BOBBY WOMACK

 ボビー・ウーマック、`60年代から活躍していたR&B界のシンガーでギターリスト。1944年3月4日、オハイオ州クリーブランドで生れで 2014年6月27日ロサンゼルスで70歳時に他界されました。
 通年50年間程も音楽業界で活躍されていた人ですが、わたしが特に気に掛けて聴きだしたのはバブル景気が弾けた頃からでした。
 最初に黒人音楽を聴くようになったのはモダン・ジャズの方が早かったのです。(ビルボード誌HOT100の上位に来るヒット曲タイプで尚且つ日本でも知られた曲 [インプレッションズやテンプテーションズ、シュープリームス達の曲など] は別でヒット曲として聴いてはいました)、ジャズ、ブルース、ソウルの順で黒人たちが生み出した素晴らしい音楽に入り込んで(のめり込んで)いきました。
 ジャズ界ではコンボ演奏は黒人が多くを占めていましたがジャズ・ヴォーカルは何故か白人主体です。その様な中 "Fly Me to the Moon (In Other Words)" はジャズ・ヴォーカルのスタンダード・ナンバーとして有名でフランク・シナトラやペギー・リー、ジュリー・ロンドン盤で馴染があり、タイトルからボビーのソロ・デビュー盤をLP時代に買っています。
 その時はタイトル曲の♪ジャンジャカジャン-ジャンジャカジャン♪と奏でるバックのリズムが気に入らず、続きのアルバムへと続きませんでした。その後に南部の土の香りがするサザン・ソウルに惹かれ`70年代中期から`80年代にかけてわたしはロック系と並び南部系ソウルにハマっていました。
 また、`70年代後半は日本のテレビでも「ソウル・トレイン」が始まり、オージェイズやスリー・ディグリーズを始めとするフィラデルフィア・サウンド(シグマサウンド)全盛からディスコ・ブームに移り、ボビー・ウーマックの名前も出ないほど彼の低迷期に当たっていました。

  (余談) 当時、Philadelphia International Records (PIR) というレコード会社から出ていたレコードは物凄い売れ行きでした、大ブームです。ペンシルヴァニア州フィラデルフィアという都市名が世界中に知れ渡りました。日本のクラシック音楽界でも当時ユージン・オーマンディが指揮していたフィラデルフィア管弦楽団の演奏盤がウィーン・フィルやベルリン・フィル演奏盤と争うほどに人気があったと思います。ジャズのBlue Note のニューヨーク、Motown が連続ヒットを出したミシガン州のデトロイトに次いで、北米地方では知名度が上がった都市でした。ホント、アメリカは地域によって生まれる音楽がガラッと変わりますね。

 ・・・ そして、バブル崩壊が起こりだすと急にディスコ・クラブなどが閉鎖され、日本ではその種のディスコ系ジャンルはマニアのみが追うジャンルへと成りました。
 そのような時期に偶然、テンプテーションズの "Don't Look Back" をカヴァーしたボビー・ウーマックを偶々聴いたのですが、オリジナルよりも断然に南部っぽい作りに驚き、そして彼のアルバムを少しずつ拾って行くようになりました。
 全体的にはひとつのジャンルで捉えきれない多彩な要素(R&B、ファンク、ロック、ソウルなど)が入り混じったソング・ライターとしての才能もあるミュージシャンだと思います。またブルース・シンガーでギターを弾く人は多数いますが、R&B・ソウル系のシンガーでギターも一流という人はあまり知らないです。おまけに左利きのプレイヤーです。(ちなみに`80年代頃までは左利き用のギターは特注品扱いだった為この時代の人たちは普通の右利き用でギターを覚えていたと思われます)
 

 ボビーの音楽キャリアの最初は黒人シンガーの多くがそうであったように ヴォーカル・グループとしてスタートしてゴスペルを歌っていました(Womack Brothers)。その時期にサム・クックに認められてグループ名を The Valentinos に変更、サム・クックのレーベル SAR から"Looking for a Love" を出してヒット(1962年)させています。その時期はサムのバックでギターを弾いていたようです。
 そして、1964年12月にサム・クックが射殺される大事件が起きた後、SRAレコードは解散、ヴァレンテイノスも解散、一旦ソロでシングルを数枚出して再出発を図ろうとしていたのに何故なのかボビーはサム・クックの奥さんだったバーバラ・クックさんと結婚したそうなのです!?
 これでは世間の反感を買うのは解ります、ソロ活動をしたくとも出来なくなり、数年間はセッションマンとして働いていたのですが、そこで主に働いていたのがディープ・ソウルの聖地メンフィスやスワンプ・ロックの聖地マッスル・ショールズのスタジオでした。この経験が後に花開く事に成ったと想像できます。
 Atlantic の専属シンガー達のバッキングを努めていたなか、ウィルソン・ピケットに彼の曲を取り上げてもらいその曲(`68 "I'm a Midnight Mover")が大ヒット。ようやく表に出る機会を貰えた形と成ったという事でした。
 そしてソロでのデビューがニューオーリンズの Minitレーベルから発売されたのが例の "Fly Me to the Moon" をフィーチャーしたアルバムでした。わたしのLPは中古で入手した物で雑音が目立つので後にCDで買い替えています。

 で、 "Don't Look Back" が入った日本編集盤『LOOKIN: FOR A LOVE』を購入です。MInit から発売されたシングル盤が中心でその他はファーストとセカンドの2枚のソロアルバムから3曲と74年のアルバム『LOOKIN' FOR A LOVE AGAIN』に録音された "Looking for a Love" のセルフ・カヴァーが組み込まれています。
2013年に「シングル集アルバム」が出るまでは貴重なシングル盤ナンバーでした。
 MinitレコードはImperial - Libertyと順に買収・傘下扱いに成り、そのリバティも`69年に United Artists の傘下に入りましたので`74年にUnited Artistから発売された曲を日本の東芝が入れ込む事が出来た様です。CD 盤面はリバティのロゴ入りです。「Liberty---自由の女神のロゴ」オールドファンには懐かしいレーベル・ロゴです。
帯には「サム・クック後継者の第一人者」と紹介されています。
Lookin' For A Love LOOKIN' FOR A LOVE
 Capitol TOCP-6596 Japan (1991) Compilation

1. Baby I Can't Stand It
2. Trust Me
3. Somebody Special
4. Broadway Walk
5. What Is This
6. Fly Me to The Moon
7. Take Me
8. Baby You Oughta Think It Over
9. It's Gonna Rain
10. Love the Time Is Now
11. How I Miss You Baby
12. Tried and Convicted
13. More Than I Can Stand
14. I'm a Midnight Mover
15. I'm In Love
16. Don't Look Back
17. Looking for a Love

 以下のアルバムは本国での発売順での記載に成ります。

 『FLY ME TO THE MOON』、有名曲のタイトルナンバーは冒頭にも記しましたがわたしにはハマりませんでした。ただ独自のアレンジと好評を与えている人も数う多く居られるようです。
 "Baby! You Oughta Think It Over"と "Love, the Time is Now"は早くからMinitレーベルに在籍していたジミー・ホリディとボビーとの共作で後から聴き直すとかなりサザン・ソウルの雰囲気を持っていました。 "Take Me" (Dee Ervin作)" も南部の雰囲気を持っています。
 3曲目、4曲目、12曲目は完全なR&B系で特に " I'm a Midnight Mover" はウィルソン・ピケットにヒットさせて貰った曲のセルフ・カヴァー。

 『MY PRESCRIPTION』、わたしがこのアルバムで感じたことが、上に記した 《ボビーがメンフィスやマッスル・ショールズのスタジオでの経験が生きている》 の最初でした。
それは Atlantic系列レーベル (Atco、Volt 含)所属の黒人シンガー達の曲を思い浮かべてしまうサウンドです。オーティス・レディング、ソロモン・バーグ、ベンEキング etc...。R&Bが徐々に南部サウンドに寄って行く過渡期の様なサウンドを感じました。 Atlantic は `60年代後期に一時期メンフィスの Stax を傘下に持っていましたので南部のスタジオ・セッションマンとの接触が多かったのでしょう。
 1曲目から4曲目がAtlantic Atoco の香り、7曲目から10曲目迄がVolt、Stax の香りを感じました。
特にサム・クックの ".I'm Gonna Forget About You" とテンプテーションズの "Don't Look Back" のカヴァーが大好きです。
Fly Me to the Moon LP
FLY ME TO THE MOON CD
FLY ME TO THE MOON (1969)
 Minit LP 24014 US---LP
 Jimco JICK-89157 Japan (1992)---CD

A
1. Fly Me to the Moon (In Other Words)
2. Baby! You Oughta Think It Over
3. I'm a Midnight Mover
4. What Is This
5. Somebody Special
6. Take Me
B
1. Moonlight in Vermont
2. Love, the Time is Now
3. I'm in Love
4. California Dreamin'
5. No Money in My Pocket
6. Lillie Mae
MY PRESCRIPTION MY PRESCRIPTION (1970)
 Jimco JICK-89158 Japan (1992)

1. How I Miss You Baby
2. More Than I Can Stand
3. It's Gonna Rain
4. Everyone's Gone to the Moon
5. I Can't Take It Like a Man
6. I Left My Heart in San Francisco
7. Arkansas State Prison
8. I'm Gonna Forget About You
9. Don't Look Back
10. Tried and Convicted
11. Fly Me to the Moon (In Other Words)
12. Thank You

 『THE WOMACK "LIVE"』、ボビーの前作発表後に Minit は Liberty Records に買収されています。そしてリバティは`69年に United Artists の傘下に入りましたのでロゴはリバティ使用で販売は United Artists からでした。
 国内盤での再発会社 Jimco Records も`80年代中期〜`90年代半ば辺りに VAP を通じてエリック・ドルフィーなどジャズ系からロック系迄種々出していたインディーズ・レーベルでロゴは「J!MCO」と I の文字を感嘆符に替えた異色デザインでしたが、今は先ず見ることのないレーベルです。
(ジャズ・ファンの多くは BlueNote、Prestegi、Riverside、Verve などのレーベル独自のサウンドで購入を決めていた時代を経験していますので、レーベル意識は高いと思います!)

 で、アルバムの内容の方はライヴ音源で収録日などの詳しいことは非記載です。1970年の録音であることは先ず間違いないでしょう。場所はハリウッド、日付は不詳で唯「土曜日の夜」とのことです。
 "Oh How I Miss You Baby" はオリジナルでソウルフルで抜群の出来、大好きな曲です。"California Dreamin' 夢のカリフォルニア" はママス&パパスの大ヒット曲。オリジナルの面影は全く無いアレンジです。別曲として聴くと味わいあります、特に後半の語り部分以降のギター演奏はジャズっぽくて聴き入ります。"Something" はジョージ・ハリスンがビートルズ時代に書いた曲でありとあらゆるジャンルのシンガーにカヴァーされていますが、ソウル系ではジェームス・ブラウン・ヴァージョンが有名でわたしもそちらの方が良いと感じます。"Everybody's Talkin'" は映画「真夜中のカーボーイ」主題歌でハリー・ニルソンがヒットさせたフレッド・ニールの曲、ディラン風な出来で驚きです。"Laughing and Clowning" はサム・クックのブルースでメドレーで続く"To Live the Past" では作者のブルースマン、パーシー・メイフィールドが飛び込みで歌っているとの事。ただ Percy Mayfield のアルバムは一枚しか持っていませんがこの曲は入っておらず、声だけ聴いていても途中参加は気付かなかったです。"I'm a Midnight Mover" はウィルソン・ピケットの代表曲ながらボビーとの共作だったというのを後で知りました。残りの2曲も同系統のR&B・ジャンプナンバーで盛り上がって終わっています。

 『COMMUNICATION』、ソロ三作目オリジナルは United Artists で当初のCD再発盤は EMI 傘下の The Right Stuff Recoeds から出ていました。ビルボード誌のR&Bアルバム部門で7位迄上がるヒット成っています。種々のタイプを取り入れたモダン・ソウルの最々初期を感じます。
 ジェイムス・テイラーやレイ・スティーヴンスなどフォーク・カントリー系のSSWの曲からバート・バカラック迄をカヴァーしたりしています。私的には絶対的な曲は有りませんが "Come l'Amore" が一番気に入った曲です。

THE WOMACK "LIVE" THE WOMACK "LIVE" (1970)
 Jimco JICK-89159 Japan (1992)

1. Let It Out (instrumental)
2. Intro
3. Oh How I Miss You Baby
4. California Dreamin'
5. Something
6. Everybody's Talkin'
7. Mrdley
   Laughing and Clowning
   To Live the Past [guest : Percy Mayfield]
8. I'm a Midnight Mover
9. The Preacher
10. More Than I Can Stand
COMMUNICATION COMMUNICATION (1971)
 The Right Stuff T2-29141 USA (1994)

1. Communication
2. Come l'Amore
3. Fire and Rain
4. (If You Don't Want My Love) Give It Back
5. Medley:
   Monologue
    (They Long to Be) Close to You
6. Everything is Beautiful Ray Stevens
7. That's The Way I Feel About Cha
8. Yield Not to Temptation

 『UNDERSTANDING』、前作同様ビルボード誌のR&Bアルバム部門で7位迄上がる ヒットに成っています。ただ、個々の収録曲はこのアルバムの方をわたしは気に入りました。レノン・マッカートニーやニール・ダイアモンドなどの曲もカヴァーしています。ニールの "Sweet Caroline" はBB誌HOT100で2位迄上がる大ヒット曲、ボビー盤もシングル化されHOT100で51位の中ヒットには成っていますが、私的にはボビー盤は好みで無いです。このアルバム内では "Thing Called Love" と "Sweet Caroline" の2曲以外は好きな曲で占められています。"Woman's Gotta Have It"と"Harry Hippie" もシングル化されてHOT100チャートで60位と31位ながらもR&Bチャートでは1位と8位とかなりのヒットを記録しています。シングル化はされませんでしたがトップの "I Can Understand It" も劣らずに味わい深く渋い曲です。ラストの "Harry Hippie" も効けば聴くほど味わい深まる良い曲です。語りから入り徐々に盛り上がっていきます。作者はジム・フォード (Jim Ford) というヒッピーあがりのスワンプロック系のSSWでジムがボビーに提供した曲。
ヒッピー (懐かしい言葉です) 独特の人生観を歌った歌詞もあり、アメリカでヒットしましたが自身のレコードは当時話題にもならず、以後James Ford 名義でソングライターとして活動しています。ボビーやニック・ロウ、ロン・ウッド等に提供しています。現在はスワンプ・ロック・ファンにはそこそこ名が知れた人です。
 この盤はカバーデザイン共々好きなアルバムです。

 『ACROSS 110TH STREET』、1972年公開の米United Artists製作映画「110番街交差点」のオリジナル・スコア盤。音楽担当がジャズ・トロンボーン奏者のJ.J. Johnson でタイトル曲他をボビーが担当していました。このタイトルソングは"Harry Hippie" の次のシングルとして出ていましたが日本ではこの曲の方がヒットしていてその時代にラジオで聴いたのを覚えています。

UNDERSTANDING UNDERSTANDING (1972)
 The Right Stuff T2-29144 USA (1994)

1. I Can Understand It
2. Woman's Gotta Have It
3. And I Love Her
4. Got To Get You Back
5. Simple Man
6. Ruby Dean
7. Thing Called Love
8. Sweet Caroline
9. Harry Hippie
ACROSS 110TH STREET O.M.S. ACROSS 110TH STREET (1972)
 ーOrijinal Motion Picture Scoreー
 Charly SNAP-231 CD UK (2001)

1. Across 110th Street
2. Harlem Clavinette (Instrumental)
3. If You Don't Want My Love
4. Hang on in There (Instrumental)
5.Quicksand
6. Harlem Love Theme (Instrumental)
7. Across 110th Street (Instrumental)
8. Do It Right
9. Hang on in There
10. If You Don't Want My Love (Instrumental)
11. Across 110th Street - Part Ⅱ
  ※track 2,4,6,7,10
      J.J. Johnson & His Orchestra

 『FACTS OF LIFE』、今までにもアルバム『COMMUNICATION』のカバーデザインでサングラスをかけた物が使われていましたが、この作品からはほぼほぼサングラスをかけたボビーが表です(『SAFETY ZONE』のオリジナルデザインのみは素眼です)。セカンドソロの如何にもソウル・シンガーといった面影が薄れてしまい残念に感じた部分もあります。スティーヴィー・ワンダーやレイ・チャールズは眼の病気なので判るのですが、ボビーのはファッション的要素を感じて、そこだけは今尚気にはなります。
 内容で最初に気づいたタイトルがボブ・ディランの曲です。ディランのアルバムも全部持っていますがその中でも好きな曲で、ボビーがカヴァーしても不思議ではないのですが、わたしのベスト・カヴァー・ヴァージョンはジミ・ヘンドリックスの物でそれに比べたらやはりあり触れた感じがしました。他のかヴァー、バカラックの"The Look of Love 恋の面影" (ダスティー・スプリングフィールド)、キャロル・キングの "Natural Man (Woman)"(アレサ・フランクリン) では"Natural Man" の方が好みです。・・・ダスティーは好きな歌手です。
 "That's Heaven to Me"は師匠サム・クックの曲、ほんの少し・若干サムの方を押しますがホンのわずかでどちらの歌唱も素晴らしいです、ソウル・ミュージックの良さを再認識します。
 "Nobody Wants You When You're Down and Out" もスタンダード化した曲でソウル・シンガー以外にクラプトンがDerek and the Dominos時代の『愛しのレイラ』内でもカヴァーしています。ボビーのヴァージョンも素晴らしいです。(作者はJimmy Cox という人)
 "If You Can't Give Her Love (Give Her Up)" もカヴァーですが良い感じです。元はわたしが持っている フィリップ・ミッチェル唯一のアルバム大ヒット作『Make It Good』で収録されていた曲です。

 『LOOKIN' FOR A LOVE AGAIN』、ヴァレンティノス時代のヒット曲のセルフ・カバーを収録したアルバムです。本作は半分がボビーのオリジナルでスタジオはマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオ、ボビーは写真どおりアコギを使い、エレキ・ギター他はスタジオのセッション・マンを使ったと思われます。
 全体のサウンドはやはり南部の香りがして良い感じです。"Point of No Return" は "Harry Hippie" の作者ジム・フォードです。わたしのベスト・ソングは"I Don't Wanna Be Hurt by Ya Love Again" でしょうか。
FACTS OF LIFE FACTS OF LIFE (1973)
 The Right Stuff T2-29142 USA (1994)

1. Nobody Wants You When You're Down and Out
2. I'm Through Trying to Prove My Love to You
3. If You Can't Give Her Love (Give Her Up)
4. That's Heaven to Me
5. Medley:
   Holdin' on to My Baby's Love
   Nobody
6. Medley:
   Fact of Life
    He'll Be There When the Sun Goes Down
7. Can't Stop a Man in Love
8. The Look of Love
9. Natural Man
10. All Along the Watchtower
LOOKIN' FOR A LOVE AGAIN LOOKIN' FOR A LOVE AGAIN (1974)
 UNITED ARTISTS UA-199 USA 1994

1. Lookin' for a Love
2. I Don't Wanna Be Hurt by Ya Love Again
3. Doing It My Way
4. Let It Hang Out
5. Point of No Return
6. You're Welcome, Stop on By
7. You're Messing Up a Good Thing
8. Don't Let Me Down
9. Copper Kettle Albert
10. There's One Thing That Beats Failing

 1975年〜`80年代中期の作品はショップで見かけても、2000年代入ってからしか入手していませんでした。バブル崩壊後の数年間は買い控えもあった上 Windows 95〜Windows 98 などPCの発売に伴い3〜4年間はそちらへの支出が増えたためでした。パソコンは`80年代に出ていたシャープのX-1が最初の出会いでしたが、Windows 95は衝撃的でした!
 『I Don't Know What the World Is Coming To』、`75年発表作、日本では人気薄の様で単独盤は品薄で、「2 on 1 Disc」の方が安く売られていました。目玉はヴァレンティノス時代の曲でローリング・ストーンズによって知られた "It's All Over Now" のセルフ・カヴァーでしょう。オリジナルよりグンとR.ストーンズ風なアレンジに成っています。ヴァレンティノスのオリジナルはリズム的には特徴ありましたが、そこまでの曲とは思えませんでしたが、ストーンズがロック調にしてヒットさせたのは流石です。
収録曲中では "What's Your World" が最も良い感じで、"Superstar"、"Interlude #2"辺りは少し何かが足りない気がしてちょっと残念が気がしました。

 『SAFETY ZONE』、このアルバムも`75年発表作、オリジナル・カバーデザインは車の扉を開けて後ろを向くボビーの写真(ノーグラス)が使われていますが、購入盤は別デザインのフランス盤です。2000年代の購入に間違いはないのですが、盤の何処にも販売年度が記されていません。ただ、Discograph というレーベルは2011年に破産対象に成ったという記事を見ましたので`00年代の発売でしょう。
 録音がサンフランシスコやLAと西海岸なので南部の雰囲気はなく New Soul、 Soft & Mellow と言われていたジャンルのサウンドですが、上記の前作よりは全体の雰囲気は良い感じです。聴き入るような特別抜けた曲は無かったですが、耳障りが良く気が休まる流れです。

 『BW GOES C&W』、前作迄のソロ・アルバムはすべてビルボード誌のR&Bチャートに登場していたのに、このアルバムはチャートインしませんでした。
 わたしはどこかのページで最初に聴き始めた洋楽はC&Wだと書いたほどカントリー・ミュージックも大好きです。ボビー・ウーマックが歌ったのがどうのこうのと思うより、単純に嬉しく感じました。
 黒人であるボビーがカウボーイ・ハットを被って馬に跨っています・・・これは昔のアメリカでは普通だったようです、ハリウッドの西部劇映画界がカウボーイ役を白人俳優しか使わなかったのでこの馬に跨った黒人のアルバム・デザインが嫌われてチャートインを逃すほどに売れなかった原因なのでしょうか?
 内容は素晴らしいです。大好きなアルバムです。"Tired of Living in the Country" はサム・クックの曲でボビーもヴァレンティノス時代に録音したことのある曲です。
 そして "I'd Be Ahead If I Could Quit While I'm Behind" は "Harry Hippie" 以来ボビーに曲を提供し続けていたジム・フォードの曲です。カントリーの聖地ナッシュヴィルもメンフィスと同じテネシー州の都市なので土の香りを感じるのは同じ様にも思えます。
I DON'T KNOW WHAT THE WORLD IS COMING TO / 2 on 1CD I DON'T KNOW WHAT THE WORLD IS COMING TO (1975)
 EMI 7243 8 74403 2 6 EU (2004)

1. Medley :
   Interlude #1
    I Don't Know
2. Superstar
3. (If You Want My Love) Put Something Down on It
4. Git It
5. What's Your World
6. Check It Out
7. Interlude #2
8. Jealous Love
9. It's All Over Now
 (featuring Bill Withers)
10. Yes, Jesus Loves Me
SAFETY ZONE SAFETY ZONE (1975)
 Discograph 6129972 France

1. Everything's Gonna Be Alright
2. I Wish It Would Rain
3. Trust in Me
4. Where There's a Will, There's a Way
5. Love Ain't Something You Can Get for Free
6. Something You Got
7. Daylight
8. I Feel a Groove Comin' On
BW GOES C&W BW GOES C&W (1976)
 United Artists  UA-LA638-G USA

A
1. Don't Make This the Last Date
2. Behind Closed Doors
3. Bouquet of Roses
4. Tired of Living in the Country
5. Tarnished Rings
B
1. Big Bayou
2. Song of the Mockingbird
3. I'd Be Ahead If I Could Quit While I'm Behind
4. You
5. I Take It on Home

 前作『BW GOES C&W』発表後レコード会社を移籍していました。米コロムビアから`77年『Home Is Where the Heart Is』、`78年『Pieces』の二作を出しています。
 購入盤は「2 on 1 Disc」形式、イギリスのレーベルでジャズやソウルを中心に再発している Soul Brother Records からです。
 『Home Is Where the Heart Is』、録音はマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオとハリウッドのパラマウント・サウンドスタジオと成っています、セッション・マンのクレジットは膨大でかなり作りこまれた感じがします。サム・クック作の "A Change Is Gonna Come" が南部サウンド好きには聴き応えあります、あとポール・ウィリアムス作の "We've Only Just Begun" を除くと当時流行りのディスコティック・クラブ向けのサウンドで、どの曲も踊るには良い感じながら曲自体の特徴が少ない感じがしました。フィリップ・ミッチェルの曲が2曲あります。"Home Is Where the Heart Is"、 "Something for My Head"の2曲ですが、やはりディスコティック・クラブで受けそうなタイプながら特に印象は薄いです。

 『Pieces』、このアルバムはジャケット・デザインが強烈で`70年代後半時にレコード・ショップで見かけた記憶はありましたし、トップの "It's Party Time" は特にシンガーが誰々という事なく聴いた記憶もあります。スローでは "Stop Before We Start" が味のある作りです。アルバムの中では一番気に入りました。
デイスコ系では印象深い曲です。ただ他の曲はごく普通の曲にしか思えず、当時のフィラデルフィア・サウンド全盛期では影が薄かったのも判ります。この米コロムビアから出た二作ともアルバム・チャートに登場しない売れ行きでした。

 『Roads of Life』、今度は米コロムビア・CBSと関係もある Arista レーベルからの発売です。黒人音楽よりもロック系・ポップス系で有名アーティストが多いイメージがあるレーベルです。購入盤はイギリスの Soul Brothers と同列会社 Expansion Records からのリイッシュー・シリーズ物でした。録音は前二作と同様で聴く前から内容が分かりそうな感じです。この手のダンス系音楽が好きな人はディープ・ソウルファンよりも絶対に多いと思います。ただまぁ、私的にはボビーはヴォーカリストでなくシンガーとして歌って欲しいという気も出てきますので、この種の作品は「他の人が作れば良いのでは?」とも思います。4曲目"The Roots in Me" の様なソウル・マンらしい曲を多く歌って欲しいと感じました。(この曲にはメリサ・マンチェスターが参加しています・・・Arista ですものね)
ラストの"I Honestly Love You 愛の告白"は意外中の意外曲でした。オリヴィア・ニュートン・ジョンがポップ・チャートで全米1位を獲得した大ヒット曲。シンガーとしての歌い上げる力を表現しています。
 前二作よりは好きです。

HOME IS WHERE THE HEART IS / 2 on 1CD HOME IS WHERE THE HEART IS (1977)
 Soul Brothers CD SPBJ-36 UK 2007

1. Home Is Where the Heart Is
2. Just a Little Bit Salty
3. Standing in the Safety Zone
4. One More Chance on Love
5. How Long (Has This Been Goin' On)
6. I Could Never Be Satisfied
7. Something for My Head
8. A Change is Gonna Come
9. We've Only Just Begun
PIECES / 2 on 1CD PIECES (1978)
 SOUL BROTHERS CD SPBJ-36 UK 2007

1. It's Party Time
2. Trust Your Heart
3. Stop Before We Start
4. When Love Begins Friendship Ends
5. Wind It Up
6. Is This the Thanks I Get
7. Caught Up in the Middle
8. Never Let Nothing Get the Best of You
ROADS OF LIFE ROADS OF LIFE (1979)
 Expansion EXCDM 15 UK 2010

1. The Roads of Life
2. How Could You Break My Heart
3. Honey Dripper Boogie
4. The Roots in Me
5. What Are You Doin'
6. Give It Up
7. Mr. D.J. Don't Stop The Music
8. I Honestly Love You
 `80年代に入り、Arista からLAの新興レーベルBeverly Glen Music に移籍、この『THE POET』も当時のレコードショップで何度も見かけていました(今から思うと南部ソウルの雰囲気を感じないジャケット・デザインですので当時は購入は控えたのでしょう)。
 購入したのは次作との 2 on 1CD タイプのリイッシュー盤でしたが、実に良かったです。R&Bチャートでボビー唯一のNo.1ヒットです。売れたのは確かに納得です。
 "Just My Imagination" のメロウなソウル感覚はわたしの中ではビル・ウィザースの "Just the Two of Us"、レイ・パーカー Jr の "A Woman Needs Love"と並び大好きなメロウ・ソウルの中に入りました。
 ファンキー・ソウル・タイプの "So Many Sides of You"、"So Many Sides of You"も良いです、好きです(偶然なのかどちらもボビーとジム・フォードの共作曲です)。このアルバムが売れたのはシングル化された "If You Think You're Lonely Now" の大ヒットによる部分も多分にあると思うのですが、私的には好きな部類ではないです。

 『THE POET Ⅱ』、明らかに新タイトルを付けるより前作の続編にした方が売れそうという魂胆で付けたと思われるタイトルです(最初から二作でひとつの意図ある作品としてではなかったでしょう)。 購入盤は二作一枚ですので『THE POET Ⅱ』のカバーデザインは載せられていませんが同じギターを抱えた立ち姿で赤系のファッション。若干ワイルドなデザインです。
 多くの曲で "Lady Marmalade"で有名なパティ・ラベルが参加していますが、特に1〜3曲目まではヴォーカルの主要パートを彼女に譲っています。また、本作には3,4,5,6,7,9曲目と6曲もジム・フォードとの共作曲が含まれています。その中では "Tryin' To Get Over You"、"Who's Foolin' Who" が
 
THE POET / 2 on 1CD THE POET (1981)
 Abko 18771-01962 USA (2009)

1. So Many Sides of You
2. Lay Your Lovin' on Me
3. Secrets
4. Just My Imagination
5. Stand Up
6. Games
7. If You Think You're Lonely Now
8. Where Do We Go from Here
THE POET 2 / 2 on 1CD THE POET Ⅱ (1984)
  -Featuring Patti LaBelle-
 Abko 18771-01962 USA (2009)

1. Love Has Finally Come at Last
2. It Takes a Lot of Strength to Say Goodbye
3. Through The Eyes of a Child
4. Surprise, Surprise
5. Tryin' To Get Over You
6. Tell Me Why
7. Who's Foolin' Who
8. I Wish I Had Someone to Go Home to
9. American Dream

 1985年には二作のアルバムが発表されています。殆ど同時期の様で、「ソロ〇作目」と記されるときの順序は違う記載があるみたいです。ただ、『So Many 〜』CD封入の日本盤解説を見るとLP時代の`85年突入と同時にBeverly Glen Music 在籍時の録音音源を集めた盤『Someday We'll〜』が発売後まもなく MCA 移籍後の初盤が出たとありますので契約上の関係から『SOMEDAY WE'LL ALL BE FREE』の方が先だと思われます。前の二作と違い,如何にもソウル・マンらしい写真が良いです。
 収録曲のうち "I Wish I Had Someone to Go Home to" は『THE POET Ⅱ』ダブっていますが他は未発表曲です。ハービー・ハンコックやフレディ・ハバード等のジャズ・ミュージシャンやマーヴィン・ゲイ等の録音に参加しているギターリスト David T. Walker の名がクレジット列にありました。曲としてはファンキーな "Falling in Love Again" と "Searching for My Lovet" が気に入りました、特に前者はナカナカです。ボビーのオリジナル。

 『SO MANY RIVERS』、自ら望んでMCAへの移籍を望んたらしいです。移籍第一弾。 `80年代前半、LP時代からCD時代への移行時期の日本盤当時の価格は\3500-で後半に入り\3200-程に成っていました。今から考えても高い時代でしたね。この帯に「日本のみCD化!!」と記されていますが、その後に欧州でもCD化されました。アメリカは人口が多いのか音楽ソフトすべてが長くLP盤販売が続いていたようです。
 内容はBeverly Glen Music 時代と同じスタジオでの録音物でメンバーも同じ人が多いです。デヴィッド T. ウォーカー以外にもスティーリン・ダンやドゥービー・Brsのジェフ・バクスターなどの名もあります。 3曲目タイトル・チューンなどはロック調でバクスターとの共演の部分を感じます、例のジム・フォードとボビーの共作曲です。 "Gypsy Woman"は大好きなインプレッションズ・ナンバーのカヴァーですが、ソフトなアレンジが強く残念ながらオリジナルの方が好きです。

SOMEDAY WE'LL ALL BE FREE SOMEDAY WE'LL ALL BE FREE (1985)
 Sequel Records NEMCD 439 UK (1999)

1. I'm So Proud
2. Someday We'll All Be Free
3. Gifted One
4. Falling in Love Again
5. Searching for My Love
6. In Over My Heart
7. I Wish I Had Someone to Go Home to 
   bonus tracks
8. Someday We'll All Be Free (Acoustic)
9. Gifted One (Acoustic)
SO MANY RIVERS SO MANY RIVERS (1985)
 MCA 32XD-799 Japan (1987)

1. I Wish He Didn't Trust Me So Much
2. So Baby, Don't Leave Home Without It
3. So Many Rivers
4. Got to Be With You Tonight
5. Gypsy Woman
6. Whatever Happened to the Times?
7. Let Me Kiss It Where It Hurts
8. Only Survivor
9. That's Where It's At
10. Check It Out

 『WOMAGIC』、内容とは関係ないですがこのカバーデザインは多いに気に入っています。普通は目を追いやっている方を画面上広くとるのですが、ここでは背後を広くとっています。そしてボビーの向こう側のシャドー部分がアコースティック・ギターを持っている意外性が面白いですね。内容の方はボビーの全ソロ作の中でもかなり地味&地味に位置する感じです。日本盤購入ですが、解説に書かれているのはボビーの人間関係エピソードやスタッフの事が九割九分で、曲紹介は「今のところわたしは "When the Weekend Comes" が気に入っている」のみでした、笑ってしまうほどの驚きです、作品解説なのにと。新作の日本盤ライナーを書く人も大変でしょうね。
ちなみにこのわたしも先にデザインの方に触れましたが、気に入った曲を挙げるのなら 最初に "The Things We Do (When We're Lonely)" です。この曲だけは別です。作者は Dean Pitchford & Tom Snow 完全にAORナンバーでソウル・シンガー向けの曲ではないのでスルーしそうですが、じっくり聴くと渋くて味がある曲だと感じます。作曲の Tom Snow はこの種の曲のソングライターとしてメリサ・マンチェスター、オリヴィア・N・ジョンなどに曲を提供している人です。
 次に " I Ain't Got to Love Nobody Else" でしょうか?南部の香りがします。

 『THE LAST SOUL MAN』、オリジナルLPは前作に続きMCAからの発売です。カバーデザインは似ていますがまぁ普通のスタイルです。ただタイトルは自信に満ちている感じです。
2曲目と8曲目は前作の再録音に成っています。特に "When the Weekend Comes" はやり直したかったのでしょう、スライ・ストーンに参加して貰って歌い、確かにキレのある良い曲になってはいます。また "Falling in Love Again" はアルバム『SOMEDAY WE'LL ALL BE FREE』の同名曲があるのでこれも再録かと思ったら全く違う曲でした。ラストの "Outside Myself " はシンガーとしての凄さを感じますが曲自体がいまいちというか・・・自ら進んでMCAに移った様ですが、この二作の出来は似たり寄ったりでした。

WOMAGIC WOMAGIC (1986)
 MCA 32XD-665 Japan 1987

1. (I Wanna) Make Love to You
2. When the Weekend Comes
3. The Things We Do (When We're Lonely)
4. I Can't Stay Mad
5. Can'tcha Hear the Children Calling
6. Outside Myself
7. I Ain't Got to Love Nobody Else
8. More Than Love
9. It Ain't Me
THE LAST SOUL MAN THE LAST SOUL MAN (1987)
 Super Bird SBIRD 0045 CD EU 2011

1. Living in a Box
2. When the Weekend Comes
    featuring Sly Stone
3. I Still Love You
4. Gina
5. A World Where No One Cries
6. A Woman Likes to Hear That
7. Real Love Please Stand Up
8. The Things We Do (When We're Lonely)
9. Falling in Love Again
10. Outside Myself

 『SAVE THE CHILDREN』、イラストのボビーがやたら光っています(ロン・ウッドの描いた物の様です)。大手MCA からソウル・ミュージック専門の SOLAR Records へ移っての`80年代ラストのアルバム。この後しばらく録音から遠ざかってしまいます。 SOLAR レーベルのアーティストではザ・ウィスパーズしか持っていませんが、ディスコ系ソウル・ファンには人気のレーベルの様です。
3曲目と8曲目にカルロス・サンタナがゲストでギターを弾いています。MCA時代のアルバム二作内でもそうでしたが`80年代後期のボビーの曲作りの相方は Harold Payne という人の様です。一作内で3曲ずつ収められていました。 "When the Weekend Comes" が目立ったくらいでしたが、本作ではタイトル曲 を共作しています。 最初は「良いじゃない」と思いましたが繰り返し聴くと「まぁ普通じゃないの」と成りました。
何度か聴いて次第に良く感じたのがミディアム・ファンクの"Baby I'm Back" がでした。兄弟の Curtis Womack 、Friendly Womack.Jr. が参加しています。作者クレジットの Juan Lively って「誰なの?」と調べてみたら The Dazz Band というファンク・バンドのヴォーカリストだった人だとの事でした。
あとはラストの "Better Love (Everybody's Looking for a Better Love)" が印象的でした。ポップ・ソング的な明るさを持った曲で、ソウル・ファンには完全に無視されそうですがわたしはポップスも大好きですので・・・これはコレで良いんじゃないですか!と感じます。

 『RESURRECTION』、4年ぶりのアルバムでタイトルが『復活』。米盤販売元はContinuum Records という会社、見かけないレーベルでしたので調べたら`91年〜`95年迄存在したアメリカのレコード会社の様です。購入した邦盤の裏には Continuum ロゴの両サイドにポニーの洋楽レーベルのロゴと Slide Music のロゴがありますが、 この Slide Music こそがロン・ウッドが作った会社だったようですが、このロゴは他では先ず見かけない様です。(相も変わらず音楽制作会社に興味あるわたしですので・・・)
 内容はヴァレンティノス時代のメンバー(亡くなったハリー以外)が揃ってバックで歌い、ロン・ウッドやキース・リチャーズがギターで参加、ドラムスにチャーリー・ワッツも参加、スティーヴィー・ワンダーやロッド・ステュアート等大物もゲスト参加した「復活」を意識したアルバムです。
 "Good Ole Days" 曲名からして初心回帰の様な出だしですが、サウンドは何故かサンバ調子でブラジルの香りがしましたが一応R&Bタイプでスタート。2曲目もオールドR&Bジャンプナンバー、で3曲目はR&Bバラードと`60年代サウンドが続きますが、ロッド・スチュアート参加曲は`80年代風なメロウ・ソウル。ここまではすべてボビーと Harold Payne の共作。
"Please Change Your Mind" は Michael Lovesmith 作のメロウなファンク・ナンバーですが、聴きこむと何故だか入り込んでしまう魅力ある曲です。マイケル・ラヴスミスは メロウ・ソフト・タイプの曲が得意なソウル・シンガーでソング・ライター。"Centerfield" はクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイバルのジョン・フォガティのソロで出した曲で、`85年のヒット曲。カントリー・タッチのロック系なのでカヴァーしたのは意外でした。
続いても意外なロック・ナンバー "Goin' Home" です。ロックバンドのTOTOが`89年に一旦録音しながら未発表に成っていた曲を譲り受けた感じに思えます。作者はTOTOのメンバー Jeff Porcaro, David Paich, Joseph Williams の3人でジョン・ウィリアムスが自身のソロ・アルバムで`97年にセルフ・カヴァー、TOTOが未発表曲集アルバムで`98年にオリジナル音源を発表しています。`70年代後半デビュー時からのTOTOサウンド独特のリズムは生きています。TOTOのアルバム『Hydra』は大好きです。ボビーのこの曲もロック調ですが大好きです。
 "Cry Myself to Sleep" はボビーのオリジナル。カントリー・ブルースを粘っこく仕上げた感じでほぼほぼスワンプの香りがするスロー・ナンバーです。味が合って良いです。"Color Him Father" はThe Winstons
が`69年に放ったヒット曲とかでオリジナルは聴いたことありませんがここでは確かに`60年代後半のボビーを思い浮かべるにピッタリな出来です。良い感じです。ラストのボーナス曲はブルース調でした。

SAVE THE CHILDREN SAVE THE CHILDREN (1989)
 CBS/SONY CSCS 5285 Japan 1990

1. Save the Children
2. Priorities
3. Too Close for Comfort
4. Baby I'm Back
5. She's My Girl
6. Free Love
7. How Can It Be
8. Tough Job
9. Now We're Together
10. Better Love (Everybody's Looking for a Better Love)
RESURRECTION RESURRECTION (1994)
 Canyon International PCCY-00686 Japan (1995)

1. Good Ole Days
2. You Made Me Love Again
3. So High On Your Love
4. Don't Break Your Promise (Too Soon)
     with Rod Stewart
5. Forever Love
6. Please Change Your Mind
7. Trying Not to Break Down
     duet with Ronald Isley
8. Cousin Henry
     with Stevie Wonder
9. Centrefield
10. Goin' Home
11. Walking On the Wildside
12. Cry Myself to Sleep
13. Wish
14. Color Him Father
   bonus track
15. Crossin' Over Partner

 『SOUL SENSATION LIVE』、LIVEと成っていますが、コンサート・ホール等ではなくロンドンの Mobile Studios と記されていますので収容観客数の少ないTV局のスタジオの様な感じでしょうか?
ダビングを重ねたり打ち込み音などを使っていない分、生の音が充分に伝わる迫力ある演奏です。録音技術が進化してもこの様な人間味のある音で作って貰えると「音楽って素晴らしいな」って嬉しくなりますね。
ほとんどの曲が良い感じです。"It's All Over Now" はブルース調アレンジに成っています、短すぎて途中で終わった感じがしました。
 "When the Weekend Comes" は『WOMAC』収録曲で、『THE LAST SOUL MAN』で再録、さらにこのライヴ盤で演奏と録音し直しを繰り返している様ですが、このライヴ・ヴァージョンでの同曲はノリもキレも良く三種の中では一番好きです。 ラストの"How Can It Be?"は『SAVE THE CHILDREN』収録時には "How Can It Be" と?マークが付いていませんでしたが?
9曲目と10曲目に女性ヴォーカルのバッキングが聴けますが、Alltrinna Grayson という人でボビーとは Wilton Felder のアルバムやライヴで共演しているシンガーです。

SOUL SENSATION LIVE SOUL SENSATION LIVE (1998)
Sequel Records NEM CD 996 UK

1. Intro: Womack's Groove
2. Baby I'm Back
3. Nobody Knows You When You're Down and Out
4. Daylight
5. Woman's Gotta Have It
6. That's the Way I Feel About Cha
7. Inherit the Wind
8. If You Think You're Lonely Now
9. A World Where No One Cries
10. Ain't Nothing Like the Loving We Got
11. Trying to Get Over You
12. I Wanna Make Love to You、
13. It's All Over Now (Blues Version)
14. When the Weekend Comes
15. No Matter How High I Get (Finale)
16. How Can It Be? (Encole)

 再度長いブランクの5年目での新作 『BACK TO MY ROOTS』・・・私のルーツに戻る。
ボビー・ウーマックのルーツはゴスペルを歌うヴォーカル・グループでした。前作が「復活」で更にその前へとさかのぼろうとの事でしょう。メンバーはDavid.T.Walker (g)、Patrick Moten (key)、Wilton Felder (sax) が主で他にゲスト・プレイヤーが数名です(有名どころではスィート・インプレッションズ、ビリー・プレストン、兄弟のフレディ・ウーマック、作曲の相方ハロルド・ペインなど)。
 今回は、2曲目から4曲目までと14曲目から16曲目にプロミラミング・アレンジが施されているとの事です。2000年代以降はかなり広まって終いましたが、土や自然風の香りがする曲はズッと残り続けて欲しいです。 "Rug" はボビーのオリジナル、語り調から入る曲でゴスペルと云うよりサザン・ソウル寄りの曲です。音作りの関係か、Hi や Stax の音に馴染んだ身にはズッシリ感が乏しく感じました。 "Stand by Me" はベン・E・キングの曲だと思いきやサム・クックがゴスペル・グループ Soul Stirrers 時代に発表していた "Stand by Me Father" でした。サム・クックはボビーの原点ですからねぇ。"Oh Happy Day" は超有名ゴスペル・ソングで収録は妥当でしょう。
"Jesus Be a Fence Around Me" はこれまたサム・クック作の Soul Stirrers 時代の有名曲。そして讃美歌からアメリカン・スタンダード化した曲 "What a Friend We Have in Jesus いつくしみ深き" であらゆるジャンルの歌手が歌っています。アメリカ人でなくとも何故か子供時代の素朴さを懐かしむ感じがします。ここでのボビーはカントリー調アレンジで歌っています。 "Where There's a Will There's a Way"、 "I'm Coming Home" は曲調からおそらく`50年代ゴスペルの曲だと思います。9〜10はトラディショナルとクレジットがあります。 "Bridge over Troubled Water 明日にかける橋"は勿論サイモンとガーファンクルの大ヒット曲。歌い上げている部分がソウル・シンガーを感じますが、まぁ何度も聴きたくは成りません。
 "Looking Back" もB.B誌ポップ・チャート5位の曲でブルック・ベントンがベルフォード・ヘンドリックスとクライド・オーティスと組んで書いた曲でナット・キング・コールが1958年にヒットさせています。
"Ease My Troubled Mind" は再々度サム・クックの曲ですがこちらはソロになってからの曲で死後`65年に"(Someone) Ease My Troubled Mind" というタイトルでアルバム『Shake』に収録されていました。33歳時のサムのノビのある声と比べるのは厳しいですが、よりゴスペル色を感じるのはボビーの方でしょうか・
"Nearer My God to Thee 主よ御許に近づかん" は讃美歌のひとつでしょうが、ソウルフルに歌い上げているのが聴き入ります。この曲は何度聴いても飽きない歌唱です。
"Cousin Henry" は前作でスティーヴィー・ワンダーをフィーチャーして収録した曲の再録。今回の方が少し聴きやすいです。前盤では作者はウーマック兄弟3名連記でしたが本盤では弟さんセシルのみのクレジットに成っていました。 "A Hundred Pounds of Clay" は私的にはインプレッションズ・ヴァージョンが先ず浮かびますが、オリジナルヒットはジーン・マクドナルド1961年のヒット曲です。ノリの良いポップ調の曲です。
ラストもインプレッションズで有名な "Amen" で始まりサム・クックの "This Little Light of Mine"へと続くゴスペル・メドレーで終わります。 名盤ではないでしょうが何処からとなく意気を感じるアルバムでした。

 『TRADITIONS』、海外のシンガーは有名に成れば必ずといっても言い過ぎではないほどにクリスマス・アルバムを出しています。プレスリーやオリヴィア・ニュートン・ジョンの様に二種出している人も居ます。わたしは特別に聴きたい訳ではなくとも好きな人の場合は取り合えずは買ってしまいますので、ほぼ二度聴くことは稀ですが、かなりの数のクリスマス・アルバムを持っています・・・
 子供時代は貧しかったので靴下の中に○○などの記憶も思い浮かびませんし、ケーキはクリスマスが終わった次の日に買ってきて貰えた記憶があります、それでも懐かしい大切な思い出です。ラストの "Auld Lang Syne (OLd Long Since)" は [遥か昔] といった意味でしょうか?子供時代を想い出します。

BACK TO MY ROOTS BACK TO MY ROOTS (1999)
 The Right Stuff 72434-98584-2-8 USA (1999)

1. Opening Narration
2. Rug
3. Stand by Me
4. Oh Happy Day
5. Jesus Be a Fence Around Me
6. What a Friend We Have in Jesus
7. Where There's a Will There's a Way
8. I'm Coming Home
9. It Is Well
10. Motherless Child
11. Bridge over Troubled Water
12. Looking Back
13. Ease My Troubled Mind
14. Nearer My God to Thee
15. Cousin Henry
16. A Hundred Pounds of Clay
17. Medley
   Amen
   This Little Light of Mine
   Closing Narration
TRADITIONS TRADITIONS (1999)
 The Right Stuff 72435-23560-2-7 USA 1999

1. Dear Santa Claus
2. This Christmas
3. Have Yourself a Merry Little Christmas
4. Christmas Ain't Christmas
5. White Christmas
6. The First Noel
7. Hark! The Herald Angels Sing
8. The Christmas Song (Chestnuts Roasting on an Open Fire)
9. Silent Night
10. Jingle Bells
11. Dear Santa Claus (Children's Version)
12. Winter Wonderland
13. O Holy Night
14. Rudolph the Red-Nosed Reindeer
15. Away in a Manger
16. Joy to the World
17. Auld Lang Syne

 『(I WANNA) MAKE LOVE TO YOU』、MCAから出ていた『WOMAC』とほぼ同内容の編集盤。
"It Ain't Me" を外して『DO MANY RIVERS』収録の "Gypsy Woman"、"Let Me Kiss It Where It Hurts" の2曲に差し替えた物です。写真もアップ画像にしただけです。

  『THE BRAVEST MAN IN THE UNIVERSE』、2000年代に入って初めての新録アルバムながら、最後の正式アルバムと成ってしまった68歳時発売の作品。イギリス本社のダンス音楽やHipPopミユージックで有名な XLレーベルからの発売です。
 アメリカの会社でボビーに新作を依頼するところが無かったのでしょうか?
多くの曲はボビーと XL のRichard Russell、ブラー(Blur)のヴォーカリストDamon Albarnとよく共作していた Harold Payne の4人共作と成っています。
 この4人共作曲以外では好きなジム・フォードとの曲作 "Whatever Happened to the Times" が唯一印象的でした。
"Dayglo Reflection" がボビー、R.ラッセル、D.アルバーン、エリザベス・グラントにサム・クックの名がありますが、故人サムは在命時の音声入りなのでクレジットされている様です。"Deep River" は黒人霊歌でラスト曲は Traditional とありますが、打ち込みのリズムがアフリカっぽい古さを感じさせますが全く知らない曲でした。"Stupid Introlude" がギル・スコット・ヘロンの次曲紹介ナレーションのみ。
 シングルカットは "Please Forgive My Heart"。タイトル曲共々曲調は時代に合っていたのかも知れませんが、どうも印象薄な曲です。その傾向は殆どの曲に感じます。
 やはり、アメリカ南部のレコード会社で最後は制作して欲しかったなと今さらながら感じます。
 (カヴァー写真の親指が変?裏写真は左手で同じく親指が変・・・)

 
(I WANNA) MAKE LOVE TO YOU (I WANNA) MAKE LOVE TO YOU (2005)
 Universal MCAD20757 Canada Compilation

1. (I Wanna) Make Love to You
2. The Things We Do (When We're Lonely)
3. I Can't Stay Mad
4. Can'tcha Hear the Children Calling
5. Outside Myself
6. I Ain't Got to Love Nobody Else
7. More Than Love
8. When the Weekend Comes
9. Gypsy Woman
10. Let Me Kiss It Where It Hurts

THE BRAVEST MAN IN THE UNIVERSE THE BRAVEST MAN IN THE UNIVERSE (2012)
 XL Recordings XLCD561 UK 

1. The Bravest Man in the Universe
2. Please Forgive My Heart
3. Deep River
4. Dayglo Reflection
    featuring Lana Del Rey
5. Whatever Happened to the Times
6. Stupid Introlude
    featuring Gil Scott-Heron
7. Stupid
8. If There Wasn't Something There
9. Love Is Gonna Lift You Up
10. Nothin' Can Save Ya
     (featuring Fatoumata Diawara
11. Jubilee (Don't Let Nobody Turn You Around)


 『EVERYTHING'S GONNA BE ALRIGHT (THE AMERICAN SINGLES 1967-76)』
 ボビー・ウーマックの`67年〜`76年のMinit & United Artists レーベルから出ていたシングル盤収録曲を集めた編集盤、アルバム未収録はDisc-1の1,2,4,6でそのうち3曲は1991年発売の日本編集盤『LOOKIN' FOR A LOVE』に入っていますので、わたしが初めて聴くのは "What You Gonna Do (When Your Love Is Gone)" のみでした。"What Is This" のB面だった曲です、いかにも`60年代R&Bらしいミディアム・テンポの曲。どちらかというとやはり`70年代以降の Disc-2 の方が断然良いです。

 『THE VALENTINOS LOOKIN`FOR A LOVE』、ボビーがソロ活動をする前に組んでいた兄弟グループ、ウーマック・ブラザース、ヴァレンティノス時代の曲集です(未発表曲も含まれています)。
サム・クック設立の SAR Records での`61年〜`64年録音音源。メンバーはFriendly Womack.Jr、Curtis Womack、Bobby Womack、Harry Womack、Cecil Womack と年齢順になっています。Friendly Womack.Sr がお父さんに成ります。カヴァー写真でのボビーは下段左側だと思います。
 "Lookin' for a Love"、"It's All Over Now"といった有名曲他、"It's All Over Now" のB面曲 "Tired of Livin' in the Country"は後に 『BW GOES C&W』 内で "Tired of Living in the Country" として再録しているサム・クックの作品です。シングル・ヴァージョンと未発表ヴァージョンの2種収録です。
 他に気に入った曲は "Darling, Come Back Home"(カーティス・ウーマック) 、"She's So Good to Me"(ボビー&サム・クック) 、"Baby, Lots of Luck"(ジョン・グリーク) 、"Yield Not to Temptation"(ボビー・ウーマック)、あたりですべてシングル発売されていた曲でした。
 "Baby, Lots of Luck"の作者 John Greek の事は未知ですが1940年生まれの白人ギター・プレイヤーの様で The Wailers、John Greek & The Limiters といったバンドでシングルを数枚出した人の様でした。この曲での曲調はサム・クック風です。

EVERYTHING'S GONNA BE ALRIGHT (THE AMERICAN SINGLES 1967-76) EVERYTHING'S GONNA BE ALRIGHT (THE AMERICAN SINGLES 1967-76) (2013)
 Charly Records CHARLY 655 X UK Compilation

DISC-1
1. Baby I Can't Stand It
2. Trust Me
3. Somebody Special
4. Broadway Walk
5. What Is This
6. What You Gonna Do (When Your Love Is Gone)
7. Fly Me to the Moon (In Other Words)
8. Take Me
9. California Dreamin'
10. Baby You Ought to Think It Over
11. I Left My Heart in San Francisco
12. Love, the Time Is Now
13. It's Gonna Rain
14. Thank You
15. How I Miss You Baby
16. Tried and Convicted
17. More Than I Can Stand
18. Arkansas State Prison
19. I'm Gonna Forget About You
20. Don't Look Back
21. Something
22. Everybody's Talking
23. The Preacher, Pt. 1
24. The Preacher, Pt. 2/More Than I Can Stand
25. Communication
26. Fire and Rain
27. That's the Way I Feel About 'Cha

DISC-2
1. Come L'Amore
2. Woman's Gotta Have It
3. (If You Don't Want My Love) Give It Back
4. Harry Hippie
5. Sweet Caroline (Good Times Never Seemed So Good)
6. Across 110th Street
7. Hang on in There
8. Nobody Wants You When You're Down and Out
9. I'm Through Trying to Prove My Love to You
10. Lookin' for Love
11. Let It Hang Out
12. You're Welcome, Stop on By
13. I Don't Want to be Hurt by Ya Love Again
14. I Don't Know
15. Yes, Jesus Loves Me
16. Check It Out
17. Interlude No. 2
18. It's All Over Now
19. Git It
20. Where There's a Will, There's a Way
21. Everything's Gonna Be Alright
22. Daylight
23. Trust in Me
THE VALENTINOS LOOKIN`FOR A LOVE THE VALENTINOS LOOKIN`FOR A LOVE (2014)
 as The Valentinos
 Abkco CDCHM 1426 EU Compilation

1. Somebody's Wrong *
2. Couldn't Hear Nobody Pray *
3. Lookin' for a Love
4. Darling, Come Back Home
5. I'll Make It Alright
6. I've Got a Girl
7. Tired of Livin' in the Country
    (Single Version)
8. Don't Go Away †
9. She's So Good to Me
10. Baby, Lots of Luck
11. It's All Over Now
12. I've Got Love for You
13. Rock in the Cradle of Love †
14. Somewhere There's a Girl
15. Sugar Dumpling †
16. Bitter Dreams
17. Everybody Wants to Fall in Love
18. Put Me Down Easy †
19. To Show My Love †
20. Shakin' This Way and That (Lassie) †
21. Tired of Livin' in the Country †
22. Yield Not to Temptation *
23. Somewhere There's a God *
     * = Womack Brothers
    † = Unpublished


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 ボビー・ウーマック自身のアルバムでなく、他の人のアルバムでバッキング・参加、ゲスト・参加したアルバムが沢山有りますが、以下はその中でわたしが持っているアルバムです。

   
 『THERE'S A RIOT GOIN' ON』、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの6枚目に成るアルバムです。
`70年代迄は洋楽を聴くには余程でないとラジオでしか聴けませんでした(関西圏では朝日放送の「ベストヒットUSA」`81年春、KBS京都の「SONY MUSIC TV」`83年末辺りで漸くテレビでも見る(聴く)事が出来ました)。
そのラジオ中心だった時代に "Everyday People エヴリデイ・ピープル"、"Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin) サンキュー"といった曲でスライ&ザ・ファミリー・ストーンを知り、気に入ってその後の`70年代中頃に彼らのベスト盤LPを買っています。(当時ソニーが流行らそうとしていた4CH仕様のLP盤です、勿論わたしは普通の2CHステレオでしか聴けませんでしたが) ただ、そのベスト盤には "Family Affair"が入っていませんでしたので、かなり経ってから『THERE'S A RIOT GOIN' ON 暴動』を入手しました。
その時にボビー・ウーマックがギターで参加していることには気づいていませんでした。楽器担当ではベースのラリー・グラハムの方が気に成っていました(脱退後のGraham Central Stationは個々のページを作っています)
 で、このアルバムはスライの代表作に成ってはいますが、最初聴いた時はタイトル曲が [演奏時間ゼロ秒]に成って居たりで社会性が強く "Family Affair"以外は重苦しい曲が多いので、冴えない印象でした、特に "Thank You" の焼き直し版はガッカリ。録音後スライがひとりで何度もオーヴァー・ダビングを繰り返したらしく、何処がボビーのギターかも判りませんが、参加しているのは間違いない様です。

 『SECRETS』、ジャズ・コンボの多くはリーダーが居てメンバーを集め「○○クィンテット」「△△クァルテット」等とリーダー名を冠した名前で活動し、メンバーの入れ替えは多々ありますが、特にリーダー名を名乗らないで長く活動するコンボも少し存在しています。このアルバムのサックス奏者ウィリントン・フェルダーも Jazz Crusaders というジャズ・コンボの初期メンバーで、`70年代に入りジャズ界が多種音楽との融合によりクロスオーバー化した際に the Crusaders に改名して徐々にフュージョン・タイプのコンボに成って行きました。
ジョー・サンプル、ラリー・カールトン、デイヴィッド・T・ウォーカー等フュージョン界で有名なミュージシャンが在籍していました。ウィルトン・フェルダーも`70年代後半からロック系・ソウル系などのミュージシャンのバックでセッション・プレイヤーとして活動したり自身名義のソロ作を出したりしていましたが、このアルバムもその中の一枚です。
 "(No Matter How High I Get) I'll Still Be Lookin' Up to You"(ギターとバッキング・ヴォーカル)、"The Truth Song"(リード・ヴォーカルとギター) の2曲にで参加しています。この2曲以外はインストゥルメンタル・ナンバーでフュージョンなのですが、その4曲のうち "Secrets" が少しマシなくらいで他の3曲はリズム・ボックスの音が延々と続く感じで一回で飽きてしまいます。ボビー作の2曲が無かったら平平凡凡無味無臭この上ないアルバムに成っていたと思います。 "(No Matter How High I Get) I'll Still Be Lookin' Up to You" でリード・ヴォーカルを担当しているAlltrinna Grayson という女性はボビーのライヴ盤『SOUL SENSATION LIVE』でも共演しています。このLPは未だにCD化されていませんが、この内容ならば仕方なしでしょう。

 『MY PLEASURE』、山岸潤史さんのアルバム。`60年代後半〜`70年代始めにかけてイギリスではブルー・ロック、アメリカでは西海岸サイケデリック・サウンドなど音楽界が変わりつつ有った頃日本でも色々なブームが起こっていました。それは殆どが関西以降の西部地域から生まれていたと思います。特に京都では岡林信康、フォーク・クルセダーズ等から始まるフォーク・ソング・ブーム、そしてウエスト・・ロード・ブルース・バンド登場のブルース・ブーム・・・彼らのデビュー・アルバム(`75年)は衝撃的でした!
 そのWest Road Blues Bandのギターリストの一人だったのが山岸潤史さん、もうひとりのギターリスト塩次伸二さんと揃って日本のブルース・ギター界をけん引してきた人です。
 ギターの共演者にデヴィッド・T・ウォーカー、シュギー・ オーティスが入り、ボビー・ウーマックが入るというギター好き以外でも気になるアルバムです。
 ボビーの参加は2曲。ボビーが12分間歌い続ける "Give This Love A Try (Part1, Part 2)" は凄いです。`80年代後半はLP〜CD移行期でアルバムにより二種同時発売がかなりありましたが、この曲は時間が長いので収録可能時間の関係でLPヴァージョンでは外されていました。もう一曲は "I’ll Come Running Back to You" でこちらも聴き物です!

 『WILSON PICKETT SINGS BOBBY WOMACK』、このアルバムはウィルソン・ピケットの Atlantic シングル盤編集物アルバムながら、1曲目から17曲目迄の曲はボビー・ウーマックがひとりで作曲、または誰かと組んで作曲した曲ばかりを集めた編集物でクレジットは無いですが多くの曲で若き日のボビーがギターで参加している貴重音源です。普通はオリジナル・アルバムの再発時に加える曲をボーナス曲扱いにするのですが、最初から編集盤として作られたアルバムに「何故ボーナス?」と思いましたが、所縁のある曲がボーナス扱いにされています。サム・クック作でサム・クック本人でヒットした "Bring It on Home to Me" のウィルソン・ピケットのかヴァー・ヴァージョン(『I'm in Love』収録曲)、そして上記の『EVERYTHING'S GONNA BE ALRIGHT (THE AMERICAN SINGLES 1967-76)』に収録されていない Minit 移籍以前に所属していた Atlantic でのボビーのシングル発売曲のA面/B面曲のボビー自作曲 "Find Me Somebody "、"How Does It Feel "が収録されています、このシングル収録は貴重です。ボビーのシングルは他に Checker Records に`65年〜`66年に出したのがあるそうですが、なかなか見かけません。 Checke / Chess といったレーベルはリトル・ウォルターやリトル・ミントン、サニー・ボーイ・ウィリアムスンなどブルース・ファンにはお馴染のレーベルながら今や大手のUniversal Music Groupに版権が有るので出るのは難しそうです。
 ウィルソン・ピケットと言えば日本人が最初に浮かべるのは "Land of 1000 Dances ダンス天国(Chris Kenner作)"、本国より日本で人気の高かったウォーカー・ブラザースが大ヒットさせた曲でオールディーズのスタンダード化しており、そのオリジナル・シンガーとして知られて行きました。日本ではR&B/Soul シンガーとしてはリトル・リチャードやベン・E・キングの次位クラスの人気ですが、凄いシンガーです。私的にはオーティス・レディングより好きなシンガーです。シャウト唱法による曲のヒットが多いですが、"If You Need Me" などスロー・ナンバーにも魅力あります。ここでは "I'm Sorry about That" がサザン・ソウル・タイプで気に入りました。


There's a Riot Goin' on / Sly_Familystone THERE'S A RIOT GOIN' ON (1971)
          SLy  & the Family Stone
Epic / Sony ESCA-5219 Japan (1990)

1. Luv n' Haight
2. Just Like a Baby
3. Poet
4. Family Affair
5. Africa Talks to You "The Asphalt Jungle"
6. There's a Riot Goin' on
7. Brave & Strong
8. (You Caught Me) Smilin'
9. Time
10. Spaced Cowboy
11. Runnin' Away
12. Thank You for Talkin' to Me Africa

Secrets / Wilton Felder SECRETS (1985)
          Wilton Felder
MCA MCA-5510  USA

A
1. Secrets
2. (No Matter How High I Get)
    I'll Still Be Lookin' Up to You  *
3. La Luz
B
1. The Truth Song *
2. I Found You
3. Mr. Scoots
   * = featuring Bobby Womack

MY PLEASURE / Jun Yamagishi (山岸潤史) MY PLEASURE  (1988)
          June Yamagishi
Meldac MED-41 Japan

1. No to Johnny Good Time
2. Take Us This Way
3. Double Deals
4. I’ll Come Running Back to You *
5. Best Thing That Ever Happened to Me
6. Getcha
7. We Need You Right Now
8. Give This Love A Try (Part1, Part 2) *
9. Please Send Me Someone to Love
   * = featuring Bobby Womack

WILSON PICKETT SINGS BOBBY WOMACK WILSON PICKETT SINGS BOBBY WOMACK (2017)
          Wilson Pickett
Kent Soul CDTOP 467 UK Compilation

1. I Found a True Love
2. I'm Sorry about That
3. I'm in Love
4. Nothing You Can Do
5. I Found the One
6. Jealous Love
7. She's So Good to Me
8. I'm a Midnight Mover
9. Something within Me
10. It's a Groove
11. Let's Get an Understanding
12. People Make the World (What It Is)
13. We've Got to Have Love
14. Trust Me
15. Remember, I Been Good to You
16. Sit Down and Talk This Over
17. I've Come a Long Way
   bonus tracks
18. Bring It on Home to Me
19. Find Me Somebody *
20. How Does It Feel *
       * = Bobby Womack Sings



 どちらが正しいの?---Which Is Right?---    

 ジム・フォードの2種のアルバムに同じ曲が入っています。(どちらもドイツのレーベル Bear Family からの発売です)
2007年発売の方の "The Sounds of Our Time" の作者は [James Ford - Bobby Womack] と成っています、ボビーはレコーディングには参加していなくても曲作りに参加していた. . .と思っていました。
 ところが2009年発売の同名曲の作者は [J Ford - B Campbell ・arr E Freeman] と成っていました。作曲がジム・フォードで作詞者が別なのでは?と思い歌詞を聞いても出だし部分などは同じです。演奏時間も記載では1秒違いですので、先ず同曲だと思えます。
 B Campbell と記された人は Barbara Campbell (Barbara Campbell Cooke) のこと。サム・クックの未亡人で一時期ボビー・ウーマックの奥さんだった人。別れたボビーとバーバラの関係が微妙に関係している気がします。曲権利をボビーがバーバラに譲ったのか、もしくはバーバラが「わたしが書いた詞よ」と主張してクレジットを変更させたのでしょうか?
 ただどちらにしてもこの曲自体は素晴らしい!!出来の曲で大好きです。

 また2009年のアルバムの方にはボビー・ウーマックに提供した "Harry Hippy" のセルフ・カヴァーが収められています(2008年録音とか)。曲自体はSSWらしく素朴な感じです。ただ長年親しんだソウル色を感じるボビー・ヴァージョンの方がやはり確実に好きですが。

The Sounds of Our Time / Jim Ford
The Unissued Capitol Album / Jim Ford
THE SOUNDS OF OUR TIME (2007)
          Jim Ford
Bear Family Records BCD 19777 AR Germany

track 13. The Sounds of Our Time

THE UNISSUED CAPITOL ALBUM (2009)
          Jim Ford
Bear Family Records BCD 16978 AG Germany

track 1. The Sounds of Our Time




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Text by Mie