T(ds), Roosevelt Purifoy(key)となっていますが、長く続く固定メンバーではない感じです。ベースのスタン・ミクソンなどは今までもサポートメンバーには成っていました。一応シカゴでの録音の様ですが、アルバム全体ではブルース色はかなり薄い感じです。そしてブルース・ロックというジャンルでもなくごく普通のロック・アルバムといった感じです。 "Fever" はブルースというよりジャズ・スタンダード、 "Somebody Have Mercy" はサム・クックのR&Bヒット(ここでのヴォーカルはMike Wheelerがゲスト参加)。どちらも私的には好きな曲でブルースっぽく仕上げているのにはまぁ満足ですが、他曲はいまいちの感じでした。 『MERCURY BLUES』、このアルバムは今までのジョアンナ・コナーのアルバムとは全く別物扱いに成ります。彼女の名前が出ていなければ先ず見逃していたものです。Thomas A. Blomster(トーマス・A・ブロムスター) というクラシック音楽畑の監修のもと、ヴァイオリンやチェロを含む室内楽団(the Mercury Ensemble)との共演に成っています。選曲自体はブルース系でなく種々タイプの曲が選ばれています。"Within You, Without You" はジョージ・ハリスンがビートルズ時代にインド音楽に惹かれていた時期に作った曲、"Can't Find My Way Home" はブラインド・フェイス唯一のアルバム内に収められたS. ウィンウッドの曲、"Never Loved a Man" はアレサ・フランクリン`67年の大ヒットで原曲名は"I Never Loved a Man the Way I Love You (貴方だけを愛して) Ronny Shannon作"、"Manic Depression" はジミ・ヘンドリックスのデビューアルバムに収められていた曲でジミのオリジナルと偶然なのか1967年発表作が私的には凄く気になります。讃美歌として有名なトラディショナルの "Amazing Grace"は驚きの選曲でした。この曲は美声の持ち主の方が絶対に聴き応えがあると思います。この数年後にヘイリー・ウェステンラのヴァージョンが日本でもヒットしましたがこのヘイリー・ヴァージョンのイメージが強いです。7曲ジョアンのオリジナルがあります。最もブルーズっぽい曲が一曲あり、それが "Meditations" で素晴らしいスライド・ギターが聴けます。シンガーとして聴き応えあるのは " Sweet Have Mercy" で南部のディープ・ソウル風で曲自体も魅力的です。 |
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NOTHING BUT THE BLUES (live in Germany) 2000 Inak INAK 9060 CD (Germany) 1. Rock Me Baby 2. Make Love to You 3. Howlin New 4. Big Girl Blues 5. Dr. Feelgood 6. Little Bit 7. Dust My Broom 8. You're So Fine New 9. Meditations 10. Got to Have You 11. They Love Each Other 12. Walking Blues |
THE JOANNA CONNOR BAND 2002 M.C. Records MC-0046 (USA) 1. Fine & Sublime 2. Long, Long Road 3. No Black or White 4. Luna Love 5. Different Kind of War 6. Slipping into Darkness 7. Six Child 8. Guitar Dove 9. Fever 10. Minor Love 5 11. Somebody Have Mercy 12. White Lines 13. A frissippi 14. Morning Praise |
MERCURY BLUES with the Mercury Ensemble 2003 Pansy Productions PP003 (USA) 1. Sixth Child 2. Within You, Without You 3. Can't Find My Way Home 4. Never Loved a Man 5. Sweet Have Mercy 6. Amazing Grace 7. Sweet Baby 8. Manic Depression 9. A Minor Love 10. You Should Be My Lover 11. Giant Step 12. Meditations 13. Guitar Dove |
2003年のマーキュリー・アンサンブルとの異色コラボ作品の後、長く表立った新作アルバム製作活動を休止していたジョアンですが2016年に久々のオリジナル・アルバムを出しました。この頃から外観は貫禄たっぷりのおば様風貌に成っていました。10曲中8曲がオリジナルです。『SIX STRING STORIES』。 カバーの2曲はジル・スコットの2004年小ヒット曲 "Golden ( Anthony Bell, Harold Robinson, Darrell Robinson, Jill Scott共作)"とエルモア・ジェイムスの超有名曲 "The Sky Is Crying"、E. ジェイムスの曲が入るとやはりブルースを感じますし、このアルバム全体もブルース色の強いアルバムに成っています。そしてトップ、2曲目とキレのあるギターが飛び回り、決してテクニックだけではないことを感じる出来です。 『RISE』、ほぼほぼブルース色が無いアルバムです。 トップの "Flip" はファンク・ナンバー、"If You Want Me to Stay" はSly & the Family Stoneの曲、"Mutha" もファンク色が強いです。ゲストでギター、ヴォーカル共に Mike Zito がメインの "Bad Hand" はかなりジャズっぽい仕上がりです。 インスト・ナンバーの "Joanna in A " もジョアンのギターはかなりジャズを意識したプレイです。 "Since I Fell for You" これまたBuddy Johnson作のジャズソング・スタンダードです。 曲として気に入ったのはジョアンのオリジナル "Cherish and Worship You" と "Blues Tonight" で`70年代にエルキー・ブルックスやロバート・パーマーが結成していた Vinegar Joe を想い起させるジャズとブルースの融合ロックでありながらスピード感をも併せ持ったロック・ナンバーです。 Vinegar Joe や Colosseum などのジャズ系ロックバンドはよく聴きました。 『4801 SOUTH INDIANA AVENUE』、これは多くのブルースマン作のカヴァー集といったっ感じのアルバムです。 トップの "Destination"(The Nighthawksの曲) のみヴォーカルがジミー・ホールで他はジョアンがヴォーカルとギターです。 "For the Love of a Man" はドン・ニックス作でアルバート・キングで知られたブルース・ナンバーで、ロゥエル・フルソンの "Trouble Trouble" この2曲辺りが最もブルース色が強い感じです(がそれでもロック要素を感じます)。他はブルース・ロック調のアレンジ。 "I Feel So Good " はマジック・サムの乾いたギターの方が好きなので、ここでは歪ませすぎに感じてしまいます。 |
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SIX STRING STORIES 2016 M.C. Records MC-0080 (USA) 1. It’s a Woman’s Way 2. By Your Side 3. We Stayed Together 4. Golden 5. Swamp Swim 6. Love Coming on Strong 7. Heaven 8. Halsted Street 9. The Sky Is Crying 10. Young Women Blues |
RISE 2019 M.C. Records MC-0086 (USA) 1. Flip 2. Bad Hand 3. Joanna in A 4. Earthshaker 5. Rise 6. Since I Fell for You 7. My Irish Father 8. Mutha 9. If You Want Me to Stay 10. Cherish and Worship You 11. Blues Tonight 12. Dear America |
4801 SOUTH INDIANA AVENUE 2021 KTBA (Keeping The Blues Alive) Records KTBA91672 (USA) 1. Destination 2. Come Back Home original title "Sadie" 3. Bad News original title "Bad News Is Coming" 4. I Feel So Good 5. For the Love of a Man 6. Trouble Trouble 7. Please Help 8. Cut You Loose original title "Cut You A-Loose" 9. Part Time Love 10. It's My Time |
『BEST OF ME』、録音地の明記はないですが、「シカゴのみなさんありがとう」と記されていますのでシカゴにあるクラブでのライヴ録音だと想像します。(Frank Pellegrino
という人がEmceeとクレジットされロック風ナンバー "House Rules" の前にアナウンスが収録されています。) 基本的メンバーはジョアン以外 Dan Souvigny (rhythm gt)、Shaun Gotti Calloway (bs)、Curtis Moore Jr. (organ)、Jason J Roc Edwards (ds,backing vo) で他に曲により別途 Mike Zito など参加するミュージシャンが記されています。曲はベーシストのShaun Gotti Calloway との共作が6曲と単独で2曲と彼の存在が大きいです。"Pain and Pleasure" は二人の共作曲で`80年代前半のアーバン・ソウル風な曲でギターソロ部分が耳に残り意外ながらかなり好きです。 "I Lost You" はジョアンのオリジナルでスロー・ロッカ・バラード、今までにない作風ですが好き嫌いが出そうな曲で私的には NO の部類でした。 "Mercury Blues" は`90年代にアラン・ジャクソンの歌で大ヒットしたカントリー・ソングながらオリジナルはミシシッピー・ブルースの古参K.C. ダグラスが`40年代の発表していたブルース・ナンバー。アランのヒットで再認識された曲ですが、ジョアンは本来のブルース調で演奏していますが、ブルース系はこの曲のみの作品です。ラストも普通クラスののロック・ナンバーで終わります。 |
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BEST OF ME 2023 Gulf Coast Records GCRX-9044 (USA) 1. House Rules 2. Pain and Pleasure 3. Best of Me 4. Highway Child 5. I Lost You 6. Two of a Kind 7. All I Want Is You 8. Mercury Blues 9. Shadow Lover 10. Greatest of These 11. Shine on |
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Ana Popović |
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アナ・ポポヴィッチ、1976年5月13日当時のユーゴスラビア (2003年に解体)、現セルビア共和国のベオグラード生まれ。お父さんの影響でギターやブルースに興味を持ち、10代後半には地元でバンド活動を開始、1998年ユーゴスラビアのレーベルPGP
RTS と契約して Hush という4人編成のバンド名で業界デビュー。その後新たに自身名義のバンドをオランダで結成して近隣諸国でのライヴを行い西欧圏で徐々に知られるように成って行きました。2000年にはその
Ana Popović Band 名義で ジミヘンドリックスのトリビュート・アルバムに一曲しゅうろくされていました。 そして2001年にソロ・デビュー作をドイツの会社から発表しました。 2003年には W. C. Handy Award (現Blues Music Award)の新人部門でベスト・プレイヤーに選出されています。`70年代半ばの生まれとあって上に記していた3人とは一時代から二時代も若い世代。オールド・ブルースの要素は少なく、上記三人が2000年代に入ってから奏りだした完全モダン・エレクトリック・ブルース・ロックといったスタイルにジャズ・フュージョン系の要素をも加えています。おまけに身体のスタイルも完璧で脚が長いこと長いこと、ファッション・モデル並みです。 『HUSH!』、アナが Hush というバンド名で母国時代に発表したアルバム『HOMETOWN』はアルバムデザインは見たことありますが、消滅した国の発売作品なので入手出来てません。もしかしたら将来音源復活の可能性が有るかもしれませんが。 このアルバムはタイトルが母国時代に組んでいたバンド名を使用しての西欧でのソロ・デビュー作に成ります。録音が2000年10月に米メンフィスの Sounds Unreel Studio で行われた様ですが、アメリカでの発売は無くドイツの Ruf Records から発売されました。(アメリカ・デビューは4作目からに成りました。) "Love Fever" がソロの最初の曲になるのですが、ブルースではなくソウル・ミュージック系です。曲自体は好きです。"Mended" はアナのオリジナルでロック調ながらブルースの雰囲気は感じます。"Hometown" はバンドHush時代のメンバー Rade Popović とアナの共作でアルバム『HOMETOWN』内に "My Hometown" という曲が同じ二人の共作として記された記事が有ったので異名同曲なのかも知れません。エレクトリック・ブルース調で良い曲だと思います。"I Won't Let You Down" はオリジナル曲ながらバック演奏共々ほぼジャズ・ナンバーでしょう、ハスキーな声の出し方が`60年代の女性ジャズ・シンガーが歌っている感じが出ていて良い感じです。"The Hustle Is on" と "Walk Away" はジャンプ・ブルース調、"Girl of Many Words"は"A Man of Many Words" が原名のバディ・ガイの曲でバディとジュニア・ウエルズが1972年位発表した『PLAY THE BLUES』のトップに収められていた曲で懐かしい曲です、ほぼオリジナル通りの演奏です。"Bring Your Fine Self Home"、ジョニー・コープランドの曲ですが、アルバート・コリンズ、ロバート・クレイとの三人名義で出された楽しいアルバム『SHOWDOWN!』に収録されている曲でこれもオリジナルに近い演奏です、"How the Mighty Have Fallen" はスーザン・マーシャルとウィリアム・リー・エリスの共作曲でフォーク・ブルースとジャズを融合させて様な良い意味での古さを持った良い曲です。アナの声質・ヴォーカルも良い感じです。初ソロとして充分次を期待できる作品だと思いました。 『COMFORT TO THE SOUL』、ほぼ2年半ほど経ってのセカンドです。トップ・ナンバーはアナとトッド・シャープヴィルとの共作で、二曲目はスーザン・マーシャルとマイク・キャロルの共作、共に似たようなタイプの曲で主流派ブルース・ロック。"Comfort to the Soul" はアナの曲でファンク色の強いソウル・ミュージックです。"Sittin' on Top of the World" はハウリン・ウルフのウォーキン・ブルース、`60年代後期のイギリスのロッカー達が演奏している様な感じです。こうしたブルース・ロックを支援したのは英国のレコード会社だったのに`90年代以降はドイツが主に成っています。これはHR/HM系ロックも英国ミュージシャンが先導していたのにやがてジャーマン・ロッカー達の方が目立つようになったのと少し似ている気がします。"Night by Night" ,これはスティーリー・ダンの曲でフュージョンっぽいロック・ナンバー、懐かしい感じです。"Navajo Moon " はアナのオリジナルで唯一のインスト曲、ギターサウンドは完全にジャズ系の作りでギターソロも完全にジャズ・フレーズで押し切っています。良い気分にさせて貰えます。"Recall the Days " もアナの曲、`80年代風のロック・ヴォーカルにバックのギターはブルースを感じます。ラストの "Jaco" も同じタイプの曲で新しさはないのにどちらも魅力的な曲です。 『ANA! LIVE IN AMSTERDAM』、ソロ三作目にてライブ盤です。場所・日付はオランダ、アムステルダムにある Melkweg というホール、2005年1月30日。 オランダは母国ユーゴスラビア (現セルビア) を離れて Ana Popović Band を組み、最初に活動し始めた国でした。 オランダと言えば鎖国時代の日本で唯一交流が有ったほど知られた国なのに近年のオランダでの音楽事情は殆ど日本には入ってきていませんが、ドイツと同じくらいに英米の音楽が流行っているそうです。 選曲はセカンド・アルバムからの曲がかなり選ばれています。同曲同士を聞き比べるとどうしてもスタジオ録音の方が聴き応えはあります。このアルバムでの聴き物は "Long Way Home"以後の後半曲にあり・・・と感じます。CDプレイヤー等での指示トラック・ナンバーでは11(5分7秒)、12(9分29秒)の2曲扱いですが、"My Man"は5分40秒ほどで終わり、その後無音状態が20秒強ほど続いた後に "Long Long Love" が始まります。 |
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HUSH! 2001 Ruf Records ruf 1063 (Germany) 1. Love Fever 2. Mended 3. Hometown 4. I Won't Let You Down 5. The Hustle Is on 6. Downtown 7. How Lonely Can a Woman Get 8. Walk Away 9. Girl of Many Words 10. Minute 'Till Dawn 11. Bring Your Fine Self Home 12. How the Mighty Have Fallen ※ 11: duet with Bernard Allison |
COMFORT TO THE SOUL 2003 Ruf Records RUF 1081 (Germany) 1. Don't Bear Down on Me (I'm Here to Steal the Show) 2. Love Me Again 3. Comfort to the Soul 4. Change My Mind 5. Sittin' on Top of the World 6. Night by Night 7. Navajo Moon 8. Need All the Help I Can Get 9. Recall the Days 10. Fool Proof 11. Jaco |
ANA! LIVE IN AMSTERDAM 2005 Ruf Records RUF 1108 (Germany) 1. Intro 2. Don't Bear Down on Me 3. Sittin' on Top of the World 4. Love Me Again 5. Comfort to the Soul 6. Navajo Moon 7. Night by Night 8. Bigtown Playboy 9. Won't Let You Down 10. Jaco 11. Long Way Home 12. My Man hidden track (13. Long Long Love) |
『STILL MAKING HISTORY』、ドイツの会社からアメリカのブルース・ミュージック発売専門会社だったDelta Groove Productions がブルース・プラス・アルファの音楽レーベルとして新たに立ち上げた傘下レーベル、Eclecto
Groove Records へと移籍、このレーベルからの第一弾として米国デビューを果たしました。 バッキングで私的に馴染みのある名前はキーボード・プレイヤーでシンガーのマイク・フィニガンですが、他のミュージシャンたちも種々ジャンルでそれぞれ有名な人たちがサポートしていて、会社のアメリカ・デビュー・サポートの意気込みが感じ取れます。 "U Complete Me" でアルバムは始まります。この時代のアメリカ音楽界を反映してかファンキーなソウル・ミュージック系ですが、ラストに同曲のブルース・アレンジがボーナスとして収められています。思うにこのボーナスはアナの希望だったのでは?と勝手に想像しています。"Hold On" もファンキータイプのソウル・ミュージック。3曲目4曲目はヴォーカルを聴かせるタイプのスロー・ロック。 オリジナルでなく他人の曲は5、7、10 の三曲。そのうちビッグ・ママ・ソートンの "You Don't Move Me"とスヌーキー・プライアー "How'd You Learn to Shake It Like That? " は元々がブルース・シンガーの曲なのでブルースなのですが "Hungry" はポップ・ソング風です。"Doubt Everyone But Me"、"Still Making History" はモロにオールド・ジャズ風、ハスキー系のアナのヴォーカルは良い感じです。11曲目はブルース・ロック、13曲目はファンク・ロック系と確かに種々のジャンルを織り交ぜたアメリカ・デビューと成っています。 『BLIND FOR LOVE』、今回も種々ジャンルが入りまざったタイプのアルバムで、1曲目〜3曲目迄はファンク系のソウル、ロック、4曲目、5曲目はヴォーカル主体曲で、彼女の若干かすれ気味の声はスローで歌い上げる曲にピッタリでシンガーとしての魅力も充分です。アメリカでの製作はここで2作目に成りますが、ヨーロッパ時代はギターリストとしての面がかなり協調されてたことを思うと、ヴォーカルと [バンド・サウンド] として構成された音作りでギター・ソロ部分がほとんどなくなり、その部分での淋しさが出てはきます。 アメリカで人気を得るための戦略なのかも知れませんが、ギターリストとしての実力を活かして欲しかったし、ブルースを長く会い愛し続けているヨーロッパを基点にしたレコード会社のままでアメリカ・デビューして欲しかったとふと思いました。完全なブルース・ナンバーはアナのオリジナルラストの "Blues For M " のみですが、またまたアルバムラスト曲です。購入盤は米盤国内盤仕様です。 『AN EVENING AT TRASIMENO LAKE, LIVE FROM THE HEART OF ITALY』、ライヴ録音、2009年(月日不詳)に行われたイタリアの「トラジメーノ・レイク」というホールで行われた音源。名義はソロでなく Ana Popović Band となっています(アナ以下7人の名前がクレジットされています)。ソロ・アルバムのトップ・ナンバーとバディ・ガイやSRVでお馴染みの "Let Me Love You Babe" 以外はアメリカデビュー後の前二作内の曲です、この後者ブルース・ナンバーでは延々とブルース・ギターが続きます(8分強の曲です)。 。ArtisteXclusive Records はオランダに拠点を置くレコード会社の様です。米デビュー作収録のジャズ系 "Doubt Everyone But Me" をライヴで演奏していますが良い感じでこの曲は好きです。イタリアでのライヴということなのが原因なのか前二作ほどファンキー色は前面に出ていない感じです。スタジオ盤ではファンクっぽかった曲も、割とロック的なアレンジで演奏されています。プロデュースはArtisteXclusive側が主でアナと共同で行われた様です。 |
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STILL MAKING HISTORY 2007 Eclecto Groove Records EGRCD 501 (USA) 1. U Complete Me 2. Hold on 3. Between Our Worlds 4. Is This Everything There Is 5. Hungry 6. Doubt Everyone But Me 7. You Don't Move Me 8. Still Making History 9. My Favorite Night 10. How'd You Learn to Shake It Like That? 11. Shadow After Dark 12. Calendars 13. Sexiest Man Alive Bonus Track 14. U Complete Me (Blues Version) |
BLIND FOR LOVE 2009 Eclecto Groove Records EGRCD 507 (USA) Basf BSMF-2129 (domestic editions) 1. Nothing Personal 2. Wrong Woman 3. Steal Me Away 4. Blind for Love 5. More Real 6. Putting Out the APB 7. Get Back Home to You 8. The Only Reason 9. Part of Me (Lullaby For Luuk) 10. Lives That Don't Exist 11. Need Your Love 12. Blues For M |
AN EVENING AT TRASIMENO LAKE, LIVE FROM THE HEART OF ITALY Ana Popović Band 2010 ArtisteXclusive Records AEREC002 (EU) 1. Wrong Woman 2. Is This Everything There Is? 3. How'd You Learn to Shake It Like That 4. Shadows After Dark 5. Lives That Don't Exist 6. Let Me Love You Babe 7. Doubt Everyone But Me 8. Blind for Love 9. Get Back Home to You 10. Love Fever 11. Hold on |
『UNCONDITIONAL』、先ずはカバーデザインの写真に驚きます。この様な目を引く写真を使わなくとも実力で売れる筈なのに。 Eclecto Groove Records
からのアルバムはこれがラストです。わたしが思うに米国デビューをさせてあげた Eclecto Groove からすればアナ側から契約を終えようとするのなら確実な売れ戦略を狙っての写真使いかも?と勘繰りが生じてしまいます。 アメリカ人向けの流行ジャンルよりも自身のベースを重視しての移籍だと思われます。録音はニュー・オーリンズの二ヶ所のスタジオ。ジャズ発祥の地として知られる場所での録音はジャズ好きのアナが選んだのか。そして"Work Song " は超有名なハード・バップ・ナンバーが入っているではありませんか? ジャズ喫茶通いをしていた頃よく耳にしたものです。タイトル曲"UNCONDITIONAL"はアナのオリジナルで完全なブルース。味のある曲です。 "Reset Rewind" もアナのオリジナルでこちらはどう聴いてもカントリー・ソングです。意外ですが私的にはカントリーも勿論好きなジャンルですので歓迎です。"Slideshow" はインスト・ナンバーでサニー・ランドレスのスライド・ギターがフィーチャーされています。"Business as Usual"、"Your Love Ain't Real " はブリティッシュ・ブルース時代を思わせるブルース・ロック(共にオリジナル)、ギターソロも聴けます。"Voodoo Woman" は女性ブルース・シンガー・レジェンドのココ・テイラー・ソング、""One Room Country Shack"" もブルース・マン、マーシー・ディーの曲とヨーロッパ時代に戻った様な構成は嬉しいです。アメリカン・ミュージックも大好きなわたしですがアナにはブリティッシュ・ブルースの系統で活躍してほしいです。 『CAN YOU STAND THE HEAT』、完全に Eclecto Groove との契約を終えて自身の事務所を発足、オランダのレーベル ArtisteXclusive Records を通じて西欧圏・米国でリリース形式となった様です。録音は、ナッシュヴィルとメンフィスとテネシー州二ヶ所で2012年〜13年にかけて行われ、タイトルソングが先だってシングル発売されています。ただ、今回のカバー写真も「売る」ための手段としては「女性」を強調しすぎて個人的には頂けない感覚がしますが。シングルで先行発売されたトップの "Can You Stand the Heat"はロック、ソウル、ジャズなどの要素が絡み合ったアナのオリジナル。私的には次曲の "Can't You See What You're Doing to Me" の方が好きなのですが・・・ ここではブルース・フィーリングを感じるギター・ソロが嬉しいスピーディーなブルース・ロックです。"Mo' Better Love"、"Object of Obsession" などはAOR風な作風でちょっと意外でした。 "Hot Southern Night" はタイトルからも黒っぽいイメージを抱きますが、ラッキー・ピーターソンがギターやヴォーカルで共演するロック調のブルースで良い感じです。"Every Kind of People" と "Rain Fall Down" も選曲としては意外な方です。前者はロバート・パーマー`70年代後半時のヒット曲。後者はローリング・ストーンズ、2005年発表曲。曲としては"Every Kind of People" の方が断然良いです。 "Blues for Mrs. Pauline / Leave My Boy Alone" はヴォーカルも渋いどっぷりブルースで聴き物。 "Ana's Shuffle"と"Trib" はインスト曲で後者の方がライヴで盛り上がりそうです。 『BLUE ROOM』、アナはお父さんの影響でギターを始めたという事、そして今や世界中のギター好きの人たちに名前を知ってもらえるギターリストにまでなった39歳時、父親のミルトン・ポポヴィッチとの共演盤を出しました。録音はテネシー州のメンフィスと同州の小さな町スタントンヴィルと記されています。 そして気付いたのが、上記で挙げていた女性ギターリスト、D・デイヴィーズ、D・コールマン、J・コナーズのアルバム・カバーはギターと一緒に写っているのが大多数でしたがアナの場合、ギターリストとして特に強調するデザインはほぼ無かった感じでしたがこの時代の三作にはギターと一緒のデザインです、初期はテレキャスターも弾いていたようですが、全米デビュー後はD・デイヴィーズ同様ストラトキャスター弾きとして有名に成っています。 選曲は全曲他人の曲でジョン・レノン、ヴァン・モリソン、トニー・ジョー・ホワイトなどの曲もありますが、ジミー・リードやJ・リー・フッカーなどの曲もあり全編を通してオールド・ブルースを意識した構成に成っています。父娘共にアコースティック・ギターも曲により弾いています。中には子供時代のアナがお父さんに手をひかれた写真や膝の上で抱かれている写真などがあり、アナの父親への愛が溢れたアルバムです。大好きなアルバムです。スワンプ・ロッカーとして有名なトニー・ジョー・ホワイトの曲で多くのカバーがある名曲 "Rainy Night in Georgia" をふたりがデュエットで弾き語りをするところなど何故か泣けてきます。素敵な父娘ですね。 |
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UNCONDITIONAL 2011 Eclecto Groove Records EGRCD 513 (USA) 1. Fearless Blues 2. Count Me In 3. Unconditional 4. Reset Rewind 5. Slideshow 6. Business as Usual 7. Your Love Ain't Real 8. Work Song 9. Summer Rain 10. Voodoo Woman 11. One Room Country Shack 12. Soulful Dress |
CAN YOU STAND THE HEAT 2013 ArtisteXclusive Records AErec003 (USA) 1. Can You Stand the Heat 2. Can't You See What You're Doing to Me 3. Mo' Better Love 4. Object of Obsession 5. Boys' Night Out 6. Hot Southern Night (with Lucky Peterson) 7. Every Kind of People 8. Ana's Shuffle 9. Blues for Mrs. Pauline / Leave My Boy Alone 10. Leave Well Enough Alone (aka High Maintenance You) 11. Tribe 12. Rain Fall Down (Bonus track) 13. Growing Up Too Soon 14. Mo' Better Love (with Tommy Sims) |
BLUE ROOM Ana & Milton Popović 2015 ArtisteXclusive Records AErec004 (USA) 1. Catfish Blues 2. I'm Loosing You 3. Evening Shadows 4. Grand Spivey 5. Somebody 6. Did Somebody Make a Fool of You 7. We Used to Know 8. Rainy Night in Georgia 9. Red River Blues 10. Baby What's Wrong 11. Tupelo |
『TRILOGY』、アメリカデビユー後は一気にブルースをベースにした女性ギターリストとして人気、セールス面でトップに躍り出たアナですが、その事実を証明するかのような三枚組大作というアルバムを発表しました。購入盤は米盤原盤で
[輸入盤国内盤仕様] という形式で近年CD売り上げが落ちて来た日本で、マイナージャンルは日本プレスをしないで国内販売をするこの形式が増えてきています。(米盤には規格番号未記載です) 三枚それぞれにテーマが付いていて [DIsc1] 朝に聴く、[DIsc2] 午後に聴く、[DIsc3] 夜に聴く音楽と時間別に曲調を揃えての構成に成っています。ギターリストとしてだけでなくシンガーとしてもそれぞれのジャンルに合った唱法を出せる実力を感じます。 [Mornibg]、ゆっくりの目覚めでなくファンキー・タイプで始まります。ギターリストとしての部分がかなり奥まってはいますがサウンド全体としてはバラード・タイプもありこの時代を反映しているのでしょう。 "Long Road Down" のリズム・パターンが象徴的です。その中では "She Was a Doorman" は曲そのものと途中のギターソロも良い感じです。 [Mid-Day]、トップはルーファス&チャカ・カーンのファンク系ヒット曲 "You Got the Love" で始まりました。 "Let's Do It Again" も他人のヒット曲でステイプル・シンガーズが歌った同名映画のテーマ曲、2曲とも`70年代半ばの大ヒット曲です。アナが生まれる直前のヒットですのでお父さんの影響でしょうか?"Johnnie Ray" は全体としてブルース調ではないですが、途中のギター・ソロではブルース・ギターを聴かせています。 "Who's Yo' Mama? " はブルース・ロックでアナにしては珍しく歪を効かせたエフェクター使用です。 "Wasted" こちらもブルース・ロックですがギターの音色は綺麗で本来のブルース・ギターを聴けます。 "Crying for Me" もブルース・ロック調ではありますがファンキーっぽくもあり、なかなかの曲です。 [Midnight]、この盤はジャズ系タイプの曲で占められています。確かにジャズには夜のイメージが漂っています。わたしも学校から帰ってからの夕飯後の夜に地下街のジャズ喫茶へ通った日々の経験を想い出します、黒人音楽と呼ばれるジャンルの中で一番最初に浸かって行ったのがジャズでした。 "New Coat of Paint" はトム・ウェイツの曲、トムはフォークとブルースを混ぜた様な曲を書くSSWですが、ジャズテイストを感じる曲作りも多く決して派手な曲調でなく寂しい夜にピッタリの曲が多い人です。 "Waiting on You "と "Waiting on You (Double-Time Swing) " はアナのオリジナルながらまるで`60年代初期にジャズマンが作った様な曲調で驚きです。"In a Sentimental Mood" は夜のムードたっぷりのジャズ・スタンダードデューク・エリントン作でエラ・・フィッツジェラルドやサラ・ヴォーンの歌で知られてている曲。 "Old Country" 、 "You Don't Know What Love Is"もジャズ・スタンダード。全編良い雰囲気で聴き終えました。 『LIKE IT ON TOP』、先ず気に成ったのが『UNCONDITIONAL』から『BLUE ROOM』迄の三作はきっちりとギターと共に移った写真がトップにデザインされていたのに前作、本作とファッション雑誌風になって終った事。前作ではまだインナー写真にはギターを持った写真が使われていましたが本作ではギター画像は皆無です、中の写真はギターケースを持っていたりケースの上に座ったものがありますが長い脚とハイヒールがやけに目立つ写真でした。ジャケット・デザイン上ではもう、 [ギター・ウーマン] というテーマから離れて行った感じもします。 全体的にファンク・ロック系の曲調が多いです。 気になる人のクレジットがふたり見つかりました、ゲストのロビン・フォードはトム・スコット関連でジョージ・ハリスンのアルバムにも参加していたミューシャン。 "Slow Dance" の共作者のひとりグラハム・グールドマンはヤードバーズの "For Your Love" やホリーズのオールディーズ大ヒット "Bus Stop" などの作者で本人自身のアルバムも数枚出している人(持っています)、 "Slow Dance" もスロー・ナンバーながら青春時代を思わせるても良い曲です、短いながらギター・ソロも何故か懐かしい音です。 "Funkin' Attitude"、"Last Thing I Do" はファンク系でアナとケブ・モーとの共作でどちらも良い感じです。"Virtual Ground"、"Brand New Man" はソウル・ナンバーでこれもふたりのオリジナル。そしてラストの "Honey I'm Home" はケブ・モーとリサ・アシュマンの曲でソウル・ナンバー。"Virtual Ground"、"Honey I'm Home" はバラードタイプで聴き応えありどちらも大好きな曲です。"Matter of Time" が唯一のブルースでオールド・スタイル・タイプです、ただ、ブルースが一曲だけというのはファッション共々一抹の淋しさを感じます。 『LIVE FOR LIVE』、今回もファッション雑誌風なデザインですが、一応ストラトキャスターを抱えてギターリストを強調していると思えるものでした。ライヴ録音盤で2019年11月2日にフランスの Centre Culturel Albert-Camus という劇場で行われた演奏です。ライヴ盤は三作目ですが、オランダ、イタリア、フランスと英米でないところがアナの故郷を想い少し安心感があります。DVD映像版も出ていますが、特にセット販売でもない限り単品のDVDはあまり買いたいとは思いません。6人編成バンドでサックスやトランペッターが入るという布陣なのでオール・ジャンル・タイプが演奏されることが判ります。トム・ウェイツの "New Coat of Paint" はここでは、スタジオ盤程ジャズっぽさを出さずにロック寄りのヴォーカルにギターはブルースっぽさを含み新たな魅力ある出来に編曲されています、良い感じです。 反面"Johnnie Ray" はスタジオ盤よりブルース色が強くギター・ソロもたっぷり入る9分を越える演奏です。ラスト "How'd You Learn to Shake It Like That" はシカゴ・ブルースの大御所スヌーキー・プライヤー作のウォーキング・ブルース、ここではジャンプ・ブルース風で熱く演奏されています。 |
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TRILOGY 2016 ArtisteXclusive Records No No. (USA) Basf BSMF-2506 (domestic editions) 《Disc one : Morning》 1. Love You Tonight 2. She Was a Doorman 3. Show You How Strong You Are 4. Fencewalk 5. Train (featuring Joe Bonamassa) 6. If Tomorrow Was Today 7. Long Road Down 8. Hook Me Up (featuring Robert Randolph) 9. Too Late 《Disc Two : Mid-Day》 1. You Got the Love 2. Johnnie Ray 3. Woman to Love 4. Let's Do It Again (featuring Al Kapone & Cody Dickinson) 5. Who's Yo' Mama? 6. Wasted 7. Crying for Me 《Disc Three : Midnight》 1. New Coat of Paint 2. Waiting on You 3. In a Sentimental Mood 4. Old Country 5. Waiting on You (Double-Time Swing) 6. Heaven's Crying aka Song for the Next Generation 7. You Don't Know What Love Is |
LIKE IT ON TOP 2018 ArtisteXclusive Records 7 21782 95547 9 (Netherlands) 1. Lasting Kind of Love (featuring Keb' Mo') 2. Like It on Top (featuring Robben Ford & Keb' Mo') 3. Sexy Tonight (featuring Robben Ford) 4. Slow Dance 5. Funkin' Attitude 6. Last Thing I Do 7. Virtual Ground 8. Brand New Man 9. Matter of Time 10. Honey I'm Home |
LIVE FOR LIVE 2020 ArtisteXclusive Records 7 45051 47121 7 (USA) BSMF Records BSMF-2697 (domestic editions) 1. Can You Stand the Heat 2. Object of Obsession 3. Love You Tonight 4. Train 5. Long Road Down 6. New Coat of Paint 7. Johnnie Ray 8. Can't You See What You're Doing to Me 9. Fencewalk 10. If Tomorrow Was Today 11. Brand New Man 12. Like It on Top 13. Lasting Kind of Love 14. Mo' Better Love 15. How'd You Learn to Shake It Like That |
『POWER』、2020年発売のライヴ盤発売後にアナは乳がんを患っていると診断されて治療を続けていた模様。ただその合間を縫ってライヴやレコーディングは続けていたという事です。スタジオ録音盤としては5年ぶりとなる本作ですが、カバー写真以外の写真はコロッと風貌が変わりました。自毛なのかどうかは判りませんが黒髪のショートカットヘアー。ホットパンツにハイヒールのロングブーツ、トップスは胸の谷間半出しスタイル、アナもすでに40代後半です、同年代の日本女性ならとても恥ずかしくて無理そうな写真がいくつも掲載されています。録音は`21年〜`22年にかけてミシガン州のファーンデールとカリフォルニア州
レドンド・ビーチ の二ヶ所スタジオの模様。 トップから五曲目迄はわたしにはハマりませんでした。"Strong Taste" のファンキータイプでやっとそこそこの安心感が有りましたが全体的には彼女の特徴の少ない平均的なミュージシャンのアルバムだったという感想で終わりました。 |
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POWER 2023 ArtisteXclusive Records 0 643131 769646 (USA) 1. Rise Up! 2. Power over Me 3. Doin' This 4. Luv'n Touch 5. Queen of the Pack 6. Strong Taste 7. Recipe Is Romance 8. Deep Down 9. Ride It 10. Flicker N' Flame 11. Turn My Luck |
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《Back to Menu》 |
Various Album |
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『A SENCE OF PLASE』はジョン・メイオールが1990年に発表したアルバムでブルースブレイカーズのメンバーでの正規ギターリストはココ・モントーヤの時代ながらアルバムクレジットにはadditional guitarでデビー・デイヴィーズの名がクレジットされています。デビーがメイオールの奥さんのバンドに在籍していた関係からかリズム・ギター(おそらく)で参加したのだと思います。どの曲なのか全曲なのか等は判りません。 『ALBERT COLINS (aka.ICEMAN)』、アルバート・コリンズが生前に発表した最後のスタジオ・アルバム。ここではリズム・ギターとしてクレジットされています。彼に認められた証としてデビーにとっては忘れられない作品でしょう。 『A TRIBUTE TO HOWLIN' WOLF』、初期シカゴ・ブルースをマディ・ウォーターズと共に代表するシンガーとして名を残しているハウリン・ウルフ。彼へのトリビュート・アルバムでバックメンバーは錚々たるメンバーをbackにデビー・デイヴィーズがゲストとして "Ooh Baby (Hold Me)" を歌いギターソロを披露しています。ドン・カスターニョ |
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A SENCE OF PLASE John Mayall (with the Bluesbreakers) 1990 Island Records 260 637 (Germany) 1. I Want to Go 2. Congo Square 3. Send Me Down to Vicksburg 4. Without Her 5. Sensitive Kind 6. Jacksboro Highway 7. Let's Work Together 8. I Can't Complain 9. Black Cat Moan 10. Sugarcane 11. All My Life main guitarist : Coco Montoya additional guitarist : Debbie Davies |
ALBERT COLINS (aka.ICEMAN) Albert Colins 1991 Pointblank 7243 8 39194 2 0 (USA) 1. Mr. Collins, Mr. Collins 2. Iceman 3. Don't Mistake Kindness for Weakness 4. Travelin' South 5. Put the Shoe on the Other Foot 6. I'm Beginning to Wonder 7. Head Rag 8. The Hawk 9. Blues for Gabe 10. Mr.Collins, Mr.Collins (Faded Version) rhythm guitar : Debbie Davies |
A TRIBUTE TO HOWLIN' WOLF 1998 Telark Blues CD-83427 (USA) 1. Saddle My Pony 2. Howlin' for My Darling 3. The Red Rooster 4. Just Like I Treat You 5. Built for Comfort 6. Ooh Baby (Hold Me) 7. Riding in the Moonlight 8. Back Door Man 9. Baby How Long 10. Killing Floor 11. Howlin' Wolf Boogie 12. Smokestack Lightnin' 13. Come to Me Baby Henry Gray, Calvin Jones, Sam Lay, Colin Linden, Eddie Shaw, Hubert Sumlin with Special Guests James Cotton, Debbie Davies, Ronnie Hawkins, Colin James, Cub Koda, Taj Mahal, Kenny Neal, Christine Ohlman, Lucky Peterson, Lucinda Williams, Henry Gray, Calvin Jones, Sam Lay, Colin Linden, Eddie Shaw, Hubert Sumlin |
『BLUES FOR A ROTTEN AFTERNOON』、最悪の情けない午後に慰めで聴いてみよう・・・といった曲集なのでしょうか?デビー・デイヴィーズが『HOMESICK FOR THE ROAD』で共演していたケニー・ニールと組んで一曲参加しています。
"Money" という`90年代後期のデビーのアルバムに数曲提供していたドン・カスタニョの曲でけだるい雰囲気のブルース・ナンバーです。 『EXILE ON BLUES ST』、まるっきりローリング・ストーンズの大ヒットアルバム『Exile On Main St (メイン・ストリートのならず者)』とカバー・デザインがそっくりなアルバムでびっくりです。曲目もストーンズのアルバムからの抜粋カヴァーです。どうやらストーンズへのトリビュート・アルバム形式でブルース・シンガーたちが歌ったアルバムの様です。それぞれ楽器のソロ部分ではブルースを感じますが、ドラムスが聞こえてくるとやはりロック的な要素が表に出てくる感じです。(ただ "Ventilator Blues" だけはオリジナルがフォーク・ブルースを意識した作風だっただけにブルースです。) ここではデボラ・コールマンがキース・リチャーズの "Happy" を選んで歌い演奏しています。結構ロック色強し。 『BLUES GUITAR WOMEN』、ドイツのRuf Records が企画した編集物で曲の編集にスー・フォーリーが携わっている様で、ライナー・ノーツは彼女が編集参加に感謝を込めて書いています。わたしの購入したのは輸入盤国内盤仕様品で2ページの解説が付いており、スーの全文和訳が記されていました。 確かに素晴らしい企画だと思いました。 残念ながら、わたしがここで記そうとしているギターウーマンの中にスーは入っていませんが、書きたいと思っている5名は5名とも選ばれています。バーバラ・リンだけは既にR&B〜Soul畑のミュージシャンとして別途ページを作っています。("Lynn's Blues" は 『HOT NIGHT TONIGHT』 という彼女のアルバム内の曲です。) 5名以外の人の中には他人のカヴァーを演奏しているのが多いですが、ここで選ばれた5人の曲はすべて彼女たちのオリジナルです(バーバラ・リンもそうです)、それぞれソング・ライターとしてもシンガーとしても認められた人たちです。5人の曲はイリアの曲以外は既発アルバム内の曲でイリヤの"Dreamland Blues" は発売が決定している同名アルバム内の曲で2006年には発表されました。 |
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BLUES FOR A ROTTEN AFTERNOON 2000 Telark Blues CD-83508 (USA) 1. Why Are People Like That/ Junior Wells 2. Credit Card Blues / Terry Evans 3. Misery and the Blues/ Maria Muldaur 4. Life Will Be Better/ Sugar Ray Norcia, Charlie Musselwhite 5. So Mean to Me/Luther "Guitar Junior" Johnson 6. Money /Debbie Davies, Kenny Neal 7. Love Had a Breakdown/ Son Seals 8. Killed the Goose That Laid the Golden Egg / Kenny Neal 9. How Do I Tell My Little Sister/ Lady Bianca 10. Somebody Gotta Do It /Sam Lay 11. If the Sea Was Whiskey /Willie Dixon Tribute 12. Brutal Hearted Woman /John Primer 13. Hen House / Marty Grebb |
EXILE ON BLUES ST 2003 Telarc Blues CD-83571 (USA) 1. Ventilator Blues / Lucky Peterson 2. All Down the Line / Christine Ohlman 3. Rip This Joint/Tommy Castro 4. Sweet Black Angel/ Otis Taylor, Cassie Taylor 5. Sweet Virginia/ Jeff Lang 6. Tumbling Dice /Andrea Re (vo), Colin James (gt) 7. Shake Your Hips/ Tab Benoit 8. Shine a Light/Joe Louis Walker 9. Happy /Deborah Coleman 10. Rocks off / Jimmy Thackery |
BLUES GUITAR WOMEN 2005 Ruf Records RUF 1110 (Germany) Basf BSMF-2010 (domestic editions) [CD 1] <Contemporary Blues Guitar Women> 1. Can't Quit the Blues / Lara Price Band (featuring Laura Chavez) 2. Takin' It All to Vegas / Debbie Davies 3. The Man's So Good / Alice Stuart 4. Mediterranean Breakfast / Sue Foley 5. The River Wild / Deborah Coleman 6. Living on the Road / Joanna Connor 7. Navajo Moon / Ana Popović 8. Judgement Day Blues / Carolyn Wonderland 9. Lonely Lonely Nights / Eve Monsees 10. It's a Blessing / Maria Muldaur & Bonnie Raitt 11. Dreamland Blues / Erja Lyytinen 12. Lynn's Blues / Barbara Lynn 13. Goin' Down / Tracy Conover 14. Baghdad Blues / Beverly “Guitar” Watkins 15. Woke Up This Mornin' / Ruthie Foster [CD 2] <Traditional Blues Guitar Women> 1. Fool Me Good / Precious Bryant 2. Going Down This Road / Algia Mae Hinton 3. Doggie Treats / Sue Foley 4. Fixin' to Die / Rory Block 5. Dead End Street / Ellen McIlwaine 6. Rather Be the Devil / Alice Stuart 7. Streamline Train / Jessie Mae Hemphill 8. Nothing's Changed / Gaye Adegbalola with Rory Block 9. One Dime Blues / Etta Baker 10. Ain't Nothing In Ramblin'/ JoAnn Kelly 11. Down the Big Road Blues / Mattie Delaney 12. Motherless Child Blues / Elvie Thomas 13. Skinny Legs Blues / Geeshie Wiley 14. In My Girlish Days / Memphis Minnie |
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