Accept(アクセプト)が話題に成ったのは、彼等のサードアルバム発売後からでした。シングル盤でサードアルバムに収録された"Breaker"が発売されてその曲がラジオで流れました。その当時アクセプト等のHR系レコードを買う人はシングル盤よりアルバムを買う人が多く、まずサードアルバム『Breaker(戦慄の掟)』を最初に買う人が多かったと思います。ところがわたしの一枚目はファースト『Accept(殺戮のチェーン・ソー)』という変則買いでした。 というのは、わたしもサードアルバムを買うべくショップに出かけたのですが3件〜4件廻ってもサードアルバムが置いて無くてとりあえずファーストアルバムを買って帰ったのです。1981年8月31日のこと。無名だったアクセプトが急激に注目を浴びた様子が分かります。そして翌日またまた別のお店を探し回り、歌謡曲など邦楽物主体で洋楽は申し訳程度にしか置いていないレコード屋さんでサードアルバムを見つけました。意外なお店で買えた思い出深いアルバムです。 アクセプトは1978年ドイツで結成されています。1978年といえば同じドイツのスコーピオンズがヨーロッパと日本でブレイクしていた時期(わたしもスコーピオンズの78年公演を見に行っています)でドイツのバンドにも注目し始められていた頃です。オリジナルメンバーは Udo Dirkschneider (vo),Wolf Hoffmann (gr),Jorg Fischer (gr),Peter Baltes (bs),Frank Friedrich (ds)で、ファースト発売後からドラムスが Stefan Kaufmann に変わっています。アクセプトと云えばウド・ダークシュナイダーの強烈なヴォーカルが印象的で彼のヴォーカルがあってこそ初期の躍進が有ったのだと思います。21世紀に変わり、ヘヴィー・メタルロックを振り返るときやはり主流派サウンドを思えばアクセプトを真っ先に思い浮かべます。まさにそのサウンドは王道でしょう。 ファースト『Accept』は1979年(日本は1981年)の発売でこの録音終了までドラムスはFrank Friedrich。このアルバムは暗く狭い空間を舞うドイツ独特のアングラ的サウンドに終始していてスコーピオンズのファーストに似た雰囲気を感じました。ウドのヴォーカルはまだ独特の金切り声を表わして居なくて、ギターサウンド好きだったわたしにはウルフのギターの音が気に成りました。楽曲的には"Lady Lou" が一番か。 セカンド『I'M A REBEL』は米盤はオリジナルジャケット違い独自のジャケとカバーで発売されていました。(この Passportレーベルから発売されたのがアメリカでのデビュー作です)一曲目"I'm a Rebel"は驚きのアメリカン・ロックンロール、アクセプト臭さは微塵もないですが、まぁ曲としてはツボをきっちり押さえたロックンロールです。全体的にポップなアメリカン・ロック系の曲が多いですが、"China Lady" はウドのあの独特の唱法が垣間見られるメタル系ロックですし"The King"はハード・ロック・バンドが奏るお決まりの美メロバラードです。"Do It" はギターリフを聴くとU.F.Oの"Oh My" に似てそうな曲でしょうか。 そして、注目を浴びた『Breaker』(邦題:戦慄の掟)。一度ラジオで聴いて衝撃の一発を食らったこのタイトル・チューンは、アクセプト本来の魅力がいっぱい詰まった初期一番の名曲です。他にも"Burning","Run If You Can","Midnight Highway"などわたしにとって思い入れの強い曲が多いアルバムです。ただこのジャケトカバー、如何にもワザとらしい驚き顔は「ゲテモノ臭く」て気に入らなかったですね。ファーストもB級ホラー映画のポスターみたいでした。 |
||
ACCEPT1979 JAPAN Brain 25S-17 Released in Japan 1981 LP SIDE-A 1.Lady Lou 2.Tired of Me 3.Seawinds 4.Take Him in My Heart 5.Sounds of War SIDE-B 1.Free Me Now 2.Glad to Be Alone 3.That's Rock & Roll 4.Helldriver 5.Street Fighter |
I'M A REBEL 1980 USA Passport PS-9849 LP SIDE-A 1.I'm a Rebel 2.Save Us 3.No Time to Lose 4.Thunder and Lightning SIDE-B 1.China Lady 2.I Wanna Be No Hero 3.The King 4.Do It |
BREAKER1981 JAPAN Brain 25S-30 LP SIDE-A 1.Midnight Highway 2.Breaker 3.Starlight 4.Breaking Up Again 5.Burning SIDE-B 1.Run If You Can 2.Feelings 3.Down and Out 4.Can't Stand the Night 5.Son of a Bitch |
『MIDNIGHT HIGHWAY』は日本盤未発売のアメリカ編集盤、既製曲ばかりです。 オリジナルとしては4枚目と成るのが『RESTLESS & WILD』ここでトップを飾るのが後々アクセプトを語るとき必ず出て来る"Fast as a Shark"。わたしとしては古典ハード・ロックの血を継いだ"Breaker" の方が好きなのですが、若い年代の人達にはこちらの方が数段人気があるようです。確かにスピード感があり良い曲です。あとギターリフが如何にもメタルらしいキレの"Flash Rockin' Man","Ahead of the Pack"も良いですし、不思議な魔力を持った"Princess of the Dawn"も良いですね。ここでのウルフのギターは印象的です。もう一人のギタリストはこのアルバムからHerman Frankに変わっています。ウルフたちは必ず同じギターを使用していたという事は無かったのですが、曲によっては、フライングV2本で二手に分かれ脚を広げて演奏する様は見事絵に成っていました。 5作目『BALLS TO THE WALL』は重量級ボクサーがサンドバッグを叩き続ける様なheavyな曲が2曲続きます。この2曲はこれまた若い人達には人気有りますね。わたしが聴いた"若かった時期"には「大袈裟な男臭さ」が気に成りすぎていました。ここで一番のお気に入りは"Losing More than You've Ever Had"(邦題は略奪の報い)。次がギターがかっこいい"Love Child ","Losers and Winners"など。 |
||
MIDNIGHT HIGHWAY1983 USA PVC PVC-8915 (American edition) LP SIDE-A 1.Breaker 2.Helldriver 3.Lady Lou 4.China Lady 5.That's Rock 'N Roll 6.Son of a Bitch SIDE-B 1.I'm a Rebel 2.Midnight Highway 3.Tired of Me 4.The King 5.Burning |
RESTLESS & WILD1983 JAPAN SMS SP25-5049 LP SIDE-A 1.Fast as a Shark 2.Restless and Wild 3.Ahead of the Pack 4.Shake Your Heads 5.Neon Nights SIDE-B 1.Get Ready 2.Demon's Night 3.Flash Rockin' Man 4.Don't Go Stealing My Soul Away 5.Princess of the Dawn |
BALLS TO THE WALL 1984 JAPAN Portrait 25-3P-498 LP SIDE-A 1.Balls to the Wall 2.London Leatherboys 3.Fight It Back 4.Head over Heels 5.Losing More than You've Ever Had SIDE-B 1.Love Child 2.Turn Me on 3.Losers and Winners 4.Guardian of the Night 5.Winterdreames |
前作『BALLS TO THE WALL』発売後から徐々に米国でも人気が出だし、いよいよこの『METAL HEART』成る有名盤の発売と成ります。確かに初期のドタドタした混沌さは消えてスッキリとまとめられた出来の良いアルバムに成っています。ウルフの相方ギターが再びJorg
Fischerに戻りました。メンバーが一人戻った事との関係は判りませんが前作に有った男臭さは消えました。一曲目タイトル・チューン『Metal
Heart』は彼等の代表曲のひとつですが、最初聴いたときは妙な曲だ...と思いました。クラシック曲"エリーゼのために"のメロディーを挿入したギターソロ部分はドラマチックで良いですね。「metal
heart,metal heart」の歌声が妙に頭に残ります。二曲目『Midnight Mover』は軽快なロックナンバー。次の『Up to
the Limit』のヴォーカルでやっとウドらしさを感じ、ギターリフも本来のアクセプトらしさが出てきました。五曲目『Screaming for
a Love-Bite』はアメリカ市場を意識したのか、バックサウンドはボン・ジョヴィに似ています。曲自体はこのアルバムの中で一番好きです。アメリカンサウンドに近いと云ってもウドのヴォーカルはいつも通りの声ですが。 そして、充分日本のファンをつかんだ彼等は1985年初来日、9月の名古屋公演を録音してアルバムとして発売しました。選ばれたのは『METAL HEART』からの曲が中心でわざわざ、裏ジャケに「最録音・オーヴァー・ダブは絶対にされておりません」と日本語で書かれた様に、さわる必要ないほどの迫力あるライヴだったのでしょう。タイトルは『Kaizoku-Ban』ジャケは『容認』の『容』の字を顔文字風にしたものらしいですが、センス悪くまさに海賊版・ブートレグっぽかったです。 スタジオ録音盤として7作目に成るのが『RUSSIAN ROULETTE』、サウンド的には『Breaker』、『Restless & Wild』あたりに戻って居ます。構成的には完成度は高いです。私的にはこのアルバムの方が名盤の誉れ高い『Metal Heart』より数段好きです。"T.V.War","Monsterman","Russian Roulette","Aiming High","Another Second to Be","Man Enough to Cry"などが良いです。「♪I'm no Monster man-I'm no Monster man♪」と男性コーラスが響く"Monster Man"はノリ良く如何にもアクセプトらしいですが、"Man Enough to Cry"は垢抜けないモタモt感を感じるのですが聴けば聴くほどまた別な一面のアクセプトらしさを感じる曲です。 |
||
METAL HEART 1985 JAPAN Portrait 28-3P-596 LP SIDE-A 1.Metal Heart 2.Midnight Mover 3.Up to the Limit 4.Wrong Is Right 5.Screaming for a Love-Bite SIDE-B 1.Too High to Get It Right 2.Dogs on Leads 3.Teach Us to Survive 4.Living for Tonite 5.Bound to Fail |
KAIZOKU BAN〜LIVE IN JAPAN 1985 USA Portrait 5R40261 LP SIDE-A 1.Metal Heart 2.Screaming For A Love Bite 3.Up To The Limit SIDE-B 1.Head Over Heels 2.Love Child 3.Living For Tonight |
RUSSIAN ROULETTE 1986 JAPAN Portrait 28-3P-738 LP SIDE-A 1.T.V.War 2.Monsterman 3.Russian Roulette 4.It's Hard to Find a Way 5.Aiming High SIDE-B 1.Heaven Is Hell 2.Another Second to Be 3.Walking in the Shadow 4.Man Enough to Cry 5.Stand Tight |
ヘヴィー・メタルのみに拘ったウド・ダークシュナイダーと多くのリスナーを対象にしたバンドを目指したウルフ夫妻(ウルフの奥様がマネージャー)の方向性の違いから、ウドが脱退。一般的には「ウドの声質が一般受けし難いからと夫妻側からお願いして脱退して貰った」という説が通説として通っています。ただ、何度もオーディションをして選んだデイヴィッド・リースの声質が、ウドと似通った事から察すると、アクセプトの特徴でもあるウドの動物の叫び的な声は必要ながらも、「声域が広く、メロを歌えるヴォーカリスト」が必要との結論だったと考えられます。 (ウドは自身のバンドU.D.O.を1987年に結成) ヴォーカルをDavid Reece(デイヴィッド・リース)に替えての新作『EAT THE HEAT』は、発表されるや否や「ウドの居ないアクセプトなんて」といきなりの不評の連射弾連発! 確かにウドが居てこそのアクセプトだったのでしょう。ウドとウルフが揃って始めてアクセプトというバンドの個性だったのでしょう。 実際、ここで、ウルフの相方ギターもJim Stacey という人に替わっていますが、たいして話題にも成りませんでした。 ...で、このアクセプトという名を借りたバンド(?)の『EAT THE HEAT』はバンド名に拘らずアルバムだけの評価だけで云うと良くできた名盤だと思います。"Mistreated"の様な歌いあげるドラマティックバラードはウドでは果たしてどうだったのか?と思ってしまいますし、他のスピード・チューンにしてもウルフの作り出すリフに歌メロがメロディアスに乗って流れ聴き応え有り、どの楽曲も粒ぞろい、捨て曲は無しです。 出来映えはアクセプト側に関しては「満足」だったのでしょうが、売り上げも人気も前作より落ちてしまいました。ファン心理は微妙です。そしてこの後にディヴィッドとピーターの仲が悪くなったり、ドラムスのステファン・カウフマンが背中を痛めて休養を余儀なくされ離脱。ウルフは新ドラマーを探すことなくアクセプトを解散させる道を選びました。 |
||
EAT THE HEAT1989 GERMANY RCA PL-74083 LP SIDE-A 1.X-T-C 2.Generation Clash 3.Chain Reaction 4.Love Sensation 5.Turn The Wheel 6.Hellhammer SIDE-B 1.Prisoner 2.Mistreated 3.Stand 4 What UR 4.Hellhammer 5.D-Train |
解散後に古いライヴ録音の音源を元に、ライヴ盤が発売されました。それは、ウドがヴォーカルを取っていた1985年9月18日の大阪厚生年金会館でのライヴ音源で『STAYING A LIFE』と題して発売され」ました。前進し続けて居た全盛期の録音だけに凄まじい迫力でアクセプトの魅力を堪能できる名ライヴ盤でした。 そして、やがてこのライヴ盤を聴いた各国のファンから再結成を熱望する声が上がり始める事と成ります。 ウルフ・ホフマンはアクセプト解散後カメラマンの仕事をしていたらしいです。ウドは自身のバンドを'91年に解散、その後は引退を予定していたとのこと。ステファンは背中の痛みが治っており、ピーターはドン・ドッケンなどと一緒にやっていましたが、再結成の話は4人が5年ぶりに揃って会えば自然の成り行きですんなり決まった様です。 そして満を期して発売された再結成第一弾が『OBJECTION OVERRULED』。トップのタイトル・チューンを聴けば、ウドのあの声!本来のアクセプトサウンド復活で「やったぁーっ」という感じです。"I Don't Wanna Be Like You","Slaves to Metal"辺りはもう一歩の感は有りますが、充分アクセプトならではを感じること出来ます。"All or Nothing"は昔のアクセプトののイメージと離れますが曲自体は良いです、好きです。お決まりの哀愁バラードは『Amamos la Vida』良いです。 こうして、全盛期に近い形で出された『OBJECTION OVERRULED』は好評を持って受け入れられて、再結成第二弾『DEATH ROW』が発売されます。 ウルフがこのアルバムについて語った記事がインナーに載せられていますが、「新しいアクセプトサウンドの追求を試みたい、ツインではなくギターは一本で奏ってみたい・・・」と色々な意欲を語っていたのですが、結果はその新しい試みはまたしても不評に終わってしまいました。 『Breaker』で衝撃的ショッキングなインパクトで欧米・日本のロックファンの度肝を抜き、王道H・メタルで世界制覇の野望に燃えて突き進んでいたあの時代のサウンドをファンはいつまでも期待し続けて居ました。強い強い個性でファンを圧倒しただけに、アクセプトはファンに変化することを拒否された形のバンドと成ってしまった思いがします。 で、このアルバムですが好き嫌いのあるのは当然と思いながらも全曲改めて聴き終えて、わたしの中では飛び抜けた曲は一曲も無しでした。メロディアスな部分はなく、ズシンズシンと心臓音の様に響く曲が数曲淡々と続き、単調でとても一気に聴き終えることは出来ませんでした。 この15曲の録音中90パーセント程の完成時に再びステファン・カウフマンの背中が痛み出したそうです。 |
||
STAYING A LIFE 1990 Geramany RCA-BMG ND-74720 CD CD-1- 1.Metal Heart 2.Breaker 3.Screaming For A Love-Bite 4.Up To The Limit 5.Living For Tonight 6.Princess Of The Dawn 7.Neon Nights 8.Burning CD-2- 9.Head Over Heels 10.Guitar Solo Wolf 11.Restless & Wild 12.Son Of A Bitch 13.London Leatherboys 14.Love Child 15.Flash Rockin Man 16.Dogs On Leads 17.Fast As A Shark 18.Balls To The Wall 19.Outro (Bound To Fail) |
OBJECTION OVERRULED 1993 Japan Victor VICP-5210 CD 1.Objection Overruled 2.I Don't Wanna Be Like You 3.Protectors of Terror 4.Slaves to Metal 5.All or Nothing 6.Bulletproof 7.Amamos la Vida 8.Sick, Dirty and Mean 9.Donation 10.Just by My Own 11.This One's for You 12.Rich & Famous(Bonus) |
DEATH ROW 1994 Japan Victor VICP-8134 CD 1.Death Row 2.Sodom & Gomorra 3.The Beast Inside 4.Dead on! 5.Guns 'R' Us 6.Like a Loaded Gun 7.What Else 8.Stone Evil 9.Bad Habits Die Hard 10.Prejudice 11.Bad Religion 12.Generation Clash II 13.Writing on the Wall 14.Drifting Apart 15.Pomp and Circumstance |
ステファンの背中が治らない為に新ドラマー Michael Cartelloneマイケル・カーテロンを迎え入れ、再結成後の3作目『PREDATOR』はナッシュヴィルのスタジオで録音されました。全体的には不評だった前作の流れを汲みながらも、'80年代のアクセプトを思わせる"Hard
Attack","Crucified"の2曲を「アクセプトの伝統を保っていくために入れた」とわざわざウルフが説明を加えて組み込んでいます。ただ、ウルフは指定していませんが
"Don't Give a Damn" も充分以前のアクセプトサウンドを継承していますし、好みとしては先の2曲よりもわたしは好きです。そして珍しくピーターがヴォーカルを務めた
"Lay It Down" これはヴォーカルがウドでないだけあってアクセプトらしさは全くないですが、曲はおおいに気に入りました。'70年代のハードロックの雰囲気一杯ですね。ディープ・パープルっぽい部分ありますね。 このアルバムも売れず、評判は芳しくなかったですが、決して悪くはないです。平均点以上です。 2作続いてセールス的に失敗に終わりウルフも新しい試みへの意欲が失せたのか、解散コンサートに出発、'96年7月の東京公演を最後に再びバンドを解散させてしまいました。 ウルフは再度カメラマンの仕事に就き、ウドもU.D.O.を再結成、ピーターはジョン・ノーラム等と一緒に奏る様に成りました。 前回の解散時と同様、解散後にまたまた旧録のライヴ盤が出て居ます。"ALL AREAS - WORLDWIDE LIVE","THE FINAL CHAPTER"と2年に跨り二種のアルバムが出ましたが、一箇所での録音ではなく様々な場所での録音を詰め込んだタイプのライヴ盤です。(『ALL AREAS - WORLDWIDE LIVE』,『THE FINAL CHAPTER』) 二種の音源は同じ物がダブっています。ステファン・カウフマンがドラムを叩いていたライヴや背中を痛めて代理としてツアーで叩いたステファン・シュヴァルツマン時の音源も含まれていますが、マイケル・カーテロン時のものは収録されていません。(解散コンサートとして催されたライヴでしたのでメンバーの熱気や意欲、やる気が薄れていたのでしょう。) このライヴ盤発表後は以前のように各国からの再結成アンコールは起きませんでした。ウルフに'80年代サウンドをいつまでも奏り続ける意思がないことをファンが判ったからでしょう。 |
||
PREDATOR 1996 Japan Victor VICP-5673 CD 1.Hard Attack 2.Crossroads 3.Making Me Scream 4.Diggin' in the Dirt 5.Lay It Down 6.It Ain't Over Yet 7.Predator 8.Crucified 9.Take out the Crime 10.Don't Give a Damn 11.Run Through the Night 12.Primitive 13.This One's For You |
ALL AREAS - WORLDWIDE LIVE 1997 Japan Victor VICP-60190 CD 1.Starlight 2.London Leatherboys 3.Breaker 4.Slaves to Metal 5.Princess of the Dawn 6.This One's for You 7.Too High to Get it Right 8.Metal Heart 9.Fast as a Shark 10.Balls to the Wall 11.Bad Habits Die Hard 12.Stone Evil 13.Death Row |
THE FINAL CHAPTER 1998 USA CMC-BMG 06076-86232-2 CD CD-1- 1.Starlight 2.London Leatherboys 3.I Don't Wanna Be Like You 4.Breaker 5.Slaves to Metal 6.Princess of the Dawn 7.Restless and Wild 8.Son of a Bitch 9.This One's for You 10.Bulletproof 11.Too High to Get It Right CD-2- 1.Metal Heart 2.Fast as a Shark 3.Balls to the Wall 4.What Else 5.Sodom & Gomorra 6.Beast Inside 7.Bad Habits Die Hard 8.Stone Evil 9.Death Row |
Wolf Hoffmannは再び写真家稼業をしている中、時間があれば子供の頃から聴き親しんだクラシック曲をよく聴いていたとのこと、そのクラシック曲を元にロック的なアプローチで取り組んだインスト作を録音しました。一般にはロック・ミュージシャンがアンプラグド物、アコースティックサウンド物を作るのが流行っていた頃、ウルフはエレキギターを持ってのインスト物を作っていました。セールスのことを気にしなくても良いときにこそ作っておきたかったというのが本当の所だったのでしょう。『CLASSICAL』。 ブリティッシュ・ハード系(アメリカン・ハードでなく)や北欧メタル好きなロックファンには結構クラシック好きが多いですね。わたしもアナログ盤、CD併せてかなりの数のクラシックアルバムを持っています。最近聴くのはピアノ物が多いですが、学校に通っていた頃には管弦楽物をよく聴いていました。『カルメン組曲』や『ペール・ギュント組曲』は懐かしいですし、ニヤッとするロックアレンジに成っていて、うーん、良いですねぇ。スメタナ、グリーグを奏ってくれたのも嬉しいです。いつでも取り出せる場所に置き時々は聴いてみたい一枚です。 オリジナルの"Western Sky ウェスタン・スカイ"も違和感なく溶け込んでいるのが凄いです。 |
||
CLASSICAL 1997 perfomed by Wolf Hoffmann Japan Victor VICP60133 CD 1. Prelude 2. In the Hall of the Mountain King 3. Habenera 4. Arabian Dance 5. Moldau 6. Bolero 7. Blues for Elise 8. Aragonaise 9. Solveig's Song 10. Western Sky 11. Pomp and Circumstance 1. 「カルメン」~前奏曲(ビゼー) 2. 山の魔王の宮殿にて (グリーグ) 3. ハバネラ (ビゼー) 4. アラビアの踊り (チャイコフスキー) 5. モルダウ (スメタナ) 6. ボレロ (ラベル) 7. エリーゼのために (ベートーヴェン) 8. 「カルメン」~間奏曲 (ビゼー) 9. ソルヴェイグの歌 (グリーグ) 10. ウェスタン・スカイ (ウルフ・ホフマン) 11. 威風堂々 (エルガー) |
2005年アクセプトは一時的に再々結成されました。この時期、往年の人気バンドが一時的に再結成をして演奏する事が時々行われていました。再結成はまず無いと思われていたクリームでさえも2005年5月に一日だけの再結成をしていました。アクセプトの場合はヨーロッパで行われる夏のフェスティヴァルコンサートの為の再結成予定でしたが、数日だけで了でなくロシアや日本を廻るツアーライヴまで敢行しました。その時のツアーメンバーはウド・ダークシュナイダー、ウルフ・ホフマン、ピーター・バルテス、ステファン・シュヴァルツマンにハーマン・フランクを呼び寄せて往年のツインギター体制で行われました。 このときのライヴは'96年の解散コンサートの時と比べて客席に伝わる彼等の熱気が違ったのでしょう。大成功だったそうです。 その後2009年に成って徐々に再々結成の話が本格的に再燃、曲作りや練習を繰り返した模様です。 いよいよ、2010年再々結成後の新アルバム『BLOOD OF THE NATIONS』が発売されました。2005年のライヴでの感触からツイン・ギターサウンドです。ヴォーカルだけはウドでなく、Mark Tornillo マーク・トーニロという人。元T.T. QUICKのヴォーカリストということですが、わたしは初めて聴くヴォーカルでした。ウドと似たような声で歌う部分も有りましたが、特に個性的な声質ではありませんが。HR/HMを歌うに適した声であるのは確かです。 曲は"Beat the Bastards","Teutonic Terror"と2曲続いたところで、往年のファンは納得でしょう。ウドを追い出した様な形で実施されたデイヴィッド・リースへの交代劇で不満を抱いたファンも、今回はウド自身の声で「今後アクセプトとして録音参加はない」という説明で納得出来てていました。 '90年代には、'80年代のアクセプトサウンドを奏るのをためらっていたウルフも年を重ねてフッ切れたのか再びあの全盛期のアクセプトサウンドを再現しています。"Locked and Loaded" の様なスピード・チューンはモロにあの時代の音ですね。そしてお決まりの哀愁バラードは"Kill the Pain"。まさにヨーロッパの哀愁です。好きな人はとことん好きに成るメロです。続く"Rollin' Thunder"は必殺ナンバー、残り9曲目から11曲目までも良いです。ラストのみ平凡なメタルチューン。 嬉しい嬉しい復活作は名盤です。 再々結成後の2枚目にあたる『STALINGRAD』が発売されました。ファースト発売から32年物歳月が流れています、前作で全盛期サウンドが甦ったと感じていたら、本作一曲目を聴いて驚きました。全盛期より更にパワフルに成っています!パワーアップするとは凄い!この若々しいエネルギーは感嘆物です。 ロックがロックたる所以は若さだけが持つ「身体中に充満した反抗心の噴出・爆発」とでも表現したらよいのか独特のエネルギッシュなぶち当たりを感じる音楽であると言うことでしょう。少なくともわたしはロックにそれを感じていますし、年を重ねてもロックにのめり込めるのは自分自身にもその部分があるからです。 デビューから30年以上経ってもアクセプトがその若い部分を表現しつつ進化していてくれているのは嬉しいです。マーク・トーニロのエネルギッシュなヴォーカルがウルフを刺激したのか、彼の感性も甦りソングライティングにもそれが前作・本作に表れています。良い曲多しです。"Hung, Drawn And Quartered","Against The World","Never Forget"辺りが特に好きです。 2014年にマーク・トーニロを迎えての再結成後、3作目が発売されました。『BLIND RAGE』これはCD単体盤を予約販売で買ったのですが、他にもDVD付、ブルーレイ盤付と3種構成にて出されました。(後にDVD付日本盤も買いました) トップの"Stampede"は(ドゥービー・ブラザーズの名作アルバムと同じタイトル)重厚さは有りますが、平凡な単調さを感じます。それが2曲目は中盤から哀愁味を帯びだしてギターソロに入るととてもメロディアスでドイツらしさを感じました。中期スコーピオンズやマイケル・シェンカーを連想します。好きですね。次ぐ3曲目以降も曲その物に聴かせどころがあり、6曲目の"Wanna Be Free"などは途中で少しコーラスなどで盛り上げる往年のアクセプトらしさも織り交ぜていてニヤリとさせられました。このアルバムも前2作と同様嬉しい盤でした。 |
||
BLOOD OF THE NATIONS 2010 USA NUCLEAR BLAST 2361-26052 CD 1.Beat the Bastards 2.Teutonic Terror 3.The Abyss 4.Blood of the Nations 5.Shades of Death 6.Locked and Loaded 7.Kill the Pain 8.Rollin' Thunder 9.Pandemic 10.New World Comin' 11.No Shelter 12.Bucketful of Hate |
STALINGRAD 2012 USA NUCLEAR BLAST 2846-2 CD 1.Hung, Drawn And Quartered 2.Stalingrad 3.Hellfire 4.Flash To Bang Time 5.Shadow Soldiers 6.Revolution 7.Against The World 8.Twist Of Fate 9.The Quick And The Dead 10.Never Forget 11.Galley |
BLIND RAGE 2014 USA NUCLEAR BLAST 3195-2 CD 1.Stampede 2.Dying Breed 3.Dark Side Of My Heart 4.Fall Of The Empire 5.Trail Of Tears 6.Wanna Be Free 7 200 Years 8 Bloodbath Mastermind 9.From The Ashes We Rise 10.The Curse 11.Final Journey ------------------------------- Japan UCLEAR BLAST VQCD 10386 CD+DVD |
ウルフのソロ作品が19年ぶりの登場です。(ふと、感じます・・・19年って過ぎるのあまりにも速い!) 今回もクラシック音楽をヘビーメタル調で演奏しています。参加ミュジーシャンの中にはアクセプトのベーシスト、ピーター・バルテスの名も記されていますがストリングスオーケストラにはチェコ国立交響楽団の名も記されています。オーケストラアレンジはウルフとメイロ・マファーリ(Melo Mfail)とのこと『HEADBANGER'S SYMPHONY』。 今回も有名な曲が多いですが、昔ドアーズ等もレコーディングしていた"アルビノーニのアダージョ"(レモ・ジャゾット)は雰囲気が良いですね。"禿山の一夜"も重さが際立ち良いですね。好きな曲で奏ってもらえて嬉しかったのは"モーツァルトの40番"(最も有名な第一楽章でなく第3楽章)チェコ・フィルはサヴァリッシュと組んだ演奏が有名ですが私が最初に買ったのは学生時代、ワルターとコロンビア交響楽団盤、'50年代の録音ですが、モーツァルトとの出会いの記念の盤です。 "悲愴"は第一楽章中間部のメロを中心にアレンジされている様ですが、メタルらしいスピード感で結構いいです。ラストの"G線上のアリア"バッハの超有名曲です、このウルフのヴァージョンはどこか『未来』を感じさせてくれます、くじけそうなときに「クヨクヨしてちゃだめよ、必ず良いことがあるよ」って声かけられているみたいでね。 |
||
HEADBANGER'S SYMPHONY 2016 perfomed by Wolf Hoffmann Japan NUCLEAR BLASTGQCS GQCS 90178 CD 1. Scherzo 2. Night On Bald Mountain 3. Je Crois Entendre Encore 4. Double Cello Concerto In G Minor 5. Adagio 6. Symphony No. 40 7. Swan Lake 8. Madame Butterfly 9. Pathétique 10. Meditation 11. Air On The G String 1. スケルツォ(ベートーヴェン) 2. 禿山の一夜(ムソルグスキー) 3. 耳に残るは君の歌声(ビゼー) 4. 2つのチェロのための協奏曲 ト短調(ヴィヴァルディ) 5. アダージョ(アルビノーニ) 6. 交響曲第40番(モーツァルト) 7. 白鳥の湖(チャイコフスキー) 8. 蝶々夫人(プッチーニ) 9. 悲愴(ベートーヴェン) 10. タイスの瞑想曲(マスネ) 11. G線上のアリア(バッハ) |
『Blind Rage』発表後の2015年、ロシアやギリシャなど各地でBlind Rage Tourライヴを行いその際の録音音源で構成された2枚組CD『RESTLESS AND LIVE』が2017年1月に発売されました。ギターはウルフとウヴェ・ルリスとのツイン編成でドラムスは2015年から加入のクリストファー・ウィリアムズという人。同時に映像盤も出ていますが収録地が違うとの事。新旧の代表曲がぎっしりでまずは満足です。 2017年8月発表の『The Rise of Chaos』は3年ぶりのスタジオ新作録音盤。メンバーはBlind Rage Tour時のメンバーでWolf Hoffmann(ギター) とPeter Baltes(ベース)、 Mark Tornillo(ヴォーカル)に Uwe Lulis(ギター)とChristopher Williams(ドラムス)。一曲目"Die By The Sword"はリズム陣やコーラスの特徴など初期のサウンドに近い感じもします。2曲目はアクセプトらしさは充分ありますがやはり少しの物足りなさもあります。(何故かあの強烈だった「らしさ」を求めてしまう) 3曲目はタイトルナンバー、前曲よりはキャッチーで良い出来でしょうが、アクセプトとしては平均的なクラスです。その点次の"Koolaid"の方が私的には印象に残りました。ヘビーさは薄れているものの何か惹きつけられるメロを持っています。"No Regrets"もアクセプトらしさは平均以上でしょう。"Analog Man"はヨーロピアンテイストは薄れてどちらかというとアメリカン・ハードロック調です。アクセプトらしさはないですが、曲としては印象に残りますね。"What's Done Is Done"はHMお手本の様で安心感はありますが、似たような曲調の曲、結構ありそうで・・・ "Worlds Colliding"はヴォーカルなどアクセプトならでわで良いんじゃないでしょうか。あとの2曲はちょっと平凡。 昔から聴き続けている大御所のアルバムは最近特にライヴ盤が多いです(それもDVDやブルーレイ等の映像盤も併せての)。概ね新録音盤が出るとそのアルバム紹介ツアーが成されて録音盤がでるというパターンです。 2018年発売の『Symphonic Terror』一枚目は『The Rise of Chaos』の曲とウルフのソロアルバムをフューチャーしたライヴです。ただその中に1983年発売の"Restless And Wild"が突如と入っておりました。復活盤だった『Blood of the Nations』からの"Pandemic"はこのライヴ盤の方がキレがあっていいです。 途中からチェコ国立交響楽団との共演ライヴとなるのですが、ウルフのソロアルバムでアレンジをしたメイロ・マファーリがキーボードで参加しています。 『禿山の一夜』、『ベートーヴェンのスケルツゥオ』はスタジオ盤の方が良かったです。『ベートーヴェンの悲愴』は劣らず聴きごたえありです。そして『モーツァルトの40番』ココでの40番は第一楽章のメロもフューチャーされています。やはり第一楽章の方が馴染みありますね。 CDの2枚目はACCEPT新旧のヒット曲満載盤。'83年発売の『Restless And Wild』からの曲が1枚目を含めて3曲奏られています。他にも"Breaker","Metal Heart"などウドのヴォーカルで聴きなれた曲をマーク・トーニロが全く違和感なく聴かせてくれます。"Shadow Soldiers"はここで聞き直してスタジオ盤よりも印象に残りました。"Fast As A Shark","Metal Heart","Balls To The Wall"などは久しぶりですが奏って貰えて嬉しいです。 |
||
RESTLESS AND LIVE 2017 (Blind Rage LIve in Europe 2015) Germany NUCLEAR BLAST NB-4001-4 CD CD-1 1. Stampede 2. Stalingrad 3. Hellfire 4. London Leatherboys 5. Living For Tonite 6. 200 Years 7. Demon's Night 8. Dying Breed 9. Final Journey 10. From The Ashes We Rise 11. Losers And Winners 12. No Shelter 13. Shadow Soldiers 14. Midnight Mover CD-2 1. Starlight 2. Restless And Wild 3. Son Of A Bitch 4. Pandemic 5. Dark Side Of My Heart 6. The Curse 7. Flash Rocking Man 8. Bulletproof 9. Fall Of The Empire 10. Fast As A Shark 11. Metal Heart 12. Teutonic Terror 13. Balls To The Wall |
THE RISE OF CHAOS 2017 Germany NUCLEAR BLAST NB-4012-2 CD 1. Die By The Sword 2. Hole In The Head 3. The Rise Of Chaos 4. Koolaid 5. No Regrets 6. Analog Man 7. What's Done Is Done 8. Worlds Colliding 9. Carry The Weight 10. Race To Extinction |
SYMPHONIC TERROR 2018 (Live At Wacken 2017) Japan NUCLEAR BLASTGQCS 90656-7 CD CD-1 1. Die By The Sword 2. Restless And Wild 3. Koolaid 4. Pandemic 5. Final Journey 6. Night On Bald Mountain 7. Scherzo 8. Romeo And Juliet 9. Pathetique 10. Fouble Cello Concerto In G-Minor 11. Symphony No. 40 In G Minor CD-2 1. Princess Of The Dawn 2. Stalingrad 3. Dark Side Of My Heart 4. Breaker 5. Shadow Soldiers 6. Dying Breed 7. Fast As A Shark 8. Metal Heart 9. Teutonic Terror 10. Balls To The Wall |
2021年1月にスタジオ録音盤としては16作目となるアルバム『Too Mean To Die』が発売されました。ファーストアルバム発表が1979年1月でしたので既に42年前という事に成ります!ウルフは61歳。 このアルバムではWolf Hoffmannと同様結成時からのオリジナルメンバー、ベースのPeter Baltesのクレジットがありません。(2018年にバンドから抜けた様です)代わりのベーシストにはMartin Motnikがクレジットされています。あと、『The Rise of Chaos』のメンバーにギターでPhilip Shouseが参加。ギターが3本体制と成っています。 収録曲の方ですが、1曲目"Zombie Apocalypse"からいかにもHR/HM歴然としたスピードチューンで、たたみかけるリズムリフが心地よく、先ずは一安心。2曲目はタイトルナンバー"Too Mean to Die"も同タイプのメタルナンバー、'80年代と全く変わらなくエネルギッシュな熱さは若々しい。嬉しくなりますね。 3曲目は"Overnight Sensation"、昔THE SQUAREというフュージョンバンドがヒットさせたインストナンバーだったり、TRFの曲がこのタイトルで浮かびます。"Overnight Success"(Teri Desario)もそうですが、「一夜にして○○」というタイトルの曲はヒット性要素多いですね。 Acceptのこの曲もジャーマン・メタルというよりもアメリカンロックっぽさがあり彼らにしてはPOPな仕上がりですよね、ヒット曲の要素を兼ね備えています。 私的にはBon Joviを思わせました。 "No Ones Master"は昔ながらのAcceptのメタル感を味わえるスピードチューン。続く"The Undertaker"はこちらも昔ながらのAcceptのもう一方のサウンド、重たいサウンドリフに絡む分厚い男性コーラスで聴き手を引き寄せるナンバーです。6曲目"Sucks to Be You"、これといった聴きどころはなくまずまずの平凡な曲でした。 "Symphony of Pain"は「Oh can't you listen,to my symphony of pain」と哲学的な詩ながら、サウンドはスピーディなリフに乗った切れの良いナンバーで、後半のギターソロがいかにもウルフらしいソロで締めくくります。ベートーベンの"第九"、"第五"のメロを奏でてきました。 "The Best Is Yet to Come"はじっくりと聴かせるタイプのナンバー、BGM風に流れているのを聴くのは良いのですが、聴き入るというほど入り込むには程遠い感じでしょうか。 続く"How Do We Sleep"も平均的なごく普通のナンバーです。 10曲目"Not My Problem"では盛り返して切れの良いメタル・チューンに仕上がっています。 ラストの"Samson and Delilah"はカミーユ・サン=サーンスのオペラ楽曲"サムソンとデライラ"の「バッカナール」をロック調に編曲したインストナンバー、有名な曲ですが途中にドボルザークの"九番「新世界より」第4楽章"の頭を紛れ込ませる粋な計らいのウルフでした。 久しぶりのACCEPT、充分良かったですね。来日公演も予定されて居ましたが、コロナウィルス感染症拡大のために終息時まで延期されています。 それにしても海外の人は蛇が好きなのでしょうか?カバージャケットに時々登場しますね。白い蛇はカヴァーディルで見慣れていますが、この緑色の蛇のジャケットカバー、私はユーライア・ヒープの『Innocent Victim(罪なきいけにえ)』を思い浮かべてしまいました。ヒープの方は滑稽なイラストでしたがACCEPTのこちらは怖いですね。 2024年、2月初めの段階で4月下旬には新作が出ると発表されていた『HUMANOID』が4月26日に出ました(国内外同時発売の様です)。2022年頃から急に為替レートの動きが激しくなり、現在$1が\150を超えるまでに成っています。CD販売店も洋盤を輸入しにくく成っているのでしょうか、各店舗予約販売の中に洋盤が少なく成っおり更に高く成っています。バブル期末期頃だったか$1レートが\90前後だった頃が懐かしいです。 この新作の録音メンバーは前作からPhilip Shouse が抜けて宣材写真も5人に成っています。クレジットはWolf Hoffmann(lg)、Mark Tornillo(vo)、Uwe Lulis(rg)、Martin Motnik(b)、Christopher Williams(ds)。(ただ、Philip Shouseはメンバーの一員のままの様です) トップの "Diving Into Sin" は一応HMサウンドですが、全盛期の様な重量感やキレを期待してしまうと物足りなさを感じてしまいます。タイトル曲 "Humanoid" も詞の内容は訴える物が有るのでしょうが出てくるサウンド主体で聴き込むとやはり物足りなさを感じてしまいます。"Frankenstein" う〜んコレもいまいち。"Man Up" はHM/HRナンバーとは云い難いかもしれませんが曲としては魅力ある曲だと感じました。"The Reckoning" はバッキングのリフが特徴的な曲でアクセプトらしさは無い様すがソコソコ印象的な感じはあります。"Nobody Gets Out Alive" はメロディアスなHard-Pop的要素な曲、わたしのサイト記述ミュージシャンで似たような曲を書くのはマイケル・ヴォスに当てはまります。マーク・トニーロの声質はマイケル・ヴォスの様な甘さは無く若干しゃがれた声質なのでポップになり過ぎずメタルバンドらしさは残しています、曲自体は好きです。"Ravages Of Time" はそのマーク・トニーロの声を生かしたバラード系ナンバー。"Unbreakable" は "Diving Into Sin" に代わってこちらをトップ曲にした方が良かったにと思えてしまう程に本来のアクセプト・ナンバーに適した曲です、「こうでなくっちゃ」と思える曲です。"Mind Games"、(タイトルがジョン・レノンを思い浮かべてしまいますが)"Straight Up Jack" の二曲は当にジャーマン・ロックらしいナンバーで、"Unbreakable" に続けて聴くと往年のアクセプトを思い起こさせてくれました。ラストの"Southside Of Hell" もそこそこのスピード・チューンですが、アクセプトらしさは感じませんでした。アルバム前半がもひとつな感でしたが後半部分で持ち直した作品でした。 |
||
TOO MEAN TO DIE 2021 Germany NUCLEAR BLAST 27361 55412 CD 1. Zombie Apocalypse 2. Too Mean To Die 3. Overnight Sensation 4. No Ones Master 5. The Undertaker 6. Sucks To Be You 7. Symphony Of Pain 8. The Best Is Yet To Come 9. How Do We Sleep 10. Not My Problem 11. Samson And Delilah |
HUMANOID 2024 Japan Ward Records GQCS-91457 CD 1. Diving Into Sin 2. Humanoid 3. Frankenstein 4. Man Up 5. The Reckoning 6. Nobody Gets Out Alive 7. Ravages Of Time 8. Unbreakable 9. Mind Games 10. Straight Up Jack 11. Southside Of Hell |
© Photos of cover are copyright works by each art-designers. Text by Mie |